デジクリトーク/編集者よ、熱き思いを語れ 柴田忠男

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MANDALA Vol.3 (2009) (講談社MOOK)講談社「モーニング特別編集」の豪華フルカラー増刊「MANDALA」を読む。とにかくでかくて重い。加えて高い。A4ワイド、340ページ、厚さ20ミリ、重量1300グラム弱。寝ながら両手で持ち上げて見るのは不可能な体裁だ。本の定価は税別2286円。

誌面は、前から右開きのSideAと、後ろから左開きのSideBに分かれている。収録作家は、日本が6人、イタリアが5人、フランス2人、ドイツが1人、スペインとドイツの合作が1、計15編16人である。「世界の『超』漫画マスター16人競演!」と背表紙にある。高級紙に美麗な印刷の豪華な短編マンガ集だ。

しかし、日本の優れたストーリーマンガに慣れきったわたしには、残念ながらこれらの作品の世界観には入って行けない。一枚絵としても美しいものもあるし、コマ割が新鮮に見えるものもあるが、夢中になってコマを追って行くことはない。



こういうタイプのマンガを忌避するわけではない。よくわからないのだ。わかったのは、器用な日本人作家は外国作品風にも描けるが、欧米の作家は日本作品風には描けないということだ。でも、永井豪作品だけは明らかに浮いている。この本のコンセプトとは違うような気がする。

各作品のトップページに作家のコメントと略歴があるが、なぜ彼らが「超」漫画マスターなのかといった説明はない。そもそもこの本の企画意図が巻頭の挨拶にない。なぜ、この本の意義をぶちあげないのか。なぜ、編集者の熱い思いを語らないのか。デジクリでもおなじみのmidoriさんも参加している、国際的な編集部からのメッセージがまったくないのだ。

年に一回発行されるこの豪華本を初めて手にした読者は、どんな価値判断で編まれた作品集なのか、不思議に思うだろう。わたしはこの本の意義を評価するものだが、なぜこんなにムダにでかいのかという気もする。A4正寸からはみ出た19ミリは、作家名とタイトルとページ掲載用に使われているだけであまり意味がない。紙も印刷も高級だが、そんなぜいたくは必要か。日本国内でさえ、発送にはゆうメールで450円もかかっている。外国に送るのにいったいいくらかかるのか。

もっとライト版にして、もっと頻繁に発行して、編集部もとりすましていないでもっと熱く訴えかけてほしい。そして、値段ももっと安くしてね。マンガ立国ニッポン、がんばれ。

< http://morningmanga.com/news/187 > MANDALA

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MANDALA Vol.3 (2009) (講談社MOOK)
講談社 2009-07

MANDALA Vol.2 (2008) (講談社MOOK)

by G-Tools , 2009/07/09