Otaku ワールドへようこそ![121]失態だらけでボロボロだった──展示を振り返って/GrowHair

投稿:  著者:  読了時間:12分(本文:約5,900文字)


まあ、いろいろあったけど、その「いろいろ」をすっぱりと省略して成功=1、失敗=0の1ビットの情報で表現せよと言われたら、1だ。7月5日(月)をもって、浅草橋「パラボリカ・ビス」での人形と写真の展示が終了した。成功裡に。ご来場いただいた方、ご協力いただいた方、心の中で応援していてくださった方、ほんとうにありがとうございます。

予想を上回る、多くの方々にご覧いただけたことが、まず嬉しい。遠くからご足労いただいた方々も数多くいらっしゃると思う。ほんとうにありがたく、畏れ多い。過去には有名なアーティストが話題性の高い展示をされたギャラリーで、7月18日(金)からの2週間以上にわたる長丁場の展示だったので、心配したのは、早い時期に来られた方からブログなどで「がっかりだった」などと審判を下されると、その情報が広まって、後は閑古鳥、のような事態になりはしないかということだった。

実際には、後半、来場者数が伸びており、最終日には、2度目、3度目の方もいらっしゃったとのことで、宣伝が功を奏したということだけでなく、展示内容にも一定の評価がいただけた結果だと解釈していいのではなかろうかと思い、ほっとしている。もちろん、同時開催していた宮西計三さんの個展目当てで来場して、ついでに人形もご覧いただいたという方も多くいらっしゃったはずで、助けられたという側面は多々あるけれど、それがどのくらい大きかったかはあいまいのまま「相乗効果」だったということでよろしいのではないかと。

準備段階でも会期中でも、大変な思いをする事態がいろいろ生じ、まあ、結果がよかったんだから、がんばった甲斐があったと手放しで喜んでもいいところではあるのだが、ただ、その「大変な」「いろいろ」の中身には揉め事に属することもあり、また、清水真理さんにも多大なるご苦労をおかけして申し訳なく、必ずしも後味のいい終わり方とは言いがたいという側面もあったりする。けど、そういうことも含めて大いに勉強になったのだから、それも収穫だったと考えれば、今回展示をした意義は大きかったと思う。

パラボリカ・ビスの主である今野裕一さん、スタッフの方々、今回の展示の話を持ちかけてくださり、ずっと面倒をみてくださった清水真理さん、人形の制作と展示に力を発揮してくださった10人の人形作家さんたち、週末イベントで演じてくださったMONT★SUCHTさんと電氣猫フレーメンさん、展示の宣伝や会場の設営などでご協力をいただいた多くの方々に、あらためて厚く感謝いたします。

「いろいろ」の中身は、いろいろあって、ここに全部ぶっちゃけるわけにはいかない。私がしょーもない失態やらかしてて恥ずかしいから、という理由だけだったら、いまさら何が減るわけでなし、いいのだが、関係者を巻き込む話なので、これ以上怒られてはかなわないので。あるときなど、ひとつのグループから怒られている最中に、怒られ終わったら次に怒ろうと、別のグループが横で控えている、なんて事態もあった。チクチクして、なかなか座り心地の悪いムシロであったなぁ。......って茶化してるけど、あれはどっちも私の軽率さのいたすところでした、ほんとにすいません。

私とて、展示を失敗に導こうとか、がんばってるみんなの足を引っ張ってやろうとか、悪辣な意図をもってしたことではないわけだから、運が悪かったといえば悪かったのだが、そうは言ってもこれだけ度重なると、運のせいというよりは、心がけが悪かったせいと考えたほうが当たってそう。結果を見てから後付けの理屈で、あのときああしてりゃよかったと言うことはできても、それじゃあ実際にそこまで気を回すことができたかと言えば、やっぱり無理だったよなぁ、ってこともけっこうあるんだけど。

ひとつだけ、具体的に書いておこうと思う。何かのご参考になるのではないかと。不運が続くと思ったときは、あんまり難しいことはしようとせず、安全確実な道を選ぶべし、とか、選択肢を前にしたときは、頭をフル回転させて、あらゆる事態を脳内シミュレーションしてリスク最小の道を選ぶべし、とか、なんらかの教訓を引き出して、おのおのの生活に役立てていただければ。



来場者にもれなくお渡ししていた小冊子がもしかすると足りなくなるかもしれないと気がついたのは、7月3日(土)のことだった。会期は5日(月)まで。あと2日。これはそもそも、来場者数を過小に予想して、刷り部数を決めたのが判断ミス。だけど、あの時点じゃ、無理だったよなぁ。いちおう、過去の展示の実績を参考にしつつ、もろもろの状況を鑑みて予想した数字を25%増しぐらいはしたのである。それで、区切りのいい数字になった。もっと刷っておくとなると、その2倍刷ることになる。元からすると、150%増しですな。この計算、分かります?(元の25%増しとは、1.25倍。それの2倍とは、元の2.5倍)

展示の案内に「もれなくプレゼント進呈」と書いている以上、ウソをつくわけにはいかず、品切れという事態はぜったいに避けなくてはならない。かといって、コストも安くはないので、さすがに2倍刷る度胸はなかった。2倍刷らなくても、大量に余ったという結果に終わったとき、いったいどういう楽観予測だよ、とののしられて気まずい空気が流れるのは、ちょっとかなわない。

会期中、日々の減り具合をチェックして、補外してX軸との交点を求め、会期終了前になくなりそうなら早めに増刷しよう、なんて話も出ていたんだけど、やらなかったなぁ。あと、増刷が間に合わなかったら、代替品として、缶バッヂかなにかで許していただこう、なんて話も出ていた。しかし、それすら間に合わないじゃん。できることといったら、小冊子に載せている10枚の写真をプリントしたセットを作って代替品とするぐらいだ。小冊子1冊単価よりもずっとコストがかかる上に、だいぶん見劣りするという、歯がゆい代物だけど、何もないという事態は避けなくてはならないし、お詫びの意味も込めて、こうするしかなかろう。

さて、画像データを毎日持ち歩いているわけではないので、3日(土)のうちにプリント注文するのは無理だ。4日(日)、画像データを持って出かけ、秋葉原のヨドバシカメラに着いたのは、1:00pm過ぎになってしまった。いつもは新宿のヨドバシカメラでプリント注文しているのだが、展示会場が浅草橋なので、秋葉原のほうが時間の節約になると考えた。ところが、そうじゃなかった。

入り口のフロア案内を見ても「デジカメプリント」という言葉が見当たらない。店員に聞くと、機械の前まで案内してくれた。機械が数台並べて置いてあるけれど、そういうコーナーになっているというふうではなくて、隅っこに押し込められている感じ。よくよく見れば、求めていたタイプと違う。セルフサービスで機械を操作して、プリントする駒と枚数を決めていけるところまではいいのだが、機械の中でプリントしてその場でプリントが出てくるタイプではないか。それはただのプリンタだ。

私が求めていたのは、機械からは注文伝票が出てきて、それをカウンターに持っていくと、30分〜1時間後に、印画紙に焼き付けたのを渡してもらえるタイプ。周囲を見回しても、そういうのは、ない。店員に聞き直せば別の場所にあったのかもしれない。けど、こういうのは普通固めて置いておくもんだという気がするので、そこらになければどこにもないのだろう。あきらめる。

さて、どうするか。秋葉原なんだから、そういうお店は他にもありそうだけど。知らないなぁ。Kinko'sも頭には浮かんだ。けど、あれこそプリンタであって、印画紙に焼いてくれるサービスを提供しているとは思えないなぁ。しょうがない、新宿まで戻ろう。1:30pm過ぎに新宿に着き、1時間でプリントして、1時間でOP袋に詰めて、週末イベントの設営開始時間の5:00pmにはパラボリカ・ビスに到着できる計算。そうすれば、週末イベントの来場者には写真セットをお渡しできる。

勝手知ったるヨドバシカメラ新宿西口本店の機械で、プリントする駒と枚数を決定する。10種類を50セットで、計500枚。すべてLサイズ。出てきた伝票をカウンターに持って行くと、仕上がりは5:00pmになるという。え? なぜ今日に限ってそんなにかかる? いつもだと、たいていは30分で仕上がり、枚数が多くても1時間以内には仕上がるのに。機械が不調でどうとか、こうとか。え?それだったら5:00pmにだって仕上がる保証はないじゃん。

注文をキャンセルする。ビックカメラへ。ここのサービスはほとんどヨドバシのコピペな気がする。プリント注文する機械やソフトウェアまで同じだ。ただし、画面を指でいくらつついても反応しないので、故障かと思って隣りのに移っても同じで、店員に聞いたら、マウスがつながっていた。駒を選んで決定し、出てきた伝票をカウンターへ持っていくと、5:00pmまでかかるという。え? なんでそういうとこまでコピペなの? まさか裏で同じマシンを共有して使ってるんじゃあるまいな?

今、振り返って考えると、Lサイズだけ、やけに時間がかかるのかも。ほとんどの人がLサイズで注文するので、このサイズだけ待ち行列が長い、とか。いつも30分〜1時間で仕上がっているのは、2Lサイズの話だ。今までそのサイズでばかりプリントしていたのだが、今回はそれでは値が張りすぎると思って、Lサイズにしていたのだ。この推測が当たっているかどうかは、確認していないけど、もしその場で思いついて、値が張ることには目をつぶって2Lサイズに変更したら、サクサクと仕上がっていたのかもしれない。

もう他に手が思いつかなかったので、5:00pm仕上がりを受け入れて注文する。この時点で、2:00pmちょい過ぎ。パラボリカ・ビスに電話すると、小冊子はすでに品切れという。え〜っ?! 5:00pm〜7:00pmの間のイベント設営の手伝いを失礼させてもらう旨を伝える。OP袋を買い、世界堂へ行って、綴じ用の黒い紙を買ったら他にすることはなく、忙しいさなかに空き時間ができて、漫画喫茶で待つ。

5:00pmにプリント仕上がりを受け取って、すぐ近くの喫茶ルノワールへ。抹茶フロートを注文し、綴じ作業。写真を1枚1枚OP袋に入れ、10枚セットを作ったら、2つ折にした黒い紙をかけて、ホチキスでがちゃっと留めるという作業。Lサイズの写真をLサイズのOP袋に入れてみると......。あれっ。ちょうどぴったり収まって、綴じ代ができないじゃないか。2Lサイズだと、あったのに。慣れないサイズに焼くと、予想外のことが起きる。

他に策が思いつかず、カッコ悪いけど、2LサイズのOP袋にLサイズの写真をぶかぶか状態で入れて、上を綴じることにする。持ち物と飲みかけの抹茶フロートをそのままにして、店の人に10分で戻りますと告げて、再びビックカメラへ。2LサイズのOP袋を買って戻る。あ、黒い綴じ紙が足りない! 2つに切って使おうと思って30枚しか買っていなかった。袋のサイズを大きくしたら、切らずにそのまま使ってちょうどいいサイズなので、50部は作れない。仕方がなく、30部だけ作る。この時点で7:00pmを回ってしまった。やばいやばい。

ルノワールを出て、世界堂で黒い紙を買い足して、浅草橋へ。パラボリカ・ビスに着いたのは、8:00pm過ぎ。7:30pm開演の、電氣猫フレーメンの公演がまさに進行しているところだった。ほんとは私が写真を撮る役だったのに。代わりに、八裕さんが、展示されている人形を撮るためにたまたま持って来ていた自分のカメラで撮影してくれていた。

あせりまくっていた私は、この後、もう一発、とんでもない大失態をやらかすのだが、それはまあ、むにゃむにゃ......ということで。結果から逆にたどれば、どこかの時点でもうちょっとマシな判断をしていれば、この事態は避けられたような気がするのだが。選択肢のあるところで、もうちょっと頭をフル回転させるべきだったのだろうか。

読者様におかれましては、いつか似たような状況に置かれたときに、どのように切り抜けるべきかという教訓にしていただくか、あるいは、俺がそんなマヌケな判断でみずからを窮地に追い込むわけがないじゃん、と笑っていただくか、いずれにせよ、何かの足しになっていれば。ぶっちゃけた話、日曜にはもうちょっとゆっくり時間をとって、もっとマシなことを書く構想はあったのであり、この一連のドタバタの被害は読者様にまで及んだということにもなりますわな。ひぇっ、すみませんすみませんすみませんっ。

え〜っと......、まとまりがつかなくなってきたけど。まあそういうことです。今回、このような敷居の高い場所で展示ができ、なんとか成功のうちに終えることができたことは、自分の中で非常に大きな意味をもつ、貴重な経験となった。けれど、今後の人生を、このようなセルフ・プロモーションの場の追求に費やしてばっかりではよろしくないと思う。

山へこもって修行しなおし、じゃないけど、ここらで原点に立ち返って、足元固めをしなければと思う。撮ったものをどこかへ展示、なんてことを考えもせずにがむしゃらに撮りまくってた昔のほうが、純粋で真剣な姿勢で臨んでいたかもしれない。

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp

金曜日のこの欄を交代交代で埋めているところの(←関係代名詞)[ところ]さんからfacebookへのお誘いメールが届いた。よく分からないままにアカウントを作成してみると、どういう仕組みになているのか、「この人たち、知り合いでしょ」みたいな感じで、すでにアカウントを持っている人たちのリストが表示される。はい、いかにも知り合いですが、なぜ分かったんでしょ?

もしかして、過去に私宛てにfacebookへのお誘いを送ってくれてた人リスト? こっちがずっと放置してたんだっけ? デジクリ関係では、濱村さんと武さん。コスプレ関係で、イタリアのBarbaraさん。'03年の夏、原宿の「橋」で声をかけて撮らせてもらったのだった。'06年のゴールデンウィークには、ブレーシアで開かれた日伊交流イベントでコスプレ写真を展示させてもらっている。最近もメールをやりとりしていて、今年の夏コミに合わせて日本に来るというので、楽しみにしている。

そのつながりで知り合っていたイタリア人たちの中に、facebookに入っている人が2人いることを教えてもらい、ほどなく「友達」に。国際色豊かなSNSなのは楽しいけど、彼らはイタリア語でやりとりしてるもんだから、何言ってるのか、さっぱり分からん。