[2267] 矛盾の起源

投稿:  著者:  読了時間:20分(本文:約9,600文字)


<咫閙の一杯を罟さざれば氓珥赱ありとも冏なり>

■笑わない魚[230]
 矛盾の起源
 永吉克之

■デジアナ逆十字固め…[57]
 ガラスフィルターの顛末
 上原ゼンジ

■イベント案内
 「フォトジェニックポイントin夕張」
 「知っておきたい著作権の諸問題」
 「ミュージアムウィークス大阪2007・秋」


■笑わない魚[230]
矛盾の起源

永吉克之
< http://bn.dgcr.com/archives/20070906140500.html >
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神経痛が軽くなったと思ったら、今度はこの数日、めまいやだるさにつきまとわれて、起きているのが苦痛で、原稿が書けないのである。それでもなんとか1/3は書いたが、あとが続かない。結局、第228回に続き、今回も以前に他の場所で使ったテキストで、その場しのぎをさせてもらうことにした。

とはいえ、アクセス数が多い時でも80かそこらの、取るに足らない弱小ブログに載せたテキストなので、多分、まだだーれも読んでおられないはずだ。

●矛盾の起源

矛盾した発言とは、「こうしたい」という本能的欲求と「こうしなければならない」という理性的判断の間で調整がつかない時に、ポロっと口をついて出てくるものなのである。

妻を家に閉じ込めて、男はおろかオス犬にも会わせないようにしたい、というくらい嫉妬深い男が、いやいや、そんなことしたら時代錯誤なヤツと思われてしまうから、もっと進歩的に振舞わなければならない、と理性を働かせて、

「これからは、子供がいる女性でも外に出て男性と対等に仕事ができるような社会にしなければなりませんねえ」

なんて言ったりすることもあるだろうが、必ず何かの拍子に、つい「メシを作るのが女の仕事だから」と言ってしまうのだ。

その点、動物は矛盾したことを言わない。彼らの言動は常に首尾一貫している。本能に忠実で、人前を取り繕うということをしないからだ。

20年ほど以前のことになるが、オス野良ネコを「飼って」いたことがある。始めは、アパートの部屋の外で餌をやるだけだったのだが、部屋の中で食べさせるようになってから、あるとき彼が「ちょと、すいません」と言って私の脚に頭をこすりつけてきた。

「それは、私になついているという証を見せているのかね」
「ちがう。匂いつけるですので、だからナワバリわかる。ここが、ほかのネコが。習性ですので」

ネコの話す日本語だから文法がおかしいが、言わんとするところは解る。

「でも、私は人間なんだけど」
「人間もいい。柱も壁もですが。匂いつけるする。ぼくら習性ですが」
「でも、そんなことしなくても、この部屋に他のネコが入ってくることはないと思うけど」
「だから習性。それですが、お腹が空いたがですか。食べ物ください」

習性だ本能だと言われたら、そうですかと言うしかない。

●何が華か

ブログを始めた頃、友人の矢野から「君のブログには華と云ふものが無い。文字ばかりで、写真も無ければ絵も入つてゐないぢゃないか。電話帳だつて絵くらゐは載つてゐるぞ。君は絵描きだらう? 自分の作品を宣伝し給へ」とメエルで意見してもらつた。意見は有難いが、電話帳と比べられてはかなはない。

しかし「広告も入つてゐないなんて、ブログと云ふものが分かつてをらん」と訳知り顔で講釈してゐるのを読んで、少なくとも、この男も分かつてをらんと云ふことは分かつた。

成程、イムパクトの有る視覚的要素がもつと入れば、なほ見場が良く成るであらうことは想像に難くないが、悲しいかなイラストレエシオンや写真等を縦横無尽に配すること未だ不如意である。出来ないことをしようとするのは自然の理に刃向う様なものだ。したがつて、僕は今の儘が一等好きだ。例へば小説を思ふ。ギョオテやモオパツサンの小説に気の利いたイラストレエシオンが載つているのを見たことが無い。表紙の外は文字ばかりである。然るに、『若きヱルテルの悩み』には華が無いと云ふ意見は聞いたことが無い。

亦うちは浄土真宗で、父の命日には坊主が経を上げに来るが、その経本を覗き込んでみても、絵も写真もイムパクトのある広告も載つていない。珍紛漢紛な文字の列が並んでゐるだけだ。だからと云つて、此の経には華が無い等と云ふのは見当違ひも甚だしい。

●迯抂を堽する

「咫閙の一杯を罟さざれば氓珥赱ありとも冏なり」

これは春秋時代の中国の思想家、淦子の言葉である。つまり、咫閙を一杯も罟さない者が氓珥赱を持っているのは、危機を前にしながら冏いているようなものだ、という意味の歃莟だ。

淦子は欹りながら弟子たちに教えを説き、黽蚣歌を艢したという逸話が残っているほど、酥斌しい風流人だったらしいが、この匳ない言葉からは、乱世に生きた思想家の弃皈的な驥岷藺観、そして簽冱贏脯甄主義が読み取れる。

われわれ日本人が現在直面している危機といえば、喨にある政治の腥蟒状態であるが、それにもかかわらず自ら飆行しようとしない醯う気な日本の政治家たちには、綟えんすべく座右の銘に加えて欲しい网廈だ。

●メールでの会話

墨田です
もちろんOKですっ! お〜足立さんも板橋さんも参加ですか。早くお会いしたいです。では19時に噴水の前で。

荒川です
え、どうして飲み会のこと知ってるんですか? そのメール、これから送ろうと思ってたのに…。

墨田です
ふふ、ついにウチも光ファイバーにしたんですよ!

《このジョークの解説》

つまり、光ファイバーのアクセス速度があまりに速いので、荒川さんがメールを送信する前に隅田さんがそれを受信してしまった、ということが言いたいわけです。

いくら光が速くても、送信していないメールが受信できるわけがありません。そんなことができるのなら、もうメールを送信する人はいなくなってしまうでしょう。そして、

「ぼくの心の中には告白の言葉がとっくにできあがっているのに彼女に伝えることができない。せっかく書いたのにいつまでも送信しないメールのように」

といった、ちょっぴり物悲しいけど気の利いた詩は、地上からなくなってしまうかもしれません。

【ながよしかつゆき/弱小ブロガー】katz@mvc.biglobe.ne.jp
もうあまり寿命がないような気がする。べつに長生きがしたいわけではないが、これまでに行ってきた数々の罪業を生きているうちに償っておきたいものだ。

・ちょ〜絵文字< http://emoz.jp >au&Yahoo!ケータイ公式サイト
・アーバンネイル< http://unail.jp/ >ネイルアートのケータイサイト
・無名芸人< http://blog.goo.ne.jp/nagayoshi_katz >ブログ

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■デジアナ逆十字固め…[57]
ガラスフィルターの顛末

上原ゼンジ
< http://bn.dgcr.com/archives/20070906140400.html >
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懸案であった「歪みガラスフィルタ」の工作に着手した。一番始めに歪みフィルタを作った時は、木工用のボンドを使った。透明塩ビを切り取り、木工用ボンドをわざと凸凹に塗った。乾けば透明になるというつもりだった。ところが、木工用ボンドの場合はそんなに透明度が高くなかったので、厚く塗った部分は半透明になってしまうという問題があった。

そこで次に試してみたのは、トップコートだ。トップコートというのは、マニキュアのコーティング剤で、マニキュアの保護と光沢を与える目的がある。これをやはり塩ビに凸凹に塗ってみた。今度は木工用ボンドよりも透明度が高く、乾きも速いという利点もあった。一応、合格。

しばらくして今度は、ガラスコップを使って撮影をしてみた。カメラのレンズの前にコップを持ってきて、側面や底を通して撮影するのだ。これは気に入った写真が撮れた。やっぱり腐ってもガラスで、塩ビやトップコートとは描写自体が違う。もう少しいろいろと撮ってみたいと思わせるものがあった。

ただ難点は撮っている姿が格好良くないということ。だってコップを手に持ってるんだからねえ……。そんな人見たことありませんよ。しかも撮りづらい。こっちのほうが大きな問題か(笑)

そこでコップの底だけ切ってみようと思ったんだけど、まあいろいろあって……。今度はガラスを溶かしてみることを考えた。ただ板ガラスを温めて歪めてもいいのだが、小さく砕いたガラスを板ガラスの上に乗せ、上のガラスだけを溶かしてしまえば、全体を歪めるよりも簡単なんじゃないかというのが、私が考えついたこと。

ガラスを切るためのカッターを買ったのは「ガラスカッター.COM」。検索したら一番に引っかかったのと、動画による説明などが分かりやすかったので、ここで買うことにした。ほかにもいくらでもガラスカッターを売ってるところはあるし、お洒落ではないんだけど、ページの作り方がよく考えられている。ネットで商売をする場合に参考になりそうだ。
< http://www.g-tonya.com/cut/ >

購入したのは「ガラス暦20年のプロがお薦めするガラスカッター/スポイド付き」(インターネット特別価格2,380円)という製品。潤滑油が注入できるというところがポイントらしい。ただ、あいにくうちには灯油がなかったので、とりあえず潤滑油なしで切ってみることにした。8センチ角の板を作り、それをベースに後から細工をするつもり。

●ついにガラスを切る

動画を参考にとにかく切ってみる。定規を当ててチーッとガラスカッターを滑らせ、その後ペリンと割ればいい。

一回目。カッターでスジを付け、カッターの後ろの金属部分でガラスをコツコツと叩いてみる。これでヒビが入れば後はおせんべいを割るように、ペキッとやればいいらしい。しかし、いくらコツコツと叩いてもヒビは入らない。あまり強くやりすぎるとバラバラに割れそうで怖い。結局、このスジは薄すぎたと判断し、別の部分を使うことにする。

二回目。今度は少し力を入れながら、カッターを滑らせる。そして、カッターの後ろでガラスをコツコツとやってみる。またダメかと思った瞬間、ヒビが走った。でも少し曲がってしまった。潤滑油を使ってないせいかなあ……。

しかし、なんとなくコツはつかえめたので、最終的に8センチ角の板を三枚作ることに成功。多少曲がってしまったがまあいい。あとは砥石を使って切り口を滑らかにすればおしまいだ。危険と隣り合わせの作業を終えたことにより、心地よい充実感に包まれる。

小学生のころ、不忍池の脇で十徳ナイフを商うオジさんに遭遇したことがある。十徳というぐらいで、ただナイフの機能だけでなく、耳かき、ドライバー、ヤスリ、缶切り、栓抜き、マグネット、キリ、ヒモ通し等々、10の機能を持つ素晴らしい製品だ。最近はアーミーナイフの台頭で、十徳ナイフなんて言葉も聞かなくなったが、アーミーナイフとはちょっとニュアンスが違う。

その十徳ナイフの目玉機能がガラス切りだ。テキ屋のオジさんはテンポよく、ひとつひとつの機能を紹介していくんだけど、クライマックスはガラスを切るところ。直線ばかりでなく、曲線も自由自在に引いて、ナイフでカチッとやると簡単にガラスを切ることができた。そのナイフさばきが見事で、500円ばかりのナイフはよく売れていた。

その時買ったナイフでガラスを切ったのかどうかという記憶はない。たぶん、何かのガラスにちょこっとキズを付けた程度で、きちんとガラスを切ってはいないはずだ。それが40年後の今、こうして見事にガラスを切り倒したというわけですよ。こんな実験をしてみようと思わなければ、一生ガラスを切ることのないまま生涯を終えるところだった。写真の神様にお礼をしておこう。

●そしてガラスを溶かす

ベースのガラス板を切ったら、後はガラスのかけらをまぶし、炎で溶かせばいい。余った板ガラスをスーパーのレジ袋に入れてトンカチでコツコツたたく。しばらくすると粉々になったガラス片の完成。これを板ガラスの上に乗せてあぶるのだ。

作業は台所の流しで行った。板ガラスの上に乗せた小さなガラスのかけらに、「ウインドガードターボ(341円)」を使って炎をかざす。しばらくするとガラス片が溶けてくるはずだ。しかし、ガラス片にはいっこうになんの変化も起きなかった。

なおも炎をかざし続けると、「ビチッ!」と音を立て、板ガラスは割れてしまった。「オーマイガッ!! どーして〜!」。いや、分かるよ。ガラス片を置いた真ん中あたりだけ膨張したけど、周りがついていかなかったんだね。でも、どうしたらいいのさ……。

いいこと思いついて、ずーっと温めてきたアイディアだったのに……。どきどきしながら、板ガラスを切ったあの日。素敵な写真が撮れることを夢見て、砥石でガラスの端っこを研いだあの頃。流し台の前で呆然と立ちつくす私の脳裏に、楽しかった日々が、今走馬燈のように蘇る。って、すべて今日一日の出来事だけど。

さてどうしてくれようか。諦めがつかない私は、もう一度チャレンジした。しかし、今度は周囲も一緒に温めて、なるべく同じように膨張するように注意を払った。しばらく炎をかざしていたが、何も変化は起きない。なおも炎をかざしつづけると、「ビチッ!」と音を立て、板ガラスは割れた。

あと一枚ガラスは残っているが、実験は中止することにした。そして、そのまま私は傷心の旅に出たのだった。

【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇上原ゼンジ写真研究所
< http://www.maminka.com/zenlab/top.html >
「カメラプラス トイカメラ風味の写真が簡単に」(雷鳥社刊)
< http://www.maminka.com/toycamera/plus.html >

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■イベント案内
「フォトジェニックポイントin夕張」写真のチカラで夕張に元気と誇りを!
< http://www.meisha-project.jp/ >
< http://bn.dgcr.com/archives/20070906140300.html >
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夕張市の復興に「写真で貢献する」ことを目的とした慈善イベント。主催は特定非営利活動法人明るい社会づくり運動。総合プロデューサーはテラウチマサト氏。10月5日、6日の2日間、参加者はテラウチマサト、ハービー・山口、横木安良夫、白井綾、在本彌生、大和田良ら写真家計10氏と同じバスに乗り込んで夕張市内を回り撮影を行なう。撮影した作品はA4サイズに無料でプリントされ、7日に開催される講評会で発表する。10名の作家と200名の参加者が撮影した作品は21日まで夕張市美術館に展示され、夕張市の魅力の再発見と発信に貢献する。参加費は無料(現地までの交通費、宿泊費は個人の負担)先着200名までの事前申込制になっている。 

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■イベント案内
「知っておきたい著作権の諸問題」ネットワーク社会の写真著作権と契約につ
いて
< http://www.jps.gr.jp/news/2007/20071021/20071021.htm >
< http://bn.dgcr.com/archives/20070906140200.html >
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日時:10月21日(日)13:30〜16:45
会場:京都市国際交流協会(京都市左京区粟田口鳥居町2番地の1)
内容:写真のデジタル化によって、表現や技術の大きな改革と流通形態の変化が起こり、予想できなかった権利関係に関するさまざまな問題が、写真家、クライアント、デザイナー、印刷業界などの間で生じている。紙媒体、ネット上での著作権、流通に関わる契約などの問題について理解を深めるための研究会。
参加費:無料
申込期限:10月12日(金)必着 詳細はサイトを参照

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■イベント案内
「ミュージアムウィークス大阪2007・秋」
< http://www.city.osaka.jp/yutoritomidori/culture/museum2007aki.html >
< http://bn.dgcr.com/archives/20070906140100.html >
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大阪市立の博物館・美術館施設では、各施設で所蔵する「お宝の一品」をはじめとする名品等を同時公開する共同キャンペーン「ミュージアムウィークス大阪2007・秋」を実施。期間中は、各施設を廻ると素敵なプレゼントがもらえるスタンプラリーや、落語会、ミュージアムコンサートなどの多彩なイベントも開催します。

会期:9月7日(金)〜9月30日(日)
会場:
●大阪市立東洋陶磁美術館 < http://www.moco.or.jp/ >
お宝:国宝 飛青磁花生
〜30日 「美の求道者・安宅英一の眼 - 安宅コレクション」

●大阪市立科学館 < http://www.sci-museum.jp/ >
お宝:プラネタリウム(カールツアイスII型25号機)
9月7日(金)〜12月26日(水)「大阪市立電気科学館70年 思い出の写真展」

●大阪市立美術館 < http://www.city.osaka.jp/museum-art/ >
お宝:石造 菩薩交脚龕
〜24日「上海−近代の美術−」前期
〜12月16日(日)「中国の彫刻−山口コレクションを中心に−」

●天王寺動物園 < http://www.jazga.or.jp/tennoji/ >
お宝:生態的展示手法を駆使した「アフリカサバンナゾーン」

●大阪城天守閣 < http://www.osakacastle.net/ >
お宝:重要文化財 大坂夏の陣図屏風
〜10月3日(水)「大阪城天守閣の名品」

●大阪歴史博物館 < http://www.mus-his.city.osaka.jp/ >
お宝:歌川芳瀧「夏祭浪花鑑」
〜17日「ペルシャ文明展 −煌めく7000年の至宝−」
9月12日(水)〜10月1日(月)「大坂の役者絵」

●大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室
< http://www.city.osaka.jp/yutoritomidori/culture/museum/kindai_bijutsu.html >
お宝:池田遙邨「雪の大阪」
〜10月8日「名画の理由—コレクションによる日本近代絵画の世界」前期

●大阪市立自然史博物館 < http://www.mus-nh.city.osaka.jp/ >
お宝:ステゴサウルスの化石(全身骨格)
15日〜 特別展「世界最大の翼竜展 —恐竜時代の空の支配者—」

問い合わせ・詳細:サイト参照

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■編集後記(9/6)

・テレビで「KUNOICHI」を見ていたら、次に生まれ変わるときは、華奢な体つきながら難関をやすやすとクリアして、大番狂わせで栄冠を勝ち取るちょっとかわいい女の子になろうと思った。大阪国際陸上を見ていたときは、短距離走のランナー(男女問わず)になって、予選ではゴール前で悠々と流して2着でクリアし、決勝では中間点から追い上げて先行を抜き去り圧倒的な差をつけてゴールに飛び込みたいと思った。たんにかっこよく注目を浴びたいというだけなんだな。次になりたいヒトを考えると、ばかばかしくてビールがうまい。明日はなにになりたいと言うのだろうか。/新帝都物語 維新国生み篇昨日の新聞「顔」欄に第2回中央公論文学賞を受賞する角田光代が出ていた。その中で、小説を書くことに対する考え方が「以前は、小説はわたしが書くものと考えていた。でも最近は、書かれる小説はすでにあって、それにどこまで近づけるかが問題だと思うようになりました」と、その変化を語っていた。誰かは忘れたが、こういうような言い方をしていた女流作家がいた。この考え方は、きっとそうなんだろうなと思う。同じ人間でよくこんなことを考えつく人がいるもんだものだと驚愕してしまうような作品を読むと、高次元の誰かさんの助けがなければ書けっこないと思う。天使がおりてくるのだろう。角田光代、読まねばならんと決意する。読まねばならんものは目白押しだ。そんな中で、途中で放棄してしまったのが荒俣宏「新帝都物語 維新国生み編」「帝都幻談 上・下」であった。前者は土方歳三も出てくるというのに、いまひとつストーリーに乗り切れなかった。読み始めて、う〜む、これはついていかれないかなと思う本は我慢しないでアッサリやめてしまうことにした。若い頃と違って、自分の持ち時間は無限ではないのだから、自分にとっておもしろい方へ、ばかばかしい方へ、気持ちいい方へ向かう。これでいいのだ。(柴田)

・超短距離1m選手権「ONEFOOT」が東京と大阪で開催されていたらしい。TVで見てはじめて知った。やってみたかったよ。瞬発力を競う競技で、一位のSHOGOさんは0.300368秒。自分のフォームを撮影し、対策を練ったらしい。サイトで映像が見られる。世界陸上で来日していた110mハードル銀のテレンス・トランメル(0.594122秒)と200m銅のウォーレス・スピアーモン(0.672894秒)が飛び入り参加し、レコード表の(その時点での)140番台、250番台の文字に驚き、マジかよ、的な発言を焦りながらしていたのが印象的であった。映像は9/2の15位と23位から見られる。/デジクリblogも文字ばかりで色気がないので、アマゾンの画像を挿絵がわりに引用させてもらっている。ついでにそれらを末尾で紹介してみるがちっとも売れない。びっくりするほど売れない。クリックもない。アクセス数と比較するとひどいものである。なので挿絵も紹介もやめよう、労力の無駄だと思うのではあるが、もしこれらに興味を持った人に、こんな本もあるよ〜と紹介できたらそれはそれで情報なんだよな、と。というより、私が紹介してもらいたいからつけている。興味のある展覧会記事があって、その作者の代表的な本が紹介されていると、へぇと思うし、わざわざ探す労力が省けるってもんである(一つ探して選定し貼付けるだけでも数分かかるのである)。当初は読者の懐が痛まない紹介料によって、スタッフがメルマガに専念できたらもっといいものができるだろう、執筆者に原稿料が払え、取材もできるだろう、インタビューもとれるかもしれないというキラキラ願望があったが、子供のお小遣いにすらならないことを知ったのである。ただ、クリック数によってアンケート代わりになることがあるのだ。読者の興味は提供側と乖離していたりすることがあるのだなぁと。ト本音で書いてしまったが、これでますますクリックされなくなるのであった。(hammer.mule)
< http://nike.jp/nikezoom/ >  超短距離1m選手権
< http://www.tbs.co.jp/seriku/athlete/profile_757.html >
ウォーレス・スピアーモン