[1591] 夏は知っている

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1591    2004/09/03.Fri.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18303部
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          <it's time to dress for fall>

■映画と夜と音楽と…(225)
 夏は知っている
 十河 進

■セミナー案内
 PDF/X Conference 2004
 TNG セミナー「PDF/X-1aによる活用事例セミナー」

■公募案内
 エプソン カラーイメージングコンテスト 2004
 エスクァイア デジタル写真賞「Esquire Digital Photograph Awards」



■映画と夜と音楽と…(225) 
夏は知っている

十河 進
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●おもいでの夏

夏の終わりは、いつも悲しい。おそらく、子供の頃、夏休みの終わりに感じた
切なさやもの悲しさを思い出すからだろう。時は過ぎ、すべてのものに終わり
はくる。そんな風に悟るのは、ずっとずっと歳をとってからのこと。夏休みが
終わるなんて、少年の頃の僕には理不尽だった。夏は永遠に続いてほしかった。

だから、今でも夏の終わりが嫌いだ。去りゆく夏と共に訪れる何とも言えない
悲哀感が嫌いである。夏の終わりを惜しみ、悲しみ、泣きたい気持ちになる。
寂寥感に襲われる。だが、一方でそんなセンチメンタルな気分に浸る心地よさ
も味わっている。晩夏は挽歌のように悲しみの中に甘美な陶酔を秘めている。

一方、夏の始まりは期待に充ちた新しい何かが始まる季節だった。自由な時間
があり、そこにはいつも無限の可能性が感じられた。田舎の祖父の家で出会っ
た村の少年、海辺のキャンプ場で出会った少女、そんな具体的な存在はもちろ
んだが、漠然とした何かと出会った記憶が鮮明に甦る。

だが、夏は短い。どんなものにも終わりがあるのだという現実を知っていても、
夏の終わりにはそのことを強く思い知らされる。過ぎゆく時間は取り戻せない。
僕の人生には50回以上の夏が過ぎていった。その中に繰り返し思い出す夏もい
くつかある。そんな夏を回想するたび、僕には「おもいでの夏」という曲が聴
こえてくる。

ミッシェル・ルグランが「'42年の夏」という抒情的な映画のために作った曲
である。日本では「おもいでの夏」として公開されたが、テーマ曲は「THE
SUMMER KNOWS」のタイトルで知られる。アカデミー作曲賞を受賞し、多くのミ
ュージシャンが演奏している。ジャズメンたちにも愛され、僕のCDデータベー
スを調べると18枚がヒットした。

フリューゲルフォーンで切々と演奏するのはアート・ファーマー、アルトサッ
クスで流れるように吹きまくるのはフィル・ウッズ、硬質なタッチでありなが
らリリシズム豊かなピアノを聴かせてくれるのはビル・エバンス、ミッシェル・
ルグラン自身がピアノを弾いたものもある。切々と歌うのはローラ・フィジィ、
ドスの利いた低音で歌い上げるのはケイコ・リーだ。

  One last caress, it's time to dress for fall
  最後の抱擁を終えたら、秋の服を身につけるとき

夏の終わりを迎えると、僕は言い聞かせるように「it's time to dress for
fall」と口にする。そうすれば、夏は完全に過去になる。夏の想いを引きずら
ないための僕の呪文である。

●9回目の夏

僕にとって最初の忘れられない夏の出来事は、八歳の時に起こった。僕は小学
校の三年生で、引っ込み思案の甘えん坊だった。そんな乳離れのしない息子を
案じた両親は、ひと夏を山奥の祖父の家で過ごさせるという荒療治を施す決意
をした。

祖父の家はバスを降りて山道を30分以上歩かないといき着かないほどの山奥だ
った。さすがに母親はひとりでいかせるのを心配し、僕を伴って祖父の家に赴
き一泊だけして帰っていった。

母が帰った日の夜、僕はべそをかいた。完全なホームシックだった。山の端に
夕陽が沈んでしまうと夜になった。その途端、僕は心細くなり不安に襲われた。
家が恋しかった。

その頃の祖父は何度目かの再婚をしていた。再婚相手には連れ子がいた。恵子
という名で、ケイちゃんと呼ばれていた。ケイちゃんは六年生で大人びていた。
血のつながりはないが、形式上は僕の叔母だった。姉妹がいなかった僕は、ケ
イちゃんに初めて紹介された時に姉のような憧れを抱いた。

ケイちゃんが山の小学校へ移ってきたのは、一年前のことだ。町の学校へ通っ
ていたケイちゃんは山の子供たちから見ると眩しい存在だったらしい。美少女
だったケイちゃんに憧れていた少年たちも多かったと思うが、それが逆に幼い
反発という態度になって現れるのは今の僕にはよくわかる。

家が恋しくて泣いた翌朝、僕が腫れた瞼で目覚めるとケイちゃんがやってきた。
――川へ泳ぎにいくよ、とケイちゃんは言った。
――あんまり泳げんけん、川はおとろし、と僕は尻込みした。

それでもケイちゃんに促され川に着くと、ひとりの少年が手製の銛を持ち水中
メガネで川底を覗いていた。ケイちゃんはその少年を無視して水着になり泳ぎ
始めた。今から思えば、少年の動きもぎこちなくなったのかもしれない。最初、
僕はふたりが知り合いだとは思わなかった。

その時だった。僕は岩場で足をすべらせたのだ。その拍子に肘を強く打ち、そ
のまま水中に落ちた。足が立たなかった。一度、深く沈み、顔が浮き上がった
が、もがけばもがくほど痛みが広がり再び沈んだ。息をしようと大きく口を開
いた途端に水を飲んだ。

ケイちゃんの手が打った方の肘をつかみ、痛みに悲鳴をあげた。その時、もう
ひとりの手がのびてきた。僕はふたりの手で河原に引き上げられた。「誰や、
この子」と少年が言い、「私の甥」とケイちゃんが答えるのが聞こえた。「お
まえ、叔母さんか」と少年の声にからかいの響きが混じった。

――ほおっといて! とケイちゃんが怒った声をあげた。

その時のことを鮮明に覚えているのは、ケイちゃんと少年とのやりとりの中に
ある何かに僕が敏感に反応したからだと思う。ふたりは反発しあうようだった
が、単にそれだけではなかった。もしかしたら、僕は姉を取られるような嫉妬
を感じていたのかもしれない。

それからずいぶん経って「恋」という映画を見た時、鮮やかに甦ってきたのが、
あの夏の河原の出来事だった。

●少年に訣別する夏

「恋」の音楽もミッシェル・ルグランが担当した。しかし「シェルブールの雨
傘」や「風のささやき」や「おもいでの夏」ほど主題曲は有名ではない。ルグ
ランのCDでもあまり演奏されない。それは「夏は知っている」などとは違い、
重く不気味なイメージを感じさせるからだろう。不安感さえ掻き立てる。

「恋」は1971年にカンヌ映画祭でグランプリを獲得した。原題は「The Go-
Between」という。「とりもち」という意味らしい。監督は赤狩りでハリウッ
ドを追われ、ヨーロッパでしか映画を撮れなくなったジョセフ・ロージーであ
る。ジュリー・クリスティーとアラン・ベイツが恋人たちを演じた。

「恋」は「おもいでの夏」と同じように中年男の回想から始まる。だが、それ
はとても苦い想い出だ。彼は12歳の時、寄宿学校で一緒の友人の家でひと夏を
過ごさないかと誘われる。彼には母親しかおらず、貧しく夏服の着替えさえま
まならないが、友人の招きに応じる。

友人の家は大きな屋敷で、広大な土地を持つ大金持ちである。彼は友人とふた
りで少年らしく遊び回る。しかし、次第に上流階級の人々の欺瞞にも気付いて
いく。貧しくて夏服を持っていない彼を人々はからかい、彼は深く傷つく。そ
んな彼を救ってくれたのが友人の姉だ。

彼女は主人公を連れて夏服を買いにいく。その時からずっと年上の美しい彼女
に彼は強い憧れを抱く。だから、彼女に頼まれたことを忠実に守ろうとする。
彼女が「絶対に秘密だ」と言えば、誰にも喋らない。だが、そのことが次第に
彼を苦しめ、追いつめていく。

彼は、ある日、友人の家族たちと一緒に一家が所有する土地にある川に泳ぎに
いき、ひとりの小作人と出会う。男臭さを発散する小作人を友人の姉はことさ
ら無視し、上流社会の貴婦人らしく身分違いを思い知らそうとする態度さえ見
せる。

だが、彼は知っている。彼は友人の姉から小作人への手紙を頼まれ、何度もと
りもちをする。彼は小作人のところで話をし、納屋で遊んでいる時の方が上流
階級の人々といるより気楽で好きだったのだが、次第にふたりの秘密の重さに
耐えられず「もう手紙は預からない」と宣言する。

だが、悲劇が訪れる。友人の母親に追及され小作人の納屋に母親を案内した彼
は、そこで大人の恋が現実にどのようなことを行うのかを目撃する。身分違い
の恋に落ちた男が、その当時の社会でどんな決着をつけなければならないか、
彼は12歳で思い知らされる。

その夏、彼は人生の苦さを知り、社会の欺瞞を学び、男と女の抑えようのない
情熱が生む悲劇を目撃する。別れの悲しみを味わい、悔恨が疼かせる痛みを覚
える。だから、夏が過ぎ秋の服を身につけるとき、少年はもう数カ月前のよう
な牧歌的で無邪気な世界には戻れない。

誰にも、そんな夏があったのではないだろうか。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
みなみらんぼうの「少年の夏」という曲が好きで、時々、夜、車を走らせなが
ら聴く。今回の話もそれを聴きながら書きたかったけれど、テープは車でしか
かからない。運転しながら構想を練ったことはある。しかし、まさか原稿は書
けません。

デジクリ掲載の旧作が毎週金曜日に更新されています
http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html

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■セミナー案内
PDF/X Conference 2004
<http://www.pdfconf.gr.jp>
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PDF Conference実行委員会主催で開催される「PDF/X Conference 2004」の内
容の発表と申込み受付を開始した。PDF/Xに特化したイベントとしては日本初
のConferenceとなる。下記URLより案内パンフレットがダウンロードできる。
http://www.bitcafe.net/

名称:PDF/X Conference 2004
会期:2004年10月21日(木) 13時15分から17時
会場:ゲートシティ大崎 ゲートシティホール・ルーム
内容:
第1部(13:15~13:45)
「PDF/X」の規格とその今後
 ISO/TC130 国内委員会・松木 眞(株式会社エヌ・ティ・ティ・クオリス)
第2部(13:45~15:15)
発注側から見たPDF/Xワークフロー導入のメリットと課題
 アベイズム株式会社 IPセンター所長・佐々木陽介
 株式会社扶桑社 宣伝部 部長・西田圭介
 日経BP社 編集委員室主任編集委員・林 伸夫
第3部(15:30~17:00)
印刷受注においてPDF/Xは敵か? 味方か?
 株式会社廣済堂 東京事業部プリプレスセンター業務部次長・石田 豪
 株式会社ニシカワ システム開発グループ・兼田克史
 TNGプロジェクト(アドビ システムズ株式会社、大日本スクリーン製造株式
 会社)
対象者:印刷発注者、印刷会社、制作会社その他印刷関連全般
受講料:1名あたり5,250円(税込)
主催:PDF Conference実行委員会
後援:アドビ システムズ株式会社
協賛:ISO/TC130(印刷技術)国内委員会(JWG2)
問合先/ PDF/X Conference 2004事務局(株式会社ビッグビート)
〒102-0083 東京都千代田区麹町5-3-3 麹町KSスクエア8F
TEL.03-3222-8975 FAX.03-3222-8883
E-mail:pdf@bigbeat.co.jp

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■セミナー案内
TNG セミナー「PDF/X-1aによる活用事例セミナー」
<http://www.tng-project.jp/seminar/index.html>
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TNG Projectでは、Mac OS XによるOpenTypeやカラーマネージメントをPDFベー
スで運用するよりオープンで標準的なPDF/X-1aによるワークフローの導入を推
進しています。このセミナーでは、広告制作会社、印刷会社といったそれぞれ
の立場から新世代ワークフローの取組みの経緯とPDF/X-1aがもたらすさまざま
なメリットの紹介をおこないます。

日時:9月24日(金)13:00~16:00 
場所:大崎ゲートシティホール(東京都品川区大崎1-11-1 TEL.03-5496-5311
13:00 開場
13:30 新世代DTPワークフローのメリット
    株式会社電通テック 槌屋匡人
    アップルコンピュータ株式会社・山崎茂樹
14:00 カタログ制作におけるXML組版とPDF/X印刷入稿
    株式会社リョーイン 北村祐輝
    アドビ システムズ 株式会社・森脇明夫
14:30 品質管理の観点からのノウハウとPDF/X-1a入稿
    株式会社デジタル・アド・サービス 松田孝・島崎章
    株式会社ミスミ 横山和実
    大日本スクリーン製造株式会社 高田敏和
15:00 新世代、混在環境でのPDF/X-1aを入稿するための実践ノウハウ
    株式会社モリサワ 酒井大倫
16:00 終了
    
予約制/参加費無料
定員:450名(セミナー形式)
申込受付:Web上からのみ受付。定員に達し次第受付を終了。

●TNG Webサイト ユーザー事例コーナーを新設
<http://www.tng-project.jp/instance/index.html>
TNG Projectのモデルユーザとして、いち早く新世代DTPワークフロー導入に
踏み切ったデザイン制作会社の株式会社トリム。ここでは、同社が最先端のワ
ークフローを構築し、大幅な省力化が可能となり制作費を50%も削減した仕事
術とその投資対効果について紹介しています。

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■公募案内
エプソン カラーイメージングコンテスト 2004 締切は9月25日
<http://www.epson.co.jp/osirase/2004/040512.htm>
<http://www.epson.co.jp/contest/>
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セイコーエプソンは、デジタル出力された写真やグラフィック作品を対象とし
たコンテスト「エプソン カラーイメージング コンテスト 2004」を開催、9月
25日まで作品を募集する。昨年は45,668点(前年度比約1.5倍)という過去最
高の応募点数を集め、国内最大のデジタルプリントコンテストとなった。今年
は、従来からの「エプソン カラーイメージング コンテスト2004」及び「ファ
ミリースナップアワード」に加え、昨年特別企画として実施した「ネイチャー
フォトアワード」の部門を増やし「ネイチャー&ヒューマンライフ フォトア
ワード」として新設した。また、各アワードにおいても賞を増やし計347の作
品(昨年比25%増)を表彰対象とする。
応募方法:詳しい応募要項は同社ホームページで確認。
応募締切:9月25日(土)当日消印有効
表彰式・作品展:表彰式を、2004年12月3日(金)に東京・南青山のスパイラ
ルホールにて開催。併せて上位受賞作品を紹介する作品展をスパイラルガーデ
ンで実施する予定である。

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■イベント案内
エスクァイア デジタル写真賞「Esquire Digital Photograph Awards」
<http://www.esquire-dpgp.com/>
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企画趣旨:テーマは原点に立ち返り「Esquire」創刊時からのキーワードであ
る「Art of Living」とし、本誌に強くインスパイアされた作品を募集する。
今回は賞金100万円の最優秀作品賞に加え「ヒューマンライフ部門(人物)」
「ネイチャー&アーバン部門(風景)」「スティルライフ部門(モノ)」「デ
ジタルグラフィックス部門(加工作品)」という4部門を設定。またウェブサ
イトから投票する「読者賞」も予定。専用ウェブサイトによるオンライン応募
システムは参加費無料、24時間受付。ウェブサイト上のギャラリーページにて
全ての応募作品は展示される。
募集期間:9月1日~11月30日
主催:株式会社エスクァイア マガジン ジャパン
TEL.03-5465-1985 FAX.03-5465-1986

<関連イベント>
●エスクァイア日本版プレゼンツ Photographer's Talk
─デジタル写真の名作とは何か。─
<http://www.esquire-dpgp.com/ja/event/index.html>
・9月15日(水)11:00~12:30
東京ビジュアルアーツ 四番町校舎(参加希望者は 03-3221-0206 東京ビジュ
アルアーツまで)
・9月24日(金)17:00~18:30
ビジュアルアーツ専門学校大阪 アーツホール アーツホール(参加希望者はエ
スクァイア日本版 デジタル写真賞事務局まで info@esquire-dpgp.com)
・9月29日(水)19:00~20:30
写真の学校/東京写真学園(参加希望者は 03-3400-4747 東京写真学園まで)
・10月12日(火)19:00~20:30
デジハリ東京本校(参加希望者は0120-386-810 デジハリ東京本校まで)
10月13日(水)17:30~19:00
バンタンデザイン研究所・バンタンビジュアル研究所=内部イベントのため一
般参加は出来ない
・講師
柳谷杞一郎(9月15日、24日、29日、12日)
写真家、編集者。松濤スタジオ代表取締役。エスクァイア日本版デジタル写真
賞'04-'05スーパーバイザー
亀村文彦(10月12日、13日)
写真家。2003年度前期エスクァイア日本版デジタル写真賞グランプリ、2003年
Net展デジタルフォース・フォトコンテスト1st最優秀賞


<応募受付中のプレゼント>
 35mmカメラでは満足できない! そんな人のための
 『中判645カメラ 完全攻略マニュアル』姉妹誌「写真を楽しむ生活」448号
 (9/8締切)

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■編集後記(9/3)
・本日の情報にもあるように、PDF/X関連のセミナーが続く。今年の前半は、
わたしもこの新しいワークフローに興味津々で、DTP導入初期のようなわくわ
くした気分だったが、いまはだいぶ沈静化している。まだ導入事例が少ないの
で、いつも同じような話に退屈してしまったことや、実際にそのデータを受け
取る印刷会社で話を聞いてから、まだ時期尚早なのかな、いや本当にそううま
く運ぶものかなという疑問も出てきたからだ。現状でも100%完璧な入稿デー
タは少なく、印刷会社の現場でなんとか処理したり、またデザイナーまで戻っ
てやり直すということはよくあるようだ。それを、100%完璧ですよ、印刷現
場では手を加えることは一切ありませんよ、後戻りしませんよ、といばって入
ってくる(?)PDF/Xデータが、本当にそうならめでたいが、そうでなかった
らとんでもないことになる。しかも、そういうデータは納期短縮をさらに要求
されるものに決まっている。うっかりミスも致命的なことになる。プリフライ
トだって100%完璧ではなく、抜け落ちる項目もあると聞く。PDF/Xのワークフ
ローは完璧データを流すことによって、さまざまなおいしさを堪能できる仕組
みだ(クライアントが)。いろいろな職能の低下しているいま、そう簡単に導
入できるワークフローなのかなあと感じている。前にも書いたと思うが、笑え
る話。某一流印刷会社が、「当社でもPDF/Xデータを受けます」とデザイナー
に知らせたが、オマケがあって「ネイティブのデータも一緒に入れて下さい」
っての。とはいうものの、お勉強のためにセミナーには参加したい。(柴田)

・毎日ラッキーなことがある。電車の乗り継ぎがうまくいった、ラッキー。は
じめての訪問で、いつもはいないはずの決裁権を持つ人物に会えた、ラッキー。
よくわからないから聞いてみよ~と連絡したら、まわりまわって頭の切れる人
が手配までしてくれた、ラッキー。当日発送は19時までと書かれてある宅急便
配送センターに20時に持ち込み、明日発送だと言われた(言われるのはわかっ
ていた)にもかかわらず、あとで調べると当日発送にまわしてくれていた、ラ
ッキー。手続きしたあと事務所に戻ったら、別件でお詫びの電話が入り問題な
いので、いいですよ~と言って電話を切ったのだが、悪いと思ったのか急いで
送ってくれたらしい。                  (hammer.mule)
http://wfp.or.jp/activities/sfp.html#ac  こわかった

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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