[0343] カラーマネージメント CMYK変換について

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0343  1999/06/08.Tue発行
http://www.dgcr.com/      1998/04/13創刊
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前号の発行部数 12766部
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 <カラーマネージメント関連コラム2本立て!>

●カラーマネージメント CMYK変換について
 データもアナログのポジフィルムも一緒だ
 火の玉ボーイ

●カラーマネージメント CMYK変換料金について
 変換ノウハウ提供のビジネスモデルを作ってはどうか
 星名 勧

●編集長の生コメント
 MdN 野口理佳

●セミナー情報
 DTP Turbo Server II & MediaBankセミナー



■カラーマネージメント CMYK変換について
データもアナログのポジフィルムも一緒だ

火の玉ボーイ 元印刷会社営業 現広告代理店勤務
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今話題の笠井享さんの「カラーマネージメント」の件ですが、その後のやりと
りも含め読んでいるうちに、久々に元印刷会社営業マンの魂が甦ったとでもい
いましょうか、DTP の初期に編集者とかんかんがくがくやっていた当時のこと
を思い出しました。

私も編集者に「RGB 入稿をCMYK入稿にして欲しい」とお願いした記憶がありま
す。もちろんこれは編集者に(デザイナーも含め)拒否されたのですが、あの
時これをお願いした経緯は、やはり工場のオペレーターから要請されたもので
ありました。

オペレーターが要請してきた背景には、おそらく、325 号で印刷会社に勤める
DTP オペレーターが言っていたような、データ補正を伴う労力が必要だったの
であろうと推察してます。当時は今まで以上にオペレーターの方もノウハウの
蓄積がなく、そうでなくても印刷会社は納期に迫られている立場ですから、よ
り早く、確実に変換するために、クライアントにCMYKでの入稿を義務付けたか
ったのだと思います。

当然それは、デザイナー(あるいは出版社)は、印刷物はRGB でなくCMYKだと
わかっているのだから、やって然るべきという思いも、ほんのちょっとあった
のかもしれません。

でも結論としては笠井さんの言うとおり、そこまで印刷所が義務付けるのであ
れば、印刷所がデザイナーやクライアントに対して、適切なCMYKの入稿を指導
するべきだと思います。その理由も全く笠井さんと同意見です。結局印刷会社
の機械はみんな違うのですから…。製版出力機、トーンカーブの設定、使用イ
ンキ等々何から何まで違います。

そこの問題は、残念ながらほぼ永久的に統一されることはあり得ないでしょう。
データ作成の際に、すでにここの印刷所に発注するということが事前にわかっ
ているのであれば、印刷所の適切な指導のもと、CMYK入稿は可能かもしれませ
んが、現実問題どうでしょうか。

その後流用が生じて、別の印刷所に発注ということもあり得るでしょう。その
度にデータを作り替える?うーん、という感じです。印刷所からすれば、「な
んだよ、結局労力を印刷所にまわしているだけじゃないか」と思うかもしれま
せんが、そうではありません。

解釈としては、データもアナログのポジフィルムも一緒だ、ということが言い
たいのです。ポジフィルムを入稿する際、印刷所の特性に合わせて撮影などす
るでしょうか? 結論は否です。百歩譲って、もしこれができるとすれば、そ
れができるのは編集担当者かデザイナー担当者だけでしょう。

でも所詮、編集者もデザイナーもカメラマンやイラストレーターではありませ
ん。やはり各印刷所の特性にあわせて、作り込みを行うことは、現実的に無理
です。

私が思うに、印刷所の善し悪しは、製版においてはその分解、変換にあると思
っています。そこにある材料(データやポジフィルム)を、いかにキレイに分
解するか、変換するか。ポイントはそこにあると考えています。そこが印刷会
社の腕の見せ所であり、同業他社との差別化に繋がる部分です。

また私の経験から言って、印刷所はトーンカーブの設定等をクライアントに明
らかにすることは消極的なはずです。なぜなら、そこに今までのノウハウの蓄
積が含まれているからです。そのノウハウを以て、同業他社に対抗する技術を
備えている、例えば色の再現性、自社の製版・印刷と合致した品質保持の技術
等々です。

そういった意味で、共通フォーマットに関しては賛成する意志はあるものの、
私がまだ印刷会社で働いていたとしたら、反対です。どこに発注しても同じレ
ベルの再現性であれば、より安く、より早い印刷所に発注されることになるで
しょう。

そうなったら大手印刷所に勝てる見込みは、まずありません。そうさせないた
めにも、RGB 入稿であっても、自社の特性に合わし、かつクライアントの要望
を満足させられる、分解・変換・印刷ができること、ここがまさに印刷所の腕
の見せ所だと考える次第です。

以上、若輩者が生意気言って、申し訳ございませんでした。業界が共存共栄し
て発展していくことを願っている一人として書かせて頂きました。

・火の玉ボーイ、凄い名前ですが仮名。断わるまでもないですね。(デジ栗)

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■331号<カラーマネージメントQアンドA CMYK変換料金?>について
変換ノウハウ提供のビジネスモデルを作ってはどうか

星名 勧
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富士ゼロックスの星名です。この手のやり取りに興味があるので、どちらが正
しいというのではなくて、私見が受け入れられるか知る意味で、投稿してみま
した。

先ず最初にお断わりしておきますが、カラーマネージメントが技術的に未完、
若しくは元々フィールドからの要求は技術的に(自動では)達成不可能という
前提でお話します(色材、メディア、色再現領域、光源等カラーマネージメン
トを議論する前に規定されるべきことが規定されていないのだからしょうがあ
りません)。

RGB →CMYK変換は実は目新しいことではありません。従来から行なわれていた
ことです。リバーサル(RGB)→ 分解フィルム(CMYK)。そう、製版のスキャ
ナ部門で以前から行われていたことです。ここで支払われていた分解料は、フ
ィルム代機器償却費他も含みますが、その多くは変換ノウハウ料です(そんな
風に意識している人は少ないでしょうが)。

分解作業について考えて下さい。
・色再現領域を考慮して見映え良く圧縮する。
・適正なUCRを施す(墨版を入れる)
・色かぶり(殆どの原稿は実はかぶっている)補正

・その他USMや変倍、時にはDeviceN(デュオトーン、ハイファイカラー)への
対応などなどです。RGB →CMYKデータ変換となんらかわりません。繰り返しに
なりますが、これらには対価(分解料)が支払われていました。

デジタルの世界になると、なぜこのノウハウを無償提供することになっちゃう
のでしょう。デザイナーが自分でスキャンしたからスキャニング料を払わない
というのは、実は分解料(スキャニング料)がスキャナを回すことではなく、
色補正ノウハウに支払われていたことに気が付いてないからです(印刷・製版
会社のアピールが足らないことも大きな原因です)。

ちなみにハイエンドスキャナは10~12bit RGB(シャープネス無し)→8bit
CMYK(シャープネスあり)の変換で、通常デジタル入稿では8bitRGB (シャー
プネスあり)→8bitCMYK(シャープネスあり)です。つまり分解するより、デ
ータ変換の方がノウハウを要求されます。

ここでの笠井さんの主張は、理解できないわけではないです(ハイエンドスキ
ャナについても造詣が深いのも存じ上げてます)。ですが、単純に PhotoShop
なりで変換するだけならいざしらず、墨版の入り方まで要求するのであれば、
対価を払う必要があるのではないでしょうか。

そこで提案ですが、変換ノウハウ提供のビジネスモデルを作ってはどうでしょ
う。たとえば
・CMYKデータもちこみは当然無償
・単純な変換作業なら1000円/点(現在データ変換料と呼ばれているもの)
以上2つの場合、印刷の上りに対してはクレームを付けない(印刷会社も何も
考えずに刷りに徹する)
・ハイクオリティーな仕上がりを要求するなら、2000円/点
というふうにです。

単純な「データ変換」と「ノウハウ提供」を同じにしているからいけないのだ
と思います。当然対価を貰う以上、印刷会社は専任を置いて、若しくはデジタ
ル製版会社(?)に外注して、適切な変換をしなくてはなりません。

ちゃんとビジネスとして行なうのですから、「なんでこんなことを印刷会社が
するんだ」なんて疑問も湧いてこないでしょう。

こんな考え方は受け入れられませんか?

星名 勧 Susumu Hoshina
JPC常任理事 プリント・オンデマンド部会担当
susumu.hoshina@fujixerox.co.jp

・上記2者の考え方について、読者の意見を求めます。(デジ栗)

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■編集長の生コメント

野口理佳 MdN(エムディエヌコーポレーション)
nogu-r@MdN.co.jp
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デジクリ読者の皆さんでiMacユーザーの方はいらっしゃいますか? 私は自宅
でiMacを使っているのですが、ある日突然、立ち上げると同時にファインダ・
エラーが出るようになってしまいました。

何度再起動してもファインダ・エラー。時間がなかったのでそのままOKして使
ってしまいましたが、どうやら支障はなさそう。とはいえ大事になっては困る
ので、今度週末にゆっくり治療してみようと思っています。

周りではセットアップして立ち上げたとたん爆弾マークが出たiMacや、パワー
キーで終了しようとすると、アプリを立ち下げただけで終了まで至らないiMac
などの話も聞きます。だいじょうぶだろうか、iMac。

さて、話は全然変わりますが、MdN 7月号が発売されました。第1特集は「仕
上がりに差をつける! Photoshopサードパーティ製プラグイン集」と題しまし
て、編集部が厳選した15のプラグインの効果や使い方を、多数の図版とともに
わかりやすく紹介しています。Photoshop だけではあきたりなくなったパワー
ユーザーのみなさん、プラグイン選びの参考にご覧になってください。

また、第2特集はMdN 誌上初の「Windows NTマシン・カタログ」。とくに3DCG
やムービー制作を念頭においた機種をピックアップし、概論として Mac環境に
Windows NTを導入するための基礎知識なども掲載しましたので、ご興味おもち
の方、ぜひご覧ください。

表紙イラストは岡部タカノブさん。7月号は、弊誌では珍しいピンク系の色調
です。よく見ると、5色 iMacっぽい色合いになっているような? ただ、ライ
ムだけはない。この色は次号に登場…でしょうか? 

ではみなさん(とくに Macユーザーのみなさん)、納期直前のハングアップは
やはり怖いですから、マシンのメンテナンスは怠らないようにしましょう(自
戒を込めて)。

http://www.MdN.co.jp/

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■セミナー情報
DTP Turbo Server II & MediaBankセミナー
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<以下は主催者情報>

セミナー内容:
ワークフローマネージメントシステムとして新機能を搭載したDTP Turbo
ServerIIの強力な機能と活用方法を紹介。
DTPシステムのためのデータベース・アセットマネージメントシステムMedia
Bankを、実演とユーザ事例を取り混ぜて紹介。「生産性を向上させる方
法」「顧客との結びつきを強化する方法」。

大阪会場
日時:6月15日(火)13:30~16:00
場所:日本SGI(株)会議室、大阪市北区梅田2-5-25 ハービス大阪11階
お問い合わせ先:
(株)ビジュアル・プロセッシング・ジャパン 大阪営業所
植木(ueki@vpj.co.jp) Tel:06-6958-6631 Fax:06-6958-6632

東京会場
日時:6月24日(木)13:30~16:00
場所:青山SIビル6Fセミナールーム、渋谷区渋谷1-1-11
お問い合わせ先:
(株)ビジュアル・プロセッシング・ジャパン 営業本部
原口 (bil@vpj.co.jp) Tel:03-3498-3464 Fax:03-3498-3484

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■現在募集中
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読者プロフィール(投稿大歓迎!)
ホームページリニューアルインフォメーション(見て見て更新したよ!)
新刊情報(編集者が著者が宣伝しちゃう!)
デジクリClassifieds(売ります買います)など、
クリエイターに有益なもの全般!!

■編集後記(6/8)
・昨日の夜、外出から帰った娘が「キャー。リップスティックあったんだっけ
~」と大騒ぎ。見逃せない連ドラらしい。だいじょーぶ、わたしがG コード録
画をしておいた。すごく誉められてうれしい父である。変か?(柴田)

・自暴自棄ってなれない。何故なんだろうなぁ。未来を変えるのは自分自身だ
と、どこかで思っているのかなぁ。自分に負けるのだけはイヤだし。自分の可
能性は信じたいし。生きていたら波くらいあるっすよね!(ハマムラ)

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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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