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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0399 1999/08/24.Tue発行
http://www.dgcr.com/ 1998/04/13創刊 前号の発行部数 13818部
情報提供・投稿・広告の御相談はこちらまで mailto:info@dgcr.com
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.html
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<きつねかたぬきか>
●デジクリSPECIAL GUESTコラム
「effects宣言」
猪股裕一
●新刊案内 安岡孝一・安岡素子著「文字コードの世界」
「文字コードの世界」を読んで無教養な“反JIS”感情論を清算しよう!
前田年昭
●展覧会案内
クロスコピーライト・グループワーク展「mixsix」
web上での期間限定企画展。只今開催中!9月14日まで
●柴田のこねた
うどんといえば「MapFan Web」
【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0399 1999/08/24.Tue発行
http://www.dgcr.com/ 1998/04/13創刊 前号の発行部数 13818部
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<きつねかたぬきか>
●デジクリSPECIAL GUESTコラム
「effects宣言」
猪股裕一
●新刊案内 安岡孝一・安岡素子著「文字コードの世界」
「文字コードの世界」を読んで無教養な“反JIS”感情論を清算しよう!
前田年昭
●展覧会案内
クロスコピーライト・グループワーク展「mixsix」
web上での期間限定企画展。只今開催中!9月14日まで
●柴田のこねた
うどんといえば「MapFan Web」
■デジクリSPECIAL GUESTコラム
「effects宣言」
猪股裕一 MdN代表/effects編集長
───────────────────────────────────
7月下旬に新雑誌「effects」を創刊した。1989年冬に「MdN」を創刊して以来、
久しぶりの編集長に返り咲いた。
そういえば「MdN 」を創刊してしばらくしたころ、ある編集長様が取材に来て
「なんでもDTPで出来ると思っているのか? いろんなことがDTPでは出来ない
じゃないか」と言われ、彼が出した雑誌に「ほんとうにマックは出来るんだろ
うか?」と、やけに辛辣な口調の出だし宣言で始められていたのをとてもよく
覚えている。その方は今、デジクリの編集長をされているが。
まぁそれ以来、「ページメーカー」「クォーク」「イラストレーター」「フォ
トショップ」と、マックによるDTP は熱狂的な勢いでデザイナーに受け入れら
れ、普及してしまった。やはり「してしまった」というのは正しいだろう。そ
れくらい度重なるバージョンアップは、行きつくところまで行ってしまった観
がある。行き過ぎた結果、「3.3」で満足し、だれも「4」には乗り換えなくな
ってなっているのが象徴的だ。
それにしても、今マックのDTP 系グラフィックソフトは閉塞感が覆っている。
たぶん「今度のソフトは何々が出来る」の時代は去り、本当のクリエイティブ
な時代に入ったということなのだろう。
本当のクリエイティブな時代だからこそ、クリエーターは「動くもの」をデザ
インしたいと思ってる、と私は信じている。だから「effects」を創刊した。
「ファイアーワイヤー」の可能性が、デスクトップビデオの時代をもたらすか
もしれない。でも一口に「動くもの」と言っても分野は広い。映画、テレビ、
CF、ビデオ、ゲーム、アニメなどなど、それぞれ専門分野として存在する。し
かも、それぞれが専門分野なので、手法や解像度などが微妙に異なる。
またプリプロ、プロダクション、ポスプロと区分けされていたりする。そして、
大きなプロジェクトチームが全体像を把握するコミュニケーションの原点が、
ストーリーボード(絵コンテ)だ。
創刊号でハリウッドの特撮系を多数取材したが、そこでも絵コンテからグワッ
シュ(不透明水彩)によるドローイングありきという現状をみた。日本では9
月にロードショーされる「マトリックス」でも、素晴らしい手描きの絵コンテ
からシーンは構築されている。この映画は「スター・ウォーズ」よりずっと面
白いこと請け合いだ。
「effects 」はデジタルで「動くもの」を話題の中心に、決して技術主体にな
らず、「ストーリーテリング(物語性)」を重視し、クリエイティブマインド
を全面に押し出した、想像力を刺激する「かっこいい」雑誌を目指す。無謀に
も、全ページCTPで印刷にもチャレンジしている。
次号は10月下旬を予定している。乞う、ご高覧。
MdN Graphic Server
http://www.MdN.co.jp/
effects web
http://mgs:renewal96@www.MdN.co.jp/mgs96/
●創刊号のおもな内容
・Creators in US
デジタルに踊らされず、すべてはハンド・ドローイングから始まる。
緻密なプロジェクトがそこにあった。
・デジタル化された日本のアニメ ―― 2D+3D
・丹修一氏インタビュー
・ストーリーテリングのためのビジュアルコミュニケーションツール
ミュージッククリップ=After Effects/ゲームオープニング=LightWave 3D/
キャラクターの演出=3D Studio Max/人物の表現=Shade Professional
・Windows NT-Based Workstations
3D+ノンリニアのためのNTマシンセレクション
映像の最先端技術/ゲーム制作の奥底/映像と音声の関係/デジタルのための
アナログ知識/ 著作権についても知っておこう/DV 機器から映像に入ってみ
る/関連製品の動向/ おすすめビデオ・サントラ
定価(本体:1,800円+税)
A4変型版 168頁
・ははは、わたしの過去の姿を公開されるとは思ってもみなかった。たしかに
アンチDTP、アンチMacを標榜する「スーパーデザイニング」を創刊したのはわ
たしです。そして、1年後にはMacDTP推進に宗旨換えして笑われたのもわたし
です。エネルギーが膨大にかかるのが、雑誌の創刊です。さいわい猪股さんは
わたしよりずっと若いから、徹夜なんかへっちゃらでしょう、きっと。だから
前人未到の、雑誌をCTPでつくるなんておっかないこともやっちゃうんですね。
次は、CTPの雑誌作りについて聞かせてもらいたいと思います。(柴田)
───────────────────────────────────
■新刊案内 安岡孝一・安岡素子著「文字コードの世界」
「文字コードの世界」を読んで無教養な“反JIS”感情論を清算しよう!
前田年昭(ライン・ラボ)tmaeda@linelabo.com
───────────────────────────────────
パーソナルコンピュータの普及は、一般ユーザーにいやがおうでも文字コード
の理解を要求する。私自身も、はじめはとっかかりのビットやバイトの説明か
らすでにお手上げ状態だったのは、頭のメモリ不足が原因だったのか、まぁい
いや、理解できなくても死ぬわけじゃなし……、とおもっていたら、さらにイ
ンターネットの急速な普及でウェブページを自分でつくったりするようになる
と、いつまでも避けているわけにはいかない。
冒頭に
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=ISO-2022-JP">
などと書いてHTML文書の文字セットを書く。
シフトJISならcharset=Shift_JISだし、EUCなら=EUC-JP、中国語(簡体字)は
=GB_2312-80、中国語(繁体字)は=Big5、朝鮮語は=EUC-KR、ユニコードは=UT
F-8、などなど。
ところがかなしいかな、文字コードの基本がわかってないと、お手軽な入門書
の格好をしたトンデモ本(この莫迦は、インターネット某なる某雑誌の Webペ
ージ作成テクニック特集!)に「charset=iso-2022-jp は自動判別の指定」と
堂々と紹介されているとそれを盲信していまいトンデモな目にあう。(注1)
文字コードはけっしてやさしくはない。文字コードのベテラン専門家であり、
新JIS規格をまとめる符号化文字集合調査研究委員会(JCS)のなかでも中心的
な役割をはたしているという著者が、この本の「はじめに」を「文字コードは
ややこしい」と書き出しているほどだから、やっぱりむずかしいのだ。
で、第1章「文字コードとは何か」はわずか2ページ半でまとめられ、そのあ
と、第2章「世界の文字コード」第3章「漢字コード」第4章「UnicodeとISO
10646」第5章「常用漢字と漢字コード」と、話はどんどんすすんでいく。
「本書は、このややこしい文字コードを、とにもかくにもまとめてみたのであ
る。元々は大学あるいは大学院での教科書を目指したもの……」で、「世界の
文字コードを知りたいという向きには、本書をすべて読んだうえ、巻末の参考
規格も読破して、文字コードのディープな世界に浸ってほしい」と「はじめに」
を結んでいるぐらいだから、わかりやすいぬけ道(?)などどこにもなく、ど
うしてもむずかしいものと肚をくくることである。
なぜ肚をくくらなければいけないかというと、規格も読まずにあれこれお手軽
に批判し、またお手軽批判を入門書がわりによんで「洗脳」されてしまうと、
デマゴーグたちのマインドコントロールから解放されるのもまたやさしくはな
いからだ。
いわく、3画と4画のくさかんむりを包摂するような「なんでもありの規格で
は、学術分野はもちろん、電子署名でも大変な混乱がおこる」、JIS のように
「使用頻度で文字を選定するという思想は、技術が未発達で、コンピュータの
影響力が限られていた時代には有効だった」が「使用頻度が低くとも、特定の
分野で絶対に必要な文字というのはあるのである」、あげくのはてに、新 JIS
の実施は「文字化けの嵐」で「薬害エイズに匹敵する犯罪行為」だし「最低五
年間は凍結すべき」とまでいわれる(この莫迦は「ほら貝」の某氏!)と、規
格書自体を読んでいない読者のなかには、反JIS の「義憤」にかられて「なん
でそんな工業団体に、勝手に文字を作る権限があるのだ」と怒り出す方も出て
くる。(注2)
どこかでだれかがいってたけれど、学問の道はけっして平坦ではなく、自分で
勉強する以外にないということなのである。勉強しようと思えば、すべて「わ
かってしまう」お手軽本は実はなんの役にも立っていなかったり、ひょっとす
るとウソに満ちていたりするので、買ってはいけないのである。本書のような、
やさしくはないけどほんものの本をくりかえしくりかえし学ぶ以外にないので
ある。
ほんとうにいい本は、一度読んでもすべて「わかったつもりになる」ようなも
のではなく、実地の仕事と生活のなかで問題にぶつかったときに「あぁそうい
えば、あの本のどこかに書いてあったな」と思いおこすことができれば、「わ
かる」ところまであと一息のところまで来ているのだ。
ひとりの人間の頭のメモリには限りがあるけれど、それぞれのことがらについ
て、どこに書いてあるかという引き出しの知識(カンといってもよい)を持つ
ことによって、メモリは拡張できるのだ。必要なときにすぐ引き出せるために
は、いつでも参照できるように本を手元に置いておく必要がある。
とすると、やっぱり本はカッコいいものでないといけない(デザインの存在意
義!)。この本はその要件も十二分に満たしている。カッコいいのである。と
てもLaTeX で組んだとは思えず(失礼!)、とても大学出版部の専門書だとは
思えない(失礼!)。
LaTeX で、ほとんどできあいのスタイルファイルのままなにひとつ工夫がない
本、何の楽しさもカッコよさもない専門書というイメージがつよいのは、けっ
して私だけの偏見ではないだろう。専門書や人文書の衰退には大学出版部や出
版社自身の本づくりに対する意識の低さに起因するところが小さくはないと私
は思っている。
いずれにしてもカッコいいのである。持ち歩きたい気分になる本である。ケン
・ランディの『Understanding CJKV Information Processing 』とほぼ同じ大
きさのB5変形で、本棚にならべてうっとりとながめていると気分がいい。ただ、
そのままだと少しもかしこくなれないので、ときどきひっぱりだしてきて読む。
少しずつ読みすすめる。そうして少しは文字コードのことがわかるようになっ
てくると、本を買ってよかったとうれしくなるのである。
まえおきばかりで、書評というよりコマーシャルになってしまったが、これは
買い、なのだということがいいたいのである。
(注1)正確な知識は次のデータを参照のこと。
ftp://ftp.isi.edu/in-notes/iana/assignments/character-sets
(注2)批判にもなってない反JISのウソについては次の論文を参照のこと。
豊島正之「JIS漢字批判の基礎知識」1998
http://jcs.aa.tufs.ac.jp/mtoyo/
■文字コードの世界
B5変形並製208ページ、漢字コードCD-ROM付
定価:本体3600円+税
1999年9月30日発行--------9月1日には大手書店店頭に出る
著者:安岡孝一・安岡素子
発行:東京電機大学出版局
デザイン:鈴木一誌・鈴木朋子
企画協力:前田年昭
印刷:三美印刷
LaTeX組版:安岡孝一・松崎修二
製本:徳住製本所
東京電機大学出版局
http://www.dendai.ac.jp/press/
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■展覧会案内
クロスコピーライト・グループワーク展「mixsix」
web上での期間限定企画展。只今開催中!9月14日まで
───────────────────────────────────
自分自身の経験上、学生の頃、課題作品等で扱う「コラージュ」と言うテーマ
は、カッターで写真やイラストを切り抜き、ペーパーセメントで貼り付けとい
う、非常にアナログ的手法によるものであり、作品を仕上げるまでの過程も失
敗の許されない一方通行的なものでした。
やがて、時代はMac の急速な個人ユーザへの普及に代表されるように、個人で
も容易にデジタルで制作されたグラフィックを扱えるようになり、作品の数、
質や完成度、そして制作過程も随分と変わりました。
そうした変化にあって、この「コラージュ」ほど“CGであればこそ”というメ
リットを感じさせる作品の制作手法もなかったと思います(これは企画者が意
図した事かどうかは定かじゃないですが)。
改めて言うまでもなく、作品づくりと言うものは常に試行錯誤の連続です。実
際に紙の上でコラージュを行なうと、一度切って貼ってしまったものは後に戻
ることができず、それをベースにまた制作は続けられます。
が、CGはその途中途中の制作作品の時間軸を自由に行き来できますし、コラー
ジュのようにカットする場合でも、同一の素材で永久的に何度でも色やカタチ
の試行錯誤を吟味できます。また江川氏も述べているように、画像を加工する
事による作品の劣化も生じません。
考えれば考える程、メリットは他にも色々見つけれると思うのですが、今回の
企画展はいろんな意味で、波紋を投げかけた試みだと思います。
また、今回の企画展自体とは、少し話がかけ離れるのですが、同時に手軽にこ
うした作品を作れてしまう今の状況にあって、自分達一人一人がデジタルデー
タで作品を制作し、表現する事に対してもっとシビアに見つめ直す必要もある
ようにも思います。
僕自身、WEBデザインという業界に身をおいて仕事をさせてもらっていますが、
CGを扱いはじめた頃から、また今でも自分自身に言い聞かせている言葉があり
ます。
「凄そうなモノは簡単に作れる。凄いモノは簡単に作れない」
見せ掛けだけの派手さや、きれいさ流麗さだけを売りにに終始しているCG作品
を見ると、一見、凄そうなんだけど、中身が伝わってこない、メッセージが伝
わってこない、そんな寂しい思いにさせられることがしばしばです。
こうした事は、今後この業界を目指して入ってこられるクリエイターさん方に
も是非、意識してもらいたい部分だと思います。
今後も自分に真摯に向き合って自分の仕事をやって行こうと思います。
細川太郎 (タロヲ)taro hosokawa
taro@idgtokyo.co.jp
i-taro@docomo.ne.jp
http://www.idgtokyo.co.jp/apoc/
「mixsix」web上での期間限定企画展。只今開催中! 9月14日まで。
http://www.babybunny.org/mix6/
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■柴田のこねた
うどんといえば「MapFan Web」
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地図が大好きである。地図と時刻表があればしばらく時間つぶしはできる。し
かし、いまはつぶしたい時間がないのである。インクリメントP株式会社のイ
ンターネット地図検索サービス「MapFan Web」(http://www.mapfan.com/)を
ときどき使うが、ここから情報メールマガジン「 MapFan ぱる」が毎月第1、
第3火曜日に発行されている。
8月17日発行の8号に<【うどん論争】ついにweb 化!「うどんどう?」>と
いう記事があった。タイトルの『うどんどう?』というのはサブ~イ回文。
関東地方と関西地方の「きつね」「たぬき」の呼び方について「MapFan ぱる」
でウッカリまちがった記載をしてしまい、読者からヒナンゴーゴー、改めて掲
載した分では、「そば」と「うどん」を逆に記載するという運命のイタズラ的
ミスで、再びヒナンゴーゴー。それを正した自信の完全版を掲載したら、今度
は京都はそうじゃないと抗議が出て、とうとうメールマガジンにはおさまりき
れず、Webページができちゃった、という話。「『うどんといえばMapFan Web』
を目指すのも悪くないと思っています」とのこと。
うどんの呼称というのはまことに重要な問題であり、関東と関西でビジネスす
る人は絶対に知っておかなければならないことである(ト思うけど)。ちなみ
に私の妻は関西出身だが、全然そんなこと無関心で、なんといっても麺類はラ
ーメン、そして東京ラーメンがラーメンの基本だと言っている。
http://www.mapfan.com/pal/udon/
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■編集後記(8/24)
・おかしい。ツクツクホーシやヒグラシの声が聞こえない。いつもの夏は、お
盆ごろにはツクツクホーシがせわしなく鳴いて、夏休みももうすぐ終りだと知
らせるのだったし、朝夕は遠くからヒグラシがカナカナと物悲しく鳴くもので
あった。しかし、今年はまだ聞かない。生態系が変わっていなくなってしまっ
たのだろうか、少なくとも浦和市南部では。彼らが鳴かないと秋は来ないのだ
が。ところで、大阪の蝉がやかましいのはクマゼミが多いからだと、蚊やゴキ
ブリ、カメレオンなどに強い大阪のクリエイターが教えてくれた。(柴田)
・時間ない~。明日へゴー。(hammer.mule)
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発行 デジタルクリエイターズ
<http://www.dgcr.com/>
編集長 柴田忠男
デスク 濱村和恵
アソシエーツ 神田敏晶
森川眞行
情報提供・投稿・プレスリリース・記事・コラムはこちらまで
担当:濱村和恵
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★等幅フォントでご覧ください。
★【日刊デジタルクリエイターズ】は無料です。
お友達にも是非お奨め下さい (^_^)
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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.shohyo.co.jp/nagesen/ <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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★日刊デジクリは、まぐまぐ<http://rap.tegami.com/mag2/>、
Macky!<http://macky.nifty.ne.jp/>、Pubzine<http://www.pubzine.com/>の
システムを利用して配信しています。
Copyright(C), 1998-1999 デジタルクリエイターズ
許可無く転載することを禁じます。
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「effects宣言」
猪股裕一 MdN代表/effects編集長
───────────────────────────────────
7月下旬に新雑誌「effects」を創刊した。1989年冬に「MdN」を創刊して以来、
久しぶりの編集長に返り咲いた。
そういえば「MdN 」を創刊してしばらくしたころ、ある編集長様が取材に来て
「なんでもDTPで出来ると思っているのか? いろんなことがDTPでは出来ない
じゃないか」と言われ、彼が出した雑誌に「ほんとうにマックは出来るんだろ
うか?」と、やけに辛辣な口調の出だし宣言で始められていたのをとてもよく
覚えている。その方は今、デジクリの編集長をされているが。
まぁそれ以来、「ページメーカー」「クォーク」「イラストレーター」「フォ
トショップ」と、マックによるDTP は熱狂的な勢いでデザイナーに受け入れら
れ、普及してしまった。やはり「してしまった」というのは正しいだろう。そ
れくらい度重なるバージョンアップは、行きつくところまで行ってしまった観
がある。行き過ぎた結果、「3.3」で満足し、だれも「4」には乗り換えなくな
ってなっているのが象徴的だ。
それにしても、今マックのDTP 系グラフィックソフトは閉塞感が覆っている。
たぶん「今度のソフトは何々が出来る」の時代は去り、本当のクリエイティブ
な時代に入ったということなのだろう。
本当のクリエイティブな時代だからこそ、クリエーターは「動くもの」をデザ
インしたいと思ってる、と私は信じている。だから「effects」を創刊した。
「ファイアーワイヤー」の可能性が、デスクトップビデオの時代をもたらすか
もしれない。でも一口に「動くもの」と言っても分野は広い。映画、テレビ、
CF、ビデオ、ゲーム、アニメなどなど、それぞれ専門分野として存在する。し
かも、それぞれが専門分野なので、手法や解像度などが微妙に異なる。
またプリプロ、プロダクション、ポスプロと区分けされていたりする。そして、
大きなプロジェクトチームが全体像を把握するコミュニケーションの原点が、
ストーリーボード(絵コンテ)だ。
創刊号でハリウッドの特撮系を多数取材したが、そこでも絵コンテからグワッ
シュ(不透明水彩)によるドローイングありきという現状をみた。日本では9
月にロードショーされる「マトリックス」でも、素晴らしい手描きの絵コンテ
からシーンは構築されている。この映画は「スター・ウォーズ」よりずっと面
白いこと請け合いだ。
「effects 」はデジタルで「動くもの」を話題の中心に、決して技術主体にな
らず、「ストーリーテリング(物語性)」を重視し、クリエイティブマインド
を全面に押し出した、想像力を刺激する「かっこいい」雑誌を目指す。無謀に
も、全ページCTPで印刷にもチャレンジしている。
次号は10月下旬を予定している。乞う、ご高覧。
MdN Graphic Server
http://www.MdN.co.jp/
effects web
http://mgs:renewal96@www.MdN.co.jp/mgs96/
●創刊号のおもな内容
・Creators in US
デジタルに踊らされず、すべてはハンド・ドローイングから始まる。
緻密なプロジェクトがそこにあった。
・デジタル化された日本のアニメ ―― 2D+3D
・丹修一氏インタビュー
・ストーリーテリングのためのビジュアルコミュニケーションツール
ミュージッククリップ=After Effects/ゲームオープニング=LightWave 3D/
キャラクターの演出=3D Studio Max/人物の表現=Shade Professional
・Windows NT-Based Workstations
3D+ノンリニアのためのNTマシンセレクション
映像の最先端技術/ゲーム制作の奥底/映像と音声の関係/デジタルのための
アナログ知識/ 著作権についても知っておこう/DV 機器から映像に入ってみ
る/関連製品の動向/ おすすめビデオ・サントラ
定価(本体:1,800円+税)
A4変型版 168頁
・ははは、わたしの過去の姿を公開されるとは思ってもみなかった。たしかに
アンチDTP、アンチMacを標榜する「スーパーデザイニング」を創刊したのはわ
たしです。そして、1年後にはMacDTP推進に宗旨換えして笑われたのもわたし
です。エネルギーが膨大にかかるのが、雑誌の創刊です。さいわい猪股さんは
わたしよりずっと若いから、徹夜なんかへっちゃらでしょう、きっと。だから
前人未到の、雑誌をCTPでつくるなんておっかないこともやっちゃうんですね。
次は、CTPの雑誌作りについて聞かせてもらいたいと思います。(柴田)
───────────────────────────────────
■新刊案内 安岡孝一・安岡素子著「文字コードの世界」
「文字コードの世界」を読んで無教養な“反JIS”感情論を清算しよう!
前田年昭(ライン・ラボ)tmaeda@linelabo.com
───────────────────────────────────
パーソナルコンピュータの普及は、一般ユーザーにいやがおうでも文字コード
の理解を要求する。私自身も、はじめはとっかかりのビットやバイトの説明か
らすでにお手上げ状態だったのは、頭のメモリ不足が原因だったのか、まぁい
いや、理解できなくても死ぬわけじゃなし……、とおもっていたら、さらにイ
ンターネットの急速な普及でウェブページを自分でつくったりするようになる
と、いつまでも避けているわけにはいかない。
冒頭に
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=ISO-2022-JP">
などと書いてHTML文書の文字セットを書く。
シフトJISならcharset=Shift_JISだし、EUCなら=EUC-JP、中国語(簡体字)は
=GB_2312-80、中国語(繁体字)は=Big5、朝鮮語は=EUC-KR、ユニコードは=UT
F-8、などなど。
ところがかなしいかな、文字コードの基本がわかってないと、お手軽な入門書
の格好をしたトンデモ本(この莫迦は、インターネット某なる某雑誌の Webペ
ージ作成テクニック特集!)に「charset=iso-2022-jp は自動判別の指定」と
堂々と紹介されているとそれを盲信していまいトンデモな目にあう。(注1)
文字コードはけっしてやさしくはない。文字コードのベテラン専門家であり、
新JIS規格をまとめる符号化文字集合調査研究委員会(JCS)のなかでも中心的
な役割をはたしているという著者が、この本の「はじめに」を「文字コードは
ややこしい」と書き出しているほどだから、やっぱりむずかしいのだ。
で、第1章「文字コードとは何か」はわずか2ページ半でまとめられ、そのあ
と、第2章「世界の文字コード」第3章「漢字コード」第4章「UnicodeとISO
10646」第5章「常用漢字と漢字コード」と、話はどんどんすすんでいく。
「本書は、このややこしい文字コードを、とにもかくにもまとめてみたのであ
る。元々は大学あるいは大学院での教科書を目指したもの……」で、「世界の
文字コードを知りたいという向きには、本書をすべて読んだうえ、巻末の参考
規格も読破して、文字コードのディープな世界に浸ってほしい」と「はじめに」
を結んでいるぐらいだから、わかりやすいぬけ道(?)などどこにもなく、ど
うしてもむずかしいものと肚をくくることである。
なぜ肚をくくらなければいけないかというと、規格も読まずにあれこれお手軽
に批判し、またお手軽批判を入門書がわりによんで「洗脳」されてしまうと、
デマゴーグたちのマインドコントロールから解放されるのもまたやさしくはな
いからだ。
いわく、3画と4画のくさかんむりを包摂するような「なんでもありの規格で
は、学術分野はもちろん、電子署名でも大変な混乱がおこる」、JIS のように
「使用頻度で文字を選定するという思想は、技術が未発達で、コンピュータの
影響力が限られていた時代には有効だった」が「使用頻度が低くとも、特定の
分野で絶対に必要な文字というのはあるのである」、あげくのはてに、新 JIS
の実施は「文字化けの嵐」で「薬害エイズに匹敵する犯罪行為」だし「最低五
年間は凍結すべき」とまでいわれる(この莫迦は「ほら貝」の某氏!)と、規
格書自体を読んでいない読者のなかには、反JIS の「義憤」にかられて「なん
でそんな工業団体に、勝手に文字を作る権限があるのだ」と怒り出す方も出て
くる。(注2)
どこかでだれかがいってたけれど、学問の道はけっして平坦ではなく、自分で
勉強する以外にないということなのである。勉強しようと思えば、すべて「わ
かってしまう」お手軽本は実はなんの役にも立っていなかったり、ひょっとす
るとウソに満ちていたりするので、買ってはいけないのである。本書のような、
やさしくはないけどほんものの本をくりかえしくりかえし学ぶ以外にないので
ある。
ほんとうにいい本は、一度読んでもすべて「わかったつもりになる」ようなも
のではなく、実地の仕事と生活のなかで問題にぶつかったときに「あぁそうい
えば、あの本のどこかに書いてあったな」と思いおこすことができれば、「わ
かる」ところまであと一息のところまで来ているのだ。
ひとりの人間の頭のメモリには限りがあるけれど、それぞれのことがらについ
て、どこに書いてあるかという引き出しの知識(カンといってもよい)を持つ
ことによって、メモリは拡張できるのだ。必要なときにすぐ引き出せるために
は、いつでも参照できるように本を手元に置いておく必要がある。
とすると、やっぱり本はカッコいいものでないといけない(デザインの存在意
義!)。この本はその要件も十二分に満たしている。カッコいいのである。と
てもLaTeX で組んだとは思えず(失礼!)、とても大学出版部の専門書だとは
思えない(失礼!)。
LaTeX で、ほとんどできあいのスタイルファイルのままなにひとつ工夫がない
本、何の楽しさもカッコよさもない専門書というイメージがつよいのは、けっ
して私だけの偏見ではないだろう。専門書や人文書の衰退には大学出版部や出
版社自身の本づくりに対する意識の低さに起因するところが小さくはないと私
は思っている。
いずれにしてもカッコいいのである。持ち歩きたい気分になる本である。ケン
・ランディの『Understanding CJKV Information Processing 』とほぼ同じ大
きさのB5変形で、本棚にならべてうっとりとながめていると気分がいい。ただ、
そのままだと少しもかしこくなれないので、ときどきひっぱりだしてきて読む。
少しずつ読みすすめる。そうして少しは文字コードのことがわかるようになっ
てくると、本を買ってよかったとうれしくなるのである。
まえおきばかりで、書評というよりコマーシャルになってしまったが、これは
買い、なのだということがいいたいのである。
(注1)正確な知識は次のデータを参照のこと。
ftp://ftp.isi.edu/in-notes/iana/assignments/character-sets
(注2)批判にもなってない反JISのウソについては次の論文を参照のこと。
豊島正之「JIS漢字批判の基礎知識」1998
http://jcs.aa.tufs.ac.jp/mtoyo/
■文字コードの世界
B5変形並製208ページ、漢字コードCD-ROM付
定価:本体3600円+税
1999年9月30日発行--------9月1日には大手書店店頭に出る
著者:安岡孝一・安岡素子
発行:東京電機大学出版局
デザイン:鈴木一誌・鈴木朋子
企画協力:前田年昭
印刷:三美印刷
LaTeX組版:安岡孝一・松崎修二
製本:徳住製本所
東京電機大学出版局
http://www.dendai.ac.jp/press/
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■展覧会案内
クロスコピーライト・グループワーク展「mixsix」
web上での期間限定企画展。只今開催中!9月14日まで
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自分自身の経験上、学生の頃、課題作品等で扱う「コラージュ」と言うテーマ
は、カッターで写真やイラストを切り抜き、ペーパーセメントで貼り付けとい
う、非常にアナログ的手法によるものであり、作品を仕上げるまでの過程も失
敗の許されない一方通行的なものでした。
やがて、時代はMac の急速な個人ユーザへの普及に代表されるように、個人で
も容易にデジタルで制作されたグラフィックを扱えるようになり、作品の数、
質や完成度、そして制作過程も随分と変わりました。
そうした変化にあって、この「コラージュ」ほど“CGであればこそ”というメ
リットを感じさせる作品の制作手法もなかったと思います(これは企画者が意
図した事かどうかは定かじゃないですが)。
改めて言うまでもなく、作品づくりと言うものは常に試行錯誤の連続です。実
際に紙の上でコラージュを行なうと、一度切って貼ってしまったものは後に戻
ることができず、それをベースにまた制作は続けられます。
が、CGはその途中途中の制作作品の時間軸を自由に行き来できますし、コラー
ジュのようにカットする場合でも、同一の素材で永久的に何度でも色やカタチ
の試行錯誤を吟味できます。また江川氏も述べているように、画像を加工する
事による作品の劣化も生じません。
考えれば考える程、メリットは他にも色々見つけれると思うのですが、今回の
企画展はいろんな意味で、波紋を投げかけた試みだと思います。
また、今回の企画展自体とは、少し話がかけ離れるのですが、同時に手軽にこ
うした作品を作れてしまう今の状況にあって、自分達一人一人がデジタルデー
タで作品を制作し、表現する事に対してもっとシビアに見つめ直す必要もある
ようにも思います。
僕自身、WEBデザインという業界に身をおいて仕事をさせてもらっていますが、
CGを扱いはじめた頃から、また今でも自分自身に言い聞かせている言葉があり
ます。
「凄そうなモノは簡単に作れる。凄いモノは簡単に作れない」
見せ掛けだけの派手さや、きれいさ流麗さだけを売りにに終始しているCG作品
を見ると、一見、凄そうなんだけど、中身が伝わってこない、メッセージが伝
わってこない、そんな寂しい思いにさせられることがしばしばです。
こうした事は、今後この業界を目指して入ってこられるクリエイターさん方に
も是非、意識してもらいたい部分だと思います。
今後も自分に真摯に向き合って自分の仕事をやって行こうと思います。
細川太郎 (タロヲ)taro hosokawa
taro@idgtokyo.co.jp
i-taro@docomo.ne.jp
http://www.idgtokyo.co.jp/apoc/
「mixsix」web上での期間限定企画展。只今開催中! 9月14日まで。
http://www.babybunny.org/mix6/
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■柴田のこねた
うどんといえば「MapFan Web」
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地図が大好きである。地図と時刻表があればしばらく時間つぶしはできる。し
かし、いまはつぶしたい時間がないのである。インクリメントP株式会社のイ
ンターネット地図検索サービス「MapFan Web」(http://www.mapfan.com/)を
ときどき使うが、ここから情報メールマガジン「 MapFan ぱる」が毎月第1、
第3火曜日に発行されている。
8月17日発行の8号に<【うどん論争】ついにweb 化!「うどんどう?」>と
いう記事があった。タイトルの『うどんどう?』というのはサブ~イ回文。
関東地方と関西地方の「きつね」「たぬき」の呼び方について「MapFan ぱる」
でウッカリまちがった記載をしてしまい、読者からヒナンゴーゴー、改めて掲
載した分では、「そば」と「うどん」を逆に記載するという運命のイタズラ的
ミスで、再びヒナンゴーゴー。それを正した自信の完全版を掲載したら、今度
は京都はそうじゃないと抗議が出て、とうとうメールマガジンにはおさまりき
れず、Webページができちゃった、という話。「『うどんといえばMapFan Web』
を目指すのも悪くないと思っています」とのこと。
うどんの呼称というのはまことに重要な問題であり、関東と関西でビジネスす
る人は絶対に知っておかなければならないことである(ト思うけど)。ちなみ
に私の妻は関西出身だが、全然そんなこと無関心で、なんといっても麺類はラ
ーメン、そして東京ラーメンがラーメンの基本だと言っている。
http://www.mapfan.com/pal/udon/
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■編集後記(8/24)
・おかしい。ツクツクホーシやヒグラシの声が聞こえない。いつもの夏は、お
盆ごろにはツクツクホーシがせわしなく鳴いて、夏休みももうすぐ終りだと知
らせるのだったし、朝夕は遠くからヒグラシがカナカナと物悲しく鳴くもので
あった。しかし、今年はまだ聞かない。生態系が変わっていなくなってしまっ
たのだろうか、少なくとも浦和市南部では。彼らが鳴かないと秋は来ないのだ
が。ところで、大阪の蝉がやかましいのはクマゼミが多いからだと、蚊やゴキ
ブリ、カメレオンなどに強い大阪のクリエイターが教えてくれた。(柴田)
・時間ない~。明日へゴー。(hammer.mule)
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編集長 柴田忠男
デスク 濱村和恵
アソシエーツ 神田敏晶
森川眞行
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