[0388] イタリアプロバイダ事情2

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0388     1999/07/31.Sat発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 13609部
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 <土曜日はのんびりナポリ流?>

●連載「CIAO from Italy」番外編:
 イタリアプロバイダ事情2
 アキ・ダモーレ

●ニューウェーブ漫才
 ボタン一つでインターネット?
 T&B 作:PAGOS

●Webサイトニュース
 iBookに関する情報ページ「P1web」

●プレゼント 印刷ガイドブック DTP実践編



■連載「CIAO from Italy」番外編:
イタリアプロバイダ事情2

アキ・ダモーレ http://users.iol.it/akicaterina
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キットでの契約が切れる数日前、IOL に電話して「あのー、たいへん申し訳な
いのですが、本契約の封書を送るのを忘れていてFAX か何かで手続き出来ませ
んでしょうか?」とお伺い。電話に出た女性は本来なら規則違反ですがと前置
きをして「特別にFAXでお受けする事にしましょう。」と言ってくれ「FAXが届
いてから48時間以内に本契約の受理メールが届きます」と説明してくれました。

そして待つこと48時間。その時はまだキットでの契約が続いていたので、接続
は出来ましたが、メールが来ない。焦ってまた電話。「きっと遅れてると思い
ます。前回FAXはちゃんと送っていただけたんですよね? なら少しお待ちくだ
さい」との事。

しかし、待てど暮らせどメールは届かない。ついに期限が切れ、IOL での接続
は不可能になってしまいました。それから私は嵐のような1週間を過ごす事に!
私が始めに送ったFAXは、受理されていないという事は明らかだったのですが、
以後のインフォセンターの方々の反応が、面白いように様々でした。

「あなたが封書の本契約を忘れたのですから、こちらは受け付けしません。も
う一度キットを買いなおしてください」という慇懃無礼タイプ。

「どうやら以前に送っていただいたFAX は受理されていません。もう一度送っ
てください! 私はxxxと言います。今すぐに私宛にFAXを送っていただけれ
ば、私が即、契約の部署に回します」という親切タイプ。

「シニョーラ、お気持ちはわかりますが、我々は対応遅いんです。そんなに焦
らないで、待ってくださいよ!FAX は送ったんでしょ。だったらその内、接続
できますよー。いつって聞かれても困るんですけど」と投げやりタイプ。

「あ、そういう事はこちらでは対処出来ませんので、他の部署のインフォに電
話してください!」と、FAX番号や応対しない電話番号を教える逃避タイプ。

と、他にも色々ありましたが、主なのはこれらの対応でした。この期間に私が
一体何回インフォに電話したか、何通FAXを送ったか、何本のIOLの電話番号を
知ったか、数えるのも思い出すのもイヤになる程です。

確かに私が契約を忘れていたのですから、こちらに落ち度があるのはわかって
いましたが、それならそれでFAX 送ってくれなど言わないで、一貫して『ダメ
です! もう一度キット買ってください!』と言われれば、そのように対処し
ていたのですが、毎回電話して対応が違うので、まさにパニック!

しかも私はすでに数通のFAX を送っていましたので、(コレが間違って一挙に
多重契約になって請求されたら困る!)と切実な思いがありました。せめてそ
の結果だけでも知りたいと思いました。

それに私も毎日数回電話するのに疲れて来ていましたので、4~5日たった頃
には「こちらの落ち度はわかっています。ダメならダメでいいですが、せめて
今まで私が送ったFAX がどのようになってるのか知りたいですし、インターネ
ットを仕事で使っているので、キチンとしたお返事が欲しいのです!」と訴え
ても……。

「まぁそんなに焦らないでください」
「xxxに電話して見てください!」
「今までのFAXはどれも受理されていないらしいです。ではもう一度」
などと、全く以前と変わらない対応でした……。

さすがに私もむかついて、最後の手段に出る事にしました。それは「ワタクシ
は日本人でございます」という決めセリフです(笑)。

それまでにも何かトラブルがあった時に、私が外国人、しかも日本人とわかる
と対応が若干でも違った事がありました。イタリア人には『日本人といえば働
き者! 正直者! キッチリしてる!』というイメージがあるようで(彼等に比
べたら正しくそれは事実なのですが)、特別待遇を受ける事もままあるのです。

よし! もう今日はこの作戦で行こう! と張り切ってIOL にダイヤル…「すみ
ません、私はこれこれこうで、こういうトラブルを受け、対処も様々でどうし
ていいかわかりません。実は(ここで声を大にして)ワタクシは日本人で、イ
ンターネットで日本側と仕事しております。一刻も早く適切な指示を頂きたい
のですが」と問いかけました。

すると、電話に出た女性は「お待ちください…」と、いつにない反応をしまし
た。待つ事しばし「あの、申し訳ございませんが、もう少々お待ちください」
また待つ…。次に出た女性は前の女性ではなく、どうやら責任者のようでした。

「こんにちは、奥様。いかがなさいました?」言葉遣いを聞いても確かに責任
者の風格が、そこはかとなく漂っていました(笑)。私は彼女に事の全貌を語
り、日本人である事も存分にアピールして、返事を待ちました。

「そうですか、たいへん申し訳ございません。FAX の方を確認して参りますの
でしばらくお待ちください」数分後、「奥様、送っていただいたFAX は全て受
理されていないようです。どうやら対応した者達が違う部署のFAX ナンバーを
お渡ししてしまったようですね。本来はFAX での契約は受け付けないのですが、
お仕事でお急ぎのようですし、xxxの番号に再びお送りください。その際は
『至急再契約』というタイトルを付けた文書もお送りください。内容はこれか
ら説明する通りです……」

と、適切な指示がようやく受けられる事になりました! しかも普通なら48時
間後の所を「24時間以内でどうにか致しましょう」との有り難い言葉も! そ
して実際、私がIOLに再接続できたのは、たった10時間後の事でした。

(もーこんな事なら、さっさと日本人って言えば良かったなぁ)と思いました
が、嵐のような電話攻撃一週間の後、ようやくIOL に再接続出来、安心感で一
杯に! しかも不安定だったサーバーもその月に大強化され、TIN よりも充実
したプロバイダになっていきました。

だいたいTIN ならインフォに電話しても話し中ばかりですし、メールも返事が
来た事ない。それに比べ、IOL はメールでの返事も即刻、電話は……まぁ対応
は色々にしろ、とにかくどうにかしてくれる(終わり良ければ全て良し!で、
嵐の一週間を忘れました:笑)。

そしてプロバイダ業のみならずも、主な電話業においてもオリベッティグルー
プのインフォストラーダは圧勝しており、ついにはオリベッティ社がテレコム
イタリアの株を相当数買い込み『電話戦争オリベッティの勝利』とニュース番
組を賑わせていました。

そうこうしている内に、IOL のHP容量も2MBから3MBにアップ!「あらら、知ら
ない内にアップしてたのね?」と私もついに個人サイトを作成する事に。

Webデザインなど何もした事ない私ですが、『な・ん・と500k!』から3MBとい
う『な・ん・と約6倍!』の納得の容量を手にし、イタリア(特にナポリ)の
珍事件などをお知らせする新聞サイトを作りました。どうぞお暇な時に読んで
頂ければ幸いです(宣伝モードですみません:汗)。

さて、最後に、無事に再契約を済ませたIOL ですが、接続料金:月15.000リラ
(1000円強)は電話の請求書につけ加えられるのですが…これが…まだ請求さ
れていないのです!!

TIN でも私は請求が来ないまま、こっそり使用してましたが(今も…)、なん
とIOL からも来ないとは! これも日本人の特権か?!…というのは悪い冗談
ですが、一体いつ初請求が来るか楽しみ(?)にしています。ああ、やはりイ
タリアはどこまでもノンキでいい加減な国なんですね!(笑)

(終わり:長い間デジクリに連載させていただき、ありがとうございました。
またどこかで!CIAO!)

しつこく追記:そうこう書いている内に、オリベッティグループはインターネ
ットのより一層の普及の為、IOL とは別に10月末までの完全無料制度プロバイ
ダを発足しました。その名も『LIBERO(=FREEという意)』。今までインター
ネットを躊躇してた人達をターゲットとしてるようですが、接続設定のCD-ROM
をも無料配布、サービスは1メルアドですが、HP容量は…な・ん・と15MB!!
まさにオリベッティ、爆走のイタリアです(笑)。

【あき・だもーれ】イタリア在住/フリーのグラフィックデザイナー&イラス
トレーター/イタリア珍事件簿サイト『LA MATTINA』オープン!
http://users.iol.it/akicaterina
STUDIO D'AMORE(akin@iol.it)

さらに追記

今現在は、予定の半分以下しかアップしてないのですが、デジクリに最後のテ
キストが載る土曜日には、なんとか形になってると思います。(あー、友人達
にも宣伝しなきゃー!!(^ ^))

昔購入したPageMill 2.0!で作成したので、デザインもなかなか凝れず、四苦
八苦してしまった…。なんだかカッコ悪いし、各コーナーの中とか『メルマガ
か?』と思う程にテキストしかないんですけど(^ ^) 、これからゆっくり凝っ
ていきたいなと思っています…焦らずのんびりナポリ流(^o^)

・連載アリガト~。みんなで『LA MATTINA』を見にいきましょう!(デジ栗)

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■ニューウェーブ漫才
ボタン一つでインターネット?

T&B                            作:PAGOS
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B>ジオシティーズ、もめましたねぇ。
T>これ幸いとばかりに、ジオシティーズ難民の引寄せに各サイトは懸命だった
 らしいね。
B>アルバニアからマケドニアへ多くの難民が移動したからね。
T>それはコソボだろ!!
B>マケドニアのアレキサンダー大王もたいへんだよ。
T>コソボと歴史がごっちゃになってるよっ!!
B>チェルノムイル人によって助かったってやつだろ。
T>めちゃくちゃだよっ!! だいたいチェルノムイルジンは民族の名前じゃな
 いよっ。
B>何の話だっけ?
T>ジオシティーズは著作権の話だろうが…。
B>あっ、そうそう。コンテンツの著作権のやつね。
T>ジオシティーズのコンテンツの著作権は全てヤフージオシティーズにある、
 としたんだよ。怒るよ、普通…。
B>これにはエプソンカラーイメージングコンテスト事務局も真っ青だったらし
 いね。
T>エプソンのコンテストは今年から改善されたんだよっ!! ぶり返さなくて
 いいよっ!!
B>しかし「著作権はすべて○○が有します」ってのは未だに多いね。
T>わかってないんだよ。著作権、著作者人格権とか基本的なとこがね…。
B>でも、私も作った傑作CGがどうもマネされているようでしてね。
T>それは問題にしないとだめだろ。どれがマネされてんだよ?
B>私の傑作CGは、左上のpixelより左方向にRGBでそれぞれ255、255、255と50
 pixel分続くんですよ。これがマネされてる…。
T>そんなのいくらでもあることだろっ!!
B>さらに左下にも同じことが言えるってことは明らかにマネではないでしょう
 かねぇ?
T>問題にすべき部分は絵柄とかだろっ!!
B>そういや下の方のCopyrightという絵柄もマネされてる…。
T>あれは絵柄じゃねぇよっ。お前のは絵柄だったんかよっ!!
B>もういいよ。
T>それはこっちのセリフだよ!!
B>ところで、ついに出ましたねぇiBook。
T>コンシューマーノートブック、満を持してだね。
B>毎回イベントがある度に「出るぞ、出るぞ」って株価をつり上げては売り抜
 いてたらしいね。
T>誰がそんな情報操作をしてたんだよ。
B>柴田さんが…。
T>仕手師かっ!!
B>まあしかし、iMacからスケルトンは流行るし、キティちゃん以来だとか…。
T>何の比較だよ。
B>カラーは5色出るのかなぁ?
T>最初はブルーベリーとタンジェリンなんだろ。
B>あと、北海道は地域限定でラベンダー。
T>それがキティちゃんだよっ!!
B>でも、Macの流行りに対してWin系のマシンの流行りはパソコン本体やキーボ
 ードのボタンで特定のソフトが動くってことだよね。
T>「ボタン一つでインターネット」とか「メール受信でランプ点灯」とかだろ。
B>そうそう、「ボタン一つでリブート」とかね。
T>ないよっ。
B>「電源ONでランプ点灯」とかね。
T>普通だろっ!!
B>「ボタン一つでDTP」とかね。
T>「ボタン一つでインターネット」よりわかんねぇよっ!!
B>でも、「ボタン一つでメールサーバー」よりマシだろ。
T>言いたいことが皆目わからないよ!!

・ちゃんと「ぶり返している」ところにザブトン5枚! (柴田)

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■Webサイトニュース
iBookに関する情報ページ「P1web」
http://www.digression.net/P1/
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話題のiBookが発表されたが、早い時期から日本でもiBookに関する情報ページ
「P1web」が活動していた。P1web Newsは、AppleのiBook(コードネーム:P1)
や、ネット上の新しいアート、デザインに関する情報、その他気になるもろも
ろの話題が掲載されている。また、iBook(P1)関連のメーリングリスト「P1ML」
も3月から活動している。
P1ML
http://www.digression.net/P1/ml/index.html

アップルのiBookページ
http://www.apple.co.jp/ibook/index.html

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■プレゼント
印刷ガイドブック DTP実践編(昨日の号で詳しい紹介あり)
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株式会社玄光社さんの提供で5名さまに! 今回は当選者名を発表しないモー
ドでいってみます。名前が出る、出ないで応募数が変わるだろうかという実験
でもあります。当選者には玄光社から直接本が送られます。

ご希望の方はinfo@dgcr.comまで下記フォーマットをsubject「印刷ガイドブッ
ク」でお送りください。subject が違う場合抽選対象からはずれることがあり
ますのでご注意ください。

締切:8月6日(金)午後8時タイムスタンプ(日本時間)

【メールアドレス】
【氏名】
【職種・得意分野】
【郵便番号】
【住所】
【TEL】
【URL】
【好きなライター・クリエイター】
【コラムに登場して欲しいクリエイター】
【読みたいジャンル】例:DTP, 3DCG
【あったらいいなという企画内容】
【ひとこと】

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■編集後記(7/31)
・昨日のオフ会はおもしろかったですね! トいうのはじつはウソ、というか
そう書いているのがオフ会当日30日の朝ですからね。午後には大阪に向かい、
家に帰るのが31日の夕方。だからその間デジクリには触れていない。モバイル
やっていないとこれが不便でもあり、反面、解放されているお気楽さもある。
でも家に戻るとメール山にうんざり。モバイルすべきか? でもなあ、OCNエコ
ノミーはモバイルには問題あるよなあ。これ以上の出費はイヤ。(柴田)

・オフ会に来ていただきありがとうございます。いろんな方ともっとお話した
かったなぁ。準備不足で不安だったのですが、盛り上がって良かった~。マク
ロメディア社の手嶋社長さま、iMedioの皆さま、株式会社ファイコムの皆さま、
いろいろと助けていただいてありがとうございました。食べられない私のため
に何度も食事を持ってきてくれた友成さんくす。オフ会後に来られた鷺さん、
連載お願いしま~す! え~と、え~と、書ききれないっ。とにかくありがと
うございました! そして柴田編集長とは相変わらずオフで会話できず、また
メールでね~、という別れ方になったのであった…。遠いところ来ていただい
たのに愛想なくてすみません~。しくしく。(hammer.mule初号機)

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編集長     柴田忠男 
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