[0531] デスマッチツアーをやっている理由

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0531   2000/02/15.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 15222部
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 <色なら「山形りんごのヘタの周り」って感じ>

■デジクリトーク「月刊・森川2月号」
 デスマッチツアーをやっている理由
 森川眞行

■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 00021(2/15)
 夢の饗宴者?
 川井拓也

■デジクリトーク
 「緑色の坂の道」-甘く苦い島- 1.
 北澤浩一

■デジクリトーク 「眠ル繭」制作楽屋落ちシリーズ 
 グラフィッカーは電気マグロの夢を見るか 
 もしくは、とあるグラフィッカーの悩み -3
 北田信明


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■デジクリトーク「月刊・森川2月号」
デスマッチツアーをやっている理由

森川眞行
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今月はセミナーで喋ってばかりの1 カ月だ。デジクリでも何度か紹介していた
だいた「デスマッチセミナー」をはじめとして、MACWORLD Expo ではマクロメ
ディアのブースで1 日何度もデモを行うことになっている。その期間は幕張メ
ッセ近辺にホテルに監禁されている状態だ。

2 月のスケジュールを見ると、北から順番に札幌/山形/仙台/東京/金沢/
名古屋/大阪/尼崎/広島/福岡…とトンでもないスケジュールが組まれてい
る。というか自分で組んだスケジュールなので本当に我ながら呆れてしまう。
でも、結局好きなんだねプレゼンするのが。

デスマッチセミナーというのは昨年の夏、mACademia の中西さん*と冗談で話
していた内容が本当に実現した僕のオリジナルイベントだ。それまでに何度か
Fireworks のデモを行ってきたのだが、ボク自身がこのソフトウェアに対して
思い入れがあるので、どのセミナーでも自分自身が消化不良になってしまって
いた。通常のセミナーってのは60分から90分。その中で1 本のソフトの解説す
るには無理がある。それならば徹底的に喋るぞ! と5 時間連続のセミナーを
企画したのがきっかけだった。

最初の会場は mACademia で使用している阪急のエコルテホール。定員120名と
いう比較的大きな会場だ。有料セミナーだけど大丈夫かな? と心配していた
のだが、Web に告知して4 日目には満席になってしまった。一番びっくりした
のは本人だ。今までにも何度かイベントを企画したことがあるが、そのいずれ
も問題になるのは集客だったから。だからイベントの告知は雑誌などの掲載を
考慮して、3 カ月前には仕様を決定しておく。しかしこのデスマッチセミナー
は開催の2 週間前に打合わせをして、それで問題なく運営できてしまった。や
はりインターネットの効果はすごいなあ…と実感している。

とはいうものの、本当はこんな「いきあたりばったり」の企画が果たしてよい
のかどうか、ボクにはわからない。だけどソフトの進化があまりにも早い状況
のなか、解説本を執筆するよりは、一日も早く新しいソフトが持っている可能
性を多くに人に伝えたいと思うから、結局こうなってしまうのだ。

昨年は、そのデスマッチセミナーが好評で、札幌/仙台/東京/名古屋でデス
マッチセミナーを行った。おかげさまで、どの会場も満席で好評であった。

そんなワケで、今年の2 月は昨年の夏に引き続き、デスマッチを実施すること
にした。本当に1 日でも早くソフトを使いこなして、多くのWeb クリエイター
の役にたてれるように。そして昨年のデスマッチを反省することもなく、今年
のデスマッチはさらに無謀なスケジュールで、全国をツアーすることになった。

その多くは昨年、イベントでお世話になった関係者の方々に一方的にメールを
送りつけて「デスマッチがやりたいので、なんとか協力してね」という不幸の
手紙ならぬ、迷惑メール状態でスタートしている。そうデスマッチセミナーの
ほとんどは、イベントのプロフェッショナルが関与することなく、慣れない方
々に多大な迷惑をかけて行われているのが現状なのだ。

しかし、その多くの方々が、ふたつ返事で了承してくだって、必死にイベント
の成功に向けて動いているには本当に頭が下がる。

ボクがデスマッチセミナーを行っているのは、直接ユーザーのみなさんの顔が
見れることだ。ボクはインターネットでビジネスを開始してから、ある意味で
大きな数字に慣れてしまっていた。御存じのようにボクのWeb サイトには素材
集の定番としての「G-TOOL」というコンテンツがあり、1 日20万ヒット、5 万
ページビューを記録している。

この日刊・デジタルクリエイターズもいつのまにか、発行部数が15000 部とい
う大きなメディアになってしまっている。けどボクにはまだ15000 人という数
字の実感がない。読者の方がすべて集まったら、コンサート会場とかスポーツ
観戦くらいの規模になるのだろうね。けど、こうしてデジクリの原稿を書いて
いても、15000人のそれぞれの顔なんて全く見えてこない。

ところが、デスマッチセミナーで100 人集まると、これはすごい熱気だ。どの
会場でも参加者の真剣な視線をひしひしと感じている。5 時間やることがデス
マッチではなく、参加者の熱意に応えていけることがデスマッチなんだと思っ
ている。そのエネルギーってのは、喋っているボクにしか解らないだろうな。
ある意味で、とてもよい経験をさせてもらっていると感謝している。

昨年、いろいろな会場でセミナーを行ったが、どの土地に行ってもその熱気を
感じた。みんな必死なんだ。中にはプロのクリエイターではない方も多く来ら
れる。例えばネットショップの店長さんたち。彼等はプロのクリエイターでは
ないが、本気でインターネットビジネスを考えている人たちだ。彼等にとって
Web は店鋪なのだ。大事な仕事の現場だから必死になってデザインを学ぼうと
している。こんな連中を前にいい加減なセミナーをするワケにはいかない。い
つも真剣勝負だからこそ、ボクも学べるものが多い。

そう、デスマッチツアーをやっている理由はここにある。ボク自身がみなさん
のエネルギーを吸収したいから…。そして日本中を回り、それぞれの地域で感
じたことをまたフィードバックしたいと思っている。自分自身のため。みんな
のために。必殺業と隠し玉満載のデスマッチなのだが、やっている最中に新し
い TIPS を発見してしまうのも、デスマッチセミナーのオイシイところ。みん
なの前で疑問に思ったことはすぐ実行。これも自分のため(笑)。

もちろんどの会場でも同じ内容でやっているつもりだが、ツアーが続くとその
中で必殺業をあみ出してしまうのだ。なんか、すごくライブだなあ(^_^)

昔、矢野顕子が「出前コンサート」という企画で、カラダひとつで日本中どこ
でも行ってコンサートをやっていたが、今回のデスマッチではそれを思い出し
た。実際に今回のデスマッチの告知で「日本中どこでもリクエストがあれば行
きます」とコメントしたところ、さっそく金沢のデジクリの読者からメールが
来て、デスマッチ企画が実現した。

もちろんその読者の方はイベント運営の経験もなく、フツーの方である。けど、
金沢でデスマッチを! という熱意だけで、企画は進んでしまった。会場探し
も交渉事も「素人さん」の読者の方が熱心に行ってくれた。本当に頭が下りっ
ぱなし。果たして金沢という場所でデスマッチセミナーを開催しても、お客さ
んが来てくれるのかどうか? さっぱりわからない。ひょっとしたら、大失敗
に終わるかもしれない。けどボクはやる。ボクはやるのだ。

思えば、関西DTP 協会にしてもWeb デザイナー宣言にしても、G-TOOLやデジク
リ…何か新しいことを始める時は、いつも無謀だ! と言われ続けてきた森川
さんなのである。でも、もう慣れてしまった(慣れていいのかっ?)。それに
やってみなくちゃ解らないじゃん(そんなことでいいのかっ?)。

机の前に座って、インターネットを使って情報を発信すること。その可能性は
ボク自身十分に理解している。そんな中で日帰りスケジュールで日本中を旅し
て、ひとりひとりに向けての情報発信ってのは、今のインターネットとはまっ
たく逆の考え方なのだろう。

けど、ボクはやってよかったと思っている。まだまだデスマッチツアーも半分
くらいだけど、十分に手ごたえを感じている。きっとこの経験は今後のインタ
ーネットビジネスに大きなチカラとなって戻ってくるだろうと信じている。

ボクが最初にデジクリをやりはじめた時に思ったのは、もっともっと個人に語
りかけるような媒体を作ってみたかったことだった。今回のデスマッチツアー
は、さらに個人に対して顔を突き合わせて物事を伝えようとしている。もう逃
げも隠れもできない。誤魔化している場合ではないのだ。

そうそう、セミナーをやってみて参加してくださる方々の多くはデジクリの読
者であることも、デスマッチセミナーの特徴のひとつだね。みんな同じ悩みを
抱えているから、会場ではもっと横のつながりを大切にして、名刺交換を積極
的にしましょうね(^_^)

やっている本人は、日本中旅をしてもほとんどが日帰りという強行スケジュー
ルで、各地で名所めぐりをしている時間なんてほとんどない。それでも旅は続
くよ。

それとまだはっきり決まっていないのだけど、ロサンゼルスにいるデジクリの
読者からデスマッチをしませんか? というメールをもらった。すでに会場の
手配や広報の手段はあるのだとか…すっげー! いよいよデスマッチもワール
ドワイドな展開ですな~(ほんまか)

それにしても、最近は5 時間のデスマッチでは時間が足りなくなってきている。
実際にボクにとって5 時間喋り続けることは、全然苦痛でなくなってしまった。
そおゆう意味ではちっともデスマッチになっていない(笑)。やるならとこと
んやる! 解ってもらうまで徹底的にやりたい、と思うのがボクの考え。いつ
か24時間耐久セミナーでもやろうかしら。

そんなわけで、今月はデスマッチツアーで日本中を旅しています。詳しい情報
とお申し込みはこちらまで。
<http://www.siliconcafe.com/event/2000/index.htm>

*mACademia(まかでみあ)--関西で定期的に開催されているMacintosh ユーザ
ーに向けてのイベント。最近はMacintosh だけでなく、Web を中心とした最新
のテクノロジーを多く紹介している。
<http://www.mACademia.org/>

【もりかわまさゆき】
Webデザイナー。まだ1 年もたっていないのに、僕のPowerBook G3 の外見はボ
ロボロになってしまった。先日福岡のデジハリの田中さんに「戦闘後の傷跡み
たいでいいですね」と言われた。まだ戦闘中だけどね (^_^)。クラッシュのジ
ョー・ストラマーのテレキャスみたいだ。本当に戦友って感じでコイツには感
謝している。
http://www.siliconcafe.com/



■連載「ip2000」プロジェクト奮闘記 00021(2/15)
夢の饗宴者?

川井拓也
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さて、世界一周の船にプロダクション機能を載せ、複数のコンテンツを制作し
ていくという骨格が分ってきた「ip2000」プロジェクトですが、なにを? 誰
が? どうやって作って行くのか? まずは賛同者を集めながら企画を練って
行こうと思いました。

2月にプレゼンツールを作り、披露できるようになったら具体的なスポンサー
を集めて4月に制作準備! 5月に出航だ! 私は布教する代りに「夢」を伝染
させていくことを「布夢活動」と命名することにしました。

布夢をさかんにすると「フムフム」となり「夢」はあらたな「納得」(?)へ
と変化していくのでした。

「夢」を伝えるためには強力なエバンジェリストが必要になります。そしてそ
の「夢」をビジネスに載せるためのプロの仕事が必要になります。そのふたつ
を兼ね備えている予感をする人に出会うことができました。

先週、私はネイティブアメリカンを扱った番組の打上げを行ったのですが、そ
こにいろいろな人を招きました。もちろん、私の興味は過去の番組にはなく、
次のプロジェクトである「ip2000」の広報活動のためです。そこで2 人の運命
的な出会いがありました。

運命的というのは、私が自分のプロジェクトを進めるのに、前向きな気持ちの
自己暗示をかけるためによく使用する言葉です。どちらも女性ですが、ひとり
はカメラマン、ひとりは詩人兼ライターです。たまたま友人や仕事仲間がつれ
てきてくれた人なのですが、早速このようなメールのやりとりが始りました。

カメラマンからのレス

> 実は私、その昔ライブでインターネットに画像を送る
> カメラマンをしてました。
> 国内で、携帯のアンテナや衛星を使って、
> 海から、陸から、しかもバックパッカーな状態で
> リアル猿岩石をしてきたわけです。
> 企画書読ませていただきました。
> 船の300の目を使う媒体をスチールにする場合
> 船の中のラボの規模を詳しく調べる必要がありますね。
> ラボの処理能力しだいで、スチールはあきらめざるを得ないでしょう。
> デジカメにするなら、スポンサーを新たに加えることも必要でしょう。
> 今回の寄港地にはAOLのアクセスポイントがあるだろう〔ロシアは?〕とのこと。
> WEBでタイムリーに番組は後でと、考えているのなら
> イリジウムで十分だろうと思われます。
> もちろん編集作業とアップロードを船でとお考えなら、
> インマルサットなんですけどね。
> 今回、筑紫テツヤが乗船するという噂ですが
> 比較的ヒマであろう航海中に、この人を利用しない手はないのでは?!
> それなら、テーマも決まりやすく300人も動かしやすいのでは?
> もっといろいろ話したいのですが、

詩人から

> いっやぁ・・・。
> あの企画かなりきちゃいました。すごいです。
> 音なら「50cm程の筒に耳をあてたときの音」
> 色なら「山形りんごのヘタの周り」
> って感じでしょうか(真笑)
> 電車のなかで読ませていただいたんですけど
> うーん。ひさしぶりに面白いものを読んだという
> 充実感で溢かえってしまったいましたぁ。
>
> 私は普段もわくわくしてるんですけど
> 少なくてもその3倍半はわくわく状態してます。
> ろっ骨と胃の間あたりが痛くつぐったくなる現象で
> 痛くつぐったさが高まるにつれ度数も高まります。

今週はこのふたりとピースボートに乗りこみ、スタッフに向けてプレゼンをす
ることにしました。女性の力というのは非常に大きなものです。「夢」を見る
力も、男性とは比べ物にならないくらい強いからです。

私はつねづね、社会とか会社とかに縛られる柔軟性に欠ける「男性」という性
は、はかないと考えてきました。今回このような強力な「夢」の共演、いや饗
宴者が現れたことは「運命」以外のなにものでもないと確信するわけです。
(続く)

▼わたしも共演者は女性の方がいい。な、ハマムラデスク。
▼えへへ。でも女の方が現実的な気もするんですがぁ。(ハマムラ)

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■デジクリトーク
「緑色の坂の道」-甘く苦い島- 1.

北澤浩一
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THE WAY
PDF
ADVERTISING
LOOKS.

「緑色の坂の道」-甘く苦い島- 1.




■ 先日、EPSONのメディア推進グループの土屋氏より、PDFによる作品集
を印刷製本したものが送られてきた。
<「緑色の坂の道」-甘く苦い島-> である。
 写真やデザインを言葉だけで表現することはなかなか厄介だけれども、
デジクリ読者のみなさんに、作品集の全体像やいきさつなどをご紹介した
い。



■ EPSONにはインクジェット・カラープリンターの使用方法の一環ある
いは延長として、「MAGPRESS」という製本キットがある。作品を一枚一枚
印刷するのみならず、冊子としてまとめ製本することができる。
 これはなかなか面白い商品で、高級感あるハードカバー表紙と中綴じ表
紙、そして表紙用ラベルなどがセットになっている。
 また両面印刷が可能な各種の紙が用意され、これにより比較的簡単に一
冊の本を作ることができる。もちろん表紙・用紙とも各種サイズと色が揃
っていて、作品に応じて使い分けることが可能である。
 今回の作品集 <「緑色の坂の道」-甘く苦い島-> は、その展示用見本と
して企画・作成されたものだった。
 EPSON各地のショールームに、A3版のポスターとともに展示される。
 このデジクリの原稿が載った頃には現物を手に取ることができるだろう。



■ 私は99年の梅雨の頃合い、ある仕事でNYを訪れた。
 お供というかカバンもちという按配であるが、やや無理をして時間をつ
くり、マンハッタンをカメラを持ってうろつきまわった。
 その時に撮った写真をデジタル処理し、デザインの枠に入れ、コピーを
付与する。最終的にPDF化したものがこれである。
 作品集としてまとめるには、最低で40個ほどの作品が必要である。
 〆切を大幅に過ぎていたので、昨年の12月はほとんどディスプレイの前
で暮らす羽目になった。一定の限界を過ぎると人間というのはヤケクソに
なるもので、風呂に入らなくても気にならない。ほとんど事務所内浮浪の
ひとである。三日で20個ほどの作品を作った。
 結果的に、NYを題材にしたものだけで60数ファイル。そこから編集の土
屋氏が選択をしてゆくことになる。


__

【きたざわ・こういち】lane2526@yominet.ne.jp
コピーライター/デザイナー
http://www.yominet.ne.jp/forum/lane/
1.「緑色の坂の道」(id/pass: guest で閲覧可)

「MAGPRESS」使用作品
セイコーエプソン株式会社メディア推進グループ
TEL: 0263-39-2281 FAX: 0263-39-2285 FREE: 0120-17-2283
http://www.magpress.ne.jp/catalog/download.html
本作品の一部、およびカタログのダウンロードが可能。
2000年2月分「甘く苦い島」


 
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■デジクリトーク 「眠ル繭」制作楽屋落ちシリーズ 
グラフィッカーは電気マグロの夢を見るか 
もしくは、とあるグラフィッカーの悩み -3

北田信明 http://www.porcu-pine.com/shinmei/
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scene 2

そして、ある年の暮れもおし迫った27日だか28日。だーしゅから電話がありま
した。
「しんめいは仕事納めはいつで仕事始めはいつ?」
「ん~~、31日に納めて1 日か2 日から仕事かなぁ」
「じゃあ31日はここで仕事をして新年を迎えようよ」
「え゛っ…………」

「梅ちゃんやH 君を呼んで麻雀やってさぁ、で、しんめいはその後ここで仕事
するってのどう?」
「…………………」
どうやらいつの間にやらそういうことで確定したようです。ところがそのH 氏、
指を怪我したらしく、麻雀はお流れ。なんでも車のドアに指を挟んだらしい。
しかも指を挟んだままドアが閉まったっていうからコアイ。

それでも仕事は残るってなもんで。思い起こせばその前年、まだ会社勤めなデ
ザイナーでありながら『眠ル繭』の制作に参加することになり、会社帰りにだ
ーしゅのアトリエへ連日通ってモデリングをしていました。それでもやっぱり
充分な時間が取れないので、年末年始にだーしゅんとこへ泊まり込んでモデリ
ングしてたってわけで。

結局、2年続けてO2にむかいながら新年を迎えることになりました。

「眠ル繭」サイト
http://www.porcu-pine.com/mayu/

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■編集後記(2/15)
・左目の左側が真っ赤になった。けっこう奇怪だ。これは目を酷使したのが原
因であろう。初めてこの症状が出たのは10年も前にイギリスにいったときで、
これは行きのヒコーキで10時間以上まったく眠れなかったからだ。その後、2
回ほどあらわれたが(原因は思い付く)放置しておいたらいつの間にか直って
いた。今回の原因は何だろう。寝ながらビデオ見ていたからか。それは「金星
怪獣イーマの襲撃」というモノクロ映画だ。レイ・ハリーハウゼンによる特撮
で、とかげの化け物みたいな生物(どこにもイーマなんて名前は出ない)が、
金星から地球に運ばれて、巨大化して殺されちゃうという(どこが襲撃やねン)
かわいそうな話だ。この古い退屈な映画を見ていて、配偶者にはばかにされる
し、目は赤くなるし、とんだ災難。寝る時はやはり読書に限る。 (柴田)

・十河さんのコラムを読めば読むほど、自分の父親が被る。生まれて一度とし
て父親に誉められたことはない。何をやってもコワイ顔で「次」を要求される。
陰では喜んでいることを、さすがにこの歳になると分かるようになった。人間
は、その人が自分のために怒ってくれているのか、ただ夫婦喧嘩などの八つ当
たりや出世の妬みから足をひっぱろうとして怒っているかは区別できる。その
厳しさについていけるかそうでないか、だけだ。きっと十河さんも思ってはる
と思うのだが、誤解を受けても分かる人には分かる、それが分からない奴とは
つき合わぬ、いずれ自分の正当性を認められる時が来る、後ろ指を指されるよ
うなことはしていない、と家族には言い、黙々と働く。10年くらい誤解されて
いても平気そうに見える。実際10年以上経ってから泣いて謝る人もいたらしい。
その手のエピソードには事欠かない。娘の私はそこまで根性が無いので、いや、
無くなったので誤解されたと泣き言を言う。友達に愚痴る。けれど歳をとれば
とるほど、時間はかかるけど世の中は最後は理解してくれるのだ、上っ面だけ
じゃないのだ、と思うようになった。忍耐力がなくなってかっこ悪くなっちゃ
ったなぁ。逆に母親はアメリカンな誉めて育てよ主義で過保護。この夫婦は音
楽の趣味も娯楽も全く違うので何が良くて結婚したのだろうかと首をかしげる
ことが多々ある。文章だと、なんかうちの父親は立派ね~。(hammer.mule)

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.shohyo.co.jp/nagesen/ <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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 担当:濱村和恵
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