[3255] 組立付録の時代/ペパクラメディアの時代

投稿:  著者:  読了時間:31分(本文:約15,400文字)


《手がショートカットを勝手にお寿司〜》

■ユーレカの日々[11]
 組立付録の時代/ペパクラメディアの時代
 まつむら まきお

■グラフィック薄氷大魔王[300]
 300回記念、超小ネタ集
 吉井 宏

■デジアナ逆十字固め...[125]
 Japan Color 2011のICCプロファイル
 上原ゼンジ

■展覧会案内
 所幸則個展「1second─ほんとうにあったように思えてしまう事」




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■ユーレカの日々[11]
組立付録の時代/ペパクラメディアの時代

まつむら まきお
< http://bn.dgcr.com/archives/20120425140400.html >
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朝の連ドラ「梅ちゃん先生」のオープニングがちょっとした話題だ。レトロな昭和の風景がジオラマで再現され、郷愁を誘う。このジオラマの作者は山本高樹さん。

< http://www.hiyori-geta.com/ >
今はCGが全盛だが、昭和のノスタルジックな風景にはこういった手作りの模型がよく似合う。

以前も書いたが、僕のような1960年代生まれの男性は多かれ少なかれ「模型好き」「ジオラマ好き」だ。この歳までそれを引きずっているかどうかはともかく、小学生の頃はみんな、サンダーバードやウルトラマンといったミニチュア特撮に夢中になり、プラモデルブームの洗礼を受け、実物大未来都市ジオラマ「大阪万博」に度肝を抜かれた。

今のようにCGもビデオもゲームもNAい時代、模型は子どもにとって一大エンタティメントだったのだ。この歳になってもドリンクについて来るフィギュアをつい買い集めたり、ディアゴスティーニの週刊模型に手を出しそうになったりするのは、そういった刷り込みのせいだ。「梅ちゃん先生」のオープニングもつい、見入ってしまう。

そんな僕らにとって一番身近な模型は、小学館の学年雑誌「小学◯年生」の「組立付録」だった。

厚紙に印刷、型抜きされたパーツを組み立てると、乗り物や建物、道具などができ上がる。今でいうペーパークラフト、ペーパーモデルだ。高価なプラモデルは特別な時にしか手に入らないが、「学習」雑誌は毎号買ってもらうことができ、そこには毎月、なにかしらの組立付録がついてきた。

今のようにキャラクタービジネスが定着する以前である。ウルトラマンなどのキャラクターものもあったが、モデルは東京タワー、アポロ宇宙飛行士(たしか歩くという、子どもから見ても無茶ぶりなものだった)、霞が関ビルなど、実在の建物なども多かった。

小学館のサイトでは、当時の東京タワーの組み立てモデルがpdfでダウンロードできる。ここに載っているのは昭和43年、小学二年生の付録。その頃ぼくは幼稚園なので時期がずれているが、おそらく何年かは再録されていたのだろう、ぼくもこれを組み立てた記憶がある。おどろくほど少ない部品点数で、ビルや駐車場、さらに糸をつかった昇降可能なエレベーターまで再現されている。

かなりの大きさだった記憶があるが、このサイトを見ると、なんと1.5mもある。小学生の身長よりでかいのだ。
< http://family.shogakukan.co.jp/kids/netkun/furoku/menu.html >

調べてみるとこのような組立付録の歴史は古く、戦前の子ども雑誌にも、建築物や軍艦などのモデルなどが付いていたようだ。印刷した紙という、量産しやすく、また、工業化時代に必要な指先のトレーニングという目的もあったのだろう。たくさんの組立付録が発行されていたらしい。

乱暴に切り取って、セロテープでベタベタと貼っても、かなりのサイズにちゃんと組み上がる。一枚の紙が立体になるのが面白く、毎月枚月、夢中になって組みたてた。弟や妹の付録まで手を出してしかられた記憶もある。

一度憶えてしまった、立体物が自分の手で組み上がるという悦楽への興味は、その後LEGOブロック、プラモデル、さらに大学では建築専攻と順調にエスカレートしていくわけだが、間違いなく、自分の立体物のルーツは、組立付録だ。

中学校以降は、時代がプラスティックの時代になったこともあり、紙の組立モデルというものとは疎遠になっていた。すっかり「子どもの頃の記憶」になっていた組立モデルと再開したのは、今から25年ほど前、サラリーマンをしていた時だ。

アメリカに出張に行った先輩が、オミヤゲにペーパーモデルを買ってきた。たしか第二次世界大戦の戦闘機なのだが、機体の前半分しかない。シカの首の剥製よろしく、壁にかざれるというシロモノだ。

幸いそこはデザイン室。カッターもノリも揃っている。さっそくそれを奪い取り、会社で組み立てた。子どもの頃の雑誌付録と違い、部品点数も多く、それなりに組立に時間がかかったような気がする。

組み立ててみると、翼長が1.2mほどもあり、事務所の壁に飾ると、それはかなりの迫力だった。プラスティックモデルでこのサイズだと、組立は相当大変だろう。紙ならではのホビーがある、ということをこの時改めて知ったわけだ。

しかし、ある朝会社に行くと、そのモデルは半分分解して、壁から落ちていた。組立に使った両面テープがいけなかったのだ。何度か補修したが、そのうちゴミ箱行きとなってしまった。

それからしばらくして、今度は東急ハンズでおどろくべきペーパーモデルと出会った。ドイツ・Schreiber社製のペーパーモデル、第二次世界大戦の超大型飛行船「グラーフ・ツェッペリン」だ。

開発元サイト
< http://www.schreiber-bogen.de/cat.php?ac=4&t=205 >
国内取扱。こちらのサイトではパーツの一部を見ることができる。
< http://miniature.ne.jp/item/SB557/ >

実際に組み立てられたものが東急ハンズに展示されていた。1/200サイズ、全長118センチというビッグサイズである。おどろいたのはその精度と存在感だ。

ペーパーモデルは曲面を再現するのは苦手。だからモチーフは建物などが多く、航空機はまだ基本が円筒形だからそれっぽくはできるが、それでもディテールはデフォルメせざるを得ず、どこかオモチャっぽなる。

ところが飛行船ツェッペリン号は実物の断面が多角形。現在みかける広告飛行船は軟式で、気球同様内圧で膨らんでいるため、丸い。それに対し、ツェッペリンはガス袋と外装が別の硬式。なので、外装は膨らんでおらず、面はフラットである。

曲面が苦手なペーパーモデルにはうってつけだ。さらに、実物の外装も薄い布貼りなので、プラスティックモデルよりも紙の方がホンモノらしい、薄さと軽さが表現できる。

テグスで天井から吊された完成品は、まさに理想的なグラーフ・ツェッペリン号だった。完成させても、天井から吊せばいいので、置き場所に困らないというのも魅力だ。

たしか3,500円くらいだったと思う。当時3,500円というとそれなりのプラモデルが買える値段。たかだか紙に3,500円も出すのか? と何日か悩んだが、結局その魅力に勝てず、A4サイズほどの紙が9枚からなるキットを購入した。

当初、紙なのだからいくら精度が高くても簡単にできるだろう、と考えていたが、実際はそう甘いものではなかった。切り取りも、小学館の付録のようなカタヌキはされておらず、自分で正確にカットしなくてはならない。

カタヌキは印刷と精度がずれるので、このような大人の高級モデルであれば当然だろう。しかしキットを開封してみると、このモデルの切り抜きにはとんでもない工夫がなされていた。

通常のペーパーモデルでは、表面に切り取り線が印刷されている。これだと切り取った時に、エッジに黒い線が残ってしまう。なんとこのモデルでは、切り取り線を表に見せないために、すべての切り取り線が紙の裏面に印刷されていたのだ。表の印刷は各パーツサイズよりも大きめ、つまり塗り足しを設けることで、精度を維持しつつ、組み上げた時に切り取り線が表面に出ないことを実現していた。

3,500円とはいえ、所詮紙だろう、と思っていた気持ちが、一気に引き締まった。組立図を見てみると、さらにおどろくべき仕様が見つかった。それは「のりしろ」だ。このモデルでは、全てののりしろが別パーツだったのだ。

通常、のりしろはパーツの端に同じ面として存在するが、これを組み立てると接合部分に紙の厚さの段差ができる。1mmにも満たないそのかすかな段差が、模型としての「おもちゃ」っぽさの原因のひとつなのだ。

のりしろを別パーツにすることで、この問題が解決する。たとえば二つの面、AとBをつなぐとき、AとBを重ねるのではなく、AとBを突き合わせて、裏からのりしろパーツCを充てて接着するのだ。

こうすることで、表面には紙の厚みの段差が現れない。その結果、完成するツェッペリン号の表面には、段差も切り取り線も存在しない。紙でありながらとても美しい流線型ボディなのだ。

おそるべし、ドイツ人。

プロダクツに対するドイツ人の完璧主義に敬意を表しながら、ひとつひとつの部品を丁寧にカッターで切り抜く。面合わせを行うのだから、フリーハンドは厳禁だ。折り曲げ線は裏から鉄筆で折れ線を入れる。精度をきっちり出さなければ、スキマやゆがみが出てしまう。20等分ほどの輪切り状態の各パーツを丁寧に組み立て、それを接合。キャビンやエンジン、尾翼などのパーツまで組み上げるのに、軽く一か月はかかったと思う。

じっくりと作り上げたおかげで、完成したモデルは実に見事だった。今の家に引っ越す時、かなり薄汚れてしまって捨てるまで、8年ほど、部屋の天井でずーっと浮かんでいてくれた。

それから10年。昨年のことだ。書籍のイラストのキャラクターとしてロボットのデザインを考えているとき、それをちょっと3Dにしたくなった。愛用しているGoogle SketchUpを起動し、レトロスタイルの単純な箱型ロボットを30分ほどでモデリングした。その時、ふと、これをペーパーモデルにすることができるんじゃないか、と思いついたのだ。

それ以前から、「ペパクラデザイナー」というアプリがあるのは知っていた。仕事で自分が描いた建物をペーパークラフトにしてもらったこともある。3Dアプリとプリンタがあれば、あの組立付録が自作できる時代になっていたのだ。

Google Sketchupのデータでも、いくつかのアプリを経由すればペパクラデザイナーで展開できるんじゃないだろうか。そう思って色々と検索してみると、Google SketchUp用の無償プラグインにまさに立体を平面展開するものが見つかった。

インストールしてみると、これが非常に簡単。面を二つ選択すると、接合軸を軸にして、前者の面を後者と同じ面に展開してくれる。パチパチとクリックしていくと、箱がパラパラと展開図になっていくのだ。
< >

実際に展開してプリントアウトし、組み立てる。バーチャル世界でモデリングした仮想立体物が、印刷物を経て、立体物になる。組立付録から40年。模型少年だった自分が建築を勉強したり、会社員時代に3DCGを覚えたりしたりしたのはすべてこの日のためだったのか!! とまでは思わないが、まぁ、かなりの感動である。

ちょうど友人でイラストレーター・まんが家のMONさんが、A3サイズの同人誌を作るというので、そこにペーパーモデルのロボットを掲載してもらうことになった。最初は楽勝〜、と思っていたのだが、実際に作ってみると、いろんなことがわかってくる。

3DCGだと、見た目優先でつい、複雑な形状にしてしまうが、これを展開してみると、切り抜きや組立が非常に面倒になる。面倒なわりに、でき上がった立体のディテールはさほど、目に入らなかったりする。展開をどう行うかの工夫も必要。のりしろをどうつけるか、切り抜きやすいか、組立やすいか。

理想はツェッペリン号だが、そんな物を組み立ててくれる人はいないだろう。量産するのであれば、もっと手軽に楽しめるものにしたい。さらに、複数のパーツを一枚の紙に配置するための工夫。パーツ状態で「組み立てたい!」と思えるようなワクワクする感じが欲しい。

ツェッペリンを組み立てた時は、ドイツ人すげー! 紙モデルこうあるべし!なんて絶賛していたが、自分でやってみてはじめて、シンプルな子ども向け付録にも設計者の創意工夫が大いに詰まっていたことを知る。

あたりまえのことだが、できあがりがシンプルだから設計も簡単というわけではないのだ。自分の描く絵やマンガで、そのことは充分わかっていたはずだったのだが、模型というものに対しては消費者だったのでつい、甘く見ていた。反省。

さて、デザインや展開を何回も修正してはプリント、組立を繰り返し、完成したのがこちら。最初掲載してもらった同人誌が売り切れたので、単品として製品化したもの。

完成品
< http://www.makion.net/makionlog/item_422.html >
メイキング。SketchUpプラグイン情報などもこちらに
< http://www.makion.net/makionlog/category_6/item_353.html >

これをオフセット印刷、一枚100円で創作同人誌即売会コミティアで販売してみた。かなりのペーパークラフト好きなのか、二枚三枚まとめて買ってくれる男性、遠くから完成品を見つけ「かわいい」とかけよってくる女性、子どもにせがまれる親子連れなど、いろんな人が買ってくれる。

一点物の彫刻や完成させたプラモデルを「すごいねぇ」といって見てくれるのとは違う、メディアとして配布できる醍醐味。マンガやイラストレーションと同じように、メディアとして配布できる立体物。

立体の量産には、レジンやソフビなどのガレージキットという手もあるが、生産工程が大変だ。またガレージキットは「形状のみ」の販売であり、その表面は組み立てるユーザーにゆだねられる。

ペーパーモデルは、デスクトップでありながら表面のマッピングまで手軽に複製できる。大量に印刷されたそれぞれの紙から、立ち上がる立体物。これはハマル。

ぼくにとってのメディアファーストインパクトは、コピーによる同人誌発行やPageMaker、そしてWEBに至るデスクトップパブリッシングだった。セカンドインパクトは、制作から公開までアニメーションがデスクトップで集結するFlashだ。とすれば、このペーパークラフトというメディアはぼくにとって、サードインパクトなのかもしれない。

というわけで、今回、その第二弾、ロケットを制作した。ロボットといっしょに楽しめるよう、レトロなデザイン。有名なあのロケットやこのロケット、自分の中にある大好きなロケットの印象をすべてミックスした。

こちらは先のMONさん主宰「トイロ・ト・トイロ」クラフト特集「クラフトイロ」に収録され、先のロボと共に5月の東京コミティア、関西コミティアにて販売される。お出かけの節はぜひ覗いてみてください。

「クラフトイロ」
< http://www.seian-manga.net/toiro >

作りたいものは山ほどある。好評なら販売チャンネルも開きたい。しかし残念なのは、自費出版ではなかなか時間を割くことができないこと。だれか仕事として発注してくれませんか。

【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授】
< twitter:http://www.twitter.com/makio_matsumura >
< http://www.makion.net/ > < mailto:makio@makion.net >

大学も仕事もプライベートも4月は忙殺状態。プロのマンガ家になった大学の教え子たちの原画展。29日はぼくも参加してのトークショー。
< http://www.seian-illust.net/manga10/ >

イラストを担当した森さんのiPhone開発本、重刷出来。アリガト三刷りや。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4839941734/ >

コミティアの東京と関西。まつむらは本文中のペーパークラフト以外に、マンガ本の新刊も出します。関西はうちの大学のゼミも参戦。
< http://www.comitia.co.jp/ >
< http://www.k-comitia.com/ >
コミティアは「デジクリ読んでます」と言ってくださればポストカード進呈します。

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■グラフィック薄氷大魔王[300]
300回記念、超小ネタ集

吉井 宏
< http://bn.dgcr.com/archives/20120425140300.html >
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●キャラクターデザイン仕事。ちょっとムリヤリな変更依頼があって作業してたのだけど、やってみたらスゲ〜イイ! これだから人の意見が入ると面白い。思わぬ要望を取り入れると、それをどうにか消化する過程で化学反応が出ることが多い。

普段は自分の好みの世界から出ないから、人の意見で殻が破れるんだろうね。「こっちは専門家なんだから任せてよ〜」とか思ってても、意見を取り入れたほうが結果がいいこと多いのは確かです。人の意見大歓迎! 化学反応大歓迎!

●最近はもっぱら紙にラフを描いてます。色鉛筆と鉛筆とサインペン。スケッチやラフ描きで、液タブにできて紙と鉛筆にできないことといえば、つきつめれば「拡大・縮小・回転」くらいなんだよね。

長いことデジタル狂信者だったけど、iPadや液タブとくらべて紙と鉛筆のコストパフォーマンスと性能比は異常! くらいには考えられるようになってきた。たとえば今コンビニでノート一冊とボールペン一本買ってくる。300円くらいか? それでノート一冊びっしり描きつぶすのに何週間かかるか。デジタルだとそのへんかなり頼りない。

●発注側のみなさん。イラストでも写真でもデザインでも、Webとかでよさそうな人いたらどんどん連絡してみてくださいよー。なんか、コネがないと発注できないって思ってる人が多いようです。僕の場合も、二つも三つも知り合いのつてを辿って話が来たことがある。

みんな、コネがない人にも発注してもらおうと思って、Webサイト作ったり「イラストレーションファイル」に出してるのです。突然電話しても、ほとんどのクリエイターはこわくないですし〜。

●パブーの電子書籍はPDFなので管理がラクで良い。プロテクト的の代わりに、なんとPDFにメールアドレスが埋め込まれる! これは賢い方法。流出したらその人のせい。利便性は保証するから購入者の責任で管理しろってことですね。

これが広まってほしい。市販されてる独自フォーマットやプロテクトの電子書籍より、自炊したPDFのほうがぜんぜんいいって、最近は思ってるくらいなのです。
< http://p.booklog.jp/about/faq#faq_90 >

●Photoshop CS6のイマイチな点。ブラシサイズのショートカットが、直径=横方向ドラッグなのが非常に気持ち悪い。縦方向ドラッグの堅さをオフにすると、代わりに不透明度になる。塗っててなんかムラが出ると思ったら、やはりブラシの不透明度が96%になってた!

ブラシの不透明度なんて描画のときに滅多に使わないよね。ブラシの濃度は「流量」を使うもんだ。実はmodoのショートカットとモロにかぶるんで、これからずっと苦労しそう......。あと、スポイトで出てくる大きな輪っかがウザい!

●リンクは「ノマドワーカーがクールだなんて幻想だ! というお話」。ノマドはおいといて、フリーランスってたいへんなんだぞってお話です。一般の会社員とかの人がノマドワーカーってスタイルにあこがれたとしても、それはフリーランスってスタイルの向こう側にしかない、と。ここに書かれてる「ノマドに必要だと思われる心構えや条件」を、当たり前のようにクリアしてるオレらってすごいなあと褒めてやりたいわ。
< http://www.lifehacker.jp/2012/04/120410nomadisntcool.html >

●フリーランスって人力ヘリコプターみたいなもの。必死でプロペラ回してないと即墜落。会社員は大勢で漕ぐカヌーみたいなもんか。ただし、すぐ後ろが滝。一人がちょっとサボっても沈まないけど、みんながサボると真っ逆さま。

●今はiPhoneやスマホに全部入りだけど、昔想像してたのはラジカセベース。テレビがついてラテカセってあったし、鍵盤がついたラジカセもあったな。CDがついて、さらにビデオがついて電話がついてFAXがついてコンピュータがついて......とか。

中学3年までの頃は、自前のメカといえばステレオラジカセくらいしかなかった。松本零士のメーターがいっぱいあるアレにあこがれて、ラジカセを中心としたメカニックなメーターだらけの部屋を想像してた。メーターに何の数値が出るのか知らんけどさ。あと一歩だったのにな、ラジカセベース文明。

●メキシコの無料PDFデザインマガジンに作品とインタビューが出てます。自分で英訳したテキストを元にスペイン語になってるので、内容はちょっと不安。119ページにTDW作品3つをモンタージュしたものがあって、勝手に切り刻むんかい! とか思ったけど、おもしろいので許す。たくさん載せてもらった中のスパイス的一点ですね。
< http://www.inkultmagazine.com/ >

●「ショートカットを手が勝手にお寿司〜」。あ、「手が勝手に押すし〜」と打とうと思って誤変換。なんかカワイイ。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

え〜、この連載、300回目、丸7年。200回目には何思っていたんだろうと振り返ったら、始まった経緯とか書いてますね。あと、内容を盛り込みすぎて無駄に長くなりがちなのをなんとかしたい、1200字くらいを目指すって書いてある。最近は短いコラムの三本立てみたいな回が多くなってますが、それでも今回2500字越えてる〜。せめて2000字以内にまとめたいです。
< http://bn.dgcr.com/archives/20091118140100.html >

●iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」ver.2.0がリリースされました。
「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV >
●「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb >

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■デジアナ逆十字固め...[125]
Japan Color 2011のICCプロファイル

上原ゼンジ
< http://bn.dgcr.com/archives/20120425140200.html >
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現在、日本印刷産業機械工業会のJapan Color認証制度のサイトでJapan Color 2011のICCプロファイルが無料でダウンロードできるようになっているので、今回はそのJapan Colorのお話。

Japan Colorというのは日本の印刷の標準だ。1995年に始まり今まで何度かの改訂が行われているが、Photoshop等アドビ製品にCMYK変換用のプロファイルとしてバンドルされているので、その名称に見覚えのある人も多いと思う。

このJapan Colorというのは、始まった当時はあまり評判は良くなかったと思う。元々標準がなかった時代、各印刷会社は顧客の望む通りの色で印刷をするというのが当たり前で、そこに勝手な標準を持ちだされても「うちにはうちのやり方があるんだ」という話になってしまう。それに最初の頃の標準は印刷会社にとって納得のできるようなものでもなかった。

ただ、標準化されることによるメリットというのはたくさんある。同じデータを使って違う印刷会社で刷った場合に、標準に準拠していれば同じように印刷されるということだ。たとえばあるチェーン店のチラシで、テキスト部分だけを差し替え各地方で印刷をしたいなんていう場合に色を揃えやすい。一箇所で刷って全国に配送するなんていうシステムよりは、はるかに効率がいい。

それから、制作段階で色のシミュレーションをすることも可能だ。とりあえず刷ってみてから色校正をしようというやり方ではなく、ディスプレイやプリンタを使って仕上がりの確認をするわけだ。どのように印刷するのかが、標準によりフィックスしていればシミュレーションのしようもあるが、刷ってみないと分からないというような状況では、データ段階でのシミュレートも不可能だ。

このシステムがうまく機能すれば、何度も色校正のやりとりをする必要もない。手元のプリンタでプルーフが出力できるのであれば、海外でデータを作成したり、海外で印刷したりすることもできる。

海外にもこういった印刷の標準がある。欧州のFOGRAや北米のGRACoLがそれにあたる。たとえばドイツのどこかの印刷会社向けのデータを、日本のどこかの印刷会社向けのデータに直すのは大変だが、FOGRAからJapan Colorへの変換であれば計算もしやすい。もちろんCMYKからCMYKに変換するのではなく、元のRGBから変換したほうがクオリティーは高くなるわけだが......。

現在はただ印刷の標準を作るだけでなく、実際にJapan Colorに準拠した印刷ができるかというテストをし、合格した印刷会社を認証するという制度も生まれている。勝手にJapan Colorのシミュレーションをしても、実際にJapan Colorで刷ってもらえなければ意味はないので、これは発注側として歓迎すべき動きだろう。

●「Japan Color 2001 Coated」との違いは?

今回無料配布されるようになったJapan Colorのプロファイルは、ジャパンカラーの2011年版に準拠したもの。一方ユーザーに馴染み深いプロファイルであるアドビ製品にバンドルされている「Japan Color 2001 Coated」は、10年前に策定された「ジャパンカラー色再現印刷2001」に基づいたものだ。

Japan Color 2001 CoatedとJapan Color 2011の違いとしては、前者がアドビシステムズ製のプロファイルであるのに対し、後者は日本印刷機械工業会(JPMA)のプロファイルであるということ。

また前者がフィルム/PS版からの印刷を基準としていたのに対し、後者はCTPによる印刷向けになっていることが上げられる。どちらも枚葉機でコート紙に刷った場合用のプロファイルなので、大きな違いがあるわけではないが、10年間の技術の進歩が反映された修正が加えられており、変換結果にも違いが出る。

印刷機のプロファイルというのは、印刷機でカラーチャートを刷り、そのパッチ一つ一つの測定値を元に作成するのだが、エディットの仕方により変換結果も異なる。まずRGBは3次元データだが、CMYKは4次元データだというのが大きな問題。このことにより変換結果を一義的に定義することはできない。

それからCMYKの色再現域はかなり狭くなるので、そのまま表現できない色は近い色に置き換えなくてはいけない。この場合に色相が変わらないようにするのか、彩度が落ちないようにするのか、といったことの方針を決めてエディットする必要がある。つまりそこに人間の感覚的なものが入り込む余地があるということ。同じ測定値を元にしても違うプロファイルが出来上がるというわけだ。

基本はチャートの測定値を元にして色が近似するということが重要なのだが、色は合っても階調再現に問題が出てしまう場合がある。その階調をなだらかにする作業はスムージングと呼ばれるが、このスムージングをかけると今度は色差が大きくなる。そこでいい落とし所を見つけてバランスをとらなくてはならないが、これもまた人間の感覚に依存する。

今回Japan Colorのプロファイルを作成するにあたっては、プロファイルを作る技術者や学識経験者だけではなく、印刷機メーカー、インキメーカー、用紙メーカー、印刷会社、広告代理店など、多くの人達が検証に関わったそうだ。そういった様々な意見が一つのプロファイルに集約されているということだ。

アドビのプロファイルが普及したのは、アドビ製品に無料でバンドルされているということが大きい。今回のプロファイルがどういった形で普及していくのかはまだ分からないが、10年間の技術の蓄積でいろいろと改良が加えられたものなので、興味のある方はぜひ検証してみてください。

結果が良ければそのまま利用が可能。ただしこのプロファイルはあくまでの枚葉機でコート紙に刷った場合のものなので、用紙や印刷方法が違えば、色も変わってしまうので注意が必要。

印刷物を作る場合の用紙の選定には、値段や風合いなどさまざまな要素が絡んでくるが、このジャパンカラーに準拠したワークフローを導入すれば、かなりイメージに近い色再現を得ることができる。

ディスプレイでオーケーであれば、プルーフを出力してもほとんど修正の必要のないデータを作ることもできる。色校正の回数が減ることはコストや時間の削減にもつながる。「Japan Color認証制度」のサイトにもいろいろと情報があるので、興味がある方はご覧ください。

・Japan Color認証制度
< http://japancolor.jp/ >

・Japan Color 2011のICCプロファイルダウンロード
< http://japancolor.jp/icc.html >

【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com < http://twitter.com/Zenji_Uehara >
上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/ >
Soratama - 宙玉レンズの専門サイト
< http://www.soratama.org/ >
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
< https://www.facebook.com/zenlabo >

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■展覧会案内
所幸則個展「1second─ほんとうにあったように思えてしまう事」
< http://cosmos-akasaka.sub.jp/ >
< http://bn.dgcr.com/archives/20120425140100.html >
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会期:5月10日(木)〜6月9日(土)13:00〜18:30/土12:00〜18:00 日月火休
会場:Niiyama's Gallery and sales Salon
(東京都港区元赤坂1-5-20 ロイヤル赤坂サルーン 709 TEL.03-6447-1500)
< http://cosmos-akasaka.sub.jp/ >

実はこのヌード作品はまだまだ発表する時期ではなかったのですが、Facebookで一枚だけアップしているのを「Eyemazing」の編集長 Susan.A.Zadeh氏が見かけて「このヌードシリーズはもっとあるんでしょう? 何枚あるの?」とメッセージを送ってきたところから、急に発表しちゃおうか? と思い始めたシリーズなのです。この作品はゆっくり気が向いた時に撮っていたもので、発表のことは全然考えていませんでした。

本当に気持ちが盛り上がって、撮りたくなったら撮る。そういうペースなので、2008年から始めたのに、まだ15〜16作品しかできていません。

そんなシリーズがオランダのファインアートフォトマガジン「Eyemazing」の2012年3月21日発売号で特集が組まれることになり、それは日本以外の世界に発表するということなので、急遽日本でも発表するわけですが、同じタイミングで上海のキュレーター鳥本君からもオファーがあって、中国でも発表することになりました。

「1second─ほんとうにあったように思えてしまう事」
曖昧な人の記憶、現実とは実は曖昧なもの。確かにあったと思っている記憶も現実も「本当にあったように思えてしまう事」なのかもしれない。僕が現実に見て残したいと思って撮った美しいNUDE作品を展示します。

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >

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編集後記(04/25)

●息子がわたしのところに来て、小声で「しかし、あんたの奥さんは口達者で辛辣で容赦がないね〜」と言う。お前の母だろうが。いやまったく、そうなのだ。数十年一緒に暮らしてきたが、ここ数年はささいなことで口喧嘩することも度々で、いつも必ず敗戦の屈辱を味わう。妻にこういう才能があったなんて、若い頃は気がつかなかった。リリー・フランキーとみうらじゅんの「どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか」(扶桑社)での、女との喧嘩についてのふたりのやりとりがおもしろい。

M:女の人との喧嘩はよくないよ。極力、喧嘩しないように、機嫌をとって生きていくのが男でしょ。それでも怒りが収まらないときは、黙って外に出て「うわーっ」って叫ぶんだ(笑)。そうやって少し冷静になってさ、「なぜ怒っているのか」を自分に問いただすんですよ。何が怖いって、そもそも口じゃ勝てない相手に勝負して、思ってもないことを言ってしまう自分が怖いんだから。L:男友達とやるみたいに、女の人とも計算ずくで喧嘩できないもんですかね? M:できないねえ。女の人は、男と違う角度や視点から言ってくるからね。

まさしくその通りだ。妻の機嫌を窺いながら生きるのが男であり、口論では圧倒的に不利な状態でヘタなことを言ってしまい、ますますドツボに嵌るのが常である。でも最近いいテクニックをおぼえた。松岡修造の名言に「怒りを覚えたら頭の中で歌をうたう」があるが、喧嘩の最中これをやるとなかなか効く。「聞き分けのない女の頬をひとつふたつはり倒して〜」で始まるカサブランカダンディでもいいし、「うさぎ追いしかの山〜」でもいい。世の、夫という立場の人、いざというときにお試しください。(柴田)

●「弟や妹の付録まで手を出し」た覚えあります。『関西コミティア40』の日は先約があった......。/吉井さん、祝300回! ありがとうございます!! 前回の「Things Mac」を試そうと思いつつ一週間。毎週これだけのネタをお持ちなのに感服。イラストレーターさんにお願いする時は、ギャラがわからなかったりして、なかなか飛び込みはできなかったりする。クライアントさんが曖昧な発注をしそうだったら申し訳ないし、とかいろいろと。/「Japan Color 2011」落とさなきゃ。

iOSアプリの「はりがな」で遊んでみた。まにフェスに出展してくださったブリリアントサービスさんのゲーム。見ず知らずの人と、もじぴったん。もじぴったん的なのは昔からあるらしいので、もじぴったんと書くのは気がひけるな。配られる6枚のひらがなのカードを並べて言葉を作る。ひらがなにはそれぞれ点数がつけられていて、使いにくい「に」などは4点、使いやすい「く」などは1点。ただし「ゆ」が1点なのは納得いかない。縦横に単語が成立したり、文字数が多いほど得点は高くなる。色枠のコマにはボーナス特典がつき、それもカウントされて高得点になる。最初に起動した時は、オートマッチングされた相手がプレイしてくれなくて、一度も遊べないまま三日目に強制終了させた。先日の相手は、結構マメに返してくれて、平均して3時間に一度ぐらいはプレイできた。気の長いゲームだ。アドオンでアップグレードすれば、一度に遊べるボードが増える。一人用があればなぁと思うが、この気の長さがちょうど良いのかも。/4日かけてゲーム終了。勝った。さぁ次の人とゲームをと思ったが、5時間経っても番が回ってこない。また強制終了か?(hammer.mule)
< http://itunes.apple.com/jp/app/harigana/id502735751?mt=8 > はりがな
< http://bn.dgcr.com/archives/2012/04/25/images/harigana2.jpg >
すきるはあるのに、こるくがない。えいしゃがあるのに、えいしょはない。