[3132] 真夏にユキが降った頃...

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《血も涙もないTOEICのアドバイス》

■映画と夜と音楽と...[518]
 真夏にユキが降った頃...
 十河 進

■ところのほんとのところ[64]
 「Eyemazing」と「Zoom」
 所幸則 Tokoro Yukinori

■歌う田舎者[26]
 行間を読む
 もみのこゆきと



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■映画と夜と音楽と...[518]
真夏にユキが降った頃...

十河 進
< https://bn.dgcr.com/archives/20111014140300.html
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〈ワイルド7/追撃のバラード〉

●「ワイルド7」が年末に公開されると知った夜

先日、オフィシャルサイトで「ワイルド7」の予告編を見た。飛葉ちゃんは瑛太、草波が中井貴一である。世界が椎名桔平、オヤブンは宇梶剛士、みそっかすのユキを深田恭子がやっている。その他のメンバーにはなじみがない。公開が今年の暮れで、正月映画らしい。「海猿」の監督が担当しているというから、フジテレビあたりが出資しているのだろうか。

僕は子供の頃から望月三起也さんのマンガの愛読者で、「ワイルド7」には少なからぬ思い入れがある。小学生の頃には「ムサシ」に熱中していた。精密に描かれた拳銃の絵が好きだった。望月さんは少年画報社の専属マンガ家という印象があり、週刊「少年キング」創刊から連載を持ち、「秘密探偵JA」「ワイルド7」と作品は続いた。僕は「少年キング」は創刊のときから読んでいた。

60年代末の学生運動の盛り上がりは、社会的に大きな影響を与えた。誰もが何らかの問題意識を持ち、政治的立場を鮮明にせざるを得なくなった。少年マンガ誌も読者である若者たちのニーズに従って、政治的な作品を載せ始めた。その頃のマンガで先鋭的だと学生たちに評判になったのが、山上たつひこの「光る風」だった。1970年に少年マガジンに連載された作品である。

もちろん、僕も「光る風」は気にしていたし、毎週の連載には目を通していた。それでも1970年4月28日(沖縄反戦デー)の日比谷公園で、黒いヘルメットに「光る風」と描いた学生を見かけたときは少し驚いた。その「光る風」と同じ頃、やはり「政治的なマンガだなあ」と思ったのが、望月三起也さんの「ジャパッシュ」(1971年)だった。

「ジャパッシュ」の主人公は美貌の青年で、ひどく冷酷な性格に設定されていたと思う。アジテーションや演説の才能があり、人々を魅了するカリスマ性を持っている。彼はカリスマ性を最大限に発揮して日本国民の支持を得、独裁者への道を歩み出す。作者は、おそらくナチスとヒットラーが台頭したイメージに物語を重ねていたのだと思う。根底には、ファシズム批判があった。

小泉純一郎が絶大な人気を得、街頭演説のときの駅前を埋め尽くす群衆を見て、僕は「ジャパッシュ」を思い出した。その後も小泉人気は衰えず、郵政法案に賛成か反対かの色分けだけで選挙を強行し、圧倒的な勝利をおさめたときも僕は「ジャパッシュ」を思い出し、人々がファシズムを受け入れる素地はいつの時代でもあるのだと認識した。

「ジャパッシュ」は、「ワイルド7」と併行して「少年ジャンプ」に連載された。「ワイルド7」はすでに連載が2年も続いており、「少年キング」の人気を牽引していた。その頃、僕は「ジャパッシュ」は毎週読んでいたが、「ワイルド7」は大学の近くの喫茶店に置いてあった「少年キング」でたまに読む程度だったから、話が2、3回飛ぶこともよくあった。

あるとき、映画好きの友人Tが「今週の『ワイルド7』読んだか。飛葉ちゃんが十字架を背負わされる拷問が出てくるのだが、あれは『追撃のバラード』からきてんじゃないかな」と僕に言った。「追撃のバラード」(1970年)は、1971年の暮れに日本公開になったバート・ランカスター主演の西部劇だ。映画史の中では消えてしまった小品だが、僕には忘れられない作品だった。

●十字架を背負わされて西部の荒野に放逐される主人公

「追撃のバラード」の原題は「VALDEZ IS COMING」というもので、僕とTはその語感が気に入り、よく「バルデス・イズ・カミング」と意味もなく口にした。「追撃のバラード」の無口な主人公(バート・ランカスターが演じたのは、保安官助手だったと思う)は、ほとんど「100ドルくれ」と「バルデス・イズ・カミング」以外のセリフを口にしない。

不思議な映画だった。殺人犯に間違われた黒人が白人たちにリンチに遭いそうになっているところに行き合わせた主人公バルデスは、誤解した黒人に発砲され、やむなく黒人を射殺する。しかし、やはり黒人は殺人犯ではなかったのだ。それに、アパッチ族出身の妻が残され、バルデスは黒人を追い込んだ町のボスに補償金として100ドル払ってほしいと交渉する。

ボスはその申し出を拒否。部下に命じてバルデスをリンチするが、バルデスは諦めない。何度も何度もやってくる。追い払われても追い払われても「バルデス・イズ・カミング」と言いながらボスの前に現れる。「100ドル支払ってくれ」と迫る。見ていると、そのしつこさが途中から可笑しくなってくる。バート・ランカスターの表情を変えない演技が妙なユーモアさえ漂わせるが、マカロニ・ウェスタンの影響を受け、残虐シーンも多い作品である。

バルデスの執拗さに手を焼いたボスは、とうとうバルデスに十字架を背負わせて荒野へ追いやる。半死半生で荒野を彷徨うバート・ランカスターの姿は今も鮮明だ。目を閉じれば甦る。バート・ランカスターが映画出演50本を記念して制作した作品だという。「ヴェラクルス」(1954年)の印象が強いので、西部劇スターのイメージがあるバート・ランカスターだが、作品歴を見ると西部劇は意外に少ない。

映画が公開された当時、原作者のエルモア・レナードは日本ではほとんど知られていなかったが、80年代になってクライム・ノヴェルが翻訳されてから日本でも作品が読まれるようになった。ウェスタン小説も多く書いていて、「決断の3時10分」(1957年)やポール・ニューマン主演の「太陽の中の対決」(1965年)などが有名だ。

エルモア・レナードにとっては、ジョン・トラボルタ主演の「ゲット・ショーティ」(1995年)、クエンティン・タランティーノ監督の「ジャッキー・ブラウン」(1997年)が、立て続けに公開された頃が日本での絶頂期かもしれない。両作品ともレナードのクライム・ノヴェルの映画化だ。僕は「3時10分、決断のとき」(2007年)の原作がレナードだと知り、西部劇も書くのだと初めて知った。

異色西部劇「追撃のバラード」を見ると、エルモア・レナードの原作が読みたくなる。それは、映画を見ているとバルデスの内面を知りたいという欲求が募ってくるからだ。無表情で、殴られても拷問されても、自分の目的を貫くために執拗にボスに迫る、バルデスの気持ちを知りたくなるのである。もっとも、レナードの小説は登場人物の行動描写が中心で、内面を語ることはあまりない。

「追撃のバラード」で印象的な、十字架を背中にくくりつけられ荒野へ追いやられるシーンは、レナードの原作にあるのだろうか。シチュエーションが実にレナード的だから、原作にもあるような気がする。十字架を背負う主人公の姿を見ると、キリスト教圏の人たちはゴルゴダの丘を登るキリストを連想するだろう。そこに何か、抽象的な隠喩が隠されているのかもしれない。

●「ワイルド7」実写版のテレビ放映があった頃

「ワイルド7」の主人公である飛葉大陸は、様々な形で痛い目ばかりに遭っているが、重い十字架を背負わされる拷問は中でも特に辛そうだった。今は手元に「ワイルド7」の単行本がなくなってしまったので確認できないのだけど、その拷問は「緑の墓」の中に出てきたと記憶している。連載されていたのは、おそらく1972年だ。テレビ版「ワイルド7」の放映が始まった頃である。

実写版「ワイルド7」を僕はよく見ていた。日活がロマンポルノ路線になり、仕事の中心をテレビに移した長谷部安春監督が演出を担当していたからだ。その後、長谷部監督は「探偵物語」「あぶない刑事」など多くのテレビシリーズを手がける。僕は、当時、アクションものを撮ったら日本で最も切れ味のよい監督だと思っていた。一度だけ見たご本人も濃いレイバンを掛けた強面で、ハードボイルドな雰囲気の人だった。

夕方7時から始まる子供向けの30分番組だったが、「ワイルド7」はよくできていた。主題歌も好きで、今でも酒席で口ずさむと、ひとまわりほど若い後輩に「ソゴーさん、よく憶えてますね。僕らが子供のときの番組ですよ。大学生であれを見てたんですか」と呆れられる。そう、僕は21歳、大学生だった。今のカミサンとほとんど一緒に暮らしていた。僕と彼女は一緒に「ワイルド7」を見ていたのだ。

高校の同級生だった彼女は僕が東京に出た後、一年間は故郷の洋裁の専門学校へ通い、翌年上京して西新宿の文化服装学院デザイン科に入った。その一年間は学校近くの寮に入っていたが、翌年卒業してアパートに移った。そのアパート探しに僕も同行したが、ちょうど連合赤軍事件で世間が大騒ぎになっていた時期である。若者に部屋を貸すのを警戒する雰囲気があった。

板橋区で見付けた部屋は二階に二部屋だけしかないアパートで、壁が薄くごみごみした場所に建っていた。卒業後、親の反対を押し切って東京に留まり、洋裁店に勤めることになっていた彼女には仕送りがなくなり、部屋代に充てる金額には限度があったし、敷金や礼金は僕がアルバイトをして貯めた金で支払うつもりだったので、安い部屋しか借りられなかったのだ。

僕も方南町に部屋を借りていたから二人分の部屋代をあわせて一部屋借りれば、もっといい部屋を借りることができたのだが、僕は一緒に暮らすことに抵抗があり、彼女は彼女の部屋を借りるようにしたのだ。当時は上村一夫の「同棲時代」が人気があったし、「神田川」がヒットしており、大学の友人たちも何人かが同棲していたけれど、僕には何となく抵抗感があった。

1972年、3月末のある日、引っ越しを終え部屋の中がいくらか片付き、手伝ってくれた友人たちと鍋を囲んだ夕食が終わり、友人たちが「さあ、帰るか」と腰を上げたときに「じゃあ、俺も...」と一緒に立ち上がった僕に、「バカヤロ、......ちゃんが可哀想だろ。初めてのひとり暮らしなんだぞ。今日は一緒にいてやれよ」とTが言った。その日から僕は、自分の部屋と彼女の部屋をいったりきたりすることになった。

その年のいつの頃だったか、彼女は紹介してくれる人があって、数寄屋橋阪急の洋服売り場に販売員として勤め始めた。しかし、その年が暮れ翌年が明けた頃、元々、躯が弱かった彼女が寝付くようになり、勤めを辞めざるを得なくなった。どこが悪いということではなく、貧血気味で躯がしんどかったのだと思う。寝たり起きたりという生活になった。

僕は彼女の部屋にずっといて、食事を作ったりする生活になった。闘争の余韻が残る大学はロックアウトになり、後期試験もレポート提出ですんだ。学校にいく必要もなく、彼女の生活費を稼がなければならない僕は、友人が持ってきたアルバイト話に乗った。彼女の部屋から歩いていける自動車工場で、そこでは保冷車を作っていた。きつい仕事だったけれど、時給がよく徹夜仕事も多いので、いい稼ぎになった。僕は毎日、弁当を持って工場に通った。

週に一度の休みの日には、彼女の気分がよいと一緒に散歩に出かけ、夕方、銭湯にいって買い物をして帰った。ある日、僕が食事を作っていると、「ワイルド7」の主題歌が流れてきた。彼女も「ワイルド7」が気に入っていたのだ。そのとき、毎日、退屈そうにしている彼女のために「ワイルド7」の単行本を買おうと思った。とびとびに読んでいた物語をまとめて読みたくなったのだ。

●ほんの数分のアクション場面が2週にわたって描かれる

僕が工場帰りに買って帰った「ワイルド7」の1巻と2巻「野生の七人」を、彼女はすくに読み終え「次も読みたい」と言う。僕も読みたかったから、1エピソードずつ買いそろえていった。「バイク騎士事件」「誘拐のおきて」「コンクリート・ゲリラ」「千金のロード」「爆破105」「黄金の新幹線」...、おそらくその辺までは、当時、単行本で揃えたはずだ。

「少年キング」では、まだ「緑の墓」が連載されていた。それまで長くて単行本2巻、短いと1巻でまとまっていたが、「緑の墓」は延々と続いていた。望月三起也さんの筆はどんどん緻密になり、バイクや車や銃器が本物のように描かれていたし、ほんの数分のアクション場面が2週にわたって描かれたりする。どんどん細かくなっている。「これでは、いつ単行本になるのか」と僕は思った。

「緑の墓」は結局3巻でまとまったが、その本が出た頃には彼女の健康も回復していた。僕は新学期が始まってもアルバイトを続け、貯金通帳の残高は増え続けた。その金を元にして、僕の部屋から近いところにもっとよい部屋を借り、彼女は引っ越した。僕は自分の部屋から歩いて彼女の部屋へいけるようになったのだが、その年の晩秋、突然「私、帰る」と宣言し、彼女は理由も告げずに帰郷した。オイルショックで、文字通り暗い夜が続いていた。

結局、2年後の秋、結婚して再び一緒に暮らし始めるまで、僕と彼女は離ればなれに生きていた。僕らは阿佐ヶ谷のキッチンとトイレの付いたアパートで新婚生活を始め、「ワイルド7」の単行本が揃った本棚を僕は運び込んだ。彼女は、再びそれを読み始めた。その後、新刊が出ると僕は買って帰り、いつの間にか「魔像の十字路」までの48巻が揃った。そして、部屋が手狭になり、僕は「ワイルド7」をまとめて実家に送った。

実家に送った「ワイルド7」は、正月などに帰郷した兄の一家が読んでいたと母に聞いた。そして、僕にも息子ができ娘ができ、年に一度は子供たちを連れて帰郷した。あれは、いつのことだろう。長男が10歳になった頃だろうか、僕は自分の子が「ワイルド7」を読んでいる姿を見た。父が夢中になったマンガを、20年たって息子が読んでいる。不思議な気分だった。息子は「ワイルド7」に夢中になり、48巻を読み尽くし、翌年も帰郷すると再び1巻から読み始めた。

先日、ネットで「ワイルド7」の予告編を見た後、カミサンに「『ワイルド7』映画化だって...」と言うと、「八百はだれがやるの?」と訊く。サングラスをかけた二枚目で大人の男の魅力がある「八百」は、やはり女性に受けるのだろう。「映画版には、八百は出ないみたいだよ」と言うと、「じゃあ、見にいかない」と笑う。案外、本気なのだろうなあ、と僕は思った。

息子にも同じことを言うと、「どうして、今頃、映画化するの?」と訊かれたが、そんなことは僕にも答えられない。息子は、最初の連載が終わった後に描かれた続編も読んでいるらしいが、僕にとっては「ワイルド7」は48巻で完結した物語だ。連載は、1969年から1979年までの10年間だった。それは、僕の18歳から28歳までに重なる。

その間、僕は上京し、大学に通い、就職し、結婚した。10年間には、様々なことがあった。若い時期に起こったことは、今の僕を形作る基になった。喜び、悲しみ、恥、屈辱、悔しさ、悔恨、恨み、感謝...様々なことが混沌としており、今も整理はつかない。ときに、生々しく立ち上がってくることもある。そんな時代に僕は「ワイルド7」を読んでいたのだ。「ワイルド7」が僕の個人的な思い出を甦らせる。

最終話「魔像の十字路」には、早くに殉職した世界の兄がチラリと姿を見せたり、「夏に雪が降るとき、飛葉が死ぬ」という不吉な予言が全編を貫いていて、大団円の雰囲気がある。最後には、ユキがヘリから身を投げる。「飛葉ちゃん」とつぶやきながら...。落ちていくユキのコマに、「夏にユキが降った...」と書かれていたのを憶えている。最終話を読んでいた頃、僕は自分の人生をひどく呪っていた。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com < http://twitter.com/sogo1951
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還暦まで残り一ヶ月を切ってしまった。「アラ還」ではなく、正真正銘の還暦になってしまう。12年前にこのコラムを始めたとき、60の自分は想像できなかったけれど、放っておいても人は年を取る。髪は相変わらず黒々としているものの、天辺が薄くなった。最近は目もかすむ。老人力がつき始めた。

●第25回日本冒険小説協会特別賞「最優秀映画コラム賞」受賞!!
既刊三巻発売中
「映画がなければ生きていけない1999-2002」2,000円+税(水曜社)
「映画がなければ生きていけない2003-2006」2,000円+税(水曜社)
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●朝日新聞書評欄で紹介されました。紹介文が読めます。
< http://book.asahi.com/book/search.html〜format=all&in_search_mode=title&Keywords=%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%91%E3%82%8C%E3%81%B0%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84&x=20&y=18
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■ところのほんとのところ[64]
「Eyemazing」と「Zoom」

所幸則 Tokoro Yukinori
< https://bn.dgcr.com/archives/20111014140200.html
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「Eyemazing」という雑誌がある。オランダのファインアートフォトマガジンである。はっきりとカメラ雑誌ではないといいきれる。アートに特化した写真雑誌は「Eyemazing」と、イタリアの「Zoom」しか[ところ]は知らない。

カメラメーカーの広告はまず載っていない。そこが純粋なアート誌の出発点だと思う。カメラメーカーの広告に頼った出版だと、どうしてもクライアントの要望が出てくるし、方向性まで偏ってくるからだ。

先月、facebookでヌード作品を一点アップしてみた。「Eyemazing」の編集長はfacebookのフレンドなので、それを見てメッセージを送ってきた。もっとこのシリーズを見せてくれないかという内容だった。送ってみたところ、来年の春の号で特集をしないか? というメッセージが返って来た。[ところ]はとてもうれしかった。ただ、ちょっと気になっていることがあった。

2008年の冬、パリフォトに行く直前に、もうひとつのアートフォトマガジンの「Zoom」の編集長に、"渋谷1セコンド"シリーズを送っておいた。ところが、パリに着いたとき、東京で明後日会おうという連絡が来た。まったくの入れ違いで、それぞれが極東の日本と欧州のイタリアに向かっていたのだ。

「Zoom」では新生・所幸則の特集を組むということで、話は進んでいた。その次の日に、パリフォトでたまたま「Eyemazing」の編集長に会い、次の号での特集の約束をした。しかし、そのことで「Zoom」の編集長が怒ってしまい、「Zoom」での2回目の所幸則特集はなくなってしまった。

[ところ]は、日本国内で競合するカメラ・写真雑誌で同時に特集というのは、仁義に反するということは学んでいた。しかし、オランダとイタリアでは国も違えば地理的にも随分離れているから、競合なんてないと思っていたのだ。だがユーロ圏では完全に競合誌だった。......難しい。今回の件もとても悩ましい。

2006年夏、今のような時間という概念を取り入れたコンセプトの作品ではない時代の集大成の作品集を送っておいたら、「Zoom」は4ページにわたって紹介してくれた。だから、「Zoom」には「Eyemazing」に渡すのとは別のシリーズ作品を提案して送ってみようと思ってはいる。

最近【ところ】が決心したことがある。語学、特に英語をなんとかして習得しようと思っている。稚拙でもいいから自分の言葉で、作品についてコミュニケーションを持ちたいという思いがすごく強くなってきた。この歳で英語が話せるようになるのか不安だらけである。

読者のみなさんは、あれだけ海外に行ってるんだから[ところ]は英語を話せるに決まっていると思われるかもしれない。実は度胸とジェスチャーだけでここまでやってきた。まったくいばれることではないけれど。

やはり、本人が語るのと代理の人が語るのでは伝わり方も違うはずだ。これから日本の国力も落ちて行くと考えると、ますます英語や中国語は必要になるだろう。みなさんもそう思われませんか。

・ニコニコミュニティ「写真家の異常な愛情」
10月16日(日)には20時から、一級建築士石丸彰子さんと「アートと建築との関わり」等をテーマにお話します。音声画像がちゃんと出るよう気をつけます! 東京フォトや東京画プロジェクトへの思いなども語ります。
< http://com.nicovideo.jp/community/co60744
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【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/
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所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/
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■歌う田舎者[26]
行間を読む

もみのこゆきと
< https://bn.dgcr.com/archives/20111014140100.html
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皆さん、一か月のご無沙汰でしたがご機嫌いかがですか。「エキゾチック・ジャパン 日本語を学ぶ」の時間です。本日の講師を務めますのは、インターナショナルスクール薩摩藩分校講師の、もみのこゆきとでございます。

エキゾチックな国「日本」は、工業技術などのハイテクノロジーやメトロポリスの機能美はもちろん、長い歴史を持つ古都の佇まいや四季のうつろいなど、色とりどりの自然の美しさでリスナーの皆さんを楽しませていることと思います。観光してまわるだけでも、その素晴らしさを感じることができますが、日本人とコミュニケーションができれば、より一層エキサイティングな時間を過ごせるのではないでしょうか。ニッポンのスーパースター、ヒロミ・ゴーも申しております。出逢いは億千万の胸騒ぎ。では今回も皆様の日本語力を高めるために、Let's learn Japanese!

今日は、次のフレーズについて学習します。
「行間を読む」

皆さん、ご存じですか? 「行間を読む」つまり、文章には直接表現されていない筆者の真意をくみとることを指します。恥ずかしがり屋の日本人は、大事なことや言いにくいことを、会話や文章に織り込まないことがままあります。しかし、そこを読みとらなければ、正しい理解、スムーズな意志疎通はできません。日本人とのコミュニケーションには、「行間を読む」ということが大変重要でございます。

そういえば先日、わたくしの知人が「本屋に平積みの『新TOEICテスト はじめてでも600点が取れる!』を買ったのに、ぜんぜん600点取れなかった」と憤慨しておりましたが、まさにこれも行間を読まなかったから起きた悲劇でございます。本のタイトルとて「行間を読む」の例外ではございません。このタイトルに隠された......ぴー......あら、どうしました? ディレクターさん......きゅるきゅるきゅる......何か妨害電波が......ざーぴーざーぴー......。



......さんびゃくきゅうじゅってんだっていいじゃないか、にんげんだもの。いや、しかしわたしの点数には、海よりも深く空よりも高い崇高な理由が隠されているのだ。それは他の受験生に対する深く温かい愛、英語で言えばディープでホットなラヴ。たとえパリに革命の嵐が吹き荒れようとも、この愛は永遠に潰えることなく、世界を照らし続けるに違いない。

ちなみにリスニング230点、リーディング160点という慎ましやかな点数に対するTOEICのアドバイス「一般的に認められる弱点」は、以下のように書かれていた。

文章中の情報について、推測ができない。
事実に基づく情報の、言い換えが理解できない。解答するとき、問題に使用されているのと同じ単語や句を文章の中から探すことに頼る。
一つの文中の情報さえ、関連付けることができないことが多い。
限られた語彙しか理解できない。
文法以外に難しい言語的要素(難しい語彙が使用されている、情報を関連付ける必要がある)がある場合は、簡単な文法構造も理解できない。

なんと救いのない弱点の指摘であろうか。TOEICの言いたいことを一言で要約するのは簡単だ。
「死ねよ」
そういうことである。

♪エレーン 生きてい〜ても〜いいですかと 誰も問いたい♪
わたしは中島みゆきに問いたい。生きていてもいいですかダメですかそうですか。

TOEICの奴らは、なぜもっと相手を慮るアドバイスができないのだ。降りしきる火山灰の中、体中ざらざらになりながらも受験会場に向かい、硫黄ガスの匂いたちこめる教室で、喉のイガイガに耐えながら鉛筆を走らせた受験生の気持ちというものをだな、土足で踏みにじるようなことをしてはいかんよ、人として。わたしなら、最低このくらいの思い遣り溢れるアドバイスに書き換えるであろう。

文章中の情報について推測ができなかったようですが、きっと体調がすぐれなかったのですね、わかります。

事実に基づく情報の、言い換えが理解できない。解答するとき、問題に使用されているのと同じ単語や句を文章の中から探すことに頼るのは、あなたの素直で朴訥な人柄が邪魔をしてしまったのだとお見受けいたします。

一つの文中の情報さえ、関連付けることができないことが多いのは、爪に火をともすような生活の中、TOEICの受験費用を捻出するために、一杯のかけそばを年老いた父母と分け合って食べる生活が、あなたから思考能力を奪ってしまったのですね。想像すると胸が痛みます。

限られた語彙しか理解できないのは、母を訪ねて三千里、アルゼンチンでお母さんが見つからなくて疲れ果てていたのですね。きっとそうに違いありません。スペイン語やイタリア語なら800点取れたことでしょう。えぇ、きっとそうですとも。でも、マルコ、あなたは頑張り屋さんだから、きっとこれから英語もうまくなるわ。間違いなくてよ。

文法以外に難しい言語的要素(難しい語彙が使用されている、情報を関連付ける必要がある)がある場合は、簡単な文法構造も理解できないなんて、そんなことは人生において大きな問題ではありません。ネロ、あなたには絵がある。冬の寒さや空腹に耐え、パトラッシュとともに牛乳を売るあなたに、神様が手を差し伸べないはずはありません。いつか、あの大伽藍の絵を見ることもできるでしょう。 あきらめないで by 真矢みき。

このくらいの優しさは必要なのではないか。それなのにTOEICのアドバイスときたら、血も涙もないのである。

とりわけ『はじめてでも600点が取れる!』を購入した受験生が600点取れなかったら、「あぁ、わたしはもはや人間失格か......生れてすみません」と考えたとしても不思議ではない。場合によっては、恥の多い点数を取ってしまいましたと、世をはかなんで玉川上水に入水するかもしれないではないか。

わたしはそんな受験生を黙って見すごすことはできない。大丈夫、大丈夫よ。『はじめてでも600点が取れる!』を買っても390点のわたしがここにいるわ。そう囁き、傷を負った受験生たちの安らぎになりたい。あぁ、岩崎宏美の歌声が聞こえる。♪わた〜しの点数さ〜え〜 差し〜だして〜 あなたを〜守りたいの〜で〜す〜♪

かつて『10日で合格る! 日商簿記3級最速マスター』というテキストを使ったときも、日本のどこかにいる不合格の受験生に思いをいたし、「大丈夫、365日かかったわたしがここにいるわ」と囁き、傷ついた受験生を大いに勇気づけたものだ。♪あぁ〜日本のどこかに〜わたしを〜待ってる〜ひとがい〜る〜♪我が身を、いや、我が点を犠牲にしても、見返りを求めず戦いに疲れた受験生を守る"受験界のマザー・テレサ"とはわたしのことだ。

さすれば、次回は400点くらい取れば、日本中の受験生をふたたび勇気づけられるのではないかと考えつつ、テキストを眺めまわしていたところ、ふと、著者プロフィールのところで視線が止まった。おや? この著者、ラ・サール高校出身ではないか。いや、だからプロフィールじゃなくて中身を読み給えよ、中身を、と思われる読者諸兄におかれましては、あいやしばらく、しばらくお待ちを。

ラ・サール高校と言えば、泣く子も黙る薩摩藩最高峰の進学校であるが、繁華街で光り輝く校章を襟元に付けた学ラン姿を見ることはほとんどなく、その生態は謎に包まれている。

先日、そのラ・サール高校に仕事で用事があり、はじめて秘密の花園に足を踏み入れる機会を得た。ふふふふ......うら若きおのこどもが雲霞のように群がってくるに違ぇねぇ。「おねえさま、初めての体験をぜひ僕に授けて下さい!」「何を言うんだ! 僕なんかバスケット部で背が179cmです。僕にこそ!」と叫ぶ少年たちを、ちぎっては投げちぎっては投げ、「あっしには関わりのねえことでござんす」とクールな眼差しで切って捨てる。

あぁ、そのようなことになったらどう対処すればよいものやら、ふふふふふ(妄想爆走中)。♪だれも〜しらない〜ひみつの〜は・な・ぞの♪と鼻歌で聖子ステップしながら校門をくぐり、隙あらば美少年の一人や二人かどわかしてやろうと目論んでいたわたしであるが、ちょうど授業時間にあたっており、ひとりも高校生を捕捉できなかった自分の計画性のなさが憎い。次回訪問時は、休み時間を計算してから行かねばならぬ。

もとい、そんな話はどうでもいいのだが、賢いわたしは、たちどころに理解した。この本のタイトルは、実は『"ラ・サール高校出身なら"はじめてでも600点が取れる!』だったのだ。謀りおって。迂闊であったわ。行間にこのような前提条件が隠されていたとはお釈迦様でもご存じあるめえ。簿記のテキストも『"商業高校で3年間簿記を学んでいたら"10日で合格る! 日商簿記3級最速マスター』だったに違ぇねぇ。

うぅむ。するってぇと、わしゃいったいどうすれば600点取れるんですかい。いや、どうでもこうでもラ・サール高校に入学せにゃならんのですわな。

そこで、WEBでラ・サール高校の受験資格を確認したところ、このようになっていた。
『平成24年3月中学校卒業見込みの者および平成23年3月中学校卒業の者(男子のみ)』男子高であることは知っていたが、年齢制限まであったとは。現役と一浪までしか認めないということではないか。チッ、ちょこざいな。宝塚音楽学校ですら、受験のチャンスは4回あるというに、男がそういう細けぇこと言っちゃならねぇ。そんなケツの穴の小せぇことばかりほざきやがると、「おれは男だ!」と叫び、森田健作ばりに竹刀を打ちならして、受験会場に踊り込んだるで。

つまりはそういうわけで、さらに行間を読み解くと、TOEICで600点取るために必要なステップは以下のとおりなのである。
(1)15歳になる。
(2)タイかフィリピンに行って男になる。
(3)偏差値76になる。
(4)ラ・サール高校に入学する。

♪マハリークマハーリタ ヤンバラヤンヤンヤン マハリークマハーリタ ヤンバラヤンヤンヤン♪ ......何歌ってるんですか、あなた。いや、魔法でも使わん限り不可能やないかと思いましてね。15歳になるなんて、メルモちゃんに赤いキャンディーでももらわんことにはどうにもならんですわ。

嗚呼、TOEIC600点とはマッターホルンの絶壁のような魔の山だったのであることよ。



ざーざー......ぴー......ぴぴぴ......、電波状況が改善したようですね。一部の地域ではお聞き苦しい点があったことをお詫びいたします。

さて、本日のフレーズはいかがでしたか。「行間を読む」これができるようになると、日本文化に隠された真実を読み取ることができるようになり、皆さまのジャパン・ライフもより一層輝きを増すことと思います。

あら、そういえばわたくし、来月の今日、誕生日なんでございますのよ。さて、この文章に直接表現されていないわたくしの真意とは、どのようなものだと思われますか。皆さま、ひと月のあいだに、よく考えておいてくださいね。これは来月までの宿題といたします。

それではまたお目にかかりましょう。See You Next Month. Bye Bye!

※「2億4千万の瞳〜エキゾチック・ジャパン〜」郷ひろみ
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※「エレーン」中島みゆき
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※「聖母たちのララバイ」岩崎宏美
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※「いい日旅立ち」山口百恵
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※「秘密の花園」松田聖子
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※「おれは男だ!」主演・森田健作
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※「魔法使いサリー」
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※「不思議なメルモ」
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※「一杯のかけそば」
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FW1R/dgcrcom-22/
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※「母をたずねて三千里」
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HYNT/dgcrcom-22/
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※「フランダースの犬」
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HYNS/dgcrcom-22/
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※「新TOEICテスト はじめてでも600点が取れる!」
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4415200729/dgcrcom-22/
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※「10日で合格る!日商簿記3級最速マスター」
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844998749/dgcrcom-22/
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【もみのこ ゆきと】qkjgq410(a)yahoo.co.jp

働くおじさん・働くおばさんと無駄話するのが仕事の窓際事務員。かつてはシステムエンジニア。『はじめてでも600点が取れる!』には何の恨みもございません。ひとえに、本を買っただけで全然勉強しなかったわたしにすべての責任がございます。

最近、持病の子宮内膜症が超悪化中で、担当医からボンゾールを服用してはどうかという話があったので、どんな薬か調べてみたら......。
[ボンゾール(ダナゾール)]
< http://www.okusuri110.com/dwm/sen/sen24/sen2499007.html
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副作用がスゴいのである。体重増加というのはあちこちの婦人科疾病お悩みサイトに書き込まれているので、太るのは間違いない。担当医も「食欲が非常に増進するという副作用がね......」と言うので「すんません、今でも胃袋いっぱい食べて体重増加に困ってるのに、これ以上食欲増進したら胃袋破れますわ。がははは」と訴えたのであるが、そもそもこの薬、偽閉経状態に持ち込む薬で、人によっては男性化症状が現れるようなのだ。

上記サイトにも、毛深くなる・声が低くなる・声が枯れる・乳房が小さくなる・皮膚が油っぽくなるなどの副作用が書かれている。そのうえ陰核肥大!......陰核肥大ですよ。なんですかこの副作用。奥さん、大事なところだから2回言いましたよ。陰核肥大したあげく、キ○○マに変化したらどーするんですかっ!......ちょっと、キ○○マって何ですか。えぇ、もちろんキリシマのことですとも。薩摩藩じゃキ○○マと言えばキリシマに決まってます。あなた、何考えてたんですか。

あ、そうか。そのキ○○マがあればラ・サール高校に入れるわけですね。なるほど。タイやフィリピンに行かなくてもいいように、神様がTOEIC600点へのハードルを下げてくれたってわけですね。ふっふっ......まぁ、あたくしの匂い立つ女らしさを、薬ごときで抑えられると思ったら大間違いでしてよ! と大見得切ったわりには、「え、ボンゾール? えーっと、来月までに考えときます。へへへへ......」と逃げをカマす小心者のわたしであった。

ちなみに「バスケット部で背が179cm」でピンときたあなたは、岡村ちゃんの信者ですね。
※「聖書」岡村靖幸
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■編集後記(10/14)

・いつ録画したか忘れた「沈まぬ太陽」VHSを見た夜には悪夢に襲われた。会社の人たちにつるし上げられている夢だった。組合の委員長を務めた主人公が会社の理不尽で執拗な報復人事に翻弄されながらも、会社のために心血を注ぎ、一方で副委員長だった男は会社側に取り入って出世の階段を上がるというような話で、ジャンボ機の御巣鷹山墜落事故も取り込まれたリアルな展開は、日本航空をモデルにした実話だろうと思った。カタルシスの得られない200分超の大作は、疲労感しか残らなかったけれど。わたしも会社員時代、組合の初代執行委員長を務めたが、それによって会社から不当に扱われた覚えはない。不遇を感じたこともあったが、一番好き勝手放題やっていたんだから仕方がない。なぜ、昔の夢を? この映画のせいだ。それから、三池崇史監督「十三人の刺客」DVDを見た。強烈な違和感を覚えたのは、13人目にこの暗殺作戦に縁もゆかりもない山の民を選んだことだ。武士とはなにか、奉公とはなにかという大義名分がこの映画のテーマだと思うが、それに縛られない自由の民が参加するのは矛盾ではないか。まあシナリオ書いた人には立派な理屈があるんだろうが、絶対おかしい。変にコミカルな野獣が、リアルな話を台なしにしている。この夜もわけのわからない悪夢を見た。すぐに影響されるんだから、まるでお子様だ。うんとエロいのを見れば、そんな夢を見るのか。それでは......。(柴田)
< http://www.rondan.co.jp/html/ara/yowa3/
>
論談:小説「沈まぬ太陽」余話(III)
こうして史実が曲げられていく。日本航空や関係者を傷つけたトンデモ小説。

・もみのこさん......。TOEICに簿記。わかります〜。簿記は受けたことも勉強したこともないのに、なぜか本が自宅に積ん読(笑)。簿記3級なら、いくつかあるYouTubeや無料学習サイトでの動画で学べるかなと思ったきり......。/iOS5。まったく期待していなかったメッセージアプリ(iMessage、MMS、SMS)の変更が嬉しい。長文メールをもらった時、画面の半分がキーボードと入力画面に埋もれ、いちいち「編集」ボタン(転送や削除をするためのもの)を押して内容を表示させて確認し、入力画面に戻って書いていた。今回のアップデートで、このキーボードがフリックで隠れるようになった。ちょっとしたことなのに凄く嬉しい。あとはロック画面に出る通知とカメラ起動ボタン、どんなアプリ上からでも出せるスライド式通知画面。天気予報、リマインダー、通知、株価などを表示できる。通知については設定画面で、表示件数やバッジ類についても設定できるのでチェックを。以前は通知されていたのに通知されなくなったというアプリがあったら要確認。iCloudはSnow Leopardでもブラウザからアクセスできた。試したのは最新FirefoxとSafariで、どちらもOK。もちろん、「iPhoneを探す」で、自分のiPhoneにメッセージを送ってみたよ〜。Wi-Fi経由での同期も嬉しいな。(hammer.mule)
< http://www.gokaku.tv/boki3/1_1_1.html
>  合格TV
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簿記3級講座 木村勝則
< http://www.appbank.net/2011/10/13/iphone-news/312650.php
>
同じこと書いてる!
< https://www.icloud.com/
>  iCloudへ
< http://www.apple.com/jp/iphone/ios/
>  iOS5
< http://www.apple.com/jp/iphone/icloud/
>  iCloudの説明