[0386] 毎日の生活を科学の目で見直してみれば

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0386     1999/07/29.Thu発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 13600部
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 <「もも展」の夏が始まる >

● デジクリSPECIALコラム
 毎日の生活を科学の目で見直してみれば
 水無月 実

●展覧会案内
 中西久崇個展 描画機関計画

●プロジェクト案内
 フォントの2000年問題を考える
 「フォント1000」参加作品募集

●Web上の展覧会案内
 第9回「もも展」8月1日スタート



■デジクリSPECIALコラム
毎日の生活を科学の目で見直してみれば

水無月 実
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今回はこれまでとは全く違うお話。先日からテレビで放映されている某社クー
ラーのCMを見て、「ええっ?」と思ったので、その話。

大げさに言えば、毎日の生活を科学の目で見直してみると、案外、面白い。そ
ういうところにクリエイションのヒントがあるような気がする。まあ、私の例
えで言うなら、他のところは既にほとんど掘り返されているという観もある。

季節がら、クーラーのCMが多くなるが、某社のCMは「冷たい空気、重たい空気」
というキャッチフレーズ。宣伝の主旨は「当社のクーラーは空気の対流を盛ん
にして、冷たい空気が(低いところに)溜まるのを防ぎますよ」というもの。

それは良いでしょ。良いクーラーですよね。確かに、冷たい空気が低いところ
に溜まって、あつい空気ばかりが上に昇っていくものだからね。

でも、問題はこの「冷たい空気、重たい空気」というキャッチフレーズ。「冷
たい空気」って、そんなに重いのか? そんなことないでしょ。空気が冷たく
ても、熱くても、その空気の主成分の比率にそれほどの違いはない。計れるほ
どの重さの違いはないはず。それで、昔の知識を思い起こしながら、その「え
えっ?」を考えてみたのです。

じゃあ、みんなが体験していること。「冷たい空気が低いところに溜まる」現
象はなぜ起こるのか? これは暖かい空気の方がよく拡散するからです。高校
で習った気体の法則を思い起こせば、PV=nRT 。そうこれは気体の圧力と体積
を掛け合わせたものが、温度に比例する(R は定数)という式。ちなみに、こ
の気体の圧力と体積を掛け合わせたものは、力と距離を掛け合わせたもの、仕
事量に等しい。

難しい話が間に入ったけれど、早い話が温度が高いほど(膨張、拡散という)
仕事をする量が大きいということ。つまり、暑い空気の方が空気の分子の運動
速度が速いから、速く拡散して、室内では天井まで昇る。そうなると、相対的
に運動の鈍い(分子の運動速度の低い)冷たい空気が下に取り残されるという
わけ。これが「冷たい空気が低いところに溜まる」現象のメカニズムなんです。

こういう風に日常生活を考えていると、実は大変疲れるのですが、時には面白
いヒントを掴むこともあります。一度、高校時代の物理、化学の教科書を見て
みてください。それがなければ、ブルーバックスと呼ばれる化学ものの読み物
を。この辺りには日常生活を科学的な目で見たもの、科学的に見直すための手
がかりがたくさん書かれています。

最近では「動物・・・」というテレビ番組が多くなって、動物の生態系に興味
のある人が多いようです。確かに、最近の生態系などには新発見の事実が多く
て面白いですが。「どうも取り付きにくい」と敬遠されている科学の世界も、
日常生活の謎解きですから、夏から秋の読書にどうぞ。

【みなつき・みのり】関西出身のライター。1990年初め頃からDTP の世界に入
り、現在はDTP、インターネット、マルチメディアと何でもあり状態。今回も、
メールは MMinatsuki@aol.comまで。

・客観的なこともいいが、主観をもっと入れてくれいと注文したら、こういう
方面から来たか。読者のみなさん、反応してください。(柴田)

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■展覧会案内
中西久崇個展 描画機関計画
大阪府立現代美術センターで8月9日より
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現代美術としてのCGの可能性を探求する中西久崇さんの個展。コンピュータプ
ログラムによって自動的に「絵画?」を生成しようという試みである。以下は
中西さんのコメント。

「描画機関」は僕がプログラミングしたオリジナルのソフトウェアです。「描
画機関」は起動するとまずランダムノイズを生成します。そして、そのランダ
ムノイズに対してある規則(セル・オートマトンと呼ばれるものの一種です)
をくり返し適用することによって、人が見て「絵画(抽象画)」と認識できるよ
うな(?)視覚イメージを生成するのです。

現在、「絵画」と呼ばれるものには、その制作過程において、「人の意志」が
関与していることが不可欠だと思われています。しかし「描画機関」の絵画生
成プロセスには人の意志が関与していません。それでもこれを「絵画」と呼び
うるのか、もし絵画と呼べないなら、人の作る絵画との違いはいったい何なの
か。ひいてはある視覚イメージが「絵画」と認識されるためにはどのような条
件が最低限必要なのか。これらを見極めようとするのが今回の個展「描画機関
計画」なのです。

今回はパソコンにプロジェクターを接続し、「描画機関」が実行画面そのもの
をリアルタイムで見ていただきます。つまりプログラムがランしている状態を
お見せするのです。「描画機関」の実行画面は、変化し続けます。スクリーン
のサイズは120 インチですが、現美センターの壁面に直接投影できれば、それ
より多少大きくなります。点数は一点です。

中西久崇は原則として毎日会場にいる予定です(休憩等で短時間席を空ける可
能性はありますが)。

名称:中西久崇 個展 [描画機関計画]
会期:8月9日(月)~14日(土)10:00-18:00(14日は16:00まで)
会場:大阪府立現代美術センター
〒530-0005大阪市北区中之島3-2-18住友中之島ビル5F
TEL 06-6445-6665 FAX 06-6447-7954

中西久崇Webサイト
http://www2.justnet.ne.jp/~zisue/

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■プロジェクト案内
フォントの2000年問題を考える
「フォント1000」参加作品募集
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<以下は主催者情報>

フォント制作はJIS の約7000字が基準となっています。しかし、全てのフォン
トに7000字が必要なのでしょうか。その中の多くの文字をフォントデザイナー
は使用されたものを見ることは無いでしょう。写植の時代でもそれよりもはる
かに少ない文字数でした。

「本当に必要な文字数とは」そんな素朴な疑問から「フォント1000」は生まれ
ました。「フォント1000」は日本文を組むに最低の漢字1000字を選定し、さま
ざまなフォント制作にチャレンジしようとするものです。

「フォント1000」の文字種は、新聞社、出版社、国語研究所等の使用頻度表か
ら選んだ、ベスト1000の漢字に両仮名および約物を加えたものです。この文字
数で日本の文章の90%以上を組むことが可能です。不足文字はアウトラインを
作成し、合字することで、ほぼ全ての日本文を組版することができます。

このプロジェクトの参加デザイナー全ての作品をまとめて、「フォント1000」
という一冊のカタログとCDにまとめて、デザイナー自らが販売を試みるもので
す。近い将来に「フォント1000」の中から、充分な文字を揃えた、日本を代表
する書体も生み出されることでしょう。

フォント1000参加規定
・参加者のオリジナルフォントであること。

・指定の字種全てを制作(Web参照)。各自でTrueTypeフォントまで制作。
・参加料/カタログ、CD制作費として¥50,000を予定(最終参加者数により変
動有)
・第一次締切/1999年12月31日
・販売開始/2000年4月1日
・受付、販売、使用者登録は参加者が直接行ない、事務局にて集計。
・収録全フォントの一括受付、販売、使用者登録は事務局が行う。
・販売後、フォントベンダーからの販売を拘束しません。
・「フォント1000」予定使用権料
全フォント 使用権料(20書体収録したとして)/¥100,000
1フォントのみの使用権料/¥10,000

・参加申込及び問い合わせ
フォント1000事務局
441-8011 愛知県豊橋市菰口町1-43 味岡伸太郎 
Tel. 0532-32-4871 Fax. 0532-32-7134   
E-mail address : ajioka-s@jf6.so-net.ne.jp NIFTY BXI04312

http://www05.u-page.so-net.ne.jp/jf6/ajioka-s/font1000.html

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■Web上の展覧会案内
第9回「もも展」8月1日スタート
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Web上のCG展として人気の「もも展」の夏が始まる。
開催期間:8月1日~8月31日
作品の種類:2DCG・3DCG・MOVIE・MUSIC・etc
題材:自由
応募方法、応募フォーマット:Webサイトを参照。応募は1人1点。
締切:8月13日23時59分まででの予定。

主催者(もも)談:リンクページの延長というようなもので、コンテストのよ
うに順位も決めてませんし、賞金や賞品などもありませんが、いろんな作品が
まとめて鑑賞することができます。紙媒体では、素人さんが作品を公開するの
はなかなか難しいところですが、もも展ではそんなこと関係なく、倫理的に問
題なければすべて掲載しております。こういったことが、まわりに影響を与え
てますます活性化しているんだと思います。

初心者の方(はじめは誰でも初心者です)&プロ級の方などたくさんのご応募
お待ちしております。なお、今回のもも展については、某出版社から本の発売
が決定しました。もも展参加者で本に掲載を希望する方の作品はすべて収録し
ます。

「もも展」の詳細は
http://www.3dcg.ne.jp/~momo/

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■編集後記(7/29)
・明日は大阪でオフ会か。日中は仕事(バーチャルビューティ特別号宝石箱編
がスタート。あと1週間くらいが勝負という超短期決戦!)だから、オープン
直前かけこみになりそうである。東京からはデジイメの名物キャラ鷺義勝さん
が参加するという情報もある。関西のみなさん、飲みすぎると暴れるというア
ゴヒゲ男には注意(笑)。鷺さんの人寄せパンダ効果に期待しよう。(柴田)

・打ち合わせなどで外出が多くなると、メールをチェックすることができない。
返事も書けない。電話だと外出していることがわかるけれども、メールだと読
んでいて当たり前の状況。こりゃまいった。モバイルできない状況だとメール
文化は役に立たないのであった。時間と秘書が欲しい~。(hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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 担当:濱村和恵
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