[0419] 日本の電子ブック

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0419   1999/09/16.Thu発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 14010部
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 <デジタルヒーローってなんだ?>

●デジクリSPECIALコラム
 日本の電子ブック
 水無月 実

●デジクリトーク
 君もデジタルヒーローになろう!
 業界の担当者がこっそり教える、デジタルクリエータの新しい生きかた

●Webサイト情報
 ダウンロードショップ「ARTWEB」

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■デジクリSPECIALコラム
日本の電子ブック

水無月 実
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アメリカでは話題になっている電子ブックであるが、先日、幕張メッセで行わ
れた「World PC Expo'99」では、日本の電子ブックが見られた。今回はその話
題である。この展示会では電子ブックへの取り組みを展示していたのは、大手
印刷会社の凸版印刷株式会社、大日本印刷株式会社である。

凸版印刷は読書ビューア「Book Jacket1.1」を出展していた。これはパソコン
画面で本を読むためのアプリケーション「読書コンテンツ表示ソフトウェア」
である。このソフトウェアには、モニターで読書するための工夫が見られる。
フォントはアンチエリアシング処理が施され、フォントの縁が滑らかになって
いる。表示はもちろん、縦組みである。日本語禁則処理に対応しており、ルビ、
添字もある。このソフトウェアの最新版とその読書用コンテンツは、インター
ネット・ホームページから入手できる。

これまでの読書は、紙の上に印刷された文字を読むものと決まっていた。それ
がコンピュータのモニター、専用読書端末で液晶パネルに表示された文字を読
むとなると、かなり違和感がある。そこに表示される文字は未だに読み難く、
長時間の読書、長文の読書には向かない。これらの問題を最終的に解決してく
れるのは、本当にモニター、液晶端末の表示解像度の向上だろうか。

大日本印刷はインターネット上のオンライン書店「専門書の杜」を紹介してい
た。このオンライン書店の特長は検索機能の多彩さである。オンライン書店の
場合、通常の書店のように本棚に並んだ書籍が一瞥できるわけではない。そこ
で、望みの書籍が迅速、的確に検索できるかどうかが、利用のポイントである。
ここでは、ジャンル検索、書籍名、著者名、目次、内容説明までを対象とした
広範な「キーワード検索」ができる。また、検索した書籍の一部を読む、立ち
読み機能がある。

また、大日本印刷はインターネットでの「音のサービス」SSweb も紹介してい
た。ここでは朗読による文学作品、著名人の講演、対談、落語などのコンテン
ツが音声とテキストで提供される。これは本年4月以降、デモサイトが公開さ
れており、2000年には有料サービスとなる。このSSweb はこれまで文字でしか
なかった情報が音声で提供されるので、ハンディキャップを持った人々へも読
書の機会を広く提供することになる。

さらに、大日本印刷、凸版印刷は衛星放送(CSTV)を活用したサービスも展開
している。大日本印刷は視聴者に出版情報を提供する「BookTV」のチャンネル
を開いている。このチャンネルでは月曜から日曜までの毎日、朝10時から夜2
時まで、出版を軸にさまざまなテーマでの話題が放送される。そこには書籍、
出版関係のニュース、作家の素顔、対談、紀行もの、子供向けのバラエティ番
組などがあり、その内容は盛りだくさんである。

凸版印刷は「Jドキュメント750」というチャンネルである。こちらも月曜から
日曜までの毎日、こちらは朝5時から夜12時まで、「ドキュメンタリー」とい
う切り口での番組が放送される。コンテンツの発信を衛星放送にまで拡げてい
る試みは面白い。ここまでを印刷会社が取り組むからには、これまでにない日
本独自の展開が期待できる。

コンテンツパラダイス・ホームページ
http://conpara.topica.ne.jp/

Media Galaxy
http://www.market.ne.jp

専門書の杜
http://www.senmonsho.ne.jp

SSweb
http://ssweb.ne.jp

ブックティービー
http://www.d-booktv.com

Jドキュメント750
http://www.toppan.co.jp/multimedia/cs/

【みなつき・みのり】関西出身のライター。1990年初め頃からDTP の世界に入
り、現在はDTP、インターネット、マルチメディアと何でもあり状態。今回も、
メールは MMinatsuki@aol.comまで。

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■デジクリトーク
君もデジタルヒーローになろう!
<業界の担当者がこっそり教える、デジタルクリエータの新しい生きかた>

デジタルヒーロー向上委員会
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最近は、デジタルクリエータと呼ばれる方にも様々な方がいらっしゃいます。
その中でも一握りになってしまいますが、デジタルヒーローと呼ばれる一握り
の方々が存在します。毎日の制作にそろそろ飽きがでてきて、そろそろ自分の
スキルをアップしてみたい貴方は、ぜひデジタルヒーローへの道を目指してみ
ましょう。

・定義「デジタルヒーロー」とは何か

デジタルヒーローとはマーケティング用語では所謂(いわゆる)アーリーアダ
プター、あるいはエキスパートと呼ばれる、デジタルデザイン界の頂点に属す
クリエーターのことで、企業とユーザーの接点として活動してくれる人物のこ
とです(いま、私が勝手に命名しました)。当然の事ですが、日本印刷技術協
会が主催しているDTPエキスパートとは、まったく無関係ですのであしからず。

・デジタルヒーローになるためには

自らをデジタルヒーローと称することに、公的な資格等はまったく必要ありま
せん。しかし、周りにいる人(特にハードメーカーやソフトハウスのマーケテ
ィング系の人や、広告代理店のプランナーの人たち)が「あいつはデジタルヒ
ーロー」だよと認めてくれないと全然オイシくないので、自分をPRするための
幾つかのコツがあります。それではチェックしてみましょう。

・ルックス

美男美女である必要はありません。ただし普通にデザイナーをしている時より
写真が雑誌やWeb で紹介される可能性が高いため、徹夜4夜目のパンツをはい
たまま堂々とプレゼンに出かけちゃうようなことだけは注意しましょう。基本
的には、小綺麗にしているデジタルヒーローのほうが、成功している方が多い
ような気がします。

・キャラクター

「オレは作品がすべてさ、男は黙って…」風の硬派なデザイン野郎もそれはそ
れで結構ですが、そのような芸風を売り物にする場合、自分の意向を相手に伝
えてくれる相方が必要になります。

だいたいにおいてマーケティング担当者は、合理的な考え方を信条とする人が
おおいため、例えば2人でイベント協力しても、1人分の謝礼しか用意してい
ないことが普通です。分け前も減りますからあまりお薦めできません。

それでは、どんなキャラが喜ばれるかというと「達弁な人」です。ただし、何
でもかんでも自分の思ったことを口に出すと、街を歩いている特殊なお仕事の
方と変わらなくなりますんで、ご注意ください。

・上手にメーカーとつきあう

そうなっちゃうとメーカーと貴方の二人三脚がむずかしくなってしまい、せっ
かく貴方の苦労の甲斐も無く、破談になってしまうことも多いのでご注意くだ
さい。とくにこの症状は、デジタルヒーローとしてとりあえずデビューできた
人が、数カ月後にかかりやすいので「最近、依頼が少なくなってきたな」と感
じる人は、まめに自分の頭をウイルスチェックかけることをお薦めします。

すこし話が横道に逸れましたが、マーケティング担当者が求めているデジタル
ヒーロー像とは「公に対して、あまり自社製品をケナスことなく、観客を魅了
するテクニックを駆使してデモや作品づくりをしてくれるクリエータ」だと思
って間違いありません。

・デモのためのトレーニング

手だけ動いてしまう人は、今から喋りながら制作するクセをつけることをお勧
めします。ただしこの練習を徹夜仕事の最中に行うと、周りにいる同僚に「気
が狂った」と思われることがありますので、真夜中にするのはやめましょう。

さて、その練習方法ですが実に簡単です。使用するソフトは何でもかまいませ
ん。「その時に使用しているツールの名前」と、「自分はそのツールでどんな
ことをしようとしているか」を話せば良いのです。フィニッシュが近付いた段
階で、ときどき「うりゃ」とか気合いを入れる人もいますが、デモパターンに

リズムがうまれますのでオッケーです。

ただし、これは貴方がデジタルヒーローの場合に限ります。デモンストレーシ
ョンを生業としている方の場合「出向企業に、下品だと評されて派遣会社と契
約更新にならない」ことも十分考えられますので、こうした小技はTPO で使い
分けて下さい。

ところで、デジタルヒーローのデモンストレーションに求められる一番の技術
は危機回避能力です。なぜならメーカーが貴方に使ってほしいソフトは「ベー
タ版」と呼ばれるバグだらけのヴァージョンであることが多いからです。

突然マシンがフリーズしたり、やたら処理に時間が必要なコマンドをつかって、
延々と同じ画面を表示しっぱなしになっても、自分までフリーズしていてはデ
ジタルヒーロー失格です。小咄の一つでも覚えておいて、その後30分間は観客
を和ませるテクのひとつも習得しておくべきでしょう。もっともこの辺は場数
で覚えるしかありませんが、、

・作風

デジタルヒーローの作品はイベント会場だけではなく、紙媒体と呼ばれる雑誌
やカタログ、Web などの多岐にわたるメディアに紹介されます。ですから画面
上の効果だけではなく、印刷物にしたときにも見場の良い作品づくりに励みま
しょう。基本はCMYKで綺麗に印刷できる色遣いです。ただし、特色づかいをア
ピールしたいプリンターメーカーさんや、RGB での表現が命であるディスプレ
ィメーカーさんの場合は、その限りではありません。

そして作風ですが、アートっぽくてももちろんOKです。ただし、何を表現して
いるかが理解できない暗い作風はあまり好まれないようです。一目でわかるよ
うな表現が良いかもしれません。作風の切り替えをお考えでしたら、最低でも
特定のバージョンのサイクルに合わせるようにするのが良いでしょう。具体的
にいえば、一般的なソフトは出荷後14カ月ぐらいで、次のバージョンが発表さ
れることが多いようです。

・探究心と資金

デジタルクリエータは「新しいもの好き」でなければなりません。そのための
出費は、普通のクリエータとくらべるとケタはずれにおおきいようです。です
からメーカとなるべく仲良くして、必要なものは相手に揃えてもらうようにし
ましょう。ただし、自分の仕事と明らかに関係のない製品を、何回もネダると
担当者から陰で嫌われますので注意してください。

・コネ

まあ、このへんが成功への一番のポイントでしょう。自分を上手にアピールす
ることは本当に大切だと思います。日頃はクライアントのために使っている貴
方の才能を、こんときばかりは100 %活用して、自分を売り込んでください。
ただし、この手の担当者は非常に忙しいことが多いので、しつこい営業は逆効
果であることも……。きちんとしたポートフォリオを何かのパーティに持ち込
むなど、スマートな方法がいいかもしれませんね。

以上、この文章は半分フィクションです。これをヒントに立派な「デジタルヒ
ーロー」になってくださいね。

筆者:どこかの業界関係者…ご縁があったらお会いしましょう(^^;)

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■Webサイト情報
ダウンロードショップ「ARTWEB」
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デジタルコンテンツ制作会社の株式会社シフカは、先ごろグラフィック系デジ
タルコンテンツを中心に扱うオンラインショップ「ARTWEB」をオープン
した。「ホームページ素材集」や簡単にシールが作れるソフト「プリプリまろ
ん」などのお馴染みの同社商品に加え、プリントするだけで使えるポストカー
ドデータやカリグラフィーデータ、アイドル写真集などを販売。

人気アーティストやプロのデザイナーが制作したコンテンツをその場でGET で
きる仕組み。支払い方法は各種そろっているが、アイテムはまだ数が少ない。

「今後、さらにラインナップを充実させて、グラフィック系のコンテンツなら
『ARTWEB』と認知されるよう、またユーザの要望に応えられるソフトウ
ェア開発と流通環境を実現出来るよう、まだまだ手探りながら懸命の努力をし
たいと思います」と社長の長田智行さん談。アーティストの参加を歓迎するそ
うだ。オンラインでデータを販売してみたい人はシフカにアクセス。

ARTWEB
http://www.artweb.co.jp/
sifca
http://www.sifca.com/

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■編集後記(9/16)
・別冊宝島のB5判「よみがえる幕末伝説」なるスカスカ本を読む。唯一の得る
ところは早乙女貢「会津志魂」と佐藤雅美の本を読んでみようかというキッカ
ケを与えられたところか。早乙女はいわゆる左翼作家だからトいままで敬遠し
ていたが。損脳上位(またことえり君は。尊皇攘夷でしょ。ATOKの方がエライ)
の獅子(また。志士でしょ)の志のなさ、ボロクソ。司馬遼とはまったく違う
史観、なるほどと納得もできるし、そこまでゆうかってところもあるが、それ
なりに面白い。しかし文庫1冊720 円って非道だ(もっと厚い「ガラスの仮面
23」だって600円だ、ん? 比較が極端か?)。読書は楽し。(柴田)

・赤が好きだ。子供の時から赤色が好きで、お箸もかばんも赤だった。黒と赤
と銀と白。そういうものが基本で、緑や茶やぬいぐるみにあるような暖かい色
が加わる。午前中の空の色、青もいいな。(hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ
     <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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 担当:濱村和恵
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