[0711] もしもボクがアップルのエバンジェリストであったなら

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0711   2000/10/10.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 16887部
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 <今のPalmの方がよほどアップルらしくさえ感じる>

■デジクリトーク
 もしもボクがアップルのエバンジェリストであったなら
 神田敏晶

■デジクリトーク 連載・助太刀日誌 「記憶」までのカウントダウン-1
 ファッションショーを手伝うことになったこと
 魚住耕司

■展覧会案内
 ディジタル・イメージ2000 上田展 



■デジクリトーク
もしもボクがアップルのエバンジェリストであったなら

神田敏晶
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KNN神田です。

もちろん、ボクはMacユーザーだ。Macユーザーである事に"誇り"に近いものを
持っている。また、簡単にMacからWindowsに移る人が「会社がWinだから」と
かの言い訳に対して、非常に嫌悪感を抱いていた。むしろWindows95が普及し
てきた1996年の頃の話だ。間もなく(…といっても来年だが)、Macユーザー
の待望のOS Xが登場する。

●最高のPowerBookが欲しいんだ!

しかし、これはMacであってMacでない別物のOSだ。今のMacに必要なのは、最
新OSではなく、B5サイズのPowerBookである。VAIOに負けないほどのAV対応の
スペックで、Windowsもエミュレートモードでキビキビ動き、Windowsコンパチ
ブルなマシンである。値段はiBookのような女子供を相手にしないでいい。プ
ロの仕事を支える金槌やカンナであってほしい。だから高くてもいい最高のス
ペックをめざしたコンパクトなPowerBookが欲しいんだ。

日本のユーザーが、これほどまでに望んでいても、商社機能しかないアップル
ジャパンには何もできない。ジョブズに原田社長が、「B5を出さなければアッ
プルを止める!」とでも言うべきだ。かつて、ウォズニアックや、アトキンソ
ンもガッセーもそういって自分たちの独自の仕事を進めてきた。日本でこれだ
けB5サイズが売れているのだから、PB2400のように、OEMでも作ればいいのだ。

なんだったらデジクリでも500台くらいなら軽く注文を取ってみせよう。しか
も前金制でどうだ! 週刊アスキーや、MacFanあたりとでも連動すれば、金型
代金くらいはなんとでもなる…。こんなに買い手が望んでいるのに、発売しな
いメーカーはアップルぐらいなものだ。顧客よりも自分たちが望む最高の製品
しか発売したくないからだ。しかし、その鉾先が少し、違ってきているのでは
ないだろうか?

新OSは確かに魅力だが、アプリケーションやインターネットサービスがそれに
対応するだけの魅力的なマーケットが存在していれば…という仮定にもとづく
からだ。新OSを売るならば、LINUXのようにインテル版のMac OS Xというのも
ありだろう。もちろん、Apple製品のハードウェアの方が安定する。少なくと
も、WindowsのユーザーへのMac OS Xの膨大なシェアは獲得できるはずだ。ま
た、インテル版のアプリケーションというマーケットがMacベンダーの開発意
欲を多いにそそるのだ。

ガレージドットコムでインキュベーターをやっているガイ川崎を、エバンジェ
リストに戻るように説得する手もあるだろう。これは彼の得意とする仕事だ。
そのようなマーケティングがなされず、MacのOSだけをMacユーザーに提供し、
それに最適化されたスペックのハードウェアをさらに販売するという戦略では、
そこまでして新OSを使うための"理由"が必要になるのだ。しかし、その"理由"
はDTVやDTPだ。絶対に違う!

アップルはすべての、資産をインターネット端末としてのパソコンで追求すべ
きなのである。アップルはインタフェースも含めて、ブラウザを開発すべきな
のである。もちろんOSとシームレスなブラウザだ。そして、そのブラウザはe
メール、ワード、エクセル、パワーポイント、そしてPalm、i-modeを総合的に
組み込むのだ。

アップルにはすでにMSの資本も入っている。またMSは独占禁止法の呪縛のため
にもアップルには成長し続けてもらわないと困るのだ。これほど、好都合な戦
況はないはずだ。

起死回生のチャンスは"ゾンビと化したNeXTの亡霊"のDNAをまとった新OSとし
て、カウントダウンされだしている。Beta版を見て、すばらしいOSだと思う…。
しかし、しかしである。UNIXの専門家は喜ぶのかもしれないが、普通のMacユ
ーザーは、今のPalmの方がよほどアップルらしくさえ感じる。ニッチな部分で
の個性を活かせる部分が見出せないのだ。

また、昨今では、MSやPalmの方がアップルらしい"仕事"をしている。もちろん、
アップルのエンジニアが移動したからだ。大量にPalmやMSで林檎紋章の遺伝子
を"隠れキリシタン"のごとく、プロダクトにイニシエーションし続けているか
らだ。

●とうとうボクはWindowsのノートを物色しはじめた

そんなこんなでボクは新OSや、日の目を見ないB5サイズのアップルノートに見
切りをつけて、Windowsのノートを物色しはじめた。しかし、これがまた中途
半端な製品ばかり…。

ボクのニーズは、
1.バッテリ持続時間
2.100/10BASE-Tスロット直結
3.IEE1394標準装備(簡易のビデオ編集のため)
4.できれば、CD-ROMも内蔵して軽くて小さい←矛盾は承知
5.デバイスやドライバまわりが特殊でない事
6.もちろんHDやメモリやCPUは大きくて早いほどいい

人気機種のソニーのVAIO PCZ505C/BPであるが、64MBではどうしようもないし、
未だにCD-ROMが外付け。DVDもついていないこれでAVメーカーといえるのか?
長時間LLバッテリーも3万円ちかくもする。外部ディスプレイにつなぐのに、
変なポートが必要。これで229,800円(KNN調べ)に上記のスペックをそろえる
と、軽く30万円を超えてしまうのと、ズラズラとCD-ROMやらリプリケーターな
どを別途本体より余分なものを持ち歩くはめになる。

また、i-Bookテイストの新製品の噂もチラホラ…年末なのか来年なのか、おい
おい年末商戦に持ち込んでどうする。しかし、VAIOである。ソニーである。そ
れが、一ソニーファンとしては、多いに悩むところだ。

PanasonicのLet's Noteもいい機種だ。光学式トラックボールモデルも復活さ
れているし、"ウエブナビゲーター"はお気に入りのソフトでもある。しかし、
IEEE1394が搭載されていない…。

M2EVは、CD-R/RWドライブも内蔵して、約1.85kgは魅力なスペックなのに…。
また、いつ発売になるのかわからないが、"HITO"も発表されている。ジョグホ
イールは、まるでビデオデッキのジョグシャトルだ。しかも光学式トラックボ
ールだ。しかし、いつ登場するんだ! 買い控えを生むばかり…。

東芝DynaBook SS も、コネクタ類が本体にまとめられているのが特徴だ。ボク
の基本的なニーズはこれが一番満たしてくれている。しかし、いろんな意味で
東芝独自のクセが心配だ。スペックだけでいうと、これかもしれない。使って
いる人、どうでしょうか? ボクのまわりにはこのDynaBook SSユーザーが誰
一人いません。B5では、他にDELLやCOMPAQなどだくさんあるが、IEEE1394がな
いのでボクの場合はなしとなった。

また、トランスメタのクルーソーTM5600 600MHz搭載のソニーのC1VJ/VPにも触
手が動く…。メーカー発表の最大約5.5時間は半分で見積もっても3時間ちかく
あるのは、ライター業としてはうれしい限りだ。しかし、EtherPortをそろそ
ろ装備するべきではないだろうか? 1024×480の変則サイズは、プレゼンの
時に気になるが、AV出力があるので、クリアかと…このあたりはユーザーの声
をぜひ、聴いてみたい。

今一番気になるのが、富士通のLOOX(ルークス)T5/53Wだ。64K接続できるH"が
内蔵されているH"INが魅力だし、クルーソーはTM5600 533MHzはC1に劣るもの
の、1280×600ドットのワイドな画面はDVDプレイヤーとしてもいいだろう。し
かもドルビーヘッドフォン対応だ。どうせなら、5.1CHサラウンド用のポート
も用意すべきだった。もちろん、EtherPortはない。安価なi-modeのパケット
通信にも対応してもらいたいところでもある。大きな画面でi-modeも利用した
いからだ。USB接続で携帯に文字が打てるのも魅力かも…。また発売日の11月3
日(金)まで待てるかどうかも問題だ。

それにしても、どこのメーカーももう少し完璧なスペックを目指してほしいも
のだ。日本人はこれが最高というモデルが好きなのである。IEEE1394が搭載さ
れるとホビーだから、Ethernet Portはいらないという発想を捨てるべきであ
る。ホビーにも使えて、仕事にも使えるが"キモ"なのである。

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■デジクリトーク 連載・助太刀日誌 「記憶」までのカウントダウン-1
ファッションショーを手伝うことになったこと

魚住耕司
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その話をはじめて聞いたのは、結婚指輪を作ってもらったお店での事だった。

ファッションショーがある、という。うん、例えば東京なら、珍しい話ではな
いかもしれない。と思った。しかし、東京や大阪の話などではなく、ここ門司
港で開きたいと希望しているデザイナーさんがいる、というのである。だから
実現に向けて手伝って欲しい、というのである。

「面白い」と思ったし、よく私のような怪しいサイトの主を信じてそんな話を
持ってきてくれたものだ、とも思った。しかし、即決で軽くその申し出を受け、
後で後悔というよりも、怯えのような気持ちが浮んできた。手伝う、と言って
も、一体どんなノウハウが私にあるというのだろう・・・。

私ができることは、写真を撮ること。多少それをいじること。webを書くこと。
口コミに毛が生えたようなmailnewsで周囲と幾人かのwebサイトのオーナー達
へ知らせること・・・。そんなことでしかない。肝心のショーの構成や集客と
いう点で、私は、何の技術も持っていない。

しかし、例えばまるで諸葛亮孔明のような、実は世に隠れているスーパープロ
デューサーで、筋書きを書き、緻密なコントロールをし、完璧なショーを演出
する、そもそも誰もそんな期待を私に求めている訳などある筈がない。

そのことに気がつけば、何であれできることを提供すればよいし、私の頭でも
下げたなら通れるところがあるなら、なんぼでも下げればよいし、などと思う
ことにした。もっとも、そんな偉そうなことを言ったところで、私の頭は幾ら
下げても下げられた相手にとっては何の担保もない頭だから、どれほどの価値
もないのだが。

そんなこんなで、私は11月19日にここ門司港で開催されるファッションショー、
「記憶~Departure 約束のあの場所で~ 」の実現を目指すスタッフサイドに
いる。こんなことは、人生で何度もないだろう。

だから、今日から数日おきの不定期になると思うが、デジクリ読者の皆さんに
レポートを書きたい、と思う。一つは、私自身の"記憶"の彩りのために。

もう一つは、正直にお話しますが、多少なりともショーのPRのためでもある。
全国16000人の読者の皆さんに、このイベントの事を知ってもらいたし、口コ
ミで少しでも広げてもらえれば、という欲なことも、正直考えない訳ではない。

そういう「欲」と二人連れで、おまけに丁度本来の仕事(郵便局の庶務屋さん)
で年賀状の準備がスタートしていることもあり(皆さん買ってね^^;)、中々
にドタバタと騒々しい日常なのだが、無事ショーが成功することを祈りつつ、
何とか書き続けたい、と思う。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

魚住耕司(うおずみ こうじ)
門司港ポータル&LIVE Station
http://www.mojiko.com
uozumi@mxj.mesh.ne.jp

個人サイトはコチラに
http://www2e.biglobe.ne.jp/~uozumi/

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■展覧会案内
ディジタル・イメージ2000 上田展 
http://www.umic.ueda.nagano.jp/di2000/di2000.html
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日本最大のCGアーティスト団体「ディジタル・イメージ」の展覧会を開催。雑
誌やテレビで活躍中のCG作家の作品約80点を一挙公開します! 今回はテーマ
を「幻想世界」「女性」「心像世界」「キャラクターたち」と分けて展示。そ
れぞれのイメージの世界をお楽しみください。

会期 第一期 10月7日(土)~17日(火)9時半~17時
   第二期 10月20日(金)~29日(日)9時半~17時
会場 上田市マルチメディア情報センター Tel:0268-39-1000
休館日 10月10日(火)および水曜日。19日(木)は展示替日
主催 上田市マルチメディア情報センター
協力 ディジタル・イメージ

▼展示のようすがサイトにアップされました
http://www.umic.ueda.nagano.jp/di2000/zenki-1.html

メディアランド上田
http://www.umic.ueda.nagano.jp/index.html

ディジタル・イメージ
http://www.digitalimage.org/

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■編集後記(10/10)
・昨日は祝日なのでデジクリはお休みなはずなのに神田さんから原稿が届いた。
明日掲載しますねと対応しておいたら、しばらくして「そうか! 今日は世間
ではお休みなんですね」とズレまくった返事が来た。ほとんど外人だ。「日刊
!関西インターネットプレス」は昨日も発行されて、神田さんは「サンフラン
シスコ空港からダウンタウンに向かう~」と書いているので、またアメリカか
と思ったが、文章では日本にいるようだ。昨日、さいたまスーパーアリーナで
「ジョン・レノン・ミュージアム」がオープンした。徹夜組もいて、1500人が
開場前に並んだトカ。神田さんもいるのではないかと、テレビのニュースに目
をこらした。ビートルズかあ、わたしはいまだにそんなに好きでもないなあ。
来日したときは大学生だったかもしれない。日本中の熱狂の中で、わたしはな
にを感じたのか、そのころなにに夢中だったか、いまは記憶にないが、ばかで
幼稚で臆病だったことは確かだ。ああ、思い出すにわが青春はばかだった!
ところで、CD「ビートルズ・オン・コンチェルト」は最高です。ラフマニノフ
のピアノ協奏曲第2番が途中からさりげなくイエスタデイに変わってしまう。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番がいつの間にかフール・オン・ザ・ヒ
ルに変わってしまう。しかもソロじゃなくてオーケストラなのだ。ときどき仕
事のBGMに使うけど、なかなか気分のいいものです。       (柴田)
ジョン・レノン・ミュージアム
http://www.taisei.co.jp/museum/

・地震大丈夫でしたか? 大阪でもかなり大きく長く揺れました。最近大きな
地震が多くなりましたね。阪神大震災の怖さを忘れそうになった頃に、地震が
起こり、呼びおこさせられます。             (hammer.mule)

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.nagesen.gr.jp/  <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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 担当:濱村和恵
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