[3594] 1パイントのビールで人は何メートル上がるのか?

投稿:  著者:  読了時間:22分(本文:約10,600文字)


《大阪のおもしろい人は死ぬほどおもしろい!》

■ユーレカの日々[28]
 1パイントのビールで人は何メートル上がるのか?
 まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[369]
 「OSX Mavericksにしてみた」「ノリツッコミ」
 吉井 宏




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■ユーレカの日々[28]
1パイントのビールで人は何メートル上がるのか?

まつむらまきお
< http://bn.dgcr.com/archives/20131127140200.html >
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ビールが好きで、よく呑む。大学と自宅の中間である京都で呑むことが多い。ビールが売りの店といえば、昔はドイツ式のビアホールが中心だったが、最近はイギリス式のパブも増えてきた。パブでのオーダーはカウンターで先払い。ファストフード店と同じシステムで、一人飲みでも気楽に入れるのがいい。

そういった店でビールを呑むたびに気になるのがその量だ。イギリス式のバーでは、ビールは「パイント」という単位で設定されている。1パイントを基準として、HALFは1/2パイント、といった具合。

当初はこの量がわかりにくかった。mlにすると1パイントは568ml。缶ビールロング缶よりもちょっと多めだ。1/2パイントだと284mlでレギュラー缶より少ない。なのでいつも、呑み足りないか、呑みすぎるかになってしまう。

●パイントという単位

パイントという単位は日本ではほとんど馴染みがないが、ヤード・ポンド法、つまり主にイギリスとアメリカで使われている体積の単位だ。僕が初めてパイントという単位を聞いたのは、ハーゲンダッツ・アイスクリームの容器だった。

今はもうないが、お店で持ち帰りを買う時、パイントのパッケージに入れてもらったものだ。その当時は、パイントというのが単位だとは知らず、単に容器をそう呼んでいるのかと思っていた。パブで「1パイント」ビールを頼む時、いつもハーゲンダッツのことを思い出す。

日本が尺貫法を廃したのと同様に、すでにイギリスもアメリカも法律的にはメートル法が公式だそうだが、実情はヤード・ポンド法がスタンダード。

おかげで日本では未だにテレビを買う時に、32インチがどれくらいのサイズなのか悩まされる。パソコンの世界もハードディスクやメモリの幅や、昔のフロッピーなどすべてインチだ。手元にインチの定規があるわけではないので、「この封筒に入るかな」といったとき、悩まされる。

こういった例は他にも多い。妻に聞いたところ、バターは450g、1ポンドで売られているのだという。おかげで、ベニスの商人が賭けた胸の肉1ポンドの量が実感できるという。

そういば、ふだん家で呑む缶ビールは350mlだ。今まであまり気にしていなかったが、これはなぜ、そんな半端な数字なのだろう?

調べてみると、350mlはアメリカの12液量オンスをmlに直したことらしい。やはりヤード・ポンド法だ。

じゃあなぜ、12液量オンスなのか? 随分半端な数字だ。16液量オンスは1液量パイント...16?? 16倍で桁があがる、という考え方は日本では馴染みがないが、12は16の3/4だ。

なるほどねぇ。1パイントとハーフのちょうど中間、3/4パイントが350ml缶の正体だったわけだ。さらに、日本の体積の単位である「合・升」だと、約2合。日本の商習慣にも馴染んだのだろう。

調べてみてわかったのだが、イギリスとアメリカで同じ1オンス、1パイントでも容量が違う。ここで比較している缶はアメリカ式、パブはイギリス式なので、厳密には違うのだろうが、まぁ、だいたい3/4パイントということのようだ。

●割り切れないヤツと割り切れるヤツ

しかし、このヤード・ポンド法、Wikipediaで読めば読むほど訳がわからない。
英パイント -- 20英液量オンス
米液量パイント -- 16米液量オンス
8パイント -- 1ガロン
次から次へと、なんだかわからない単位や数字がぞろぞろと出てくる。

これらの換算を見ていると、よく出てくるのが8、16、128、160などの数字。コンピュータの単位であるバイトや、印刷の面付け・ページ数でおなじみの数列だ。これらは分割しやすいからよくわかる。

一方、長さの単位であるインチの方を見ると、1ヤードは3フィート、1フィートは12インチ。こちらがそれぞれ、バラバラなのは、インチは指の幅、フィートは足のサイズ、ヤードは肘から中指の先までの長さの倍、という、もともと別々の基準だったかららしい。

単位の上がり方がバラバラというのは想像を絶するが、12という数字は2、3、4、6と約数が多いことで知られる。特に1〜4までの数すべてで割れる、ということが実生活では便利だ。

1ダースの缶ビールなら1〜4人できれいに等分できる。箱にも入れやすい。10缶入りなら2と5しか約数がないから、3人でも4人でもケンカになる。12は日常で使いやすい数字というわけだ。だからアメリカ・イギリスではヤード・ポンドが生き残っている。

●72の謎

分割といえば、もうひとつ日頃気になっていた数字がある。1/72、1/144。航空機プラモデルの国際スケールだ。日本ではガンダムのプラモデル「ガンプラ」のスケールでもおなじみである。なんとなくそういうものだと受け入れていたが、なんで1/72なのか。

72は使いやすい「12」の倍数だ。初期のMacでは72ポイントが1インチになるということで、ディスプレイが72dpi、つまり、画面の1ピクセルが1ポイントという風になっていた。もともとディスプレイの設計もインチで行っていたわけで、すべて整合性がある。

しかし模型はどうだ? だいたい、模型を作る時の事を考えると、こんな半端な数字は使いにくい。実物が10mの長さだったとして、1/100なら10cmとすぐに換算してパーツを自作することができるが、1/72だと毎回毎回、電卓を叩く必要がある。どうしてこんな縮尺をなぜ採用したのだろう?

調べてみると、1/72という縮尺は6フィートを1インチにする、ということだそうだ。

なるほどわかった。1ヤードは3フィート、1フィートは12インチ。3と12をかけると、36になる。36の倍数なら、大きな実物を採寸するときのヤードと、小さな模型のインチで換算がしやすいのだ。

たとえば、1/72では身長6フィート(180cm)の人間が丁度1インチ(25mm)の高さになる。大きなものを測る時の単位と、小さなものを測る単位が異なるから、そのための換算が36の倍数だったわけだ。

もともと1インチというサイズは尺貫法の一寸とほぼ同じサイズで、どちらも指の幅が元になっていると言われる。人間一人がちょうど指の幅、と感覚的にもわかりやすい。メートル法ではほとんど意味のない1/72という縮尺はヤード法だと使いやすい。

●きっちりしたハズが、ハンパになったメートル

しかし、アメリカとイギリスで単位が同じでも実量や運用が異なるように、昔はいろんな国でいろんな単位が使われていた。貿易が盛んになってくると、それがとてもやっかいな問題になり、18世紀末にフランスでメートル法が制定され、国際基準となった。日本でも1960年代に尺貫法が禁止され、メートル法になった。

しかし、そのメートル法にしたおかげで、350mlだとかかえってやっかいな半端な数字を氾濫することになってしまった。日本の建築の世界でも、よく使われる基本単位は90cm。畳は90×180cm。

これは尺貫法の近似値で、一間=180cmだ。家具のサイズや、ホームセンターで買う材木のサイズは90cmやら60cmやら180cmやら、メートル法で見ると半端な数字になっている。もちろん、一間180cmは男性身長に近い、ヒューマンスケールだ。

世間に半端な数字を氾濫させているのは、メートル法という新しい「基準」に換算したためというわけだ。

じゃあ国際基準である1メートルはどういうサイズなのかというと、「地球の北極点から赤道までの子午線弧長の1000万分の1」。とんでもなく実感に乏しい基準である。18世紀末なのだから、当然飛行機もまだ発明されていない。だれもが「 (゚Д゚)はぁ?」とあっけにとられる基準だ。

もちろんこれには理由がある。サイズに絶対的な基準を求めようとすると、とてつもなく難しい。インチや寸は指のサイズなのだが、当然、指のサイズにはばらつきがある。

世界各国でそれまでは穀物のサイズを基準にしたり、普遍的なサイズを色々と求めたわけだが、自然界においてそういうモノは当時の技術では見つからなかったのだろう(現在は光の速度など物理法則に基準を求めている)。

そこで当時の人々は考えた。もっとも普遍的で計測が可能なサイズはなにか? と言うと世界にたった一つしか存在しないもの、「地球」だ。1000万分の1というのは、1ヤード(約90cm)に近い、丁度割り切れた数、といことだったようだ。さらに、それまでの「12分割の考え方」から、計算がしやすい「10進法」で大系が整備されたのだと思う。

おかげで計算や換算はしやすくなったのだが、それまでの「指の幅、人間の身長」という感覚的にわかりやすいヒューマンスケールから、地球の大きさという人間の感覚ではさっぱり直感しにくい基準になってしまった。

事実、身の回りの物を見てみても、メートル法で丁度、というサイズのモノはあまり見当たらない。先に述べたように建築物は90cm単位だし、アメリカ主導のコンピュータなどはインチ。カーナビの音声案内で「200m先を左折です」と言われても、200m先がどれくらいなのか、ぼくはすぐに判断できない。

そんなに運転する方ではないので、中学生の時の100m走で走った距離が......なんてことでしか自分の体験で換算できない。音声案内が尺貫法の都市スケールである「2町先」なら、だいたい曲がり角2つ分、と走行中でもわかるのに、と思う。

人間が作るものは、ほとんどが人間が使うものだから、地球サイズよりも、ヒューマンスケールであるヤード・インチや尺・寸由来の寸法の方が多くなるのは当たり前だろう。人間はどこまで行っても、身体感覚から逃れることはできない。それをメートルで表記しても、実感に乏しい数字しか出てこない。

様々な単位が乱立・混乱しつつも、それぞれがヒューマンスケールで人間が実感できていた時代と、単位が統一された代わりに半端な数字が氾濫してしまった現代。はたしてどちらがいい時代なのだろうか。

昨今、コンプライアンスだとか、憲法改正論だとか、安全基準だとか、特定機密保護法案だとか、いろいろ「基準作り」「基準順守」の話題が多いように思う。たしかにそういった基準はメートル法の制定と同様に、バラバラなものをシンプルにしていったり、違う考え方を換算していくのには役に立つだろう。

でも、基準ができても結局は、人はヒューマンスケールで生活せざるをえない。身体感覚からは逃れられない。

人の指の幅や身長に個人差があるように、人間なんて地球みたいに唯一でしっかりしているわけではない。ならばその基準はゆるいくらいで丁度いいんじゃないかとも思う。

そういえば、お酒を呑むと「メートルが上がる」と昔の人は言ったらしい。おや、ここにも単位が。調べてみると、ここで言うメートルとは、同じ語源の「メーター」、要は酒を呑んでテンションがあがる、という意味らしい。メートル上がれば、脳みそもゆるくなる。もちろん、このテキストの説明が正しい保証がない。

昔もビールを呑みながら、同じように単位に思いを馳せた人がいたのかも。そんな事を考えながら、パイントのビールを呑みほして店を出た。

【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授】
< twitter:http://www.twitter.com/makio_matsumura >
< http://www.makion.net/ > < mailto:makio@makion.net >

師走だなぁ。ぼかぁ、君と居る時が一番師走なんだ......ということで、大学教員も走る年末年始。忙しいです。


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■グラフィック薄氷大魔王[369]
「OSX Mavericksにしてみた」「ノリツッコミ」

吉井 宏
< http://bn.dgcr.com/archives/20131127140100.html >
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●OSX Mavericksにしてみた

無料アップグレードって思い切ったよね! 新しいOSXのバージョンがリリースされると同時にアプグレしてきた僕だけど、Mavericksのリリースはネット環境が不自由な実家制作中だった。東京に戻ってきてからそろそろアプグレしようかと思ったら、気になるニュースが。

【OS X Mavericksで外付けHDDデータ消失の恐れ -INTERNET Watch】
< http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20131105_622110.html >

メインに使ってる2TBポータブルHDDがWestern Digital社製。実家制作中の命綱みたいなもの。Westrn Digitalのユーティリティを削除すれば一応安心らしいけど。う〜ん、アプグレは延期するしかないか。

と、数週間ガマンしてたんだけど、液タブ22インチCintiqとシネマディスプレイをMac Proにとっかえひっかえ接続してて、非常に煩雑。やっぱMavericksのマルチディスプレイ機能を使いたいなあ。

とりあえず、Westrn Digitalのユーティリティ一を削除し、全バックアップし、Mavericksをダウンロード。......ぎゃ! レビューにキヤノンのレーザープリンタドライバが未対応で、対応版は来年って書いてあるー。中止だ中止!

キヤノンのサイトで確認すると、あれ? Maverickって「10.9」だよね。キヤノンレーザーのドライバ対応版10月30日に出てるじゃん! さっきのレビューは10月24日付け。なんだ、アプグレ再開。

で、すんなりインストールできました。ドック上のエプソンスキャン他いくつかに、バッテンやクエスチョンマークになってるのもある。エプソンのスキャナドライバ、僕が使ってる二つともMavericks対応版が出てました。ドライバなど含めて、各社対応早かったようで、未対応なものは今のところなし。

【OSX Mavericksの新機能】
< http://www.apple.com/jp/osx/whats-new/features.html >

期待していた新機能は「マルチディスプレイの新機能」と「タブ式Finderウインドウ」くらい。カレンダー.appもリマインダー.appもLinkedInも使ってないし。iBooksがMacで読める他は、今すぐ使いたい新機能はないみたい。

ラベルが小さいマルになって目立たない? と思ったら、タグってラベルとちがうんだー。何個でも付けられて、それぞれ解除できる。なるほどいくつでも自分でタグ作って貼れるわけか。ウインドウでタグの表示を有効にしないと設定した文字は出ないけど、「作業中」とか「完成版」とか付けられて便利かも。

Finder、リスト表示で開くとファイル名欄の幅が広すぎて、日付やファイルサイズの欄が隠れちゃうことが多い(?)ディスプレイの画面解像度を高く変更すると、前の解像度の見えない枠が残ってて、アプリの画面がそれ以上大きくできない。アプリを再起動すると正常になる。

Finderタブ表示、うーん、Photoshopのタブ表示と同じ問題が。タブにしてるとMission Controlで一覧表示できないじゃんか〜〜! 便利かと思ったけど、ザッと見渡せないんじゃ使わないかも。

マルチディスプレイの新機能。両画面にメニューがつき、ドックも使える。2台のモニタを並べてマウスで使ってる場合は便利だろうな(Secondbarというフリーウェアで似たようなことができる)。

僕の場合、ちょっと離れた高さの違う机にシネマディスプレイとCintiq22を置いてるから、あまり意味なかったみたい。表示を入れ替える機能があると思い込んでたけど、ないなあ。まあ、ミラーリングで使うのがほとんどだから恩恵なかった。

マップ.appは軽くてなかなかいいけど、Macではあんまり使わなそう。Googleマップとは違う航空写真使ってますね。

Safari新機能の「共有リンク」、なんだそういうことか。SNSに出てきたリンクを集めてタイムラインから切り離して羅列されてもねえ。

Mail.app、アカウント情報を見るショートカットが廃止されてる上に、サーバ上のメッセージの並び順が変えられない。毎日「アカウント情報」から不要メールの整理をしてるのです。かなり困る!

プレビュー.app、まだ右開きに対応してないなあ。

ことえりやATOKなどを指定する「入力ソース」の環境設定がリニューアルされてるね。ところが、ことえりで日本語入力に切り替えできない? 検索したら、これだ↓

【Mavericks:「ひらがな」入力ソースがグレイ表示されていて利用できない。】
< http://support.apple.com/kb/TS5308?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP >

直った。ことえり、何か進化してるのかな? 環境設定、めちゃくちゃ簡素になってる? 名前を打つとアドレスブックから名前をズラズラと引っ張ってくる現象はなくなってる。とりあえずATOKからことえりに戻しても支障なさそう。

Mavericksは軽くてサクサクと言われてるけど、ちょっと重くなった? Finderやサファリのスクロールも引っかかり気味な気もする。

Photoshopのショートカットでのツール切り替えが一瞬遅く、消しゴムで書いたつもりでブラシで描いちゃったり、画面を回したつもりでブラシで描いちゃったりする。また、ファイルアイコンをダブルクリックして開いた後で、アイコンが開くアニメーション表示が出たりする。

modo701でもパイメニューのショートカットを押してから出るまでのタイミングが遅くなった。押すと同時にペンをフリックしてたから、画面の端でようやくメニューが出てきてやりにくい(他のアプリからはできるのに、modoから別名保存するとき、既存のファイルをクリックしてファイル名を拝借するのができない問題も)。

......アプグレしなきゃよかったまでは思わないけど、レスポンスの遅さがちょっと気になるかな。Mac Proに続いてMacBook Airにも入れちゃったし。今後のアップデートに期待。

●ノリツッコミ

先日テレビでやってた「非大阪人がノリツッコミするかどうかの実験」。よくないよアレ。大阪一般人のノリツッコミがめちゃくちゃおもしろいのは奇跡的な文化だと思うけど、他の地方での実験だとテレビ的に「ノリツッコミしない=つまらない人、バカな人」に、どうしても見えちゃう。

「知り合いでもない人に『電話です』って突然バナナを出して携帯電話に見立てさせる」って、相当に高度な雰囲気作りや乗らせ方とか必要だろうに、そこの技術は番組的に関係なしだし。

大阪のおもしろい人は死ぬほどおもしろい! 僕もお好み焼き屋で呼吸困難になるほど笑わされたことある。でも、そこまで面白い人じゃない人もいますよねえ? 「大阪人だからめちゃくちゃ面白いにちがいない」ってのは、黒人だからリズム感良くてスポーツが得意に違いない。ってのと同じだよねえ。ましてや、それを非大阪人に求めるのって?

ノリツッコミするかどうかは一つの大きな境界線なんだろうけど、その対応がおもしろいかつまらないかの価値は? あ、つまらなくても、ノリツッコミしようとしてくれたこと自体に価値があるんだろうな。「こいつ仲間や!」みたいな。とすれば、完全にリトマス試験紙か。

で、テレビを見た全国の学校や職場とかで、ノリツッコミするかどうか試すヤツが続出。しなかった人は「つまらないヤツ」の烙印を押されるのだ。

「いつでも、空気を読み、期待に応えて、バカをやって見せる人」って、めちゃくちゃ高度だと思う。そんなの僕はぜったい無理。......「ノリがいい人/悪い人」の基準があるとすれば、僕は自分のペースでしか動けない人なので、ノリはめちゃくちゃ悪いです。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

仕事部屋の床の隅に、見慣れない直径4センチくらいの黒い半球形のプラスチック部品が落ちていた。何だろう? 何かからはずれたものか? 周辺機器のパーツだったら大変。底面をよく見たら「たべられません」の文字と「アース」のロゴがあった。ゴキブリ駆除のコンバットみたいなやつだったw

・INTER-CULTUREの3Dプリント作品販売
< http://inter-culture.jp/Buy/products/list.php?category_id=63 >

・Cubifyの吉井ストア
< http://cubify.com/community/stores/yoshii_store.aspx >


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編集後記(11/27)

●川口マーン惠美「住んでみたドイツ、8勝2敗で日本の勝ち」を読む(講談社アルファ新書、2013)。ドイツに30年住んでいる筆者による日独比較論である。ドイツというと、なんとなく高潔で勤勉で科学技術高いの先進国というイメージがあり、かなり一方的に好きな国のひとつだった。「次があったらまた組もうぜ。イタリアは抜きにして」と言いたい国だった。3.11までは。日本にいたドイツ人はクモの子を散らすように出国し、大使館も大阪に移動。遠く離れたドイツだけが大仰な放射能パニックを発症、ひどい日本報道をしていたのを見て、今まで買い被っていたんだと思った。

この本は10の具体的事例について日独の優劣を判定し、10勝2敗で日本が勝つという誇らしい内容である、というのはウソ。あれこれ比較してみて、やはり日本のほうが断然優れていると判断したというものだ。読み終えて身びいき過ぎる勝敗だと思うが、筆者は日本の広報活動の稚拙さを嘆き、日本政府は情報戦とまではいわないが、事実を広めるくらいの仕事をして欲しいと思っているので、アピール下手で奥ゆかしい日本人のためにこのタイトルにしたという。筆者が傍観者として眺めるふたつの国、その違いがじつにおもしろい。

日本はドイツを反面教師として学ぶことが多い。まず大いに難航している「脱原発」プロジェクトである。GDPを下げずにエネルギー転換ができるのかという壮大な実験であるが、10年後に原発の分を自然エネルギーで代替することは、間違いなく不可能である。「脱原発」という決定に大いなる誇りを持つあまり、バラ色ではない現実面に目を瞑ってきたツケが回って来て、国の将来が迷走を始めている。日本はこれに習ってはだめだ。あのスポットライト症候群の無責任老人の妄言を、正論できっちり抑え込まなくてはなるまい。

また、外国からの大量の単純労働者の流入についても学べる。ドイツは過去にそれで失敗し、賃金崩壊で失業が増加し、社会不安を招いた。いままたEU圏というしがらみ中でその愚を繰り返そうとしている。日本はこれに習ってはだめだ。独自に、計画的に、冷静に外国人対策を考えるべきだ。自民党が唱えていた「1000万人移民計画」なんて愚の骨頂、狂気の沙汰である。

最初の章は尖閣諸島を訪問するエピソードで、どういうことかなと思っていたら、話は領土に関するドイツと日本の対応の違いに展開した。「確かなことは、領土問題というのは実効支配をした者が勝つということだ。そして、実効支配にはそれを裏付ける軍事力が必要だということ。これだけは、いろいろな歴史が証明している」と正論が続く。日独お楽しみアレコレ比較、なんて軽い内容の本ではない。硬いけどさらっ読めて面白い本だった。ところで我が家は「9勝1敗で妻の勝ち」だな、各分野で。とくに口論では圧倒的に。(柴田)

< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062728141/dgcrcom-22/ >
「住んでみたドイツ、8勝2敗で日本の勝ち」


●ピクセルは特に面倒。紙もののデザイナーさんに頼まれてコーディングする時にいろいろあったりする。/まだMavericksにしていない。仕事に支障が出てはいけないからだ。バグがとれたころにトライするぜ。

続き。また歩くと、月桂樹の葉の冠を貸与しての撮影会が行われていた。民間企業が無料で撮影してくれて、後から注文できるというもの。達成感のない私は、あまり喜びがなく、月桂樹の冠なんて恥ずかしくて被れないわと目を背けた。完走目的だから達成はしているはずなんだけど。「なぜベストを尽くさないのか!」(上田次郎/トリック)

次の場所では、ナンバーカードにパンチ穴があけられ、これまたボランティアのおばあさんに、ニコニコしながら、おめでとうと言われながらメダルを首にかけてもらう。ほんと嬉しいなぁ、これ。フルでは美女らがかけてくれるらしいよ、ノンアルコールビールがもらえるらしいよ(伝聞)。

で、順路に沿ってバナナをもらい、預けていた荷物をもらい、終了。荷物をもらった後は、え、もう開放? 閉会式とかないもんなぁと。しんどくないし、気持ちはまだマラソン引きずってるし、興奮状態で、御堂筋へ戻る。続く。(hammer.mule)