[2206] 大規模マンションの闇

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<子供ができて人生が180度変わった>

■笑わない魚[224]
 大規模マンションの闇
 永吉克之

■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[150]
 ジョニー・デップという生き方
 茂田カツノリ

■展覧会案内
 第32回 2007JPS展


■笑わない魚[224]
大規模マンションの闇

永吉克之
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何百戸も入っているような大規模マンションは、ひとつの町と同じで、町内会に相当する「自治会」なるものがたいていある。これは、住人が互いに協力して、住みやすく楽しい生活が送れるようにすることを目的とした機関である。

わがマンションの場合、そのなかに、文化部だの広報部だの体育部だのといった部会があり、なかでも体育部は毎年、夏には盆踊りを開催し、秋には地域ぐるみで行われる市民運動会の出場者を編成し、春にはウォーキングツアーを挙行するのが役目で、各部会のうちでは「一番しんどい役目」らしい。

しかし、盆踊りや運動会といった活動を通して住人相互の連帯感が強くなり、独居老人の孤独死などを未然に防止することができるのである。実際、両親が生前にいろんな行事にかかわったおかげで、その葬儀では近所の方々が通夜の準備などで献身的に協力してくれた。

♪とんとんとんからりんと隣組 地震カミナリ火事どろぼう 互いに役立つ用心棒 助けられたり助けたり
(この曲のメロディは「ド・ド・ドリフの大爆笑〜」で使われてます)

の精神はまだ失われていないのだな。日本人の心の灯火はまだ消えていないのだな、素晴らしい。見知らぬ人間との付き合いが苦手な若い連中は、ぶん殴って脅かしてでもこういう活動には参加させるべきだ、また、私自身もできることがあるなら是非参加したいと思っていた。

                 ●

ところがこの四月から、自治会の本年度の体育部長を私がしなければならない羽目になったのである。それは私に人望があるからではない。一番面倒な仕事で誰もやりたがらず、挙句、最後に私にお鉢が回ってきだけのことなのだ。

とんでもない、そんな大変な仕事は御免だと思った。ただでさえ面倒がって、行事関係には参加したがらない人が多いというのに、その人たちの所に「すいません、パン食い競走の参加者がいないので出てもらえませんか」などと頭を下げて頼みに行かなければならないのだ。盆踊りでは、マンション周囲の店舗から寄付金を集めたり、露天の手配をしなければならない。

しかし、父親ほど年の離れた自治会長が私の部屋までやってきて、どうかお願いしますと深々と頭を下げて頼むのを、単に「面倒だから」という理由で断るだけの度胸は私にはない。しかも相手が、両親が生前に親しくしてもらっていた人物とあればなおのことだ。

収入の激減や、その他いろいろあって気落ちしているところに、降って湧いたような災難。私はそこに、宿命とは少し違う、ある種の悪意ある摂理を感じ取らずにはいられなかった。「弱り目に祟り目」とは、人生、不運が重なることもあるよね、なんていう程度の諺と解釈してはならない。これは摂理なのだ。

「持っている者はさらに与えられ、持っていない者は持っているものまでも取り上げられる」(マルコによる福音書4章25節)

                 ●

そしてこの一件が、ついに俺の中で飽和状態となり、それ以外の何もかもが俺の中で居場所を失った。あたかも常駐ソフトのように常にそれが頭の片隅で起動していて、モーツァルトを聴いていても、豪勢な料理を食べていても、麗しい女を抱いていても、強迫観念のように俺を苛み、あらゆる安逸、歓び、快楽を灰色に塗り替えてしまうのだ。

大好物だったヒレ肉のステーキも、今の俺の口の中では靴の底革も同じだ。毎夜欠かさなかった18年物のスコッチも、今の俺の舌の上では消毒液だ。花壇の花々のように俺の生活を彩ってくれていたムーランルージュの夜の女たちの肉体も、今の俺の腕の中では死んだオットセイだ。

これまでの俺の日々は宴だった。そこにはゴロツキもいた。ペテン師もいた。怒りも憎しみも嫉妬も虚栄も淫蕩もあった。あらゆる悪徳があった。しかし俺は満ち足りていた。そこでは誰からも指図されることなく、身軽でどこにでも自由に行け、気に入らないものは神でも罵倒することが許されていたからだ。

しかし俺は、それを瞬時にして失った。盆踊りを開催する責任者になることを承諾した瞬間に、俺は自らを鎖に繋いでしまったのだ。ちっぽけな恩義の見返りに、俺は自由という途方もなく巨大な財産を失ったのだ。

ああ、なにもかも壊れてしまうがいい。盆踊りの準備をするくらいなら、戦火によってこの街が焼き尽くされることを俺は望む。恐れを知らぬ騎兵たちよ、雷神の怒号をも掻き消してしまう砲火よ、この街から、いやこの地上から盆踊りの賑わいが聞こえなくなるまで、破壊し尽くすのだ。

                 ●

その慢性的な重圧が生み出す絶望感が、いつしか、歪んだ論理を伴った怒りをも生み出していた。

そもそも盆踊りをしようなんて言い出した唐変木は、いってえどこのどいつでえ! 盆踊りのなにが面白れえってんだい。櫓の周りをぐるぐる回ってるだけじゃねえか。そんなもんで連帯感が生まれるんなら、遊園地のコーヒーカップに乗った連中はみんな強え絆で結ばれて、親類になってらあ!

あそうだ、秋にゃ運動会もやらきゃならねえんだ、こんちくしょう! 親睦を図るのに、何でかけっこしなきゃならねえんでござんしょうかね、ときたもんだ。そんなことするくれえなら、マンションのガキみんな公園に集めて、おしくらまんじゅうでもさせといて、その間に大人は夫婦◯換すりゃいいじゃねえか。親睦深めるにゃ肌を合わせるのが一番だい!

「おまいさん、ちょっと聞いとくれよ、田中さんちの旦那のク◯◯◯◯ス、舌先が探りを入れてくるときのじらし方、上手いったらありゃしないよ。あたしゃ、それだけでイっちまったよ」
「てやんでえ、田中のカミさんのフ◯◯◯オも絶品だぜ。いっぺんに不能が治って、いきなり5回もやっちまったい!」

かくして夫婦は切磋琢磨し、配偶者を歓ばせることに血道を上げ、回数は増え、離婚率は下がり、逆に出生率は上がるのだ。

【ながよしかつゆき/液体】katz@mvc.biglobe.ne.jp
やはり民主主義の根幹は多数決原理なのか。わりと最近まで「耳触りがよい」という表現は、「障り」を「触り」と取り違えた誤用であるという主張が一般的だったが、最近の辞書には、堂々と「耳触り」が載っている。goo国語辞典にも「耳触りがよい」という例文が出ている。民主主義なら仕方ないが、これを放置しておくと「目障り」から「目触りのいい風景」なんてのが出てくるかもしれない。しかしそれも民主主義ならしかたがない。

・ちょ〜絵文字 < http://emoz.jp > au&Yahoo!ケータイ公式サイト
・無名芸人 < http://blog.goo.ne.jp/nagayoshi_katz >
・EPIGONE < http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ework >

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■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[150]
ジョニー・デップという生き方

茂田カツノリ
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明日から公開される「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」に向けて、全国のジョニー・デップファンな女性たちのテンションが上がっている。

2ちゃんねるやmixiでは、成田で到着を出迎えた人の話が載っているし、武道館で開催されるアジアプレミアは、当選券がヤフオクでものすごい高額になっている。木曜夜の新宿バルト9での先行上映では、サプライズゲストもあるらしい。

で、僕はジョニー・デップのファンである。

彼から学ぶことはたくさんあり、すでに単なるハリウッドスターの域を超えている。それはちょうど、ジョン・レノンが単なる歌手ではなく、スティーブ・ジョブスが単なる経営者ではないのと同じレベルだ。僕の中では、ジョニー・デップとトム・クルーズの違いは、スティーブ・ジョブスとビル・ゲイツとの違いと同じ性質のものだったりするのだ。

・Wikipediaの「ジョニー・デップ」
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=12641037 >

●「変な映画」にあえて出る人

ディズニー映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」に出演したことで、映画好きという範疇を超えた幅広い層への知名度が上がったジョニー・デップ。僕自身も、もちろんこの映画を、子供たちと楽しく観ている。しかし重要な作品と位置づけているのは、1991年の「Edward Scissorhands」と、1994年の「Ed Wood」だ。

この時点で、すでにハリウッドの主役級スターとしての地位を得ていた彼だが、にもかかわらずメジャー作品への出演依頼を、ことごとく蹴っている。

1991年の「Thelma & Louise」ではヒッチハイカー役として出演したブラッド・ピットが一躍有名になったが、この役も最初はジョニー・デップに依頼がいっていたそうだ。

1994年の作品であるキアヌ・リーブスの「Speed」、トム・クルーズの「Inter view with the Vampire: The Vampire Chronicles」といった作品にも主役としてオファーされていたにもかかわらず、それらを断っている。断って何をしてたかというと、ティム・バートンの変な映画に出ていた、というわけだ。

僕はもともとはティム・バートン作品の奇妙な世界観が好きだったので、あんな変な映画にわざわざ出演するジョニー・デップにも興味を持った。趣味が合う、というやつだろうか。

ちなみに「パイレーツ・オブ・カリビアン」に出演する前のことを、ときおり「ヒット作に恵まれない時期だった」なんて書いている記事をみかけるのだが、さまざまな出演依頼を断っていることでもわかるとおり、これは明らかに間違ったとらえ方。というか、そんなこともわかんないで映画のこと語るなよ、と言ってやりたいかな。

●子供ができて人生が180度変わった

そのジョニー・デップが、バネッサ・パラディとの間に子供をもうけた。そのことについて彼は「僕の人生は1999年5月27日を機に180度変わった。それまでの人生は霧の中にいるようなものだった」と各所で語っているが、これは本当に名言だと思う。

僕も、2000年8月16日に娘が誕生して、それまでの人生なんて、しょせん準備期間に過ぎなかったと思った。いや、僕は人生が360度変わったかな。

彼が、ディズニー映画である「パイレーツ・オブ・カリビアン」に出演するというのは、過去の経歴からすると意外なことではある。これは子供の影響であると彼は語っているが、子供の存在でそれだけ変われるというのも、実に素晴らしいことだ。

そしてやっぱり、メジャー作品蹴って「Ed Wood」とかに出たという行動が、ジョニー・デップの考えを明確に表している。そしてジョニー・デップの次回作は、ティム・バートン監督の「Sweeney Todd」。こいつもかなり楽しみである。

あ、別にアジアプレミア取材依頼出して断られたからって、スネてはいません、はい。だから最後にご紹介しておこう。

・「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」
< http://www.disney.co.jp/pirates/ >
5月25日(金)─世界同時公開です。5月24日(木)の夜からあちこちでスタートするようです。

【しげた・かつのり】
職業は、一応起業家。数年間にわたってテンションが低めな時期が続いてたような気がするが、最近やや上昇傾向にある41歳。ちなみにジョニー・デップと僕は、かなり共通点がある。誕生日は一日違いだが、日米の時差を考えると同じだし、身長も178cmで同じ。体重は僕のほうが勝っているが、収入では少しだけ(ウソ)負けている。でも子供の数については僕のほうが1.5倍だし、漢字の書き取りは僕のほうが強いし、トータルでは僕の勝ちということにしておこう。

【今週末! イベント情報】FileMaker Fun Night!
※※ 第23回 ポータルについて考えよう ※※
5月26日(土)16:30〜18:00/AppleStore Ginza 3F
情報を整理して表示するためには欠かせない機能である「ポータル」は、便利だけれど使いこなしにちょっとした知識を要する部分もあります。そんなポータルの基本・留意点・応用事例などをまとめてご紹介します。ぜひ身につけてほしい「ポータルフィルタリング」などのテクニックもご紹介します。
なおこの日は、引き続き19時からまつばらあつしさんのイベントもあり、デジクリがAppleStoreを乗っ取る記念日なのです。
※開始時間が変更されています。ご注意ください

・有限会社レクレアル
< http://www.recrear.jp/ >

・子育てSOHOオヤジ - The Blog!
< http://amonita.jugem.jp/?eid=34 >

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■展覧会案内
第32回 2007JPS展
< http://jps.gr.jp/jps_ten/2007jps/2007jps_kaiki.htm >
< http://www.syabi.com/index.shtml >
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会期:5月26日(土)〜6月10日(日)10:00〜18:00 木金20時まで 月休
会場:東京都写真美術館(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイスTEL.03-3280-0099)
入場料:一般700円、学生400円、高校生以下無料

◇講演会/三好和義「楽園〜ハワイアン・スピリッツ〜」
日時:5月27日(日)15:00〜 入場無料
場所:東京都写真美術館1Fホール
◇セミナー「写真を深める・JPS展セミナー」フォトクリニックなどイベントもある。サイトを参照。

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■編集後記(5/24)

・永吉さんの原稿を整理していたら、「弱り目に祟り目」が出てきた。ふつうは12ポイント表示だが、原稿を読むときは18ポイント表示をつかう。じつはそのとき、初めて「たたる」という字に気がついた。「出」の下に「示」である(祟)。画面表示18ポイントで文字の構造がはっきりわかった。それまで「山」の下に「宗」と書いて(崇)、「たたる」とも「あがめる」とも読んでいたのだった。(祟)のほうは使ったことがなかった。そればかりか、そんな字知らなんだ。60年以上人間をやってきたのに、なんということだ。日本国の大魔縁、怨霊のチャンピオンである崇徳上皇の(崇)はたたるの文字だと思いこんでいたのだから始末におえない。もう何度か間違ってつかっていたのだろうな、ああ恥ずかしい。子どもの頃、ずいぶん長いこと友達の「達」の字を「しんにょう」に「幸」と思いこんでいた(画面表示12ポイントではそれが正しいように見えるが、もちろん精度が足りないためウソ字で表現されている)。そんな思いこみは、気が付けばまだまだありそうだ。/娘が昼頃現れて、「わあ、かれいしゅうが〜」と叫ぶ。たしかに、あんたの親は年寄りだから「加齢臭が〜」と言われても仕方がない。でも、そこまで言うか。ところで、そのときは昼飯に昨夜の残りのカレーを食べていたのだ。したがって、「カレー臭が〜」とかけて表現したわけで、これって悪意のあるいいセンスかも。(柴田)

大阪のおばちゃん力5+1・「漢字の書き取りは僕の方が強いし」に笑った。確かにそうだっ。美しさではかなわなくてもWebの知識は私の方があるっ。/前垣和義さんからメール。「大阪のおばちゃん力5+1」を出版されたそうだ。この本はお土産物屋さんにも置いてあったりする。見つけたら手にとってみてねっ。全国放送で流れる大阪のイメージ「通天閣」「道頓堀」「たこやき」にちと疑問を感じることが多い大阪人の一人である。もっときれいなところを映してくれたらいいのに〜。同じく「大阪のおばちゃん」も流れるのは極端な少数派なのでよろしくであります。前垣さんの本は、あるある〜な点は多いし、文化論なんだけど、他県の人が想像するのはあの少数派の人たちが行っているところなんだろうなぁ。最近、大阪人は何でも値切るんでしょ? と言われてびっくりしたよ。値切りませんって。値切り場で有名な電気屋街でさえもポイント制度導入で慣習は消滅しつつあります、というか私は電気屋街でも値切ったことないぞ〜。ビジネスだと大阪よりあっち県近辺の方が見積もりや「請求書」からの値切り(!)が厳しいぞ〜。有名なたこ焼き屋やラーメン屋がおいしくないと言われても、それらは観光客向けのところなので地元民は行かないのであります。通天閣だって行く人は少数派よ。お役所の悪い話がよく報道されるんだけど、隠さずオープンにできるところ、地元メディアが頑張っているところは誇れる。悪いところが何も報道されないことの方がコワいよ。いくつかの大阪発番組ゲスト陣からよく出る言葉が「東京じゃ言えない」「関東で流れないから言えるけど」。そのほうがコワくない? きっと他府県でも同じような発言のある番組は存在すると思うんだよね。ネットがあって良かったと思う今日この頃。(hammer.mule)
< http://www.subarusya.jp/archives/2007/05/51.html >  大阪のおばちゃん力5+1
< http://entitle.jp/SpaceFiles/shop.html >  ポケ単大阪ルール101
< http://www.h3.dion.ne.jp/%7Emydo/ >  前垣さん公式


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大阪のおばちゃん力5+1
前垣 和義
すばる舎 2007-05


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ポケ単大阪ルール101
前垣 和義 打越 保 いわみせいじ
エンタイトル出版 2006-12-31
おすすめ平均 star
starうむむ

大阪ルール



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どや!大阪のおばちゃん学
前垣 和義
草思社 2005-02
おすすめ平均 star
star大阪のおばちゃんに笑って学びなはれ。
starがっかり
star不況を生き抜く大阪人の知恵
star大阪人の人生観・人間観
star興味深い指摘ですが極論です

大阪学 大阪人と日本人―マナーから人生観まで、違いのすべてを徹底検証 こんなに違う京都人と大阪人と神戸人

by G-Tools , 2007/05/24