[2417] 自愛ネタ…そんな自分が大好きです

投稿:  著者:  読了時間:21分(本文:約10,000文字)


<チマチマとしたマクロの世界が好き>

■笑わない魚[244]
 自愛ネタ…そんな自分が大好きです
 永吉克之

■デジアナ逆十字固め…[75]
 水滴にハマる
 上原ゼンジ

■展覧会・イベント案内
 グラフィックトライアル2008
 デザイナー誕生:1950年代日本のグラフィック
 アラン・フレッチャー:英国グラフィックデザインの父
 AERA創刊20周年記念 坂田栄一郎「LOVE CALL」─時代の肖像─
 細江英公写真展─ガウディへの讃歌


■笑わない魚[244]
自愛ネタ…そんな自分が大好きです

永吉克之
< http://bn.dgcr.com/archives/20080508140700.html >
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「"自虐"の反対語が"自愛"かどうか、俺はそんなことは知らない」(永吉克之)

僕って、けっこういい人なんですよ。若い頃はずいぶん心が狭くて、怒りっぽくて妬み深くて意地悪で、いやなやつだな、こんな僕って嫌いだな、と思ってましたけど、最近の自分、わりと好きなんです。相手の立場に立って考えたり、感じたりできるようになった気がするんです。

駅の出口なんかで、ティッシュやチラシを配ってることがよくありますけど、僕はたいてい受け取ります。ゴルフとかエステとかテレクラとか、一生どころか来世まで縁のなさそうな内容のものでも、受け取ります。

配ってる人にしてみれば、どこの誰かわからない人に宣伝チラシを渡すのってけっこうストレスのかかる仕事だと思うんですよ。無視されるだけならまだしも、乱暴に突き返されたり、その場でくしゃくしゃにして捨てられたり、いろいろ不快な思いをしているでしょう。だからせめて僕だけでも、快く受け取ってあげようと思ってるんです。僕は、チラシ配りさんたちにとってのオアシスになろうと思ってます。

それと、コンビニの雑誌コーナーで、目当ての雑誌が二冊残っているとき、僕は手前の方、つまり立ち読みの手垢がついている方を買います。誰かが汚れた方を買わなければいけないなら、僕が泥を被ってあげようということなんですよ。だからといって、きれいな方を買った人が、汚れた方を買ってくれてありがとう、と感謝してくれるわけじゃありません。でもいいんです。僕は、誰にも感謝されなくても、動物のフンを食べてくれるセンチコガネや、死骸を食べてくれるシデムシのような「掃除屋さん」になろう思ってます。

                 ●

もう五か月以上も歯医者に通ってます。というのは歯の根っこに病巣があって、お医者さんが、歯に空けた穴からちょこちょこと薬を入れたりとか、尖った道具でつついたりとかしてるのに、ちっとも治らないからないからなんですよ。

もともと病巣はそんなに大きくなかったんですけど、お医者さんがあれこれいじってるうちに、どんどん大きくなっちゃって、これって世間でいう医療過誤じゃないのかな、ならお医者さんにそう言わなくちゃいけないのかな、どっかに通報しなくちゃいけないのかな、などなど社会正義の実践という問題に直面して苦悩したりしたんですけど、もし話がこじれて先生を怒らせて、口の中をめちゃくちゃにされたら困るので、なにも言えませんでした。

とうとう、歯茎がゆで卵みたいにぷりんぷりんに柔らかく腫れてしまって、先生が「膿がたまってるので歯茎をソウハしますがいいですか?」と訊くのです。「ソウハ」って、いったい何をされるのかわかりませんでしたけど、下手に聞き返してお医者さんの気分を害して、口の中をめちゃくちゃにされたくなかったので、はいお願いしますと即答しました。

                 ●

で、ソウハしてもらったんですけど、その日は、歯科大の学生のような女の人が見学に来ていて、僕をソウハしている先生が「ほら、ここに病巣があるだろ、これが◯で△だから……」と、所有者である僕自身ですら見ることのできない病巣を、他人が、まるで禁断の秘画を友人に見せびらかすように見せていたのが、なんだか人権を無視されているようで不愉快でした。これってどうなんでしょ? 患者の承諾は要らないんでしょうかね? 先生に直接訊いてみたいもんですけど、もちろんそんなことはできませんよ。機嫌悪くして、口の中をめちゃくちゃにされちゃ大変ですからね。

術後しばらく経過を見ていたら、またゆで卵みたいに腫れてきちゃって、僕も、やっぱりこれは、お医者さんの未熟な技術による一種の医療過誤じゃないのか、という疑念がだんだん強くなってきていたので、診察の当日、抗議のつもりでちょっと陰気な顔を作って診療室に入って、ベッドというか椅子というか、患者が寝かされるリクライニングシートみたいなアレに腰かけて待ってたら、先生が元気な声で「どうですかあ?」と肩でも叩かんばかりの意気込みで聞くので、つられて僕も元気に「はい。また腫れてきたみたいです!」と、まるでもう完全に治りましたと言わんばかりの笑顔で答えて、せっかくの抗議の陰気顔をすっかり台なしになっちゃったんですよ。

でも、悪化した患部のレントゲン写真をいっしょに見ているうちに先生の声に元気がなくなって、「どうやらソウハしたときに、膿が残っていたらしくて、それが原因でまた膿んできたみたいですね……」と情けない声で言いました。そして「すみません。もう一度ソウハさせてください」と頭を下げるのです。

僕は、この先生はいいお医者さんだと思いました。だって自分の失敗を素直に認めたんですからね。とくに、またソウハさせてくださいと情けない声で言ったのには、僕も心を打たれました。心底から謝罪の気持を表すとき、人はみな情けない声を出すものです。そういう態度から、われわれはその人の誠意を汲みとってるんですから。だから僕は先生を信じて、また痛い目にあおうと決心したんです。華岡青洲の妻になろうと思ったんですよ。

                 ●

二度目のソウハで膿を出した後は経過がよく、もう大丈夫だろうけど、とにかくしばらく様子を見ましょうということになって、ときどき舌先で患部を触っていたら、あるとき、またあのゆで卵感を覚えて、びっくりしたんです。僕は、もう死ぬまでこの病気につきまとわれるんじゃないかと怖くなって、先生に見てもらったら、やっぱりまた膿がたまってたんですよ。先生は、今度は声だけでなく顔つきまで情けなくなって「何度も何度もすみません。まだ膿が残っていたようなんです。あと一回だけソウハさせてください」と、眉毛をへの字にして言いました。

僕は先生が、眉毛をへの字にするのを見て、やっぱりいいお医者さんだと改めて思ったんです。なかなか自分の非を認めない、中国共産党みたいなお医者さんが多いなかで、眉毛をへの字にして過失を認めるのは勇気のいることでしょうからね。またこうも思いました。いいじゃないか、何度医療ミスをしても。その失敗が今後に生かされるならと。そしてこれからは医学のために、人柱になろうと思ったんですよ。

                 ●

三度目をしてもらいました。それ以前の二回と違っていたのは、ソウハしているうちに隠れていた病巣が見つかったらしく、先生が「ありましたありましたありました」と嬉しそうに言ったことです。期待した通り、二度の失敗の経験が生かされたんだと思います。今は術後の様子をみているところですが、今度は大丈夫な感じなんです。手術の成功を自分のこととしてだけではなく、お医者さんのこととしても喜べる、そんな自分が大好きです。

【ながよしかつゆき/韃靼人】katz@mvc.biglobe.ne.jp
NHKのBS2で土曜朝(再放送・日曜深夜)にやっている「週刊ブックレビュー」で作家の山崎ナオコーラがラディゲの『肉体の悪魔』を紹介して、中学生の時に読んで感動したようなことを言っていた。私が中学生のころに映画版の『肉体の悪魔』が公開され、私はタイトルからしてエロス満載の映画だろうと下半身を熱くしながらも恥ずかしくて観に行けなかったのを憶えている。年代が違うとはいえ、同じ中学生でこの差。基本的に器が違うわ、器が。

・無名芸人< http://blog.goo.ne.jp/nagayoshi_katz > ブログ
・EPIGONE< http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ework > 作品サイト
・ちょ〜絵文字< http://emoz.jp > au&Yahoo!ケータイ公式サイト
・アーバンネイル< http://unail.jp/ > ネイルアートのケータイサイト

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■デジアナ逆十字固め…[75]
水滴にハマる

上原ゼンジ
< http://bn.dgcr.com/archives/20080508140600.html >
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前回はコンパクトデジカメで水滴クラウンの写真を撮る話を書いたが、あいかわらず水滴にはまっている。もともとは水滴をレンズにしてみようという魂胆だったが、もうそんなことはどうでもよくなって、ただ被写体としての水滴を面白がっている。

単純に造形として美しいということがあるだろうな。液体が球状を保っていることの不思議。その透明性。キリッと入るハイライト。滑らかなエッジ。ファインダー越しに覗いていて飽きない。

それから撮影自体はけっこう難しい。まず、すごく小さな被写体だから等倍以上のマクロ撮影になる。球体のどこにピントを合わせるのかは悩ましいし、ブレてしまうと面白くない。撮影機材などが映り込んでしまうと美しくないし、映り込んだ光源の形なども気になってしまう。

元々きれいなものを、ただきれいに撮るというのは芸がないし、なんかシャラくさいんだけど、そういうことは横に置いといて、ただ撮影が楽しい。本当に自分はチマチマとしたマクロの世界が好きなんだなあと、再確認している。

水滴を撮る方法は大きく分ければ二つ。空中に浮かんでいる(落下している)状態をストロボや速いシャッタースピードで写し止めること。もう一つは撥水性の高いものの上に置いて撮ること。

撥水性が高くて、水滴の大きさが小さければ、きれいな球形になるし、撥水性が低くて水滴が大きければ、べちゃっと潰れてしまう。つまり、なるべく撥水性の高いものを探してくるというのがポイントになる。

自然界にあるものには、よく水をはじくものが多い。たとえば花びらや葉っぱ。ネイチャー写真をやっている人達の間では定番の被写体だから、霧吹きを持ち歩いている人もいるはずだ。それから、鳥の羽とか、クモの巣なんかもきれいに水をはじく定番アイテムと言えるだろう。

●クモの巣に水滴

そこで私も霧吹きを持って雑木林へと向かった。霧吹きなんぞを使って撮影をするということ自体には抵抗もあるんだけど、今は撮りたいから撮るということの方を優先させたい。

で、クモの巣を発見したので、シュッシュカ、シュッシュカ、霧をかけてきました。しかし、クモ自体が小さく、クモの糸も細かったので、水滴の重みで糸はたわんでしまった。でも、撮ってみたらなかなか面白かった。

撮影に持っていったのは、リコーのGX100。最短撮影距離の短いコンパクトデジタルカメラだ。ズームを望遠端にして、フォーカスはマニュアルで最短にする。そうすると、35mm換算で72mm相当になり、約4cmのところまで寄れる。液晶でピントを確認しながら、ピントが合ったところでシャッターを切る。

内蔵のストロボを光らせたが、被写体に寄り過ぎているので、光がきれいに回らず、下のほうが暗くなってしまう。そこで小さく切ったトレーシングペーパーをストロボにくっつけてディフューズしてみた。こうすれば光が回るし、柔らかくなる。暗い森の中だが、ブレずに撮影することができた。

まだ、ちょっと撮ってみましたというレベルの写真だけど、けっこう面白いなあ。今度はもうちょっと大きなクモの巣を見つけて、撮影したくなった。

クモの巣以外にもいろいろと試してみた。花びらや葉っぱ、タンポポの綿毛に鳥の羽などだ。ピンセットや注射器を使う、すごーく細かい作業だけど、なんだか自分には向いているようだ。本当はもっとワイルドな写真が撮りたいんだけどな。

◇いろんな水滴の写真
< http://www.zorg.com/photo/zenji/ >

【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/ >
◇「カメラプラス トイカメラ風味の写真が簡単に」(雷鳥社刊)
< http://www.maminka.com/toycamera/plus.html >

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■展覧会案内
グラフィックトライアル2008
4人のアートディレクターによるグラフィック表現の追求
< http://www.printing-museum.org/exhibition/pp/080425/ >
< http://bn.dgcr.com/archives/20080508140500.html >
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会期:4月25日(金)〜7月13日(日)10:00〜18:00 月休
会場:印刷博物館(東京都文京区水道1-3-3 トッパン小石川ビル TEL.03-584 0-2300)
内容:第一線で活躍する4人のアートディレクターと、凸版印刷のプリンティングディレクターがコラボレーション。“オフセット印刷”のグラフィック表現の可能性を探る。参加デザイナーは、廣村正彰、永井裕明、高井薫、米津真理の4氏。それぞれ「印刷原点を視覚で捉える」「美・味・品の三拍子揃った幕の内弁当を」「紙とインキでやりたかったことは……」「感触のイメージを膨らませると」をテーマに、印刷実験を重ね、ポスターを制作した。独創的なアイディアと多様な印刷技術を組み合わせて完成させたポスターの数々や、制作過程でのトライアルを楽しめる。
◇トークイベント
日時:5月24日(土)15:00〜17:00
会場:印刷博物館グーテンベルクルーム
定員:80名 申し込み多数の場合は抽選
入場料:無料(印刷博物館本展示場に入場の際は入場料が必要)
申し込み受付締切:5月12日(月)

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■展覧会案内
デザイナー誕生:1950年代日本のグラフィック
< http://www.printing-museum.org/exhibition/temporary/080419/ >
< http://bn.dgcr.com/archives/20080508140400.html >
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会期:4月19日(土)〜7月6日(日)10:00〜18:00 月休
会場:印刷博物館(東京都文京区水道1-3-3 トッパン小石川ビル TEL.03-584 0-2300)
入場料:一般500円、学生300円、中高生200円、小学生以下無料
内容:戦後の混乱がようやく落ち着き始め、高度経済成長へと向かった日本の1950年代。デザインは社会において、特に経済・貿易活動のなかで急速に注目されていきました。伝統工芸品はもとより工業生産品といった、「ものづくり」に関わるデザインは、確実に日本の経済を支えるパーツの一つとして重要視され、産業活動に組み込まれ成長します。本展は、1950年代を戦後デザインの土台を築いた時代ととらえ、そこで繰り広げられたグラフィックデザインの諸相を、ポスター、新聞・雑誌広告、冊子、包装紙・パッケージ、書籍などと関係資料合わせて500点を通じてご紹介するものです。(サイトより)

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■展覧会案内
アラン・フレッチャー:英国グラフィックデザインの父
< http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/ >
< http://bn.dgcr.com/archives/20080508140300.html >
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会期:5月9日(金)〜5月31日(土)11:00〜19:00 土18時 日祝休
会場:銀座グラフィックギャラリー(東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F TEL.03-3571-5206)
内容:2006年9月に没した巨匠アラン・フレッチャーは、イギリスのみならず、現在のグラフィックデザインに大きな影響を与えた存在です。デザイナー集団ペンタグラムの創設者の一人であり、ウィットと風刺を駆使して、新しいデザインの可能性を切り開きました。また、ファイドン・プレスのクリエイティブ・ディレクターとしてコンサルタントを務め、数多くの美術書籍を広く普及させた立役者でもあります。本展覧会では、ロンドンのデザイン・ミュージアムの所蔵作品から、ポスターを中心に約60点をご紹介いたします。長いキャリアの中で、ビジュアルへの豊かな好奇心を保ち続けたフレッチャーの世界が見てとれます。(サイトより)
◇ギャラリートーク
日時:5月9日(金)16:00〜17:30
出演:エミリー・キング
会場:DNP銀座ビル5階/入場無料 要予約

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■イベント案内
AERA創刊20周年記念 坂田栄一郎「LOVE CALL」─時代の肖像─
< http://www.aera-net.jp/20th_lovecall/index_top.php >
< http://bn.dgcr.com/archives/20080508140200.html >
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会期:5月9日(金)〜6月8日(日)11:00〜21:00 無休 無料
会場:東京丸の内エリア 丸ビル(マルキューブ3階回廊)、新丸ビル(3階アトリウム)、行幸地下ギャラリー、丸の内オアゾ(大広場)
内容:写真家・坂田栄一郎が1988年から20年にわたり撮り続けてきた肖像写真約900点を、丸ビルや新丸ビル、行幸地下ギャラリー、丸の内オアゾの4会場に大規模に展示、映像上映も交え、各会場において大型プリントによるダイナミックなインスタレーションを行います。展示作品は、すべて本展のために新たにトリミングしたポートレートです。坂田が20年間に撮影してきた約800人の人物の肖像写真を丸の内の様々な空間に展示、来場者がエリアを巡りながら作品を見てまわるという、かつて例のない試みです。丸の内が、坂田栄一郎のポートレートで埋めつくされます。(サイトより)
・ニュースリリース
< http://www.aera-net.jp/20th_lovecall/20thphoto.pdf >

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■展覧会案内
細江英公写真展─ガウディへの讃歌
< http://www.tokinowasuremono.com/artist-001-tenrankai/ >
< http://www.tokinowasuremono.com/artist-b22-hosoe/index.html >
< http://bn.dgcr.com/archives/20080508140100.html >
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会期:5月9日(金)〜5月17日(土)12:00〜19:00 日月祝休
会場:ときの忘れもの(東京都港区南青山3-3-3 TEL.03-3470-2631)
内容:細江英公は、1964年にバルセロナでガウディ建築との衝撃的な出合いをする。その13年後、1977年から数度に亘る撮影を行ない「ガウディへの讃歌」として発表した。Part1では1977〜78年に最初のニコンで撮影した作品、Part2(5月17日〜31日)では1984年に撮影された作品を展示する。
◇細江英公ギャラリートーク
日時:5月23日(金)18:00〜
会費:1,000円(1ドリンク)要予約

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■編集後記(5/8)

常識はウソだらけ (WAC BUNKO 73)・日垣隆「常識はウソだらけ」(ワック、2007)を読む。この本では、これまで一般に「常識」として信じられてきたリサイクル、定期検診、血液型診断、犯罪報道、動物保護、クジラ肉、不妊治療、カウンセラーという8つのタブー領域を取り上げている。TBSラジオ「サイエンス・サイトーク」で今まで9年間にわたって行われた約220回もの対論から、「常識はウソだらけ」にふさわしい8話を厳選して収録したスタイルだが、実際は書き下ろしとのこと。日垣さんが対論する相手は、いわゆる「常識」サイドにとっては「札付きの危険思想の持ち主」である(笑)から、話がおもしろくないわけがない。一読、いままでの「常識」がひっくりかえって、じつに爽快。喧嘩王と危険思想家の対論では極端に走りそうなところを、有村美香アナウンサー(アシスタント・インタビュアー)が、普通の感覚でいろいろ疑問や感想をさしはさむという安全装置付きだ。武田邦彦「リサイクルしない知恵」、近藤誠「定期検診を受けるのは止めよう」は有名な主張なので知っていたが、そのほかは「血液型診断のウソとホント」がやや甘かった(もっと完膚なきまで否定してほしかったが、雑談で終わっているかんじ)以外、そうだったのかと思う意見ばかりで、それが非常にわかりやすく素直に理解できる(ほんまかいなと思わぬでもないことも多少あるが)。こういうおもしろくて役に立つ話は受け売りしたい。図書館の検索でピックアップして借りた本なので、ちゃんと買ってこようっと。/今日午前1:45に地震があった。その30分くらい前、屋根の上を人が歩くような大きな音が聞こえて(ありえない。マンションの一階なんだから)びっくりして目をさましドキドキしてたら、妻が「音は聞いていないが、地震が来ると思ったら目がさめた」と言う。犬が心細げに鳴き続ける。しばらく眠れぬままその時を待っていた。そして本当に来た。とうとう「その日」が来たのかと思った。震源地は茨城県沖、昨日19時ごろにもあったところだ。こわいな……。(柴田)
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・電車に乗っていた。空席の目立つ夕方の車内。ロングシート4人掛けの座席に3人で座る。しばらくして1人の男が私の横に座った。なぜ、わざわざ? 男の年齢や雰囲気からいって私への痴漢ではないと直感。ふと前を見ると家族連れがいる。お父さん、お母さん、赤ちゃん、小学校低学年ぐらいの女の子。お母さんと赤ちゃんは寝ていて、お父さん、女の子はそれぞれDSで遊んでいる。男を見ると、手を頬にあて、空席の目立つ車内に顔を向けてはいるが、目だけが家族連れの方を向き、やや伏し目がち。その目の先にあったのは、女の子のスカート。この頃の女の子は、下着が見えることなんて気にしない。足を組み替えたり、片膝立てたりするもんだから、ちらちら見える。子供だしなぁ、子供自身は見られて恥ずかしいわけじゃないんだしなぁ、しかし気持ち悪いしなぁ、こりゃどうしたもんかと同行者らに耳打ち。お父さんゲームしている場合じゃないよ気付けよ視線ビームを3人で出したら、気付いてくれたのでジェスチャー。男の様子が変だというのはわかったようなのだが、娘に下着が見えないように座れとは言わなかったところを見ると、お父さんですら、まさか娘の下着を見るために男が前に座ったなんて想像できなかったんだろう。しばらくお父さんはその男を睨みつけていたので、男は女の子を見ることはなくなったんだが……。世のお父様お母様、お気をつけ下さいまし。どう気をつけるべきかわかりませんが……。今度は女の子に向って「下着見えてるよ〜」と明るく声をかけられるように……うう。(hammer.mule)

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常識はウソだらけ (WAC BUNKO 73)
日垣 隆
ワック 2007-10
おすすめ平均 star
starこの本が気になった方へ
star面白いが
star対談本
star思考停止を防ぐために。
starその通り

学校がアホらしいキミへ 通販な生活 一生を1ギガで終えないための買い物学 部下の仕事はなぜ遅いのか 「格差突破力」をつける方法―勉強法から人生戦略まで (新書y 182) 個人的な愛国心 (角川oneテーマ21 A 58)

by G-Tools , 2008/05/08