クリエイター手抜きプロジェクト[371]電子書籍編 Kobo auraを使ってみる/古籏一浩

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毎年10月から12月にかけて、タブレットと電子書籍リーダーがたくさん発売されます。ということで、今回は12月7日に発売されたKobo auraについて書いてみます。

Koboと言えば、楽天Koboとして悪い意味で一世を風靡した電子書籍リーダーです。今から約一年半前の2012年7月19日に、対アマゾンKindleキラー(?)として楽天社長、三木谷氏の肝いり(?)で発売されました。


初日からサーバーに接続できないトラブルや、Macだとアプリがインストールできなかったり、そもそも電子書籍端末の設定が分からなかったり散々な状態でした。初日で数時間後に本が半額になっていたりと、まさにトラブル大賞の代表格。

そうは言っても、今振り返ってみると電子書籍リーダーを販売するタイミングは悪くなかったと思います。楽天としては、あの時期でないとアマゾンを追従できないからです。出さないと、時代に乗り遅れたマイクロソフトのようになってしまうからです。でも、結果的に楽天Koboはアマゾンがいかに凄いか、Appleがいかに使いやすいかというのを実感させただけになってしまいました。

楽天Koboは終わったなと誰しも思っていたのですが、楽天はめげずに次々と新たな電子書籍リーダーKoboシリーズを販売してきました。とは言っても、何種類かのKoboを所有していますが、いずれも使用に難があり、結局Kindle Fire HDを使うか、iPhoneを使って読むというオチにしかなりませんでした。

出すたびに失望を与える電子書籍リーダーとして、いつしか話題にもならなくなってしまいました。

さて、今回発売されたのは見た目がNexus 7や元祖iPadに似ています。名前からして妙なオーラが漂っていそうですが、今回のKobo auraは今までのKoboとは違います。あれだけ大量の不満があったおかげなのかもしれませんが、その不満をかなり解消したデバイスになっています。

まず、説明書が分かりやすくなりました。しかし説明書には設定までしか書かれていないのでマイクロSDカードを、どっち向きにさすのかとか、細かい部分は載っていません(なぜか上下逆差し)。優しいふりして実は厳しいのがKobo。Sony Readerだと細かい部分も説明書に掲載されています。

初期のKoboは設定が分かりにくい部分もありましたが、Kobo auraは簡単になりました。基本的にAndroidタブレットと同じような設定手順です。異なるのは楽天IDとパスワードを入力する画面があるくらいでしょうか。ただ、文字を入力するキーボードはKoboとは思えない優しい設計になってます。

例えば、WiFiのパスワード入力で使われる数字や英文字がまとめて表示されます。つまり、iPhone/AndroidのようにSHIFTキーをタッチして数字・英文字に切り替えるような作業がなくなっています。書き換えが遅い電子ペーパーだと、こういうのはありがたい改良点です。

設定が終わるとホーム画面が表示されます。場合によっては、同期が始まります。同期には時間がかかりますので待ちます。

Kobo auraのホーム画面も改良されていて、ワンタッチで直前のアプリや本にアクセスできるようになっています。Webブラウザもタッチするだけですぐに表示されます。

まずは、何か本を購入して読んでみます。今回は適当にジャンルを選んだら出てきた「ガラケーで撮影する天体写真」という本を購入してみました。

購入手続きは本を選択して「購入¥300」のボタンをタッチするだけです。あとは確認の画面で再度「購入する」ボタンをタッチすれば、自動的にデータがダウンロードされて読めるようになります。

初期のKoboと比べると手軽に購入できるようになっています。ただ、次々と購入したくなるような仕掛けがありません。ここらへんがKindleとの違いです。これだと、ますますKindleに水をあけられてしまうでしょう。

もっとも、本がなさすぎるという致命的な欠陥が残ったままなので、購入する本そのものがありません。例えば、天文関係のジャンルでは一冊しか日本語の本がありません。これが、試しに購入した「ガラケーで撮影する天体写真」です。(旅行・ホテルも日本語の本が一冊しかない)

とは言っても、Kobo auraは楽天で購入できる本がなくても大丈夫です。何と言っても、自炊したPDFを扱えるからです(説明書には自炊したPDFを扱えるとは書いておらず、購入したPDFとの記載があります)。

Kobo auraは32GBまでのマイクロSDカードを利用できるため、自炊したPDFを入れたい放題です。ちなみにHTMLファイルも入れておけば、表示することができます(ディレクトリ階層は無視されるので、ハイパーリンクは正しく動作しません)。

ただし、テキストしか表示されない上に、英文字が大きく表示され日本語が小さいというKoboらしいアンバランスな表現をしてくれます。さすがKobo、ひと味違う。

とはいえ、実際にPDFを表示してみると予想よりもよい出来でした。iPhoneのように二本指でピンチイン・ピンチアウトで拡大縮小が簡単にでき、なおかつリアルタイムに追従します。

Sonyもそうでしたが、電子ペーパーの反応速度がかなりよくなっているのでしょう。指でタッチしたままドラッグしても、だいたい指についてきます。

ひとつよかったのは、拡大したPDFのページを表示した状態で次のページに移動すると、拡大されたまま次のページが表示されることです。文字を大きいまま次のページを見たい場合は便利です。ページをめくるたびに二本指で操作する必要がないからです。

ちなみに、バックライト付きなので布団の中でも読むことができます。端末も軽くなっていますし、表示も高速で不要な画面のちらつきもなくなっています。おまけで入っているWebブラウザーも高速に表示されます。電子ペーパーなので目が疲れないという利点もあります。Kobo auraは頑張って改良したのがよくわかる電子書籍リーダーです。

しかし、売っている本が少ないのは致命的です。一年半経過しても本が揃っていないというのは(もしくは偏っている)どうしようもありません。あと、もうひとつ。本がたくさんあると一度に5冊しか表示されない上に、ページめくりが指でスワイプする状態なので、非常にやりにくい&使いにくくて困ります。見た目はレトロだけどSony Reader T3Sの方が使いやすい。

どのみち、本が少ない楽天Koboをお勧めすることはありません・・・


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/ >

時間が足らずKobo aura使い方辞典は用意できてません。年内には用意したいところ。何となく個人的ランキングは、こんな具合。

iPad>Kindle Fire>Neuxus 7/10>>>Kindle Paperwhite・Sony Reader T3S>>Kobo aura>>>enchantMoon

Kobo aura、いじっていると結構な速さでバッテリーが減っていくなあ。使いまくっているとすぐに終わりそう。どちらかというとiPadの方がバッテリー長持ちするかも。最近のヒット番組と言えば、NHKの妄想ニホン料理(結構前から単発であったけど今は毎週やってます)

・妄想ニホン料理
< http://www4.nhk.or.jp/mousou/ >

見たことも食べたこともない日本料理を、海外の人(国内の場合もある)に想像して作ってもらいます。

その際、3つのヒントが与えられ、それを元に作るわけですが、予想の斜め上を行くような料理とか面白いものがたくさん登場します。

やはり、少ないヒントを元に妄想・想像して作ると面白いものができる気がします。初期の日本のRPGも妙なものが多かったのは、数少ない情報、写真から妄想して作ったからかもしれません。ゲームも手軽に作れるようになったら「妄想ゲーム制作」なんて番組ができるのかもしれません。

・Sony Reader T3S使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Sony/Reader/PRS-T3S/ >

・Adobe JavaScriptリファレンス
< http://www.amazon.co.jp/dp/4844395955 >

・ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/ >

・Nexus 7(アンドロイドタブレット)使い方辞典
< http://www.openspc2.org/reibun/Android/Nexus7/ >

・JavaScript逆引きハンドブック
< http://www.amazon.co.jp/dp/4863541082 >

・クリエイター手抜きプロジェクト
< http://www.openspc2.org/projectX/ >

・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/ >
吉田印刷所の「印刷の泉」でも購入できるようになりました。