[2080] YouTube革命がはじまった

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<混乱するのはいつも消費者>

■KNNエンパワーメントコラム
 YouTube革命がはじまった
 神田敏晶

■クリエイター手抜きプロジェクト[106]Illustrator CS2編
 画像の右下にファイル名/ファイルパスを表示する
 古籏一浩

■写真展案内
 幕末から明治、そこに生きた人々〜古写真で感じる当時の日本〜
 APA新鋭展2006〜明るい未来〜
 コラージュとフォトモンタージュ展
 篠山紀信「ヴィスコンティの遺香」

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■KNNエンパワーメントコラム
YouTube革命がはじまった

神田敏晶
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KNN神田です。

●オーストラリアではじまった「FREE HUGSキャンペーン」
< http://youtube.com/watch?v=vr3x_RRJdd4
>

これは「FREE HUGS」と書かれたボードを持った人が、「自由のために抱き合おう」という意味でおこなったキャンペーンであり、最初は誰も寄り付かなかったけれど、誰かが「ハグ(抱きあう)しあうことにより、他人相手でもあたたかい気持ちになりあえることの大事さを訴求している。

YouTube展開されるとそれは一気に広まり、海外でも同じ手法で展開されている。韓国やインドネシア、カナダと広まり、日本の渋谷でも毎週土曜日に自主開催されるところにまで普及している。

映像作品というよりも、キャンペーンやデモ活動などにもYouTubeというメディアが有効であることを証明しているようだ。しかも国境がなく、考えに賛同できる人が自由に勝手に始められるところに意味がある。大事なのは「タグ」による関連づけであったりする。

ビデオは、コマの連続したメディアなので、検索しづらいものであったが、このようなネット上のオンデマンド型の視聴においては、検索できるかどうかはとても重要だ。ビデオの内容をテキストで示す「タグ」は、今後ますます重要となるだろう。さらに、もっと詳細な「メタデータ」と呼ばれる、高度なタグであれば、関連するフレーム単位での検索や、製作者や出演者情報などとも連係させることが可能だ。

現在のメディア業界はいわば、「著作権保護」の名のもとに、ユーザーに不便を享受させているにすぎない。YouTubeに自己の権利が伴わない映像を勝手にアップロードすることは違法ではあるが、行過ぎた著作権管理は、視聴できるチャンスさえも奪ってしまい、メディアの価値をさげることに加担してしまうように感じる。

CPRM(Content Protection for Recordable Media) といういわれるコピーガードは、地上波デジタル放送のコピーをコピーワンス録画という、一度だけコピーできるという手法で保護している。しかし、HDMI端子をDVIに変換してPCのハイビジョン対応ディスプレイで視聴しようとしても映らないなど、さまざまな問題を生みだしている(DVDは再生できる)。

さらに、HDMI端子(HDMI:High Definition Multimedia Interface)で接続するのがあたりまえなHD環境も、すでにHDMI仕様1.3が発表され、次世代のHDMI 1.3の機器が登場するまで待たされることなっている。さらに、ビデオカメラではAVC-HD(Advanced Video Codec High Definition)という高圧縮技術のMPEG-4 AVC/H.264方式によるカメラなどが発売となったが、カメラ以外で再生できない製品というような「デジタル機器のジレンマ」に陥っている。

Webが2.0化することによって、OSレベルを超えてコンパチブルな環境を作ったのに対して、家電業界ではさらに混沌(カオス)化するHD(High Definition)環境を構築してしまった。PCは2年サイクルで進化するが、家電は本来10年単位の買い替えサイクルであった。しかし、家電へのデジタルの浸透と深化と共に、家電のサイクルも3〜5年で変化する時代をむかえつつある。混乱するのはいつも消費者である。

同様に、iPodなども音楽の著作権保護上の考えから、複数のiPodで同一PCの音楽を共有できなくされているが、iPod Shuffleのような2台目のiPodを所有する人や、複数のiPodで音楽を共有したい人にとっては不都合な環境をも生みだしている。

家電業界にも大きな変革期がおとずれているが、その前に、ユーザーを不在にした、行過ぎた著作権管理の問題に対しても考えなければならない。

●政府が内部告発やキャンペーンに利用

YouTubeが社会にもたらすバイラル(口コミ)効果の大きさには米国政府も着目しているようだ。米国政府の国家薬物取締政策局(ONDCP:Office of National Drug Control Policy)は麻薬撲滅キャンペーンのためのコマーシャルを作成し、Youtubeに投稿していた。

もちろんターゲットはYouTubeを見ている若者達だ。約3万件のPV(ページヴュー)数があるが、作品の評価はほとんどが一つ星程度と辛口だ。どうにも抽象的で意味がよくわからない作品になっており、インパクトに欠ける。YouTubeに登録さえすれば、多くの若者が視てくれるだろうという甘ささえも感じられる。

YouTubeを使うのであれば、YouTubeに合わせた映像作りも必要だということだ。もし、出来のいいコマーシャルであればどこで放映されていても、その作品を気に入ったユーザーが勝手にYouTubeに転載してくれるからだ。さらにそのパロディがアップされ、オリジナルと共に、バイラルで伝承されつづけるという無限のループが生まれる。

米国の政府機関がYouTubeを利用するのは初めての試みで、どこまでを効果と考えているかはわからない。結果的にどのような反響があり、今後も活用していくのかが気になるところだ。

日本では「バック・トゥ・ザ・フューチャー」などで知られるマイケル・J・フォックスのビデオも物議を醸している。それは、彼が難病治療のためのES細胞研究を支持する民主党候補への応援コマーシャルに出演したからだ。コマーシャルの中では、彼自身もパーキンソン病患者であり、体の震えを抑えることができない状態で訴求しているからだ。

すると、すかさず、共和党支持派(?)からの、反論する映像もYouTubeにアップロードされた。政治のコマーシャルでPR合戦を繰り返す米国の政治であるが、YouTubeであればコストは制作費だけでイデオロギーを主張することができる。また制作費も議員が直接カメラに向かってしゃべり、アップロードすれば限りなくゼロに近いコストでPRすることも可能だろう。

費用をかけただけの効果が出るのはテレビであり、費用をかけても効果が出ないのが、YouTubeの特性だ。YouTubeの価値感は「人に伝えたくなるかどうか」というポイントだけである。特に政治色の強いメッセージであれば、テレビのように空気とともに消え去るのではなく、リンクがリンクを生み、繰り返し視聴されるYouTubeのようなメディアをもっとうまく活用するべきではないだろうか。

公職選挙法でがんじがらめになっている候補者であるが、支持者がYouTubeなどで勝手に支持を表明し、理由を述べたとするとどこまでが違反になるのか? 議論されるべきであろう。日本も2007年の夏の参議院選挙では、動画共有サイトで勝敗が決まるのかもしれない。

半世紀前の1960年、ケネディとニクソンの第一回討論は、テレビで初めて放送された1対1のディベートであった。しかし、これからはYouTubeでn対nのディベートが繰り広げられようとしている。YouTubeはテレビの世界さえも一足先に「民主化」してしまったようだ。

■ビデオ投稿BAR「BarTube」11月1日(水)オープン!

毎週金曜日22:00MXテレビ「BlogTV」出演中 < http://trj.weblogs.jp/blogtv/
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NetSurfin2.0 放送中!デジハリ大学放送部 < http://blog.dhpodcast.com/
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CEO Toshi Kanda mailto:kanda@knn.com
#502 1-4-8 Komaba Meguro Tokyo Japan,153-0041
TEL 090-7889-3604 FAX 020-4622-7170
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Mobile 81-90-7889-3604 Phone81-3-5458-6226

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■クリエイター手抜きプロジェクト[106]Illustrator CS2編
画像の右下にファイル名/ファイルパスを表示する

古籏一浩
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今回は、Illustratorでファイル名を画像の右下に表示するスクリプトです。
このスクリプトは、EPSファイルを開いてファイル名を画像の右下に表示しEPSファイルとして保存します。元のEPSファイルは書き換えられるので、不安ならば元のデータをコピーしておいてください。
多分、Illustrator CSでも動作しますが、Mac版の場合には日本語が含まれるフォルダ名およびファイル名の場合に正しく処理されないことがあります。Windows版は日本語が含まれていても問題ありません。


offsetX = 30; // 30pt
offsetY = 10; // 10pt;
fontSize = 10; // 10pt;
epsFolderObj = Folder.selectDialog("EPSファイルがあるフォルダを選択してください");
if (epsFolderObj)
{
epsFileList = epsFolderObj.getFiles("*.eps");
for (i=0; i< epsFileList.length; i++) {
open(new File(epsFileList[i]));
txt = epsFileList[i].name;
docObj = activeDocument;
w = docObj.width;
h = docObj.height;
layObj = docObj.layers.add();
txtObj = layObj.textFrames.add();
txtObj.contents = txt;
for (j=0; j< txtObj.contents.length; j++)
{
txtObj.characters[j].size = fontSize;
}
para = txtObj.paragraphs[0].paragraphAttributes;
para.justification = Justification.RIGHT;
txtObj.translate(w-offsetX, offsetY);
activeDocument.close(SaveOptions.SAVECHANGES);
}
}


ファイル名でなくファイルパスを入れたい場合には

txt = psdFileList[i].name;



txt = psdFileList[i].fsName;

に変更します。また、表示位置を変更するには以下の2行の値を設定します。
Photoshopと違って指定できる単位はピクセルのみです。ミリメートルなどにする場合には計算する必要があります。

offsetX = 30; // 30pt
offsetY = 10; // 10pt;

文字のサイズを変更するには

fontSize = 10; // 10pt;

の10の値を変えてください。単位はポイントになります。


【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>
キヤノンのハイビジョンカメラXH A1購入したので撮影してみました。条件悪いので本領発揮というわけではありません。でも、FX1と比較すると山の木々とかは、結構ベタつく感じです。それから、偽色も結構出るのも気になるところです。以下のURLに撮影した画像をアップしてありますので、よろしければどうぞ。
< http://www.openspc2.org/HDTV/sample/Cannon/XHA1/
>

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■写真展案内

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●コニカミノルタプラザ特別企画展 幕末から明治、そこに生きた人々
〜古写真で感じる当時の日本〜
< http://konicaminolta.jp/about/plaza/schedule/2006november/koshashin/
>
会期:11月3日(金)〜11月20日(月)10:30〜19:00 20日15時
会場:コニカミノルタプラザ ギャラリー(東京都新宿区新宿3-26-11 新宿高野ビル4F TEL.03-3225-5001)
・「古写真レクチャー」古写真の楽しさ、教えます!
講師:井桜直美(古写真研究家)
日時:11月11日(土)14:00〜15:00
会場:ギャラリーB 定員:40名 定員を超えた場合は立ち見、開演の1時間前から会場で整理券を配布、入場無料。
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●APA新鋭展2006〜明るい未来〜
< http://www.fujifilm.co.jp/photosalon/0611t.html#apa
>
会期:11月3日(金)〜11月9日(木)10:00〜20:00 最終日14時
会場:富士フォトサロン東京(東京都中央区銀座5-1 銀座ファイブ2F TEL. 03-3571-9411)
───────────────────────────────────
●コラージュとフォトモンタージュ展
< http://www.syabi.com/details/collage.html
>
会期:11月3日(金)〜12月17日(日)10:00〜18:00 木金20時 月休
会場:東京都写真美術館(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイスTEL.03-3280-0099)
入場料:一般500円、学生400円、中高生250円
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●篠山紀信「ヴィスコンティの遺香」
< http://www.oeff.jp/database/557_Il-Documento-di-Visconti.html
>
会期:11月3日(金)〜11月26日(日)10:00〜22:00
会場:梅田スカイビルタワーイースト40F
入場料無料(空中庭園展望台へのチケットは必要)
ドキュメンタリー映画「ルキノ・ヴイスコンティの肖像」12:00〜/16:00〜71分 毎日上映

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■編集後記(11/6)

・文化の日に、川口青年会議所主催の藤原正彦氏講演会に参加した。講演の前は、お約束の主催者の紹介ビデオが流れたが、これが内容のない貧弱なもので見ていてつらかった。いまどき静止画のズームだけの映像と、陳腐で空虚なナレーション、しかも音声は割れている。ただひたすら早く終わってくれと祈った。藤原先生は登壇に階段を使わず、ひょいとひとまたぎであった。お話が始まったが、小声でボソボソという感じでちょっと聞き取りにくい。一生懸命集中して聞いていて、これも話術のひとつだと感じた。いきなり話にひきこまれたのだから。その後は努力しなくてもしっかり聞こえていた。知的ユーモアも満載だ。先生はたいへんな数の講演をこなしておられるそうだが、それにしては洗練された講演スタイルとはいえなかった。しかし、まずい講演かというとそうではない。メリハリのきいた明瞭な発音で、よどみなく堂々と話せば一見うまいと感じるものだ。講演のスタイルとしては。しかし、聞いている時は気持ちがよくても、終わって心に残るものがなくては、いくらスタイルがかっこよくても意味がない。ただのエンターテインメントなら別だが、今回のテーマは「日本のこころ」である(もちろん、巧みな話術で何度も笑わせてもらったが)。その意味で、じつに実のあるすばらしい講演だと思った。先生のお話を聞くと、日本に生まれたことを本当にうれしく思う。先人のしてきたことを誇らしく思う。まさしく感動的で涙が出る。しかし、現在の日本の抱える諸問題のその根源を知らされると、高揚していた気持ちが一気にぺしゃんこになる。もっと聞きたい、もっと知りたい、そう思ったときストンとお話が終了した。スタンディングオベーションを率先したかったができなかった。嗚呼、わたしはほんとに小心者である。主催者、それくらい演出しろって。(柴田)

・三連休はずっとベッドの中。宿題進まず。空手のOB・OG会に行けず。ハロー、CQCQ。未だ回復せず。といっても喉が痛くて会話したくないけど。/東京で。「何が食べたい? 和食? 洋食?」と聞かれ、しばらく飲み会続きでたいていのものは食べたという話をしたら、アジアンバーに連れていってくれた。そうきたか。海ぶどう、タイ風春巻き、スパイスたっぷりのカレーと蓮茶サワー。お酒に弱いのでサワー一杯でふわーんという気分になったところで、近場に神田さんのバーがあるからと寄ってみた。連れて行ってくれた人は結構顔を出しているらしく、バーのスタッフに顔を覚えられていた。で、彼女の好きな音楽を流してくれたのだが、それがソフトバレエで、私も好きだから騒いでしまった。男性スタッフの中に、ソフトバレエ好きがいたのだ。「次回までに何枚か持っているエンズをセットしておくね」という話だったが、次はいつ行けるかわからないので残念。お客さんやスタッフと名刺交換して、原稿頼んじゃったりして。バー閉店後は神田さんやスタッフの人たちと軽食しながら、いろんな話を聞いたり相談したり。神田さんは翌日沖縄という話だったので、ノーアポで会えたのはラッキーであった。夜中三時にホテルに戻ったのだが、電車を気にせずに夜中に話せる経験ってあんまりないので楽しかった。(hammer.mule)
< http://snbar.ameblo.jp/
>  行った時は工事現.bar

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国家の品格
藤原 正彦
新潮社 2005-11
おすすめ平均 star
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starマスコミの驕り
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starとにかく読みやすい&分かりやすい。
starはて、「誇り」とは?「品格」とは?

祖国とは国語 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる 下流社会 新たな階層集団の出現 超バカの壁 人は見た目が9割

by G-Tools , 2006/11/06