クリエイター手抜きプロジェクト[366]電子書籍編 Adobe JavaScript本ができるまで ──最初から電子書籍として作成した初めての例/古籏一浩

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10月18日に、インプレスから「Adobe JavaScriptリファレンス」が発売になりました。

・Adobe JavaScriptリファレンス
< http://www.amazon.co.jp/dp/4844395955 >

・煩雑な作業や定形作業を自動化するAdobeユーザー待望の書、ついに登場!
< http://www.impressrd.jp/news/131018/NP >

今度は電子書籍として計画されたので、紙の本とはやや違う方法で作成されました。また、今回の本は紙で印刷したもの(ペーパーバック)を購入することもできます。

最初から電子書籍として作成した書籍は初めてなので、デジクリのネタにちょうどよいかなと。そこで、制作時のトラブルなどを書いてみたいと思います。

Adobe JavaScriptリファレンス本は、Adobe PhotoshopやIllustratorなどAdobe社のアプリケーションで動作する、JavaScriptのリファレンス本です。要するに命令の辞書の本です。

WebではJavaScriptは多く使用されており、書籍も非常にたくさんあります。しかし、アプリケーションを制御するJavaScriptとなると、急激に書籍も情報も少なくなります。書籍として無事に出版できたのは以下の二冊だけでした。




・Illustrator10 自動化作戦 with JavaScript
< http://www.amazon.co.jp/dp/4839913544/ >

・組版時間を半減する! InDesign自動処理実例集
< http://www.amazon.co.jp/dp/4774136875/ >

もともと自動化処理本の企画があり、「Illustrator10 自動化作戦」に続いてPhotoshopやInDesign、AfterEffectsなどがシリーズで出るはずでした。しかし、諸々の都合(不景気だから......)により「Illustrator10 自動化作戦」が出て終わってしまいました。

その後、技術評論社で自動化の企画で「InDesign自動処理実例集」を出版できたのですが、やはり自動化本はここで終わってしまいました。

そして、ようやくAdobeアプリケーションのベースとなる部分の、JavaScriptのリファレンス本が出せたという状況です。2003年からのネタなので10年たってようやく合計三つできたことになります。

Photoshopは10年前の原稿がある程度残ったまま保留状態だったりします。もちろん、書き直さないとコードが古くなっているので、すぐに出せるわけではありません。

さて、それは置いておいて、今回の「Adobe JavaScriptリファレンス」本の作成に関する話をします。まず、この本はゴールデンウィークの連休3日間でほぼ書いたものです。リファレンス本はフォーマットが決まっているので、サンプルコードができてしまえば結構早く書くことができます。

もちろん、一度も使ったことがない命令がたくさんあり、コードを書いていくといくつかの発見もありました。リファレンス本を作成すると全部把握できるので、後々コードを書くのは楽になります。これは知っているから早く書ける、ということです。知らなければ書けませんし、書き上がるまでには相当の時間がかかります。

原稿は早めにできましたが、この本は企画した本の一部のようなもので、本当に出版する予定の自動化本は別にあります。まず、早く出版できるところからやろうというわけです。リファレンス本なら早くできますということで、「Adobe JavaScriptリファレンス」本が出たということです。

原稿を提出してから、しばらくすると紙の本と同じように校正を行います。この校正がPDFではなく、Kindleの実機で確認するか、EPUBで行う必要がありました。

当初は実機でやってみましたが、とても校正できるようなものではありません。そこでEPUB形式で校正することにしました。しかし、やはり駄目でした。とても校正できるような状態ではありません。

そもそも、PDFのように注釈などが貼り付けられません。おまけに電子書籍ならではの「ページ数」が固定されないため、何ページの2行目を削除といった指定ができません。Kindleならできなくはないのですが、操作が面倒で手間と時間がかかるばかりです。

そこで編集者にお願いして、EPUBにする前のマイクロソフトWordのファイルをお願いしました。Wordファイルのおかげで校正は楽になりました。なんだかんだ言っても、PDF校正が一番楽だと思います。

さて、無事に校正も終わり出版するだけになりました。ところが、ここで予想外のメールが来ました。

「ページ数が多くて本にできません」

そんな馬鹿な(笑) 電子書籍にページ数制限があるなんて! というか、電子書籍だからページ数無制限だと思って書いたのですが。ペーパーバックにする都合上、どうも800ページくらいが限度のようです。

問題は、原稿を減らしたりすることができないということです。そこで、編集側でレイアウトを変えることでページ数を削減することになりました。200〜300ページの本なら何の問題もなかったのですが......。

ということで、編集側で再度レイアウトしてもらって、ようやく出版の運びとなりました。10月19日にはKindle版が購入できるようになっていたので、自分でも購入してみました。

「ダウンロードが遅い......」

ページ数が多いせいか、ダウンロードに時間がかかります(約27MB)。でも、一度ダウンロードしてしまえばよいので、ここは待つことに。無事にダウンロードが終わるとKindleで読むことができます。

さて、Kindleで表示されたページ数(正式にはページ数ではないのですが)を見ると7288ページ......一番小さい文字にした状態でこのページ数。

これだけページ数が多いと検索が遅いのではないか? ということで、Kindle Fire HDで検索してみると、やはり分単位で待つハメに。Kindle Fire HDだと低速なのでしょう。やはり、ここはKindle Fire HDXを買ってね、ということなのかもしれません。

・Kindle Fire HDX 8.9
< http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00D3TVHDE >

電子書籍の便利なところは検索性なのですが、実際に検索してみるとデバイスの速度に依存するし、なぜか検索しても出てこなかったりと不思議な部分もあります。

電子書籍だと200〜300ページくらいにしておいた方が無難かな、というのがやってみた感想です。ちなみに、この本が売れないと自動化本が出版されないといういつものオチに......。まあ、駄目だったら自分で全部やってしまえばいいのですけど。


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/ >

ちなみに紙の場合、1200ページくらいまでOK! という出版社もあります。でも、さすがに1200ページだと通常の本の3〜4冊分ですから、そこまでは書けません。

あと、Adobe社純正のPDFのリファレンスが間違っている部分も何か所かあり、それに関しては「Adobe JavaScriptリファレンス」では修正した状態にして記載してあります。

・Adobe JavaScriptリファレンス
< http://www.amazon.co.jp/dp/4844395955 >

ようやくiPhone 5sのゴールドが来たので例によってページを作ってみました。

・iPhone 5s 使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/iPhone/iPhone5s/ >

今更ながらAppleTVを買ったのでいつものページを作ってみました。

・AppleTV 使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/AppleTV/index.html >

SONYの4Kカメラ、高いカードでないと4Kサイズの60Pが撮影できないみたい。ということで、4K 60Pの撮影はしばらく先になりそう。

・ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/ >

・Nexus 7(アンドロイドタブレット)使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Android/Nexus7/ >

・JavaScript逆引きハンドブック
< http://www.amazon.co.jp/dp/4863541082 >

・クリエイター手抜きプロジェクト
< http://www.openspc2.org/projectX/ >

・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/ >
吉田印刷所の「印刷の泉」でも購入できるようになりました。