[3520] 人種を超える女たちの絆

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《メンバーであるからには恋愛禁止である》

■映画と夜と音楽と...[597]
 人種を超える女たちの絆
 十河 進

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■映画と夜と音楽と...[597]
人種を超える女たちの絆

十河 進
< http://bn.dgcr.com/archives/20130719140200.html >
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〈ヘルプ 心がつなぐストーリー/グループ/風と共に去りぬ/カラーパープル/アラバマ物語〉

●オクタヴィア・スペンサーの助演女優賞に値する演技

一年半ほど前に、読者の方からメールをいただいた。532回めの「カラードたちの優雅な生活」というコラムに対してのメールだった。それは「リリィ、はちみつ色の夏」(2008年)という映画をコアにして、1960年代のアメリカ南部の人種差別について書いた文章だった。その方はアメリカ在住で、「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(集英社文庫)の翻訳を手伝ったという。

──もうお聞き及びかと存じますが、もうすぐ日本でも公開される『The Help』
もぜひ観ていただきたくて、メール差し上げました。今年のアカデミー賞女優賞候補にもなっている作品ですが、『リリィ...』以上に、今だからこそ作ることが出来た映画、だと思います。重いテーマを女性たちの友情の物語に昇華し、しかもコメディタッチに仕上げている見事な作品です(ヴィオラ・ディヴィスの演技がとてつもなく良いです!)。

──『リリィ...』と同じく白人女性の著者によるベストセラー小説ですが、この小説と映画がこれほどアメリカで愛されたのは、白人たちの贖罪の希望があるのかもしれません。『リリィ...』に出てくるオーガストたち姉妹は、とても美しいけれど幻想的な存在で、リアルさはあまりありませんでしたが、『The Help』の黒人女性たちは、ほんとうに血が通った存在としてどっしり描かれています。原作の翻訳も集英社文庫よりまもなく刊行ですので、よろしければご高読くださいませ。

このメールをもらったすぐ後に、84回アカデミー賞授賞式の中継があった。その中で「The Help」が多くの賞の候補にあがっているのを知った。主演女優賞にヴィオラ・デイヴィス、助演女優賞にジェシカ・チャスティンとオクタヴィア・スペンサーのふたりがノミネートされていた。受賞したのは、オクタヴィア・スペンサーだった。これは、後に「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(2011年)を見て納得した。賞に値する演技だった。

ただし、授賞式でほんの少し流れるシーンからは、どんな映画なのかは想像できなかった。メイドらしき黒人女性たちと、昔風のドレスを着た白人女性たちが料理について会話していた。全般的に明るい場面が多く、コメディタッチのシーンもあり、あまりシリアスな感じはしなかった。わずかなシーンを見ただけで映画を規定するのはよろしくないが、女性映画らしいなと僕は思った。それも、1960年代のアメリカ南部が舞台であるらしい。

60年代の女性映画というと、なぜか僕は「グループ」(1966年)を思い出す。キャンディス・バーゲンのデビュー映画だ。50年近く前のことだが、キャンディス・バーゲンのお父さんは有名な腹話術師だと、映画雑誌で読んだことを憶えている。監督のシドニー・ルメットがモデルをしていたキャンディス・バーゲンを見出し、主演に抜擢したのだ。原作は、当時、早川書房からソフトカバーのノヴェルズ版で出ていた。全米ベストセラーと謳っていた。

それは、有名女子大(ヴァッサー大学らしい。日本で言えば東京女子大とか、お茶の水女子大といったところか)を出た8人の女性の人生を描いたドラマだった。彼女たちは、学生時代に仲のよかったグループである。時代背景は1930年代だから、相当に保守的な時代だ。もちろん、その八人のグループに黒人女性はひとりもいない。すべて白人の裕福な家庭の娘たちだった。

僕は「グループ」を中学生の頃に見たのだが、正しく理解できたとは思えない。公開当時、アメリカでは公民権運動が盛り上がり、キング牧師のワシントン大行進が行われ、ジョン・F・ケネディ大統領がダラスで暗殺された。その翌年の1964年夏にジョンソン大統領が公民権法に署名し、翌年の2月、過激なブラック・パワーを提唱していたマルコムXが暗殺された。当時、僕は毎週のアメリカン・ヒットチャートと共に、黒人運動の盛り上がりも気にかけていた。

●大学卒業よりエリートとの結婚を優先する白人女性たち

「ヘルプ 心がつなぐストーリー」を見始めて僕が思い出したのが、「グループ」だった。裕福な家庭に生まれた白人女性たちの保守的なグループ...、冒頭に描かれるのはそんな世界である。作家かジャーナリストになりたいヒロインのスキーターは、そのグループの中ではリベラルな考え方の女性だ。ミシシッピ大学を卒業したが、ニューヨークの大手出版社の編集者に「経験を積め」とアドバイスされ、地元の新聞社に赴き家庭欄のコラムの仕事を獲得する。

スキーターの学生時代からのグループは、みんなエリート白人男性と結婚し、庭やプールのある大きな家に住んでいる。まるで「風と共に去りぬ」のような南部の古い大邸宅に住んでいる夫婦もいる。保守的な時代だから、女は結婚することが最大の目的だ。スキーターの大学のルームメイトだったヒリー(プライス・ダラス・ハワード。ロン・ハワード監督の娘だそうです)は結婚のために大学を中退し、今はミシシッピ州ジャクソンの白人女性のリーダーのようになっている。

南部の裕福な上流階級の白人女性たちはいわゆる有閑マダムなのか、慈善事業などに参加したり、地域のための活動をしたりするしか時間の使いようがないのかもしれない。ヒリーは慈善団体のリーダーみたいなことをやっているし、曜日を決めて有閑マダムたちを集めたブリッジの会を行っている。定例のブリッジ・クラブの場所は、ヒリーやスキーターの友人エリザベスの自宅である。そのブリッジの会のために、黒人のヘルプは食事やお茶を準備しなければならない。

ヒリーやエリザベスのような白人女性がきれいに着飾り、婦人会の活動のようなことばかりやっていられるのは、家事と育児を肩代わりしてくれる黒人女性のヘルプがいるからだ。ヘルプたちは白人の子どもたちの世話をし、食事の準備をし、銀食器を磨き、広い屋敷を掃除する。安い時給で働き、家に帰れば無学で女性差別に凝り固まり暴力をふるう夫がいる。

エリザベスの家で働くエイビリーンは、何十年も白人の子どもたちを育ててきたベテランのヘルプだ。たったひとりの息子は仕事場で事故に遭ったのに、白人の雇用主はろくな手当をせず、ほとんど見殺しにした。愛する息子の死によって、彼女は生きる希望を失っている。そのため以前より気むずかしくなったが、白人の言うことにいちいち腹を立てるほど若くはない。黒人としての長く辛い人生が、彼女に「諦め」を教えたのだ。

彼女は家事については熟知し、様々な智恵を蓄えている。そんなエイビリーンにスキーターはコラムへの協力を依頼する。エリザベスは迷惑そうだが、仕事に影響が出ないのなら...としぶしぶ了承する。ブリッジをやりながらヒリーが「黒人専用のトイレを各家庭に作らせる提案をした」ことを話し、それがエイビリーン聞こえたことを知っているスキーターは「気を悪くしたでしょうね」と口にする。エイビリーンが「ええ」と答えられるわけがない。

「ヘルプ 心がつなぐストーリー」がうまいのは、黒人への偏見を象徴するものとして便器を出してきたことだ。白人は黒人と同じ便器には座らない。この映画は子どもにトイレでオシッコすることをしつけるシーンも含めて、トイレ(英語では「バスルーム」と言っている)のシーンがやたらに出てくる。女優が便座に腰掛けているシーンが平気で出てくることで、改めて現代だから作れた映画だと認識を新たにするが、トイレシーンがこの映画の肝なのだとわかる。

ヒリーはエリザベスの家でトイレを我慢する。客用トイレは黒人ヘルプも使っているからだ。黒人特有の病気がうつると本気で信じている。ヒリーはエリザベスに黒人専用トイレを作らせる。エイビリーンのヘルプ仲間で親友のミニー(オクタヴィア・スペンサー)は、嵐の日に庭にある黒人用トイレではなく屋内のトイレを使いヒリーにクビにされる。電気もないプア・ホワイトの家に育ち金持ちと結婚したシーリア(ジェシカ・チャスティン)は、大邸宅のトイレで流産する。

ひとりで憎まれ役を引き受けているのがヒリーだ。スキーターやエイビリーンたちと一緒に、観客もヒリーに対して溜飲を下げるシーンがある。ある朝、ヒリーの自宅の庭に無数の便器が棄てられている。便器あるいはトイレという笑いを生むものを上手に生かしているから、シリアスな黒人差別をテーマにしながら「ヘルプ 心がつなぐストーリー」はコメディとしても成立した。そのコメディ部分を増幅しニンマリさせてくれるのが、ミニーとシーリアのエピソードだ。このふたりがアカデミー助演女優賞にノミネートされた理由が僕にはよくわかった。

●昔の映画に登場したステレオタイプな黒人キャラクター

偏見に凝り固まった人間は醜い。しかし、それがスタンダードだった時代もある。昔のハリウッド映画に出てくる黒人は、みんな訛りの強いヘンな英語を喋り、頭が弱そうなキャラクターばかりだった。「おら〜、××だよ」というヘンな日本語の字幕が出た。「風と共に去りぬ」(1939年)のスカーレットのメイドがそうだったし、若い黒人の子守は愚かさばかりが強調されスカーレットにムチ打たれる。先日見た50年代ハリウッド製西部劇に登場した黒人も同じだった。

日本にだって様々な人種偏見があった。大正末期に生まれ昭和初期に教育を受けた僕の父母のような世代は、中国人や朝鮮人、アジアの人たちへの偏見が抜けない。今では「バカでも××でも」が語源である「バカ×ョン・カメラ」が差別語だと知らない若い人たちが多くなったけれど、人種が違うことの差別意識がなくなったわけではない。60年代くらいまで、日本映画に出てくる中国人は「××アルよ」というヘンな日本語を喋り、朝鮮人は濁音抜きで話した。「マテツのキポタンのパカヤロウ(満鉄の金ボタンのバカ野郎)」といった調子だ。

当時は、それが一般的だったのだ。だから、60年代半ばのアメリカ南部(特にミシシッピ州)で黒人として生きることがどういうことだったのか、いくら想像しても僕には絶対にわからない。どういうことが起こっていたのか、歴史を調べることはできる。誰が殺されたのか、事実は記録されている。しかし、エイビリーンやミニーのように白人家庭で働き糧を得ている黒人が、スキーターの取材に応じてヘルプの本音を語ろうと決意することの怖さ(殺されるかもしれないのだ)は、僕には実感できない。

しかし、本音を語り始めた彼女たちの気持ちはわかった。人間としての誇りであり、プライドであり、怒りに裏打ちされ、恐怖に打ち勝った勇気である。それがわかったから僕は、こみ上げてくるものを堪えた。「カラーパープル」(1985年)で妻(ウーピー・ゴールドバーグ)を奴隷のように扱ってきたミスター(ダニー・グローバー)は、自立を宣言した妻のセリーに「おまえは貧しく、黒く、醜く、さらに女だ」と言ったが、耐えに耐えた人間が立ち上がったときは強い。

ジャーナリスト志望のスキーターは、ヘルプたちの本音をまとめ出版しようとする。その取材の中でスキーターはエイビリーンやミニーと友情を育む。やがて、スキーターは自分を育ててくれた黒人ヘルプであるコンスタンティンがなぜいなくなったのか、自分の家族が彼女にどのような仕打ちをしたのかを知り、差別意識の深さを実感する。60年代当時、スキーターのようなリベラルな白人が存在したのかどうかはわからない。しかし、スキーターやシーリアのような差別意識のない白人の存在が、「ヘルプ 心がつなぐストーリー」に救いをもたらせている。

●原作を読んでわかったこと・よかったこと

さて、メールをいただいた僕は映画を見た後、原作を読んでみた。文庫本で上下二巻だ。昔からアメリカでベストセラーになる本はどうして長大なのだろうと思っていたけれど、この小説もかなり長い。映画は、実にうまく整理し刈り込んであると思った。しかし、人物の背景や省略されたエピソードを読むと、人物像がより鮮明になる。特にエイビリーンの思いは、原作を読むと深く理解できる。原作は彼女が中心なのである。

映画は冒頭にスキーターが就職のために新聞社に赴くところが印象的なので、どうしてもスキーターの視点で見てしまう。しかし、ナレーションはエイビリーンの一人称。ファーストシーンがその伏線になっているが、なぜエイビリーンが語っているのかわかるのは中盤に至ってからだ。一方、原作はエイビリーンとスキーターとミニーの3人の視点で語られる。エイビリーンの章が2章続き、ミニーの章が2章、5章になってようやくスキーターの章になる。すべて一人称である。

長い原作を読み終えると、改めて映画版が原作のテーマもエッセンスもストーリーも損なうことなく、実に見事にまとめられているのがわかった。おまけに、笑いの要素は映画版の方が強くなっている。脚本と監督を担当したテイト・テイラーは、原作者キャスリン・ストケットの幼なじみだという。だとすれば、監督自身がミシシッピ州で原作者と一緒に育ったということか。もちろん、物語の時代よりはずっと後だろうけれど......

文庫本には、著者のあとがきが載っていた。キャスリン・ストケットはミシシッピ州で育ち、「わたしたち家族のメイドだったデメトリー」の思い出を綴る。デメトリーは28歳(生まれた年が明記されているから1955年のことだ)からストケット家に勤め、そのときに著者の父親が14歳だったというから、小説の中でエイビリーンが愛情を込めて育てているエリザベスの二歳の娘メイ・モブリーに筆者が投影されているのかもしれない。

そして、「風と共に去りぬ」がマーガレット・ミッチェルにとってきわめて個人的な「書かずにいられなかった祖父母の物語」であり、「アラバマ物語」がハーパー・リーにとって「書かずにいられなかった家族の物語」であったのと同じように、「ヘルプ 心がつなぐストーリー」も筆者が書かずにはいられなかった、きわめて個人的で切実な物語であることがわかった。スキーターとメイ・モブリー(映画のラストシーンで彼女は名優になる)は著者の分身なのだ。

ハーパー・リーの「アラバマ物語」(1962年)には筆者の思い入れがあるのか、スキーターが「ああ、わたしはこの町の『アラバマ物語』のブー・ラッドリーなのだ」と嘆く箇所がある。ブーは若きロバート・デュバルが演じた役である。語り手の少女スカウトを救い、ラストで初めて姿を現す。スカウトの父親で弁護士のアティカス・フィンチ(グレゴリー・ペック)は、映画に登場した人物で僕が最も好きなキャラクターだ。僕にとっての理想の人間である。

ところで、文庫本の訳者あとがきに「本書を世に送り出す力(ヘルプ)を与えてくれたみなさんへ」と謝辞が綴られており、「4人の"ヘルプ・ガールズ"」のひとりとして「米国シアトルの城田朋子さん」の名が挙げられていた。僕にメールで「ヘルプ 心がつなぐストーリー」を勧めてくれた方である。心に残る映画と小説を教えていただきました。ずいぶん遅くなりましたが、改めてお礼を言います。

1963年8月28日 ワシントン大行進/演説「私には夢がある」
1963年11月22日 ケネディ大統領暗殺
1964年7月2日 公民権法成立
1965年2月21日 マルコム・X暗殺
1968年4月4日 キング牧師暗殺

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com < http://twitter.com/sogo1951 >

本文では触れなかったけれど、「ヘルプ」のヒリーの母親役でシシー・スペイセクが出ています。彼女の主演作「キャリー」公開は1977年のこと。原作も同じ頃に新潮社から出たけれど、まったく話題にならなかった。集英社の「呪われた町」も最初はほとんど売れなかった。スティーブン・キングが売れ出したのは、「シャイニング」からだったかな?

●長編ミステリ三作が「キンドルストア(キンドル版)」
「楽天電子書籍(コボ版)」などで出ています/以下はPC版
< http://forkn.jp/book/3701/ > 黄色い玩具の鳥
< http://forkn.jp/book/3702/ > 愚者の夜・賢者の朝
< http://forkn.jp/book/3707/ > 太陽が溶けてゆく海

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「映画がなければ生きていけない1999-2002」2,000円+税(水曜社)
「映画がなければ生きていけない2003-2006」2,000円+税(水曜社)
「映画がなければ生きていけない2007-2009」2,000円+税(水曜社)
「映画がなければ生きていけない2010-2012」2,000円+税(水曜社)

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「1999年版 天地創造編」100円+税
「2000年版 暗中模索編」から「2009年版 酔眼朦朧編」まで 各350円+税
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■Otaku ワールドへようこそ![179]
アイドル兼カメコのパリッと新鮮な日々

GrowHair
< http://bn.dgcr.com/archives/20130719140100.html >
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前々からアイデンティティがやや拡散気味なワタシではあるが、もはや何足履いているのかもよく分からなくなっているわらじのひとつに、女子中学生アイドルグループのメンバーというのがある。

グループ名は「かおす de じゃぽん」。もともとはプロデューサ陣の一員として写真撮影を担当ていたのだが、今年の3月ぐらいからメンバーに昇格している。メンバーであるからには恋愛禁止である。今のところ気配すらないので特に厳しい制約とも感じていないが、もし万が一ナニゴトかが起きて発覚したりなんかした日には、ヒゲを剃らなくてはならない。

もはや、なかなか普通のセーラー服おじさんに戻ることのできなくなってきているこのアイドルは、このところあちこちからお呼びがかかるようになってきており、パリッとした緊張感のある、新鮮な日々を過ごしている。

●ラジオに生出演

7月5日(金)、FM J-WAVE の『GOLD RUSH』という番組に、アイドルグループと一緒に出演した。生放送。東京スカイツリーから電波を飛ばしていて、東京と近県に届く。番組自体は4:30pmから8:00pmまでであるが、その中で5:40pmから10分間、『BUZZTOWN』というコーナーに出演した。

渡部建氏がスタジオにてナビゲートし、「番組レポーターが"旬"の現地に突入レポート! 現地からリアルタイムな情報をダイレクトに伝えます」(番組サイトより)というコーナー。

いつも練習している下北沢の音楽スタジオに、レポーターの佐々木もよこさんが来てくださった。もよこさんもセーラー服姿で。すばらしいノリのよさだ。

すでに番組自体が始まっており、ラジオから放送が流れていて、我々の出番が時々刻々と迫る中、軽く打合せという緊張感がたまらない。こんな質問をするので、こんなふうに答える、という大雑把な台本は用意していただいている。

一回だけ通しでリハーサルして、ここはこうしましょうと直しが入って、本番に突入。前半は私へのインタビュー。セーラー服を着る理由などの質問に、割とすらすらと答えられた。ラジオなので、台本を見ながら答えられる点は楽である。ディレクタ氏が、台本の該当箇所をつついてくれる。

けど、前半で1分オーバー。曲をはさんで後半はアイドルグループへのインタビュー。自己紹介とグループの紹介。セーラー服のおじさんにプロデュースされることについては、すっかり慣れて普通のことと思ってるようで。慣れってオソロシイ。

一瞬にして飛び去っていったような10分間だったが、終始明るく軽快なムードの中、割と密度濃く情報を発信できたのではないかと思う。楽しかったし。その楽しい様子は番組のウェブサイトで、写真入りで紹介されてます。
< http://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/2nd/buzztown/post-199.html >

●ライブのダブルヘッダー

翌日、7月6日(土)は、アイドルグループのライブ。この日はふたつのイベントに出演した。

一つ目は、ポニーキャニオンアーティスツ主催の『ROLL TOGETHER ファンタスティック』の第2部。場所は渋谷の「O-Crest」。このイベントには初参加。

20組ほどのアイドルグループが、それぞれ10〜15分ほどの持ち時間を与えられて、次々と入れ替わっていくイベント。みんな若いのにパフォーマンスのレベルが高く、場慣れしていて、プロっぽい。この中から次の世代のビッグスターがブレイクしていくのだろうか。

このイベントを見に来ていれば、「有名になったあのアイドルグループを俺は最初っから見てきたぜ」と自慢できるかもしれない。新製品や新サービスが市場に浸透していく過程に関する「イノベーター理論」によれば、ものごとは5段階を経て伝播していく。

1・イノベーター(革新者、2.5%)
2・アーリーアダプター(初期採用者、13.5%)
3・アーリーマジョリティ(前期追随者、34.0%)
4・レイトマジョリティ(後期追随者、34.0%)
5・ラガード(遅滞者、16.0%)
このイベントは、イノベーター精神の旺盛な人々の集まりとも言える。

我々のグループは、きっちり練習してきて完璧に再現する、というタイプではなく、「作っておいて壊す」みたいなカオス感が売りなので、かなり異色な存在であったかもしれない。そのハチャメチャな感じはよく出せたのではないかと思う。

地下鉄銀座線に乗って赤坂見附へ移動。二つ目のイベントは、『ウタ娘定期ライブ0706』の第3部。場所は「赤坂GENKI劇場」。形式は渋谷のと似ていて、10組ほどのグループが出演する。このイベントには、4月1日(月)以来、ほぼ毎週末、呼んでいただいている。

テレビ埼玉で金曜日の深夜26:00〜26:30に放送される番組『ウタ娘』と連動しているイベントで、公演中はテレビカメラが回っており、ピックアップされたグループのステージの模様が後日放送される。この前日、「かおす de じゃぽん」が映っている。

いつもの顔ぶれのお客さんたちが、曲中に声を揃えて合いの手を入れて盛り上げてくださるのが非常にありがたい。ノリよくステージをこなすことができた。

『ウタ娘』の定期ライブに一日2回出演したことはあったが、別々のイベントに出るのは、我々のグループにとって初めてのことであった。この日は、非常に暑く、なかなかハードであった。

●鉄の箱に女子中学生を7時間幽閉して撮影

翌日、7月7日(日)は、アイドルグループを撮影。写真撮影スタジオを7時間借り切って、スチル写真撮影と、PV用の動画収録。

場所は東十条にある「STUDIO ASSEMBLAGE(アッサンブラージュ)」。一棟貸し2フロア合計50坪の自然光スタジオ。二階は大きな天窓から降り注ぐ光とバリエーション豊かなアンティーク調、一階は廃墟風な空間。
< http://www.firstprize.co.jp/assemblage/ >

この広さの割には、レンタル料は格安。100mm単焦点レンズで全身を入れられる距離がとれるのが嬉しい。広いのはいいんだけど、暑いのには参った。元は築40年の倉庫、四角い鉄の箱なのだ。

この日も猛烈に暑かった。空調がフル稼働してはいるのだけれど、負けていた。二階がたまらない蒸し風呂状態。一階でストロボを3灯焚いてスチル写真を撮り、二階では白ホリゾントを使って動画を収録した。

動画のときだけ二階に上がり、熱中症で倒れないうちに一階へ避難、という感じで。中学生はみんな元気だったけど、私がいちばんバテ気味だった。

なかなかすさまじい週末だったが、これで終わらない。

●新人歌手のMVの収録

7月9日(火)は、MV(Music Video)の収録で浅草へ。

TBSテレビで7月4日(木)より、毎週木曜日深夜23:28〜23:58にアニメ『ステラ女学院高等科c3部[しーきゅーぶ]』が放送されている。そのオープニング主題歌『Shape My Story』をやのあんなさんが歌っている。

やのさんは、原宿発の青文字系ファッション雑誌の読者モデルとして活躍してきた。一方、アニメ好きで、秋葉原とも親和性が高い。原宿と秋葉原はカルチャーとしては多分に質を異にするけれど、まったく混ざり合わないかというと、そうでもない。

「カワイイ(は正義?)」という共通項があるし。原宿にはビジュアル系のコスで現れ、コミケにはキャラ系のコスで現れ、両方の文化を股にかけて生きてるって人は、前々からけっこういたのだ。それを両方追っかけ回している私のようなカメコもいるわけだし。

カワイイ文化と言えば、スーパードルフィーの「ボークス」のショールームだって原宿と秋葉原にあるし。ただ、「原宿×アキバ」というコンセプトを積極的に発信する人が今まであまりいなくて、一般的には混ざり合わないイメージを持たれているのかもしれない。

やのさんは、新たにこの領域の発信源になってくれるのではないかと期待されている。

やのさんはもともと歌が好きで、歌い手としても活躍したいという思いを前々から持っていたそうで。このアニメの主題歌でそれが実現した。『Shape My Story』が発売されるのが8月7日(水)で、この日が歌手としてのデビューの日となる。

8月10日(土)に「文京シビックホール」で開催される「TBSアニメフェスタ2013」へのライブ出演も決定している。

CD発売に合わせて世に送り出すべく、MVの制作が進行中である。このMVに、なんと私が、味付けにちょこっと出演させてもらえるとのことで。えー、私なんぞが変な味を付けちゃって、だいじょうぶなんでしょうか。

私も、いちおう写真家としては原宿に育ててもらったという恩義を感じており、「原宿×アキバ」の領域に生きているには違いないですが。

そういうわけで、7月9日(火)に収録で浅草へ。このMVには7桁に及ぶ制作費がかかっている模様で、設備とセッティングが実に本格的だった。

『ステラ女学院高等科C3部』は学園×サバゲのアニメ。映画タイトルなどを例示するまでもなく、カワイイ系のファッションと武器はよく似合う。通常のモデル撮影系のライティングに加え、顔の下半分から胸あたりにかけて、帯状のスポット光が当たっている。ビルとビルの間から差す西日のイメージだろうか。めちゃめちゃカッチョええライティング。

ロリータ系のファッションに、サバゲ用のゴーグルをつけ、エンジ系の赤に塗られた特別仕様の機関銃を構える。めっちゃキマッている。

私は道化役。たぶん。別撮りした背景と合成することを前提に、白ホリゾントにクロマキー用のグリーンのシートが貼られた背景で収録しているので、後から編集した結果を見てみないことには、どのように使われるのか分からない。編集の段階で気が変わって、全部ボツになっちゃうかもしれないし。

やのさんは、同じ文化領域で空気を吸っていることから来る親近感がもてたような気がしたのは、まあ、こっちの一方的な思い込みかもしれない。けど、少なくとも、タレント然とお高くとまったようなふうはまったくなく、気さくで、アニメのキャラのかわいらしさがそのまま具現化したようであった。

楽しい収録であった。一番度胸ある決断をしたのは、私を出そうと思いついたディレクタ氏であろう。結果がスベらないことを祈ろう。やのさんが大きくブレイクして、あわよくば私も便乗......なんて。

収録風景。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/Studio130709 >

●秋葉原ツアー

7月13日(土)は知り合いの助っ人として、秋葉原のツアーガイドを務めた。「困った」というメールが来たのが 7月11日(木)の夜。

秋葉原をご案内するツアーを運営していて、海外のお客様にも対応できるよう、英語の話せるガイドの人もいるのだけれど、たまたま申し込みのあった日に出払っているのだそうで。

この日は午後から人形のグループ展の打合せの予定が入っていたが、昼なら空いている。お引き受けいたしましょう。

お客様は17歳のフランス人女性。アメリカの高校に通っていて、父親からの卒業プレゼントとして、日本に旅行に来ているのだとか。もう一人はカナダ人男性。私のことはVICEのドキュメンタリー映像を見て、知っていたそうで。

コースを案内する役の人は、ツアー会社から立ててくれるので、私は英語に通訳する係。実際は、通訳なんてほとんどしなくて、案内役の人をそっちのけで雑談してた感じ。それに、お客さんどうし、フランス語でぺらぺらぺらぺら話して盛り上がってるし。何言ってるのかさっぱり分からん。

けど、メイド喫茶ではノリノリで「萌え萌えきゅーん♪」をやってるし。メイドさんに乗せられて大の大人が超かわいらしく振舞う、このとき、自分の内部で何かが崩壊する感覚に見舞われる、それが「萌え」の極意なのです、と解説してあげた。ま、楽しんでいただけたようです。

写真。
< https://picasaweb.google.com/107971446412217280378/Akihabara130713#5901741365805751426 >

●またまたライブ

7月14日(日)はアイドルグループのライブ。渋谷の「DESEO」で。『オトメ魂。Girl's Pure Soul!』-Run through with a summer breeze- 主催するのは音楽ライターである鈴木將義氏。

鈴木氏は背が高く、いつもにこやかで礼儀正しく、ピシッとした張りのある空気をまとい、超さわやかな印象の方でした。

「かおす de じゃぽん」にとって、このイベントは初参加であった。けど、萎縮することなく、持ち味が出せたのではないかと思う。

その後、7月21日(日)、8月25日(日)のイベントにも呼んでいただける話になっているので、合格点をいただけたということでしょう。

7月15日(月・祝)はライブのダブルヘッダー。一つ目は、やはり鈴木氏主催のイベントで、『オトメ魂 Girl's Pure Soul!』-Miracle of summer colors!- 会場は渋谷の「Milkyway」。

ふたつ目は、【ウタ娘定期ライブ0715】第3部で、会場は「赤坂GENKI劇場」。こちらは毎度お馴染みとなったイベントで、終演後に出待ちしてくださる方々がいる。

このところ出演機会が多くてけっこう大変は大変なのだけれど、呼んでいただけるのは非常にうれしいことなので、気力を振り絞ってがんばってます。

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。
http://www.growhair-jk.com/

VICE MEDIAが制作した私のドキュメンタリー映像は、公開から一か月以上経つけれど、今も順調にアクセス数が伸びています。

予告編。36秒。2万アクセス。
< >
本編パート1/2。10分。13万アクセス。
< >
本編パート2/2。10分。5万アクセス。
< >

入間川の河川敷に住むホームレスのおじさんたちが映像に記録されたことは、私にとってもいい記念。あのあたり、たまに福祉の車が巡回してきて、困ったらここに電話を下さい、と書かれた紙を配っている。去年私が行ったとき、猫と一緒に車に住んでいる上田氏(仮名) は、その紙を大事に持っていたが、今年行ったら、「あれ、捨てちゃった」とのこと。「いつ死んでもいいと思っているとなかなか死なないもんだなぁ」。

◎ライブ予定

7/20(土)【ウタ娘定期ライブ0720】第1部
会場:パセラリゾーツ グランデ SHIBUYA/開場:9:30am/開演:10:00am
< http://www.uta-musume.com/Entry/57/ >

7/21(日)ポニーキャニオンアーティスツ ROLL TOGETHER『PAPAPA!IDOL PARTY』第1部
会場:渋谷 VUENOS TOKYO/開場:10:45am/開演:11:00am
< http://roll-together.com/ >
< http://vuenos.iflyer.jp/venue/home >

7/21(日)オトメ魂 Girl's Pure Soul! -Let's enjoy the Marine Day!-
会場:渋谷DESEO/開場:10:05am/開演:10:15am
< http://otodama.info/ >

7/27(土)【ウタ娘定期ライブ0727】第2部
会場:赤坂 GENKI劇場/開場:1:30pm/開演:2:00pm
< http://www.uta-musume.com/Entry/67/ >

8/ 1(木)『アイドル サマー グルーヴ2013』
会場:高田馬場CLUB PHASE / 開場:1:30pm/開演:2:00pm
< http://ameblo.jp/kurargue/ >

8/3(土)【ウタ娘定期ライブ0803】
会場:赤坂 GENKI 劇場
< http://www.uta-musume.com/ >

8/4(日)ポニーキャニオンアーティスツ ROLL TOGETHER
『ファンタス ティック』昼/夜公演に出演。時間未定。


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編集後記(07/19)

●昨夜、飼い犬ハニー号が大往生した。15.7歳、中型犬としては長命なほうだろう。よく生きた。昨年の春頃から急激に老化が進み、5月頃からは歩いて犬猫病院に行くこともできなくなった。9月頃にしつこい咳が出て、もうだめかもしれないと思ったが、医師からもらった薬が劇的にきいて、あれはなんだったんだと思うくらい元気になった。

だが、今年の2月頃から腹水がたまるようになり、ほぼ2週間ごとに犬猫病院で抜いてもらっていた。ここ一か月ほどは、ほとんど寝たきり老犬状態だった。7月18日午後7時ごろ、わたしの仕事部屋で寝ているハニー号の「わお〜ん」と呼ぶ声。寝ている体勢をかえてほしいとき、排便したときに、彼はこの合図をするのだ。だから介護は楽だった。夜中もよく「わお〜ん」したけど。

ベッドから抱き上げ床に寝かせ、ペットシーツを交換していると、後から来た妻が「呼吸していない......」と言う。嗚呼、まるで眠るように死んでいた。以前、医師から「心臓疾患だから、たぶん苦しまずに一瞬でコトンといっちゃうねえ」と聞いており、できればそういう最後であって欲しいと思っていた。まことに親孝行な犬であった。最後の「わお〜ん」は「さようなら」であったのだろう。(柴田)


●編集長から、最初にハニーちゃんの写真を見せてもらったのは、メルマガ初期の頃だ。確かその頃で1〜2歳だったように思う。と書き始めて、15.7歳との記述に気づく。まだ1歳にもなっていなかったのか。苦しまずに往けて良かった。うちの犬の最期を思い出しました。

続き。BGMは東京ランニングスタイルモノが多い。ランニング用のを聞いたら走りやすいだろうと考えたから。今はテクノ系ならなんでもいいんじゃないかなぁなんて思っていたりする。

iPhoneアプリの『TrailMix Pro』を使っている。これは自分で設定したBPMに、iPhone内の音楽を合わせてくれる。オートモードなら、ポケットかアームバンドにiPhoneを入れて走るだけで自動的にテンポが合う。なんとなく自分のピッチより早めのような気がするのは、だんだんと疲れてくるからかも。完了後は歩数や時間、平均BPMを表示してくれる。

YAMAHAの『BODiBEAT』は、自分のピッチに合わせた音楽を自動的に作ってくれると書かれてあった。試してみたら、ミニマルな音やゲーム音楽っぽい音が流れた。しばらく走っていると、急に「BODiiiiiiiii Beeeeeeeeat!!!!!!」という声が聞こえ、ボーカルが入ってきた。しばらくボーカル入りの曲が流れる。自動作曲というより、元から入っている曲を走行ペースに合わせてかけてくれてるのかな? トレーニングモードなら、指定した距離をゆっくりしたBPM、次の指定距離で早くし、またゆっくりに、というような編集ができる。音楽を自分のペースメーカーに。続く。(hammer.mule)

< https://itunes.apple.com/jp/app/trailmix-pro-walk-or-run-to/id479650960?mt=8 >
TrailMix Pro。
< https://itunes.apple.com/jp/app/trailmix-walk-or-run-to-beat/id647651691?mt=8 >
無料版あり。
< http://www.trailmixapp.com/trailmix-pro-upgrade/ >
Proと無印との差。時間や平均BPMはProのみ

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B005UXRSQ6/dgcrcom-22/ >
tokyo running style powered by adidas
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003WOS9AE/dgcrcom-22/ >
Running Style -mixed by DJ KGO aka Tanaka Keigo
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004D95IQK/dgcrcom-22/ >
Tokyo Running Style Jog House Work Out Mix

< https://itunes.apple.com/jp/artist/running-songs-workout-music/id505256955 >
Running Songsたち。今のに飽きたら買うかもかも

< http://www.runningstyle.jp/t_bpm/vol_32/index.html >
ランニング・スタイルのBGM紹介ページ
< http://www.runnersworld.com/workout-music/13-jazz-songs-for-running >
Jazzで走るなら。Steppin'やInceptionなど

< http://www.ove-web.com/news/Nblog/Ninfo/entry-496.html >
ツール・ド・フランスのTシャツプレゼント
< http://m2college.net/fes2/ >
まにフェスの登壇者が増えてきてる〜!