[4655] 勉強会っていいな◇機械を壊して作るを知る◇「山怪 参」

投稿:  著者:  読了時間:17分(本文:約8,200文字)



《我ながらいい企画だったな》

■3Dプリンター奮闘記[111]
 勉強会っていいな
 織田隆治

■crossroads[50]
 機械を壊して作るを知る
 若林健一




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■3Dプリンター奮闘記[111]
勉強会っていいな

織田隆治
http://bn.dgcr.com/archives/20181011110200.html
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台風も去ったと思ったら、急に暑い! なんでしょうね…この天気は…。皆様、体調を崩さないようにしましょうね。

先日、ある勉強会に参加してきました。3Dプリンターについての勉強会でしたが、光造形、熱融解式プリンターについて、初歩的な事からコアでマニアックな部分までを、制作例を交えながらの勉強会でした。

僕が学校や企業等で講習をする際にも、似たような内容で行っているのですが、他の方々はどういった内容で講習を行っているのかが、とても興味津々でした。

同じ機種をお使いの方でしたので、他の人がどういった設定で、どういう工程でやっているのかを知るのは、本当に勉強になりました。

「おお!これは僕の講義でも使える!!」とか、「こんな設定の仕方があるのか!」他にも、「あの設定はこんな感じに使うと、こんな効果があるのか!」等々、始めから終わりまでノートに鉛筆を走らせまくりの勉強会でした。

こんなにノートにメモしたのって、何年ぶりだろう……。というか、こんなにメモ取ったこと、なかったんじゃないかなぁ(笑)

という感じで、目からウロコの連続でした。やっぱり年取っても、こういった勉強会に出て、新しい事、今まで気がつかなかった事を知るのは、本当に刺激になるなぁ。

自分の方法とは違うやり方って、慣れた自分の方法以外を受入れないと損しますね。仕事にも繋がる事でもあるんですが、3Dプリンターの奥深さを改めて認識しました。

詳細は、書いて行くとコアすぎるし、またそういう講義をする際にでもネタと
して取っておこっと(笑)

さて、前回でも書きましたが、

大丸心斎橋デジタルアートギャラリー「3Dプリンターアート」
https://www.daimaru.co.jp/shinsaibashi/dgcatalog/3d_art/html5m.html

さすがに平日は来られる人数が少ないだろうし、土日で沢山の方に見てもらえるな〜と思っていましたが、なんと最終日の日曜に、あいにく台風の影響で大丸さんがお休みとなり、当然、この展示会も土曜で最後となってしまいました。

それでも、予想を上回る来場数となりました! 1220名くらいの来場者数となったようです。

これ、多いと見るか少ないと見るか、意見が別れるかとは思いますが、代理店、大丸さんの感想では、かなり多いという事でした。とても好評で、実は他の百貨店さんからも、「うちでやってほしい」というオファーを頂いたようです。

今回の展示には、僕自身の作品は準備出来なかったんですが、次回開催されるようなら、僕の作品も出してみたいなぁ〜。まあ、間に合えばですが(笑)

今回のこの企画に携わってみて、やっぱり自分の作品を作る、という事の大事さを認識しましたね。手作りの造形品なら色々あるんですが、3Dプリンターを使った造形ってのは、ほぼ仕事でしかやってなかったんですよね。

ワンダーフェスティバルというガレージキットの祭典にも、何故かすべて「手作り」を貫いてきた僕ですが、これからは少しずつそういった「デジタル造形」も取り入れていかんとなぁ……と思います。

以前、うちの事務所にテレビの取材が来た時も、ほとんどが企業さんからの依頼品であったため、作品を見せる事がほとんどできなかったという事例もありました……。

よし、これからはちゃんと自分で発表できる「デジタル造形」も、少しずつ作って行こう……。出来ると思う……。出来たら良いな(笑)

さて仕事では、最近あるロボットの大きめのモックアップの制作をしているのですが、大型の3Dプリントの扱いで注意している事について、ちょっと書いてみます。

大きい3Dプリンターで、どっ! と出力すればいいんじゃね? と思うかもしれませんが、実はここに落とし穴があります。3Dプリンターも万能ではないので、たま〜に失敗します。

3〜4年前と比べると、今ではかなり3Dプリンターの性能、機能が上がっていて、そのリスクはかなり少なくなってきているのですが、まだまだ油断禁物なんですよ。

そこで、僕の場合は、オブジェクトをモデリングの段階で、3Dプリントに適した形状に分割し、20〜30cmクラスの3Dプリンターを複数稼働させて造形しています。これは、以下のような狙いがあります。

1)サポートを出来るだけ減らす

3Dプリンターの性質上、逆バンクのところには、必ずサポート材という支える部分が必要になってきます。このサポート部も本体と同時に、3Dプリンターで出力して行きます。

当然、サポートにも材料が必要ですし、サポート部を出力する時間も必要になってきます。また、サポートが接触している部分は、そうでない部分と比べると、表面が必ず荒れてしまいます。後での研磨仕上げ行程にも時間がかかる訳ですね。

という事で、サポートを出来るだけ減らす事で、コスト、時間、手間をカットできる訳です。

2)プリントミスによる被害を出来るだけ小さくする

次に、プリントミスによる被害を出来るだけ小さくするという事ですが、大きいプリンターで一気に出力する場合、部品を接着しなくていい、という利点も当然あるのですが、その分リスクが生じます。

これは、先ほど書いた通り、3Dプリンターも万全ではありません。出力ミスにより、造形に失敗する事もあります。大きいパーツが途中でNGになった場合、すべてをやり直す必要が出て来るんですね。素材、時間が膨大に消費されてしまいます。

出力に長時間がかかる場合、事務所を出る際にプリントをしかけて、次の朝出て来るまで放置プレイになる訳です。かつて3DCGのレンダリングの際も、こんな感じでした。朝来て、失敗していた時の絶望感と言ったら…もう…orz

そういう事で、パーツをある程度分割し、複数の3Dプリンターで出力すれば、万が一どこかでエラーが出た場合、その失敗した分割した部分だけをやり直せば良い訳ですね。分割したパーツは、後で接着するという手間は増えますが、リスクを分散できるという事で、僕はずっとこんな使い方をしています。

でも、最近かなり大きい制作も増えてきて、もうちょっと大きい3Dプリンターも欲しいなぁ…。40cm級のが一つ…。頑張って稼いで導入したいなぁ。

当たり前ですが、大きい出力品の場合、使用する素材の量もかなり増えてきます。今まで、750g、1Kg、巻き、といった素材を使っていましたが、さすがにしょっちゅう入れ替えしないといけないので、今回3Kg巻きの素材を使ってみる事にしました。

熱融解式のプリンターの場合、ほとんどがフィラメントと呼ばれる1.75mmΦの線材を巻いたリールでの購入となります。

それくらいの重さなら、適当に棒にリールを指しておけば、材料が引っ張られて回転するんですが、さすがに3Kgとなると、材料の重さで棒に突っ込んでおくだけでは自重で回転しにくくなります。

リールをうまく回転させる台があるんですが、純正は高いんですよね…。そこで、余った部品なんかを入れてる箱をゴソゴソすると、以前予備で買っていたベアリングが7〜8個出て来ました。

後は、軸になるアルミパイプもこれまた在庫があったので、アクリルをレーザー加工でカットし、簡易のリール置きを作りました。

無事完成! ベアリングが入っているので、クルクル気持ち良く回っております! こういった部品の制作も、自分で出来てしまうのは本当に良いな〜って思います。「DIYバンザイ!」ですね〜。

そして……。そしてですね……。前回も書いたんですが、応募〆切が近いという事もあり、「てめ〜しつこいんだよ!」と言う逆境にもめげず、最後に書かせてください……。すみません……。

「シゴトバLAB 3Dプリントコンテスト03」いよいよ来週月曜の10月15日がエントリー〆切となります。15日中に、データが到着すればOKです!
https://shigotoba-base.com/event/1027/

最新の3dプリンターFLASHFORGE ADVENTURER3(アドベンチャー3)
ZBrushCoreライセンス2名
fusion360関連本、データからシルバー、真鍮鋳造などなど、賞品盛り沢山!
お急ぎください! 全身3Dスキャナーの体験会なんかもやりますよ〜

「そんなん言うても、3Dなんか出来るかい!」
「3DCGなんて、やっとらんわ!」

という方も、レーザー彫刻機部門では、イラストレーターのデータで参加できますよ〜。前回は、レーザー彫刻機部門に応募された学生の方が最優秀賞に輝き、3Dプリンターをゲットされています!

月並みですが、「詳しくはwebで!」
https://shigotoba-base.com/event/1027/


【織田隆治】

___FULL_DIMENSIONS_STUDIO_____
oda@f-d-studio.jp
http://www.f-d-studio.jp


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■crossroads[50]
機械を壊して作るを知る

若林健一
http://bn.dgcr.com/archives/20181011110100.html
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こんにちは、若林です。

今日から豊洲市場が開場なんだそうですね。築地市場の終了を私が知ったのは先週でした。つい最近まで、土壌汚染や盛り土の問題で連日のように報道されていたような気がして、移転はまだまだ先のことだと思っていたら移転が決まっていたのに驚きました。

やはり、メディアによる取扱い方によって人が受ける印象は変わるのですね。もしかすると、私がニュースを見ていなかっただけかもしれませんが……。

■CoderDojoの番外編として機械を分解する会をやりました

さて、本題です。いつもプログラムを作る活動をしているCoderDojoですが、「逆に、機械を分解するのも、おもしろいんじゃない?」と思い立ち、機械を分解する会を番外編として開催しました。

今回分解したのは以下の機械たちです。

・PlayStation2(PS2)
・PlayStation用コントローラーDualShock
・ダブルカセットのカセットデッキ
・Wii用コントローラー(Wiiリモコンではなく、いわゆるゲームコントローラタイプのもの)
・マウス、各種リモコンなど

[分解された機械たち]
https://coderdojo-nara-ikoma.github.io/images/2018/scrapdojo01.jpg

分解後、元に戻すことが前提になると思い切ってやれないので、元に戻さないことが前提。分解したまま廃棄してもよい機械を用意しました。

■子供たちの疑問1:なぜカセットを入れるところが二つついてるのか

分解を開始して最初にでた質問は、カセットデッキの分解を始めた子供の「これ、なんで二つついてるの?」でした。

カセットテープはかろうじてわかっていたようですが、なぜ一つの機械にカセットを入れるところが二つあるのかが理解できなかったようで、「昔はね……」といきなり昔話です。

今の子供たちは録画にもビデオテープは使わない、動画もYouTubeで観ていますから、そもそも映像や音声を記録するメディアの存在と、その運用なんてイメージできないですよね。

とりあえず説明はしたものの、理解はできなかったと思います……。

■子供たちの疑問2:なぜPS2に電池が入っているのか

もうひとつ上がってきた疑問は、PS2の基板に取り付けられていたボタン電池です。子供たちとしては「コンセントにつないで使う機械なのに、どうして電池がいるのか?」ということでした。

これは電源が接続されていない時でも、時計は動き続けないといけないので、時計を動かすための電池なのですが、こういったことも分解したからこそわかることですね。

ちなみに、PS2の内蔵ボタン電池はPSのロゴ入りのレアモノでした。

[PS2に内蔵されていたロゴ入りボタン電池]

https://coderdojo-nara-ikoma.github.io/images/2018/scrapdojo08.jpg

■想像以上に美しかったPlayStation2のメイン基板

分解を楽しんだのは子供たちだけではありません。私も濃い緑に銅色、コンビナートを空撮したように電子部品がならんだ、PS2のメイン基板の美しさに感動しました。

[PlayStaion2のメイン基板]
https://coderdojo-nara-ikoma.github.io/images/2018/scrapdojo07.jpg

■超アナログなカセットデッキの内部

一方で、カセットデッキの中は超アナログです。部品も、コンデンサー、抵抗、コイルなどひとつひとつが独立した部品で、ICのような集積部品はほぼ見当たりません(もしかするとなかったかもしれない)。

稼動部品がDVDプレイヤー部分しかないPS2と違って、カセットのイジェクト機構、オートリバース機構などメカニカルな部分が多いのも、カセットデッキの特徴。子供たちも色んなところを触って、どのように連動して動いているのかを確かめていました。

[カセットデッキの内部]
https://coderdojo-nara-ikoma.github.io/images/2018/scrapdojo03.jpg

■ひとつひとつに新しい発見がありました

その他にも、リモコンのボタン部分が実は中で繋がっていたとか、Dual Shockの振動を起こすモーターは左右で大きさが違っていたなど、分解しないとわからない発見がたくさんあり、我ながらいい企画だったなと自画自賛しています。

ただ、これらの機会を全部分解するのに、三人の子供たちだけでも約40分で終わってしまったのは大きな誤算でした。もっと時間がかかると思っていたので、これだけあれば十分だろうと考えたのですが、子供だからといってあなどれませんね。

もしご家庭に不要になった機械があれば、お子さんと一緒に分解することをおすすめします。大人も子供も新しい発見がありますよ。


【若林健一 / kwaka1208】

https://croads.jp/aboutme/
CoderDojo奈良・生駒・明日香・田原本
http://coderdojo-nara-ikoma.github.io/
http://coderdojo-asuka.github.io/
http://coderdojo-tawaramoto.github.io/

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編集後記(10/11)

●田中康弘「山怪 参 山人が語る不思議な話」を読んだ。「山怪」が山と渓谷社から発行されたのは2015年。予想外の大ヒットで、「山怪 弐」が2017年、「山怪 参」が2018年に出版された。この鉱脈を出版各社が後追い、表紙のテイストまで真似た本が次々と出た。殆どをフォローしたが、本家「山怪」の「心底恐い話はないが、じわじわ来るイヤな気分」までコピーできた本はない。

何が一番山で怖いのか山人に尋ねると、東北のマタギは雪崩と答える人が圧倒的に多いという。「自然が一番おっかねえ」のだ。雪のない所の猟師は、銃を持っているし、山中で自然はとくに怖いとは感じないらしい。それでも敢えて尋ねると、多くの人は「世の中で一番怖いのはやっぱり人間だ」と言う。

平凡な回答だが、わたしもそう思う。とくに女性がコワい。さらに、これが一人で山の中にいる女性となると……。立木の買い付けに携わる杉山さんは、人と会うことのない山を一人で歩く。「山の中で女の人に会うのは怖いですねえ。誰も来ないような場所で、突然出会うんですから」。そんな経験が二回ある。

「その人、普通の格好なんです。山歩きの人じゃないんですね。髪の毛がばさばさで凄く怖かったですよ。精神的に不安定な人かと思いました」。二回目は違う人で、場所は全然別の所だ。この状況はものすごく怖い。山人からよく聞くのが、山中でどうにもいやな感じがすることがある、ということ。自分しかいないはずの沢で、突然聞こえてきた女性の笑い声、とか。鳥肌が立つ。

山菜採りで山の中を移動していると知らない女性に出会った。その人が、こっちの方が良い山菜がたくさんありますよと教えてくれた。山菜やキノコのあるスポットを、見ず知らずの人に教えるのは不自然である。普通ありえないが、いわれるままについていった。いつの間にか女性はいなくなって、結局15キロも離れた所まで行っていた。「あれは呼ばれたんでしょう」

山中の真夜中の現場に、別の現場から無線連絡が入る。「おい、子供がいるぞ! 気をつけろよ、白い服を着た子供が歩いているから」。誰もが耳を疑う。現場は道もない山中。時刻は午前2時過ぎ、子供が歩いているわけがない。その現場に行くと、10人ほどの作業員が立ち尽くす。全員がその少女を見ていたのだ。

山怪を信じない人は、三タイプに分けられると筆者は書く。山に入ることは生活の一部であるが、恐ろしいことが存在すると思ったら、とても一人で山に入ることは不可能である。だから、信じない、信じたくないという人。怖いとか恐ろしいなんて感じる者は臆病だと決めつける人。世の中に不思議などない! という人、理系の人に多い。取材主旨に対し小馬鹿にした態度をとる。

一方で何でも心霊方面に強引に持っていく人がいる。山怪の面白さは、パターン化された怪奇譚ではない。「話をしてくれた山人が曖昧模糊とした空間での経験として素直に語っているからこその質感に満ちている。誰かを怖がらせてやろうなどと少しも意識をしていないのだ。その無意識の語りこそが貴重なのである」。ものすごく能率の悪い取材のようだが、続編を期待する。(柴田)

田中康弘「山怪 参 山人が語る不思議な話」山と渓谷社 2018
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4635320162/dgcrcom-22/


●イベント成功おめでとうございます!/仕事見せられないのは同じくです……。/築地市場の件、同じくです……。続報がなかったので、まだまだ先になるのかと。/デジカメ全盛で心霊写真が減っているとか何とか。

/子供たちの素朴な質問がいいなぁ〜。機械のことは詳しくないくせに、分解大好きです! 元に戻さないならなおさらです(笑)。最近、壊れた電動歯ブラシを分解しようとしましたが、硬すぎて断念しました。中が見たかった〜! いまはネットで公開している人がいて、分解や修理する時、本当に助かります。

/「平成30年台風第21号」の話。大木を通り過ぎるとすぐに、道路上にある大きな板を持ち上げようとしている人たちが見えた。一辺が約2mの正方形が5〜6枚。ビルの屋上にある広告看板が落下したようだ。屋上には骨組みだけが残っていた。

店舗テントが丸ごと傾いていたり、落下していたり、破れてしまっていたり。時間貸駐車場の価格表示や看板も同じ。飲料自動販売機が倒れて機能していないものもあった。

ガラス張りのお店には何かが当たったらしく、割れてしまっているものもある。シャッターは機能を全うできず、破れたまま垂れ下がっている。ガラスやシャッターが破壊されたらセキュリティが駆けつけるサービスはあるが、この日はどうだったんだろう? (hammer.mule)