[0009] Flashはワンソース・マルチユースの夢を見るか?

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0009 1998/04/22発行
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●本日のコラム「Flashはワンソース・マルチユースの夢を見るか?」水曜日
 担当:まつむらまきお

●創刊オメデトウメッセージ
 ・月刊『Imaging Business』編集長/ 井坂信生さん
 ・月刊『MdN』発行人/ 猪股裕一さん
 ・『ASAHIパソコン』及び『DOORS』創刊編集長/ 矢野直明さん
●「石川浩二 デジタルイラストレーション展」が開催中
●本日のTIPS/3Dアプリケーション編




【日刊・デジタルクリエイターズ】水曜日のコラム
 水曜日担当:まつむらまきお

もっとFLASH!02
「Flashはワンソース・マルチユースの夢を見るか?」 

どもっ。1回目のコラムはちょっと気取って書いたのに、いきなり「号外」で
興奮のあまり、たががはずれてもーたのまつむらですー。しゃーないから、く
ずれたまま行きます~(^_^;)。

さて、前回ぼくにとって、Flashは第一にドローイングツールやって話を書い
たけど、んじゃあ第二はなにかってーと、「ワンソース・マルチユース」の実
現だったのだ。で、またまた昔話で申し訳ないんだけど、スマートスケッチに
はまった96年当時、ぼくはMACLIFE誌で、誌面にイラストを、CD-ROMに
Directorムービーを連載してた(いまもだけど)。ところが、これの制作が、
まぁ、恐ろしくめんどくさいモンだったのよ~。
まず、誌面用にIllustratorでモノクロイラストを描く。それができたら、今
度はそれをFreehandに持っていって、画面キャプチャを撮る(Freehandのプ
レビューの方が好きだったので)。それを今度はPhotoshopでアップルシステ
ムカラーを使って着色する。それからPhotoshopのレイヤーを使って、アニメ
用にポーズなどを加工する。で、それをまたキャプチャとって、Directorでア
ニメに仕上げるといった具合。どーです、わけわからんでしょ(^_^;)。
今の人だったら「Illustratorで描いて、Photoshopでラスタライズすりゃ
えーやん」って思うかもしれんけど、当時はIllustratorはRGB扱えなかった
し、フルカラー環境だって今ほど普及してなかった。Directorでのアンチエイ
リアスキャストのハンドリングもむずかしかった。まぁ、これが自分なりに品
質と効率のバランスを考えた結果やったわけ。

で、スマスケが出た時点でも、実験的にDirectorにスマスケのキャプチャ画像
を取り込んで使ってみたりはしてたんやけど、96年6月、Future Splash(後
のFlash1)のβが公開されてからは、むっちゃ仕事が楽になった。
FutureSplashは「サウンド」が扱えなかった&再生速度が遅かったため、最
終的にはあいかわらずDirectorで仕上げてたんだけど、誌面用イラストの作成
から、そのアニメーション原画作成まで、Future Splashだけでできちゃうん
だもん、むっちゃ楽ちーん。とにかくFuture Splashでつくっときゃ、印刷用
にはIllustratorに描きだしてちょちょっと色調整するだけ、CD-ROM用には
PICTシークエンスやQuickTimeで書き出してDirectorで仕上げるだけ。仕事
の真ん中にFuture Splashをすえることで、なにをするにも一回コンバートす
るだけですむようになった。
訂正が必要な場合でも元がドローだからカンタンだし、他の仕事でデータを使
い回したいときなんかでも、誌面用に描いた絵をアニメにつかったり、逆にア
ニメ用に描いたモノを印刷に使ったり、テキストだけ書き換えたりと、自由自
在。もー、言うことナシ!実際、ぼくのFlashのライブラリーには、自作のク
リップアート(わざわざ作ったんじゃなくて、仕事で描いたイラストの中か
ら、使い回しがきくカットを整理したもの)が何百とたまってる。

でさ、でさ、これって、要は「ワンソース・マルチユース」なわけよ。とにか
くFlashでつくっときゃ、Webだろうと、CD-ROMだろうと(今はFlash
Assetっていいものもあるし)、雑誌だろうと、ポスターであろうと、プライ
ベートの名刺だろうと、TVやビデオであろうと、オッケー!なのである。
MacromediaはFlashを「Web用」なんて言って売ってるけど、そんなコトを
鵜呑みにしてはいけない。使い方を考えるのは、Macromediaの仕事じゃなく
て、ぼくたちユーザーの仕事だ。Flashは解像度に依存しない、つまり「メ
ディアを選ばない、グラフィック&アニメーションツール」なのだっ。

で、今回のFlash3パブリックベータ公開と同時にMacromediaから発表された
のが、ShockwaveFlashファイルフォーマットの無償公開。これが今後どう動
いていくのかは未知数だけど、出版社、印刷所、サーバ、ソフトハウス、TV局
等、仕事先がどこであれ、swfファイルをメールで送って仕事完了!って日が
来ればいいのになぁ(^_^)
(つづく)

///////今週のFlash TIPS///////
Flash3から、曲線や直線上の任意の点に「角」をつけることができるぞ。選択
ツールにして、「option」キー(Winはしらん(^_^;)。多分Alt)を押しなが
ら、線をドラッグしてみよう。

【プロフィール】
まつむらまきお
まんが、イラスト、アニメーション作家。大阪府吹田市在住。
パソコン誌、一般誌、女性誌、Webにて活躍中。
世界一わかりやすくて笑えるFLASH攻略本
「おしえて!! Macromedia FLASH2」
(まつむらまきお/たなかまり共著 毎日コミュニケーションズ刊
2,000円+tax ISBN4-89563-888-X)絶賛発売中です。ZEHI!
http://www.asahi-net.or.jp/~GU5M-MTMR/


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■祝・創刊メッセージ
【日刊・デジタルクリエイターズ】創刊に際して、多くの方々よりお祝い・
激励のメッセージを数多く頂いております。ありがとうございます!
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●共通する志を持つ月刊誌から

月刊誌『Imaging Business』を発行している青龍社の井坂です。

 私どもの雑誌は、現在のところ大変わかりにくい内容です。「デジタル時代
のイメージング産業におけるビジネスの在り方を提案する情報誌」を標榜して
いるものの、そんな確固とした産業分野や業界はいまはどこにも存在しないか
らです。
 この「日刊・デジタルクリエイターズ」の読者には釈迦に説法でしょうが、
パソコンやデジタルカメラ、インターネットなどの急速な普及に伴い、文字や
映像、さらにはサウンドまでのデジタルデータを扱う環境は、何も専門分野に
限らず、一般の企業や家庭でも整い始めています。そのなかから従来のワーク
フローをデジタル化したほうがより効率的で安価なビジネスを展開できると
か、さまざまなデジタルアイテムやメディアを複合化することでまったく新し
いビジネスを構築できるといった業界や企業が出始めました。こうした従来の
枠を超えたまったく新しいビジネスの事例を追い掛けようというのが、私ども
「イメージングビジネス」の目指すところですから、毎月、あっちこっちと駆
けずり回るような苦労の多い取材をしています。
 私どもの雑誌で日々接している人たちの多くは、印刷会社や製版会社でイ
メージセッタを扱う技術者や、写真スタジオで商品をデジタルカメラで撮影す
るカメラマン、または一般の企業でデータベースを運営する担当者だったり、
つまりはいわゆるクリエーターと呼ばれる人たちではありません。
 ただ、私どもの雑誌も「日刊・デジタルクリエイターズ」と多少なりとも志
において共通するものを持っています。それは、これだけビジネス現場や一般
の家庭にデジタルメディアを取り扱う環境が整い、またそれを使いこなす人が
増えてくれば、その中から仕事のためや趣味のためばかりでなくデジタルメ
ディアを自己表現のために使いこなす人たちが出てくるはずだ、という期待感
です。こうした自然発生的な表現者が数多く生まれてくれば、ともすると道具
を使いこなすことが自らの表現活動の証明のような勘違いをしている人がいな
いともいえない現在のデジタルクリエーターの在り方も変わってくるのではな
いかと考えています。
 何はともあれ【日刊・デジタルクリエイターズ】創刊おめでとうございま
す!

青龍社 月刊『Imaging Business』編集長:井坂信生

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●デジタルなコミュニケーションの時代に

 なぜなのか今、パソコンを使ったグラフィック系の新規創刊雑誌がめじろ押
しです。 多分デジタルグラフィックスが「特別」から「普通」の域にシフトし
始めた兆候なのでしょう。
 時代はインターネットなどを先頭に情報の時代に入ったとあります。その情
報を相手に、いかに理解しやすくする「情報のビジュアル化」も今、大切なク
リエイターの課題のように感じます。日本人の特質かもしれませんが高品質を
重視し、論理性がその後にやってくる仕事が大切にされてきました。ところ
が、webなどの画面のデザインや構造のデザインではそれが逆転するように思
います。それはデジタルなコミュニケーションの時代に入りつつある証拠で
しょう。「関係のデザイン」や「インフォメーション・グラフィックス」など
にも言い表わされるようです。
 そして、グラフィック系のソフトの可能性はどんどん進化しています。しか
し、どうもアイデアやコンセプトがソフトウエアの限界に縛られ、新たな枠を
超えたデザインがなかなか出にくい現状にも目を向けるべきだとも感じます。
今、私達は新たなコミュニケーションに合った、ソフトにとらわれないデザイ
ンが必要なのではないか思います。

猪股裕一 MdN発行人、多摩美術大学教授、JPC理事長

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●矢野 直明

デジタルクリエイターズ、とは大きく出ましたね。
小生、ただいまホームページというメディアの様式を整理しつつあります
が、その潜在的な力を生かしきった作品が生まれるのにはまだ時間がかかるよ
うに思います。
そういうホームページ黎明期の記録としても貴重なメールマガジンになるで
しょう。
ご健闘をお祈りします。

『ASAHIパソコン』及び『DOORS』創刊編集長
現朝日新聞社調査研究室主任研究員
矢野直明

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■イベント・情報

「石川浩二 デジタルイラストレーション展」

PainterとPhotoshopで描いたデジタルイラストレーションを約20点、展示し
ます。巨大なキャンバス地にプリントした大作の他、インクジェットプリン
ターと和紙によるデジタル版画、仕事で描いたイラストレーションなど、バラ
エティに富んだ展示内容となります。また、サイン入りの限定オリジナルプリ
ントを低価格で販売します。会場には毎日、足を運ぶ予定でおりますので、お
気軽に遊びにいらして下さい。

「石川浩二 デジタルイラストレーション展」 
会期 98年4月21日から26日
時間 11:00~18:30 (最終日は16:00まで)
会場 「GALLERY フェーマス」
    東京都中央区銀座6-8-5 小松アネックス 3F
    TEL 03-3574-5695

【プロフィール】
石川 浩二
擬人化したイヌやネコなど動物をモティーフにしたデジタルイラストレーショ
ンで、出版、広告、キャラクターデザイン、Webデザインなど多方面で活動
中。1963年千葉県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科卒業。第9回講
談社童画グランプリで大賞を受賞。JAGDA会員、ディジタルイメージ会員。

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■本日のTIPS/3Dアプリケーション編
 【日刊・デジタルクリエイターズ】では毎日クリエイティブ関連のアプリケ
 ーションのTIPSを掲載していきます。
 TIPSの難易度は、5段階で★印を文末に付けています。
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●StrataVision3D Ver.5.0編/「イラストレーターのデータ」

3Dで立体ロゴや図面から立体物を生成する場合、デザイナーには定番の
AdobeIllustratorというソフトが便利です。イラストレーターのデータは、
Vision3D側から「開く」で平面データとして読み込むことができます。読み
込んだ平面データを押し出しや旋回などさせることで精度の高いモデリングを
短時間で製作することができます。
(筆者はイラストレーターVer.5.X形式での読み込みを確認していますが、最
新のVer.7形式では確認していません。)
★★★(W by 松岡アキラ)

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【日刊・デジタルクリエイターズ】では、このようなグラフィックアプリケー
ションのTIPS・講座を毎日掲載していきます。もちろんWEBページとも連動
して、制作に役立つ情報を立体的に構成していきたいと考えています。


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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0009 1998/04/22発行
発行社  タワーズ株式会社
     <http://www.towers-inc.com/>
     大阪市中央区高麗橋1-5-6 東洋ビル3F
     TEL:06-231-1011 FAX:06-231-0838

編集長  森川眞行 
     柴田忠男 
     神田敏晶 

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