[1528] expressionでラクラク

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1528    2004/05/26.Wed.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18751部
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     <今回はAdobe AfterEffectsで手抜きをします>

■クリエイター手抜きプロジェクト Adobe AfterEffects 6.0編
 expressionでラクラク その1
 expressionでラクラク その2
 古籏一浩

■展覧会案内
 水谷章人作品展「スターの肖像」
 写真家 掛川源一郎の20世紀
 内藤忠行展「ZEBRA ON THE CORNER」
 


■クリエーター手抜きプロジェクト Adobe AfterEffects 6.0編 
expressionでラクラク その1

古籏一浩
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今回はAdobe AfterEffectsで手抜きをします。AfterEffectsは映像合成ソフト
であり、手作業でレイヤー(映像や画像)の位置を設定しエフェクトを指定す
るといった感じになります。気に入るまで(?)、変更がある度に手作業で行
なってました、AfterEffects 4.1までは。

5.0になって手作業では面倒な動き、例えば波打つように動かす、左右に反復
運動する、ランダムに点滅するなど機械的な動きがexpression(エクスプレッ
ション)で簡単にできるようになりました。expressionはバージョンを重ねる
たびに少しずつ改良されてきています。今回はバージョン6.0で利用できる役
立つかもしれない(?)expressionについて説明します。ちなみにexpression
の文法はJavaScriptと同じです。関数なども定義できますので、Webで使った
JavaScriptのノウハウが多少活かせるかもしれません。

●expressionの指定方法

expressionを利用するにはexpressionを使いたいレイヤーのプロパティ(エフ
ェクトプロパティでもOK)を選択してからメニューから「アニメーション」→
「エクスプレッションを追加」を選択します。するとプロパティの部分に
expressionが入力できるようになります。

Mac版の場合はreturnキーで改行しenterキーで決定になります。この時に入力
ミスや間違いがあるとエラーが表示されます。再度入力しなおすか、とりあえ
ず無視する(無効になる)ことができます。

●永久に回転し続ける

永久にレイヤーを回転させてみましょう。これは回転の部分に以下の一行を書
きます。

time;

1行であればセミコロンは不要ですが、後々のため記述するようにすると良い
でしょう。実際に再生してみると、レイヤーが緩やかに右に回転します。左回
転させるには以下のように先頭にマイナスを指定します。

-time;

しかし、どちらも非常にゆっくりと回転していて期待どおりの回転速度ではな
いかもしれません。そんな場合は以下のように*を使って乗算します。

time * 10;

これで先ほどの10倍速で回転します。ちなみに、このtimeは現在の再生時間が
入っているexpression独自のプロパティです。1秒であれば1、10秒であれば10
が入ります。0.5秒なら0.5です。動きのある表現のほとんどは、このtimeプロ
パティを使って表現します。

手作業でやるよりも簡単ですね。特にコンポジションの長さが変わったり変更
が多い場合に威力を発揮します。

●ランダムに点滅させる

手作業では面倒すぎるのがランダムな点滅です。expressionには、たくさんの
ランダム関数が用意されているので、非常に簡単にできてしまいます。不透明
度の部分に以下のように書くと、50%~100%の範囲でランダムに値が設定さ
れます。

random(50, 100);

50%~100%でなく、0%か100%でランダムに点滅させたい場合には以下のよ
うに書きます。

Math.floor(random(2)) * 100;

Math.floor()は小数点以下を切り捨てる命令です。ランダムな値は0以上2未満
なので切り捨てることで0か1になります。あとは100倍すれば0か100になりま
す。0%か50%にしたい場合には50を乗算すればOKです。

●ゆっくり点滅させる

チカチカ点滅させるのではなく、ゆっくり点滅させることもできます。この場
合は三角関数を使います。以下のようにすると時間に応じて、レイヤーがゆっ
くり点滅します。

Math.sin(time*2) * 100;

もっと早く点滅させたいならtime * 2をtime * 4のように値を変えます。100
は最大不透明度です。他にも以下のように書くと警告ランプが点滅しているよ
うな感じになります。

Math.abs(Math.sin(time*6)) * 100;

もっと単純に1秒ごとに点滅させるならば以下のように書きます。

(time & 1) * 100;

●上下にゆっくりと揺動させる

回転や不透明度だけでなく位置を変更することもできます。ただし、位置の場
合には三次元レイヤーの場合と通常の二次元レイヤーの場合で書き方が変わっ
てきます。今回は通常の二次元レイヤーとして説明します。二次元レイヤーだ
とX座標とY座標の二つがペアになっており、position配列の最初がX座標、次
がY座標になっています。座標を設定する場合にも配列で返す必要があり
[X座標 , Y座標]のように指定します。

以下のサンプルはレイヤーを上下に揺動させるものです。ゆっくり点滅させる
項で説明した命令と、ほとんど一緒です。

x = position[0];
y = Math.sin(time * 4) * 50 + 60;
[x,y];

こういう動きは手作業では難関です。左右に揺動させる場合には以下のように
なります。

x = Math.sin(time * 4) * 50 + 80;y = position[1];[x,y];

+60、+80は揺らす中央の基準座標です。これだとコンポジションのサイズが変
わってしまうと、その度に変更しないといけません。が、ちゃんとコンポジシ
ョンの横幅などを取得することもできます。

と長くなってしまったので、今回はここまでです。次回は、もっと応用できる
レイヤーの長さに応じてフェードイン、フェードアウトさせるexpressionなど
を紹介します。

【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp
      http://www.openspc2.org/
expressionは使いこなせば便利ですけど、結局は数式だしプログラマブルなの
でとっつきにくいかもしれません。expressionのライブラリでも作っておいて
再利用するといいかも。ライブラリでもリンクして、メニューで選択すると自
動的にexpressionが設定される、という方が使いやすい気はします。(一応エ
フェクトメニューにエクスプレッション制御というのはありますけど)

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■クリエイター手抜きプロジェクト AfterEffects 6.0編
expressionでラクラク その2

古籏一浩
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今回は、もっと使える(?)expression(エクスプレッション)について説明
します。各命令の書式に関してはマニュアルを参照するかオンラインヘルプを
参照してください。

●フェードイン/フェードアウト

フェードインは不透明度にtime * 100;とでも書いておけばできあがりですが、
これ以外にイーズ命令(イーズイン、イーズアウト)を使って書く事もできま
す。以下のようになります。

ease(time,inPoint,inPoint+1,0,100);

inPointはレイヤーの開始時間(秒)になります。inPoint+1は1秒後にという
意味で+5とすると5秒かけてフェードインします。0,100の0が最初の値、100が
最後の値になります。easeIn(), easeOut()の場合は以下のようになります。

easeIn(time,inPoint,inPoint+1,0,100);
easeOut(time,inPoint,inPoint+1,0,100);

フェードインでなくフェードアウトの場合はinPointの代わりにoutPointを指
定します。

ease(time,outPoint-1,outPoint,100,0);
easeIn(time,outPoint-1,outPoint,100,0);
easeOut(time,outPoint-1,outPoint,100,0);

まあ、フェードイン/フェードアウトくらいは手作業でやっても負担はかかり
ません。しかし、フェードさせるレイヤーの長さが変更されたりした場合には
大変です。さらに、そのようなレイヤーの枚数が多くなると修正するのにも一
苦労です。そんな時には以下のような自動フェードイン/フェードアウトの
expressionが役に立ちます。

fTime = 2;
if (time >= outPoint-fTime) ease(time,outPoint-fTime,outPoint,100,0);
else ease(time,inPoint,inPoint+fTime,0,100);

これはレイヤーの長さを自動的に判別し前後2秒でフェードイン/フェードア
ウトさせるものです。fTime = 2の秒数を変えると任意の時間でフェードイン
/フェードアウトさせることができます。fTime=0.5なら0.5秒でフェードイン
/フェードアウトです。

●レイヤーを移動させる

レイヤーを永久に左から右へ移動させ、右端までいったら再度左から出るよう
にします。トンネルの中のライトの表現や車窓などから見える景色の移動処理
に便利です。

x = (time * 200) % (thisComp.width+width) - width/2;
y = thisComp.height / 2;
[x,y];

thisComp.widthはレイヤーがあるコンポジションの横幅を示します。
thisComp.heightはコンポジションの縦幅です。

左から右でなく、右から左へ移動させるには以下のようになります。コンポジ
ションの横幅からX座標を減算するだけです。

x = (time * 200) % (thisComp.width+width) - width/2;
y = thisComp.height / 2;
[thisComp.width - x,y];

●地震(振動)を表現する

expressionにはランダム関数がたくさんあるので、地震発生時の地面揺れの表
現や、巨大メカや怪獣などが歩く場合の震動などは簡単に表現できそうです。
が、実際にはランダムなので自分が意図した震動にはなりません。このような
場合は震動させた場合の座標を配列に入れておき、時間に応じて配列内の値を
取り出すようにします。このようにすると配列で指定した座標だけをいじれば
良いので修正も簡単です。

x = 80;
y = [60,55,56,57,65,60,62,55,60,60,60,60,60,60,62,60,64,58,55,60,50,60
,60,60,60];
n = Math.floor((time * 10)) % y.length;
[x, y[n]];

y = [~]となっている部分が配列で、震動させるレイヤーの表示Y座標になっ
てます。

工夫次第でexpressionは非常に有益なものになります。特に汎用的なものを一
度作ってしまえば、それをずっと使い回すことができます。expressionパレッ
トでも用意されていれば、ドラッグドロップで簡単にできるんじゃないかと思
いますが、とりあえずexpressionを使えば手抜きができる事があるはずです。

【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp
      http://www.openspc2.org/
AfterEffects 6.0からはJavaScriptも搭載されていてAfterEffectsを、いくら
か制御することができます。6.5では、さらにいろいろ機能が強化されエクセ
ルデータを読み込んで座標値にしたりすることができそうです(多分)。

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■展覧会案内
水谷章人作品展「スターの肖像」
<http://www.jcii-cameramuseum.jp/p-events/20040525.htm>
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会期:5月25日(火)~6月27日(日)10:00~17:00 月休
会場:JCIIフォトサロン(東京都千代田区一番町25 JCIIビル TEL.03-3261-
0300)
内容:長嶋茂雄、王貞治、イチロー、高橋尚子、辰吉丈一郎、荻原健司、谷
(旧姓:田村)亮子、釜本邦茂、中田英寿、伊達公子、タイガー・ウッズ、カ
ール・ルイス、マイケル・ジョンソン、マイク・タイソン、カタリナ・ビット、
イアン・ソープなど、スポーツ界のスーパースターたち約80人の一瞬を捉えた
作品約80点(全作品モノクロ)を展示する。入場無料。展示作品を収めた図録
を販売する。

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■展覧会案内
写真家 掛川源一郎の20世紀
<http://www5.ocn.ne.jp/%7Ehbungaku/gyouji/kikakuten.html>
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会期:4月24日(土)~6月20日(日)9:30~17:00 月休
会場:北海道立文学館(札幌市中央区中島公園1番4号 TEL.011-511-7655)
内容:北海道の戦後をおもに撮りつづけてきた写真家、掛川源一郎氏(1913~)
の写業を紹介。4月17日発売の写真集「gen 掛川源一郎の見た戦後北海道」に
掲載された137点に、本展のためにプリントした20点を加えた157点で構成され
ている。
観覧料:一般700円、高大生450円、小中生250円
・リレートーク 写真家掛川源一郎のしごとをめぐって
講師:吉田ルイ子(写真家)大日方欣一(写真史研究)
日時:6月6日(日)15:00~17:00
会場:同館講堂
定員:80名<聴講無料>
申込み法:電話、又は直接来館して申し込み。
主催:北海道新聞社、掛川源一郎写真展・出版委員会

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■展覧会案内
内藤忠行展「ZEBRA ON THE CORNER」
<http://www.laforet.ne.jp/lapnetship/>
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会期:5月26日(水)~6月6日(日)11:00~21:00 
会場:LAPNET SHIP+CLUB(東京都渋谷区神宮前1-8-10 TEL.03-5411-3330)
内容:マイルス・ディビスの「枯葉」を聴き、その表現のカッコよさに憧れ、
スピリチュアルでモダンなバイブレーションを映像化したくなり、ジャズと写
真の本質と精神を学びだす、という内藤忠行氏が視覚と聴覚の融合を実現させ
る被写体として選んだのがシマウマである。素朴であるのにモダンな美しさを
備えるしま模様にアフリカの太鼓のリズムを感じたという。1974年から同氏が
縞模様に魅せられを撮り始めたもので、ありのままの姿を撮影した作品から、
しまの部分をグラフィック処理したもの(デジタルによる画像処理は行わず全
て手作業による)まで、リズム感あふれる約50点。1988に発刊した作品集
「ZEBRA」のシリーズを再構築して展示発表するもので、ニュープリントを含
むZEBRA作品展示を中心に、Tシャツなどのファッションアイテム、PM-Xによる
AV空間などを立体的に展示する。入場無料。
・内藤忠行オフィシャルサイト
http://www.p-om.net/index.html

<応募受付中のプレゼント>
『FLASHトレーニングブック MX/MX2004対応』
 以上デジクリ#1526号。締切は6月1日(火)14時。
『おしえて!! FLASH MX 2004』
 以上 デジクリ#1525号。締切は5月28日(金)14時。

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■編集後記(5/26)
・また屑メールが多くなった。今朝はいつもの倍の着信があったが、ほとんど
がゴミ箱直行だ。出会い系からは、友達を装うような、しかしみえみえの件名
でやってくる。もう少し頭使ってくれ。あとは英文と中文のわけのわからんや
つ。ずいぶん捨てたが、まだ未読がたくさんある。どこにあるのか探したら、
送信日時順の下のほうに01.5.27付けで200通以上ある。すべて添付マーク付き
だ。昨日からこういう状況になった。なんだ、これは。不愉快というか、いや
~なかんじだ。文句を言いつつ削除を続けていると「美少女です」という件名、
またかい、捨てようと思って差出人をいちおう確認したらデスクからだった。
横浜で開催した「Virtual Beauty EXPO 2004」を大阪でもやろうと、作品パネ
ルを大阪事務所に送りつけたので、デスクがひまをみて(ホントはひまはない
ようだ)作品の状態をチェックしてくれているのだ。そのレポートだった。捨
てないでよかった。しかし、「美少女です」か。絶対間違うヤン。(柴田)

・調べモノをしていて見つけたサイト4つ。セミナー検索の「セミナーナビ」、
通販カタログ閲覧「ミントモール」、販促に「e-販促」。昨日の後記でフライ
ングの「オークション落札相場」/「価格コム」より面白いかもよの「ベスト
プライス」もね。/あ、セミナーの受付には「受付太郎」!(hammer.mule)
http://www.seminar-navi.jp/  セミナーナビ
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http://www.e-hansoku.com/  e-販促.com
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http://www.bestprice.ne.jp/  ベストプライス
http://www.uketsuke.jp/  受付太郎

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