[0004] これから始まるWEBデザイナーの戦い

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0004 1998/04/16発行
  <http://www.towers-inc.com/mag/daily/>
  情報提供はこちらまで 
  登録・変更<http://www.towers-inc.com/mag/daily/regist.html>
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●本日のコラム『これから始まるWEBデザイナーの戦い』
  木曜日担当:森川 眞行
●創刊オメデトウメッセージ
 ・水無月実さん
●「ハイデルベルグ・プリプレス プライベートフェア」のお知らせ
●本日のTIPS/3Dアプリケーション編




【日刊・デジタルクリエイターズ】木曜日のコラム
 木曜日担当:森川眞行「TOWERS」取締役/ デザイナー

「これから始まるWEBデザイナーの戦い」 

た、た、た大変だ~!という言葉を今月は何回言っただろう?全て
Macromedia FIREWORKSのせいだ。

ホームページ制作を本業にされている方はもちろん、Macromedia
FIREWORKSはご存知ですよね。もうパブリックベータ版無料ダウンロードの
開始から1ヶ月経過しました。1ヶ月も経過したのだから、巷ではすっかり
WEBページデザイン制作はFIREWORKSが定番になっている…と思いきや、意
外と知られていないみたいです。名前は知っているのだけど…というアナタ、
名前も知らないというアナタのために、今回はFIREWORKSのおさらいしま
す。

FIREWORKSはホームページデザイン専用の画像制作アプリケーションです。
…なんや、ホームページの画像を制作するアプリケーションなら他にも沢山あ
るやんか…と思ったアナタは甘い!特にホームページデザインを仕事の糧とし
ているアナタ。確かに巷にはホームページ用の画像制作を作れるアプリケー
ションは多数存在します。しかし、そのどれもがホームページ用画像も作れる
ソフトではないでしょうか?(この「も」がクセモノなのです)
FIREWORKSはホームページ用画像を作るためだけに誕生したソフトウエアで
す。ここが大きな違い。

しかし、今更使い慣れているソフトを手放す気はないし、また新しいソフトを
買うとお金がかかるし…、そう思っているアナタ。大丈夫です。現在、
Macromediaのサイトでは期限限定のベータ版として、FIREWORKSが無料で
ダウンロードできます。ベータ版とはいえ、機能的には何の問題もありませ
ん。
しかし、英語版だし…使い方がよく解らないし…と思っているアナタ。これま
た大丈夫!ボクが教えましょう!FIREWORKSが無料ダウンロードを開始した
次の週に、「FIREWORKS徹底検証」というページを作りました。これは使い
方の解らないFIREWORKSをいろんな角度から検証していくページで、現在も
更新中です。
とにかく、Macromediaサイトからソフトをダウンロードして、ボクのページ
で使い方を学ぶ。それがすべて無料でできるのだから、やっぱりインターネッ
トはグレイトですよね。

アナタがホームページデザインを仕事の糧としているのなら…きっと「なん
じゃ、こりゃ~!」と驚きの声を発するでしょう。それほど画期的なソフトウ
エアなのです。とにかく、今までホームページデザインで苦労していた色々な
部分が、驚異的に解消されていきます。詳しい内容は、次回からぼちぼちとこ
のコラムで紹介していきます。せっかちなアナタは是非「FIREWORKS徹底検
証」をご覧下さい。

ボク自身、このソフトを使いはじめて、1時間おきに「なんじゃ、こりゃ~、
すっげ~!」と大騒ぎをしていました。とにかく、今まで手間のかかったペー
ジの画像制作がスイスイできてしまう。単に静止画像としてのGIFやJPEGだけ
でなく、GIFアニメーションやJAVAスクリプトを使ったインタラクティブなボ
タン制作もホイホイできてしまう…。

そして、もしアナタがホームページデザインを仕事の糧としているのなら、別
の意味で大声をあげるでしょう…「こんなソフトが出たら、デザイナーは失業
するやんけ~!」
そうなのです。FIREWORKSは誰でも高品質な画像を作り出すことが出来ま
す。今まで手間のかかった凝った画像が誰でも作れる。…ということは、今ま
でデザイナーに外注していたデザイン要素の仕事がなくなる…だめじゃん…
がっくり…。
FIREWORKSを使って、その機能に驚くのに比例して、ボクはどんどん落ち込
んでいきました。落胆すること2時間。色々考えを巡らせるうちに、楽天家の
ボクは復活しました。

確かに、今までのようなデザインをするだけでは、デザイン料金をもらうこと
はできなくなる。世の中のホームページがどんどん綺麗になり、表示も早くな
る…。スキルの隙間を埋めるのがアプリケーション技術。それが進化。だった
らボクは違う部分で勝負しよう。それはデザイン。デザインのセンス。
そうだ、本来アプリケーションの機能をちょこちょこいじってデザイン料金を
貰うこと自体が間違っているのだ。ああ神様、ボクは間違っていました。なん
て姑息なクリエイターなんでしょう…。ボクはデザイナー、本来のデザインの
業を磨き、精進します。

わははは、ノーテンキなボクらしい発想の切り替え(自分で言うな)。しか
し、これこそがデザイナーとしての本質なのだと思います。そんな意味も込め
て、誰でもが画像を作れるように「FIREWORKS徹底検証」を作ったのです。
FIREWORKSが広く浸透し、多くの人がデザインに興味を持つ。それで食えな
くなるのなら、ボクはデザイナーに向いていなかったという単純なことなので
す。

昨日のニュースにもありましたが、アドビシステムズもホームページ画像制作
用のアプリケーション「ImageReady」を発表します。このソフトウエア業界
の競争も、クリエイターの世界での競争に似てません?切磋琢磨と言えば聞こ
えはいいですが、本当は生きるか死ぬかの壮絶な戦いなのかもしれません。で
もノーテンキなボクは逆にワクワクしてしまいます。変ですか?

▲FIREWORKSのダウンロードページ↓
http://www.macromedia.com/software/fireworks/
▲FIREWORKS徹底検証↓
http://www.towers-inc.com/mag/fireworks/index.html
▲ImageReadyのダウンロードページ↓
http://www.adobe.co.jp/product/imageready/demoreg.html

【プロフィール】
森川 眞行
1958年大阪府茨木市生まれ。 1981年、バンドばっかりで全然真面目に勉強
せんかった大阪芸術大学を卒業後、グラフィックデザイナーとして職に就く。
1989年Macintoshに遭遇して、カッターナイフとシャープペンと写植見本帳
を窓から捨てる。
1993年、シリコンカフェというネーミングで独立。フリーランスになる。そ
の年関西DTP協会を設立して初代会長に就任。1995年始めてのアメリカ旅行
でデザイナーとして刺激を受けて帰国した翌日、阪神大震災に遭遇。「仕事が
なくなった阪神間のクリエイターを救ってくれ!」と通産省に企画書を提出し
デジタルクリエート工房の立ち上げに協力する。
その後、遊びで始めたホームページ作りが本業になり、ホームページデザイ
ナー宣言をする。 1996年通勤途中の阪神電車の中で、神の啓示を受け、G-
TOOLという素材フリーサイトを作り、これが、本人もびっくりするようなク
レイジーなヒット数を稼ぐサイトになり、それをキッカケに商品パッケージと
して店頭流通用のG-TOOLソフトを4本制作する。 1997年、ボクのアイデアに
出資者があつまり、G-TOOLをコアにした新会社・タワーズ株式会社を設立。
取締役に就任。
さらに、今回はメールマガジンに挑戦!編集経験のない唯一の編集者。

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■祝・創刊メッセージ
【日刊・デジタルクリエイターズ】創刊に際して、多くの方々よりお祝い・
激励のメッセージを数多く頂いております。ありがとうございます!
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●水無月 実

日刊・デジタルクリエイターズ創刊おめでとうございます。
関西発ですか、良いですね。私も関西人です。私も本業ではマルチメディアの
看板をあげて商売しております。
とは言っても、デジタルクリエイターではありません。クリエイションを行な
う立場ではないです。デジタルクリエイターのお力をお借りして、商売する立
場です。そんな私が、デジタルクリエイターに期待するという立場で物を言う
のは何ですが。ここは失礼を承知で、発言させていただきます。

この頃、「デジタルで制作しても、従来のツールで制作しても同じ」という声
を聞きます。なるほど、デジタルツールの表現の幅が広がり、これまでのデジ
タル臭さが無くなったという意味ではその通りでしょう。しかし、もう少しレ
ベルをあげて考えるなら、デジタルにはそれなりの違いが無くては困ります。
デジタルクリエイターにはその違いを求めるのです。

それじゃ、デジタルならではの違いってなんでしょうね。クリエイションと
言っても、それが受け手に伝わらなければ意味をなさない。そういうことで
は、クリエイションすなわちコミュニケーションでしょ。文字のみのコミュニ
ケションから始まって、文字、絵を含めたコミュニケーションへ、そこに音声
が加わってと考えていくと、デジタルコミュニケーションは超3次元のコミュ
ニケーションですね。
人間の五感に直接訴える手段が使えるコミュニケーションと、その手段を駆使
するデジタルクリエイター、それは最高の表現方法です。超3次元のクリエイ
ション、そこには表現できない物がないようにも思えます。

それだけ凄い可能性を持っている手法を駆使するのだから、これまでに見たこ
とがない物を見せてほしいね。
我々が未だ目にしたことがないような物。
何となく考えてはいたが、表現されて初めてそれと気づくような物。
そういう物を期待しています。
それができるのが、デジタルクリエイションじゃないかな。
デジタルの凄さだよね。

水無月 実【みなつき みのり】
マルチメディアを本業とするサラリーマン。「スーパーデザイニング」でデ
ビューして以来、執筆を続けている。マッキントッシュDTPの経験が長く、執
筆分野はマッキントッシュに関する物、デジタルの文字環境に始まり、イン
ターネット、マルチメディアまで。現在は某誌でSGMLに関する連載など、月
間2本の連載を持つ。今後もいろいろと勉強しながら、執筆活動を続ける

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■イベント情報

■ハイデルベルグ・プリプレス プライベートフェア
[Heidelberg Digital World'98]

日時:1998年4月23日(木)・24日(金)am10:00ーpm17:30 
会場: TEPIA(テピア)
3F エキジビジョンホール:機器展示
4F TEPIAホール:コンファレンス
〒107東京都港区北青山2ー8ー44 TEL/03ー5474ー6111
地下鉄銀座線 外苑前駅下車徒歩3分
主催:ハイデルベルグ・プリプレス株式会社
協力:ハイデルベルグPMT株式会社、モリサワ株式会社、アドビシステムズ株
式会社、日本コダック株式会社、イメーション株式会社、キヤノン販売株式会
社、 シルバー精工株式会社、ダイヤミック株式会社、住友金属システム開発株
式会社、 方正株式会社、オムロンアルファテック株式会社、ラディウス株式会
社(順不同)

フラットベッドスキャナの業界標準機となったTOPAZシリーズに新たに加わっ
たニューモデル「TOPAZ iX」、ならびに高速イメージセッターとして高い評
価のHerkules Proの後継機として新開発された
「Herkules Elite」「Herkules Basic」が登場する。また、入力デバイス
から出力デバイスにいたるまでの最新のデジタルプリプレスシステムの展示に
加え、次代のデジタルプリプレス環境を構築するうえでキーとなる新技術の動
向や、ユーザーの導入事例を紹介するコンファレンスも併せて開催。

プレゼンテーションゾーン
カラーマネージメントとワークフローという 2つのテーマに焦点を絞り、ハイ
デルベルグ・プリプレスが提供する高度なノウハウをプレゼンテーション。
●カラーマネージメントソリューション
11:30ー/13:30ー/15:30ー
●Deltaワークフロー& R.O.O.M.コンセプト
12:30-/14:30ー/16:30-

Image Captureゾーン
SAPHIR ultra、OPAL ultra、CIRCON、 TOPAZ & Copix、TANGO &
Copixなど最新のデスクトップスキャナから最新の縦型ドラムスキャナまで、
ハイデルベルグ・プリプレスのスキャナラインナップを一堂に展示、デモンス
トレーション。

Color Managementゾーン
LinoColor、ScanOpen、 PrintOpen、ViewOpenといったカラーマネージメ
ントソフトウエアのデモンストレーション。スキャナ入力からモニター表示、
カラープリント出力までのトータルなカラーマッチング環境への提案する。

Windows DTP
PageMaker、QuarkXPress、SMI EdiColor、Founder Fitなど今話題の
Windows DTP編集ソフトウエアを紹介。

Fontゾーン
Linotype Libraryの欧文・和文フォントライブラリーの展示と即売、また、モ
リサワフォントの展示や、Dr.カーニング、Fuzzyカーニングなどのカーニング
ソフトも展示、実演。

Image Processingゾーン
超高速カラーパブリッシングワークステーションDa Vinci Sprintや、画像処
理ソフトの定版Photoshop、また、話題の7色分解用ソフトウエアederMCSも
はじめて紹介。

Networkゾーン
Delta Server、LinoServerなどデジタルプリプレス環境の効率化に貢献する
高性能ファイルサーバラインナップの紹介。

Digital Proofゾーン
キヤノンのPIXEL DiOシリーズをプルーファーとして活用するColorFlash、シ
ルバー精工のSR-jetシリーズをプルーファーとして活用するDeltaProofに加
え、イメーション社のRainbowからの出力が可能なDelta Proof Openも展
示。Deltaテクノロジーが提供する多彩なデジタルプルーフソリューションを
紹介。

CTFゾーン
Delta RIP、Delta Technologyなどの高性能ワークフローRIPやQUASAR、
DrySetter、Signasetter PROなどの多彩なイメージセッターを展示。シル
バーディジプレート対応のQUASAR用オンライン自動現像機も初公開。

サーマルCTPゾーン
PAGE98での発表以来、業界の注目を集めているHeidelberg
CreoTrendsetter 3244FとDelta Technology、FormProofer、
Signastation2000、CPC32プリプレスインターフェイスにいたるまでの最
新CTPシステムを展示、デモンストレーション。

■「Heidelberg Digital World '98」 併催コンファレンス
開催日時 1998年4月23日(木)・24日(金)
場所 TEPIAホール 
各セッションの受講は無料。事前登録制。ハイデルベルグ・プリプレス営業部
  (03-5391-6767)まで連絡。定員になり次第、申し込みの受け付けを締め
切。定員は各回とも150名 *競合会社の方の入場はお断り。
4月23日(木)
【コースA-1】 Windows DTPの現状と課題、その可能性
【コースA-2】TOPAZの進化、Herkulesの進化、その全貌
【コースA-3】デジタルプルーフは、平台校正にとって変わるか?
4月24日(金)
【コースB-1】 米国におけるCTP導入企業レポート
【コースB-2】 オンデンド市場の展望
【コースB-3】さらに高速、快適、効率的なDTP環境へのキーテクノロジー

詳細は
http://www.Heidelberg.co.jp/Events/Digital_W98/Digital_98.htm

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■本日のTIPS/3Dアプリケーション編
 【日刊・デジタルクリエイターズ】では毎日クリエイティブ関連のアプリケ
 ーションのTIPSを掲載していきます。
 TIPSの難易度は、5段階で★印を文末に付けています。
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●StrataVision3D Ver.5.0編/「メモリの割り当て」

なるべく多くのメモリをあてがうのが理想ですが、QuickDraw3Dというシス
テムレベルの3D機能がメモリを消費するので、その分の余裕を残りメモリに
持たせておく必要があります。そうしないとわずかなデータしか作成していな
くても「メモリがありません」といったメッセージが出ることになります。
データが複雑にならない限り、推奨メモリサイズ+アルファぐらいでも構いま
せん。空きメモリは最低20~30Mバイトあたりはとっておきたいものです。レ
ンダリング時にメモリ不足になることもあります(よほど作りこまないと起こ
りませんが)。その際はできる限り割り当てメモリをギリギリまで調整して下
さい。
★(W by 松岡アキラ)

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【訂正・補足】No.3での山名一郎さんのプロフィールを補足します。

ライター/編集者。
10数年前まで本誌編集長・柴田忠男氏と同じ会社に在籍。
しかしまったく別の部署(別の編集部)で,ほとんど話したこともなし。けれ
ど,お互いに独立し,デジタルにかかわるようになってから急接近(?)。デ
ジタルは,アナログ時代に分断されていた人たちをくっつけるような接着剤の
機能も持っているようだと感じている。

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0004 1998/04/16発行
発行社  タワーズ株式会社
     <http://www.towers-inc.com/>
     大阪市中央区高麗橋1-5-6 東洋ビル3F
     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

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