[0363] 来るべきFlashサイトの時代

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【日刊・デジタルクリエイターズ】 No.0363  1999/07/1.Thu発行
http://www.dgcr.com/      1998/04/13創刊
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前号の発行部数 13046部
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●デジクリSPECIALコラム
 来るべきFlashサイトの時代
 木曜日担当:森川眞行

●編集長生コメント
 DG 十河 進(玄光社)

●展覧会案内
 '99ADC展
 ギンザ・グラフィック・ギャラリー/クリエイションギャラリーG8

●プレゼント
 デジタルグラフィ 7号



■デジクリSPECIALコラム
来るべきFlashサイトの時代

木曜日担当:森川眞行
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こんにちわ! 先週は怒濤のチャット対談に出演して、なんだか一回得したよ
うな気になった森川です。今日は前回のチャット対談の中にもあった話ですが、
Flash 4について。Fireworks のエヴァンジェリスト森川として、Flash 4とこ
れからのWebデザインの方向性について話をしたいと思います。

まずFlash。みなさん、Flash使っていますか? どのように使っていますか? 
Flashを使用しているWebサイトをぐるぐる回ってみると、その使われ方ってア
ニメーションによるオープニングムービーやゲームなどが一般的なような気が
します。

実際に森川もそうです。Flashで作成したswfファイルをHTMLに貼り付けていま
す。Flashムービーのメリットである「軽くて早い」そして豊富な表現力。こ
れに尽きるのかも知れません。

森川が本格的にFlashに取り組みはじめたのは、ちょうど「FIREWORKS徹底解析」
を執筆している頃でした。

従来のWeb デザインの作業工程は、タイトルやボタンなどのグラフィック部品
を作って、それをHTMLで組み立てる。最初Fireworks に取り組んだ時も、その
機能として多くのソフトを使わずにグラフィック部品を作成・管理できること
に惹かれました。

しかし、Fireworks を使いこなすうちに、スライス機能の素晴らしさを実感し
「これは、デザイナーにとって1ページという単位で全体のバランスを見て、
Web ページをデザインできる素晴らしいツールだ」と声高らかに宣言し、Fire
works によるページデザインの素晴らしさを、デジクリなどでも多く書かせて
もらいました。

DTP と同じように、デザイナーの意図したレイアウトがブラウザでも再現でき
るよろこびをFireworks で得たのですが、問題はテキストにありました。どう
も OS やブラウザによって、ユーザーが表示するテキストにはバラツキがある
ようだ…と。

この悩みを解決するかも知れない…と密かに思っていたのが、同時に使いはじ
めたFlash3でした。Flash では、さらにデザイナーの意図したイメージ通りに
再現できる。

そうこうしているうちに、「まつカサ」コンビの名著「プロテク本」に笠居さ
んが『Flashだけで構築するWebサイト』という原稿を書いているのを発見し、
目からウロコが落ちたのです。同時に古川会長のプレゼンされたWebTV の画面
を見て、余計にそう思いました。ブラウザやOS、加えてテレビ画面でもクリエ
イターが意図した表現を再現できるのはFlashしかない!…と。

しかし、当時そう思っていても、なかなか「Flashで構築するWebサイト」を提
案できなかったのは、当時のFlash の再生環境のインフラや、多くのテキスト
(フォント)をFlash 内で扱った際にデータサイズが大きくなる…といったデ
メリットだったのです。

そうこうしている間に、MacromediaからFlash技術を全面に使ったGENERATORと
いうサーバーアプリケーションが発表になりました。デジクリにも書きました
が、これには腰が抜けました。技術的にフォントの問題や、サイト構築に際し
ての更新の問題などを、すべてクリアしてしまったのです。

GENERATORこそが「Flashで構築するWeb サイト」を現実のものにする!と実感
し、森川はGENERATOR の勉強を始めました。来るべきFlash サイトの時代に備
えて。

そして、今回のMacromediaのUserConference。森川はサンフランシスコも東京
も両方とも参加したのですが、やはり一番熱かったのはFlashです。
まずFlashの再生環境についての調査結果として、コンスーマ対象で実に77%が
問題なくFlash コンテンツを見れている…ということ。これはJAVAによるアニ
メーションよりも上位にランクされています。いよいよFlash がスタンダード
になる時代がやってきたんだな…と実感しました。

そしてFlash4の発表。数ある新機能の中で森川が最も注目したのはフォントの
扱いです。Flash4からはデバイスフォントが使えるようになりました。今まで
はFlash ムービーの中にフォントの情報を埋め込んでいたので、テキストでの
表現を行なう際に、ファイルサイズが大きくなってしまう…という欠点が一気
に解決されてしまったのです。MacintoshならOSAKA、Windows ならMS-Pゴシッ
クでFlash ムービー内のフォントを表示し、さらにこのテキスト部分は変更可
能なエリアとして扱われるのです。

加えて、テキスト部分には「変数」が使えます。GENERATOR もびっくり。外部
からテキスト部分だけを更新できるようになったのです。

Flashの再生環境がスタンダードになったこと、そしてFlashでサイトを構築す
る際にテキストの扱いの自由度が増したこと。この要因によってFlash は単な
るオープニングアニメーションやゲームなどの「打上花火」的な使われ方から、
インターネットでの情報伝達のツールとしての位置を確立するのではないでし
ょうか?

森川がDTPからWeb デザインに職種を変えたのは5年前。GIFとJPEGそしてHTML
という3点セットで不自由な制限を工夫しながら、デザイン表現を行なってき
た時代がそろそろ終わりを告げるのかも知れません。

ある意味では、Web 表現の制約によってデザインの不出来をごまかす時代も同
時に終わりを告げるのかも知れません。Flashがスタンダードになるにつれて、
ますますデザイナーは純粋に画面に取り組み、己のデザインセンスと向かい合
わなくてはならないのです。…嫌な時代になりましたね(笑)

来るべきFlash サイトの時代。それはどこまでやって来ているのでしょうか? 
全体の印象としてはまだまだWebでは先端技術なのかもしれません。でも、Web
という場所で仕事をする限り、デザイナーにとってFlash を扱えるようになる
ことは、これからの必須項目でしょう。

さて、デジクリ創刊号からコラムを書き続けてきた森川も、ここでちょっとお
休みをいただきます。激変するWeb デザインの時代にデザイナーとして時間が
必要になりました。しばらく充電期間をいただいて、さらにパワーアップして
Web デザインについての情報や提案をさせていただきたいと思います。

もちろんボクのWebサイト、Silicon Cafe'は毎日更新しています。これからの
森川情報はこちらを御覧下さい。

【森川眞行】もりかわまさゆき

81年大阪芸術大学美術学科卒業。グラフィックデザイナー。Fireworks-ML主宰。
元関西DTP協会会長から94年にWebデザイナーに転向。Silicon Cafe'のWebサイ
トには「G-TOOL」や「FIREWORKS徹底検証」などがある。著書には「FIREWORKS
徹底解析」(オーム社刊)があり現在 Fireworks 2の本を執筆中。最新情報は
Webサイトからどうぞ。
http://www.siliconcafe.com/

・東京デスマッチセミナーは定員100人で先着順受付、すでに定員オーバーして
いるようです。こんご森川さんは不定期でデジクリに登場します。(デジ栗)

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■編集長生コメント
DG7号は3Dとグラフィック広告のデジタル制作を特集
十河 進(玄光社 DG編集長)
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デジクリ読者の皆さん、こんにちは。DG/デジタルグラフィ編集部の十河です。
何週間か前のデジクリに載せてもらいましたが、「デジタルグラフィティ」で
も「デジタルフォトグラフィ」でもありません。お間違えのないように。「デ
ィー・ジー」と呼んでいただければ、編集部は喜びます。ワンワン。

DG7号は7月6日に書店に並びます。今回の特集は、「チャレンジ・ザ・3D」
と「デジタル時代の広告制作」です。先進的なデジタルクリエイターの皆さん
には、今更「チャレンジ・ザ・3Dでもねぇだろ」と言われそうですが、これか
ら始める人にもわかる記事をめざすDGとしては、やっぱり「チャレンジ」にな
るんですね。まあ、編集部も3D特集にチャレンジしたわけで、暖かい気持ちで
見守ってやってください。何しろ、3カ月もかけて1冊作っていることだし。

「デジタル時代の広告制作」は博報堂が作った日産セフィーロのグラフィック
広告の制作の流れを詳しくレポートすることから始まり、デザイン会社のデジ
タル制作の現状報告や、ハイエンドマシンを導入する画像処理会社を読者が体
験レポートするなど、他誌では読めない(やらない)内容が満載です。

その他、今回のお役立ち特集は「解像度をパーフェクトに理解する」です。ス
キャナでの入力解像度、デジタルカメラの解像度、プリンタでの出力解像度、
印刷対応の解像度、モニタの表示解像度など、混乱しがちな解像度を整理し解
説しています。特集の最後に実力テスト付き。これで満点なら「あなたの解像
度理解はパーフェクト」です。

例として一問 300dpiのフラットベッドスキャナでB5サイズの原稿を読み込も
うとしています。300dpiの昇華型プリンタでB4サイズにプリントアウトするた
めには倍率を何パーセントにして取り込めばいいですか?

デジタルグラフィ 7号 7月6日発売
A4変型・148ページ
定価 1943円(税込み)
発行 玄光社
編集部メール DG@genkosha.co.jp

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■展覧会案内
'99ADC展
ギンザ・グラフィック・ギャラリー/クリエイションギャラリーG8
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'99ADC展が、明日7月2日から30日まで東京の2会場で開催される。応募作品
は約8000点、日本を代表するアートディレクター84人で構成される東京アート
ディレクターズクラブが4日間かけて審査したという。ADC グランプリを獲得
したのは葛西薫氏「ユナイテッドアローズ」のTVCM。

GGG(ギンザ・グラフィック・ギャラリー) では会員受賞作品を、クリエイショ
ンギャラリーG8では一般受賞作品を展示する。会期中には、トークショーも行
われる。この展覧会は、大阪でも8月18日から9月14日まで、大阪DDD ギャラ
リーで開催される。入場料は無料。

'99ADC会員受賞作品展 
会期:7月2日~28日 11時~19時 日祝休 土曜日は18時/最終日は16時
会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座
ビル 03-3571-5206

'99ADC一般受賞作品展 
会期:7月5日~30日 11時~19時 土日祝休 最終日は16時まで
会場:クリエイションギャラリーG8 東京都中央区銀座8-4-17 
リクルートGINZA8ビル1F 03-3575-6918


トークショウ 両会場とも要予約、入場無料。
・クリエイションギャラリーG8
「第105回クリエイティブサロン」
日時:7月13日(火)7:00P.M.~8:30P.M.
会場:リクルートGINZA8ビル 1Fロビー(ギャラリーG8隣)
ゲスト:中島哲也 岡康道
司会:小田桐昭
テーマ:JR東日本「トレイング」TV-CM制作裏話

・ギンザ・グラフィック・ギャラリー
日時:7月23日(金) 6:30P.M.~8:00P.M.
会場:DNP 銀座ビル 5F
ゲスト:葛西薫・山本康一郎・一倉宏・中川俊郎・渡辺秀文

http://www.dnp.co.jp/gallery/contents.html
http://www.recruit.co.jp/GG/

・日本のグラフィックデザインを支えているのは相変わらずこの人達なのであ
る。相当の年配の人もいるが、いまだに全員現役だ。アナログ育ちなのにデジ
タルへの対応も素早い、恐るべき人ばかりだ。ええかげんに世代交代したらと
思うのだが、残念ながら、彼らにとってかわるほど力のある若手がいないのが
現状だ。若きデジクリしょくん、受賞作品展でお勉強しましょう。(柴田)

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■プレゼント
デジタルグラフィ 7号
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株式会社玄光社さんの提供で5名さまに!

ご希望の方はinfo@dgcr.comまで下記フォーマットを
subject「デジタルグラフィ7号」でお送りください。subject が違う場合抽選
対象からはずれることがありますのでご注意ください。
締め切り:7月7日(水)、午後8時タイムスタンプ(日本時間)

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【氏名】
【職種・得意分野】
【郵便番号】
【住所】
【TEL】
【URL】
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【読みたいジャンル】例:DTP, 3DCG
【あったらいいなという企画内容】
【ひとこと】

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■編集後記(7/1)
・デジイメ大阪展のセミナーは満員御礼だった。鈴木守さんの、学生作品に対
する懇切丁寧なアドバイスに会場は熱気ムンムン。冷房は最強だったが暑い。
残念だったのは、ほとんどの作品が学校の課題を持ってきたこと。わたしはコ
レが好きで描いているんだ!と主張する型破りが現われなかった。専門学校の
学生は課題で忙しく、自主作品つくるひまがないのかな。本当に絵を描いたり
デザインしたりするのが好きでタマラン、という若者が好きだな~。(柴田)

・くも膜下出血って何? 別に好きではなかったがマリスのドラマー死亡記事
を読んで気になってしまった。これが原因の他の人の死亡記事も見かけた。脳
動脈瘤の破裂が原因であり、発生頻度は人口10万人に対して年間12人。グレー
なはずの脳が真っ赤。しかし治療方法を見てびっくり。脳動脈瘤をクリップで
挟むというもの。技術としては凄いのかもしれないけど、こ、こんな原始的な
方法が一番効果的なのね。(ハマムラ)
http://www.orange.ne.jp/~a-satoh/neuro/sah.html
http://user.shikoku.ne.jp/tobrains/disease/SAH0.html

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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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 担当:濱村和恵
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