[0258] プレゼンに潜む悪魔

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0258 1999/02/22.Mon.発行
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●「プレゼンに潜む悪魔」
 月曜日担当:神田敏晶

●デジクリトーク
 ◎器用貧乏への道 2
 ~私はこうして器用貧乏になった~
 ゲスト:深川正英(studio SEED)

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「プレゼンに潜む悪魔」
月曜日担当:神田敏晶
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MACWORLD EXPOから戻ってまいりました。PANASONICブースに駆けつけてくれた
デジクリ読者の皆様ありがとうございました。また、Mac Jazz Nightのライブ
参加の方もありがとうございました。

さて、今年のMACWORLD、キーノートは見事に予想を裏切られ、P1ポータブルの
発表はなし、QuickTime4.0の発表も、FinalCutもお預けとなり、ないないづく
しのキーノートとなりました。誌面を大幅に空けていたMac雑誌、速報ニュース
を考えていたTV局などは総スカンをくらってしまいました(^^;)。
デジクリ読者の皆さんにも、前日のアップルの原田社長の動向から過度の期待
をさせてしまい、申し訳ありませんでした。

まあ、今回は、スティーブ・ジョブズがキーノートを日本で、おこなうことが
最大の目玉だったので、それが実現できただけでもよかったのかもしれません。
あのパワフルなプレゼンテーションを日本で見ることができた事がせめてもの
幸せでした。

ストリーミングビデオの世界で大きくWindowsに出遅れているアップルだけに、
今回のQuickTime4.0の発表に個人的には大期待だったのですが、しばらくまた
Windowsのお世話になるしかないようです(^^;)。ライブエンコーダーはアップ
ルのこれからの大きな課題の一つだと思います。

さて、本日のテーマの「プレゼン」なのですが、今回のキーノートでも、マイ
クロソフトのベン・ウオルドマンも、スティーブ・ジョブズも予期せぬトラブ
ル続きで、狼狽していました。ジョブズの狼狽ぶりは始めてみました。デベ
ロッパーのカンファレンスであれば、ステージ上で腕立て伏せ10回(罰ゲー
ム)で許されるのですが、キーノートともなればそういう訳にはいきません。

何十回、用意周到にリハーサルをおこなっても、本番は全く別物。うまくいか
ない時は必ずあるのです。プレゼンの本番には、悪魔が時々顔を出すからなの
です。コンピュータユーザーの観客であれば、このような場面には、逆にもう
慣れっこになっています。問題はプレゼンテーター側のリカバリー対応にあり
ます。トラブルがおきてもそのトラブルに、ひきづられないようにしなければ
なりません。

一番イヤらしいのが、用意をしたスタッフの責任にする人。これはよく自治体
のイベントなどで見かける光景なのですが、慣れないパソコンの操作で、ニッ
チもサッチもいかなくなり、スタッフが登場し、リカバリーにかかるのですが、
その場つなぎにスタッフを叱る光景は、そのプレゼンそのものをだいなしにし
てしまいます。自分のプレゼンを、自分で用意できない人は、要注意ですね。

フリーズした場合は立ち上がるまでの数分間は地獄の数分でもあります。こん
な時は下手な言い訳よりも、背中に冷や汗を感じながらですが、全く違う雑談
した方がいいのかもしれません。立ち上がるまでは、今回のプレゼンは、どの
ソフトでどうやって作りましたなどのネタばらしをしてもいいでしょう。もし
くは、会場へくるまでのいきさつのお話でもいいでしょう。決して、いつもは
うまくいっている話しなどしてはいけません。本日は、うまくいっていないの
ですから…。

さて、立ち上がりました。再度のトライです。ここで「今度はうまくいきます
ように」と神にも、願うつもりになるのですが、プレゼンに潜む悪魔はこんな
シーンを好んで再登場するのです。ここは、平常心でなければなりません。何
ごともなかったように、「最初からやりなおすつもり」でいきましょう。きっ
とうまくいくはずです。

しかし、それでも、また失敗してしまったら、3度目のトライは方法をかえま
しょう。場所が違う、環境が違う、状況が違うのです。今度失敗すると後があ
りませんから、気にしないで、次の話題へ進むべきでしょう。本日はコン
ピュータなしでいく方法もありです。コンピュータがなくても、本来は説明で
きるはずなのですから。

コンピュータに頼るプレゼンテーションには、常に危険がつきまとうことさえ
覚悟すべきなのです。ボクも過去に数回、ノートブックのHDクラッシュや、
ネットにつながらない、メモリが足りない、初期設定がないなどの、数々の修
羅場を経験してきました。しかし、伝えたい事があれば、それらがなくても伝
わるはずです。身ぶり手ぶりと自分の身体メディアを使用すればいいのです。
それでも説明しきれないメディアとしてコンピュータやビデオがあると思うの
です。
原稿を読んでクリックするだけなら、コンピュータ・プレゼンの意味はありま
せん。
柴田編集長がいうように、コンピュータでプレゼンする意味を考え直す時期な
のかもしれません。

スティーブ・ジョブズはCNETが伝えるMacweek.com(?)によると、「ジョブズ
はいらつき、デモが終了する前に講演会場を去った」とありましたが、ジュブ
ズは、会場に残り、デモの不調の原因を究明していました。アップルのPRがピ
リピリする中、ジョブズにボクが話しかけたら、「問題ないよ」と笑顔で答え
てくれました。ボクの赤いジャケットは、iCEOにも認知されやすいようでした
(^_^)。
http://cnet.sphere.ne.jp/News/1999/Item/990219-1.html?knn
インターネット上のジャーナリズムって人の記事を見て書けるのが、コワイと
ころですね。間違った情報が増幅されていきます。やはり記者は現場で書かな
くっちゃ。

さて、24日(水)からはSkyPerefecTVの「コンピュータチャンネルEXPO TV」で
MACWORLDのボクのレポートをテレビでもお楽しみください。
http://www.compch.co.jp/content/expotv.html

キーノートの関連レポートページ
ZDTV
http://www.zdnet.com/zdtv/newscobrand/features/story/0,3730,2207380,00.html
アップルコンピュータ
http://www.apple.co.jp/hotnews/mwt99/
MACLIFE
http://www.bnn.co.jp/MACLIFE/expo99tokyo/expo.html
MACWEEK
http://www.zdnet.co.jp/macweek/9902/18/n_key2.html
MACPOWER
http://www.ascii.co.jp/pb/macpower/expo99_1.html#expo99_1
MACお宝鑑定団
http://www.tcp-net.ad.jp/danbo/macworldtk99/keynote.html

【神田敏晶】かんだ・としあき
世界で一番小さなデジタル放送局KandaNewsNetworkを個人で営む
http://www.knn.com/ mailto:kanda@knn.com
英語検定4級(中1程度)の腕前を活かし、珍英語で世界を駆け回るビデオ
ジャーナリスト。老後は世界の友だちの家を毎日泊まり歩く事を夢に地球的な
規模でネットワークを築く。年令不祥(自称27才独身)でマルチメディア界の
ドン・キホーテと異名をとる。デジタルクリエイターズでは企画・マーケティ
ングを担当。ビートルズバンド「The Beagles」ではバンマスをこなす(^_^)。

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■デジクリトーク
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器用貧乏への道 2
~私はこうして器用貧乏になった~
深川正英(studio SEED)
http://www.jade.dti.ne.jp/~s-seed/
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●Macとの遭遇

そんなある日、運命的な出会いがありました。Macintoshが導入されたのです
(まだまだDTP黎明期でしたが)。プロダクトデザイン事務所は大抵、グラ
フィックデザイナーも抱えており、私の勤めていた事務所にもバリバリのグラ
フィックデザイナーがいましたが、まず、その人達がMacを使うことになりま
した。

正直なところ、そのときはMacに興味こそあったものの、率先して使おうという
気はさらさらありませんでした(そんな余力がどこにある、状態です)。とこ
ろが、二人いたグラフィックデザイナーのうち、1人が辞めることになり、
「こういうモンは若い奴に任せた方がいい」という分かったような、分からな
いような理由によって、余ったMacが、私の机の半分を占領することになりま
した。

正直なところ、イヤでした。内心は「厄介なことになったな~」です。でも、
もともと機械やコンピューターの好きな私は、事務所の近所に師匠のような存
在の人がいたおかげもあって、どんどんはまっていきます。

どんどん・・・。狂ったように・・・(だったそうです)。

そうして、私は版下屋さんのように来る日も来る日も、朝から晩まで操作・背
面パネルの版下をMacで作る日々を送ることになりました。多忙なグラフィック
デザイナーのアシストもしました。たまには3面スケッチをMacで描くこともあ
りました(こうして絵の描けないデザイナーが育っていくわけです)。

気がつけば、事務所には5台のMacをLAN(Apple Talkですけど)で繋ぎ、私はそ
の管理を兼任していました。さらにUNIXのCADがあったので、それも当然のよう
に覚えさせられました(そう言えば、MS-DOSも少しかじったなあ)。

そしてその当時はバブル絶頂期。メルモちゃんのキャンディーのように(古
い!)いくらでも仕事がありました。
思い切ったデザインをクライアント(メーカー)が好んだ時期でもありました。

そうなると“若い奴”の登場です。「奇抜なアイデアたのむで!」・・・簡単
に言ってくれます。でもそのおかげで、プロダクトデザインの面白さと難しさ
を少し学びました。今考えるとプロダクトデザインが一番幸せだった時期かも
知れません。

しかし、そのころのMacはプロダクトデザインで活躍するにはまだまだ力不足で
したし、それほど必要性が感じられませんでした(川崎和男さんのようなすば
らしい例外もいらっしゃいましたが・・・)。

そうこうしている内にバブルが弾け、プロダクトデザインの将来に陰りが見え
始めた社会人4年目の春に、一大決心をし、辞表を提出しました。その半年後、
引き継ぎを終えた私は事務所を円満退社し、新天地を探すことになりました。

(つづく)

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