[0734] 娯楽複合体のカリスマ性のただようクラゲ

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0734   2000/11/07.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 17027部
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 <スクールや専門学校のスキルなどには過度に期待していないのが実状>

■デジクリトーク
 娯楽複合体のカリスマ性のただようクラゲ
 ドルバッキーヨウコ

■デジクリトーク
 印刷業界では向上心を持った人材が求められている
 渡部 真

■コンテスト&展覧会案内
「エプソンカラーイメージングコンテスト2000」審査結果発表

■セミナー案内
 関西DTP協会「インターメディアフォーラム2000」



■デジクリトーク
娯楽複合体のカリスマ性のただようクラゲ

ドルバッキーヨウコ
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みなさんこんにちは、イラストレータ-のドルバッキーヨウコです。

ヘンな名前でスミマセン。でも「覚えやすい」「作品にあっている」「そんな
子を生んだ憶えはない」などとたくさんの好評をいただいておりますので、こ
のまま名乗っていこうと思います。どうぞよろしく。

このたび「EXIT EXHIBITION 2000」に参加させていただく事になりました。デ
ィジタル・イメージ会員の喜多見康さん、岡部タカノブさん、扇原康成さん、
そして富岡聡さんと11月10日~18日に市ヶ谷山脇ギャラリーで、ムービーと静
止画を展示いたします。

イラストレータ-になってやっと2年の私には、とてもBIGすぎる方々で緊張し
ております。そういった風味のドルバッキ-の仕事の一部をお話します。

ハデでキバツな絵柄のせいでしょうか。私の所にはしばしば外国からのEメー
ルが来ます。もちろん英語で。それはホームページを観た感想のメールがほと
んどですが、時たまお仕事の依頼のメールもあります。文章が10行以上だった
ら注意! (感想のメールはだいたい10行以内なのです) ウインドウをスク
ロールしなければならないほど長ければもう決まりです。

仕事の依頼だった場合、受けるにせよ断わるにせよ、まず長文読解をしなけれ
ばなりません。お仕事をいただけるのは、それはもちろん嬉しい事なのですが、
県立高校を出た後、美大でろくすっぽパンキョーに出席しなかった私には、恐
怖の作業なのです。

フリーになってから7件ほど外国の方とお仕事しましたが、それは未だに変わ
りません。11月10日に控えているグループ展のために、脱水機のフル回転で作
品を作り続けている今日この頃。それはやってきたのでした。

連判状のような長い長い暗号の前に厳かに正座し、私はまず「自動和英翻訳ツ
ール」を起動します。御存じの方もいらしゃると思いますが、某有名な「こり
ゃ◯ー◯!」とかです。これがスゴイ。

ただ直訳しただけで、こんなにスゴイ文章になるものでしょうか。だいたいこ
んな感じです。

『ドンはあなたを見つけて、そして全てのマルチ舞台と多くの驚くべき芸術行
為と活動の無数と娯楽が群がるこの美しいクラゲ最新技術の娯楽複合体の中の
千年期を祝おう! 非常に嬉しい』

どこかカリスマ性のただよう荘厳な文章がいくつも飛び出します。最後「非常
に嬉しい」の中に、ただ彼の高飛車なれど人間的な一面がうかがえてホッとし
ます。

そうか…ドン、きっといいヒトなんだね…。などと楽しんでる場合ではありま
せん。これでは意味不明です。結局、テレホタイムにgoo便利ツール「英和辞
書」へ繋ぎっぱなしにして、地道な和訳をする事になります(その後はレス用
の和英辞書に切り替えます)。

送信する頃には朝刊太郎の原チャの音が聞こえる事は言うまでもありません。
さて、これは厄介な事になりました。ドンは私の作品をとても気に入ってくれ
ています。ギャラも相場より少し弾んでくれています。でもドンはとても急い
でいて、私はいくつか抱えている仕事とこのグループ展のための作品を完成さ
せられるか不安でした。

しかもそんな時に限ってミスを立て続けにしでかしていたくヘコみ、ある日、
何本かの陳謝の電話の後ドンにメールしました。

「ドンさん、クラゲの絵は大好きで是非やりたいのですが、but、忙しくて全
てが中途ハンパになるのでお断りします。ごめんなさい」

すると返事がワンツーで帰ってきました。

「なんてスイートなの! いつまでも待つことが我々は恐れない。クラゲを好
きな限りにおいては、」

よくわからないけど、ドンさんはやっぱり良いヒトだったのでした。しかもカ
マっ気が! 美しいクラゲは無事完成し、ドンさんは満足し、「EXIT
EXHIBITION 2000」にて展示される事になりました。最新技術の娯楽複合体の
カリスマ性のただようクラゲを是非観に来て下さい!

詳しくはこちら…
EXIT EXHIBITION 2000 MOVIE5
http://www.info-g.co.jp/ko2/

【ドルバッキーヨウコ】dholbachie-yoko@pop13.odn.ne.jp  
1994年多摩美術大学グラフィックデザイン専攻卒業。98年ゲーム会社退社後フ
リー。第12回グラフィックアート『3.3m2展』入選、展示。吉祥寺shop33にて
個展。99年銀座クリエイションギャラリーG8にて『L.S.D』展参加。2000年渋
谷パルコクアトロ企画展「DAYS PROJECT」参加。バンタン電脳情報学院講師。
URL:http://www.dholbachie.com

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■デジクリトーク
印刷業界では向上心を持った人材が求められている

渡部 真
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<デイリーM2000年10月31日号より転載>

私は、編集者として広告・出版・印刷業界に10年ほど身を置いている者ですが、
私なりの意見を述べさせていただきます。

まず、「初心者はこの業界に入れないのか?」という問題についてですが、そ
んなことは全くないと思います。バブル崩壊後の不況によって、日本中の企業
が新卒の採用を手控えているように、この業界も非常に厳しい状況にあること
は事実です。

さらにこの数年、IT革命に伴うDTPの進化・普及によって、企業の淘汰も進ん
でいます。しかし、業界全体としては、他業種に比べ著しく新卒の採用を控え
ているということはありません。むしろDTPの進化が急速に進んだ分、メーカ
ーや金融業界などに比べれば、よほど新しい人材を必要としているのではない
かと思われるほどです。

実際、私の周りの企業の管理職の方とお話しをするときに、「若くていい人材
はいないだろうか?」という話題が出るのはしばしばです。また、インターネ
ット上の求人サイトでも、「未経験可」という求人募集は少なからず掲載され
ています。印刷業界でも、中小企業を中心に多くの良心的企業が、人材の育成
を真剣に考えています。

次に、「どういったスキル、能力を持った人材が求められているか?」という
点です。

これは、あくまでの私の個人的な考えで、求人する各企業の仕事の内容にもよ
ることですが、基本的なパソコンの知識さえあれば、それ以上のスキルなど何
もいらないと考えています。否、パソコンに対する拒否反応さえなければ、全
く知識がなくてもいいかもしれません。

各企業にはその企業が必要とするプロが存在しているわけであり、仮にどんな
にスキルがあったとしても、その企業では学校で習ったスキルなど必要ないに
等しいといっても過言ではないでしょう。

QuarkXPress、PageMaker、EDIcolor、illustrator、Photoshopなど、同じアプ
リケーションを使ったとしても、各企業に独自の使い方(クセ)が違いますし、
多分ほとんどの企業は、中途半端な知識はかえって邪魔だと考えているのでは
ないでしょうか。

余談になりますが、私は大学以外のスクールや専門学校に通うことを勧めませ
ん。もしDTPの知識を身につけたいのであれば、書店に並んでいるDTP入門書を
きちんと独習するだけで十分です。

「『学校で勉強してきました』なんていう奴で使い者になる奴なんて見たこと
がない」というのは、よくこの業界で交わされる言葉の一つです。

私自身、広告・出版・印刷業界に6年ほど身を置いてからですが、スクールな
どに通わず、QuarkXPressとillustratorの入門書の2冊を独習しただけでDTPの
基礎知識とスキルを身につけて、現在では原稿作成から編集・デザイン・組版
の全てをDTPでまかなっています。

話を戻しますが、つまり、ほとんどの企業は「即戦力がほしい」と思いながら
も、スクールや専門学校のスキルなどには過度に期待していないのが実状だと
いうことです。採用の際に考える大きなポイントは、「スキルを持っている」
ことではないのです。

ではどのような人材が求められているかといえば、非常に漠然とした言い方で
すが、たとえば「スクールや専門学校に通わず書店に並んでいるDTPの入門書
を読んで独習できる」といった、ひたむきな向上心を持った人材だったりする
わけです。

●「どんな目的・目標を持ってこの業界を選んだのか」
●「これからさらに変化していくだろうDTPや印刷・出版情勢に、
  柔軟かつ敏速に対応していけるだろうか」
●「人柄が自分の会社に合うだろうか」

など、特別な「能力」が要求されているわけではなく、他の業種でも当然考え
るような常識的なポイントが、やはりこの業界でも重要視されるポイントなの
ではないかと思います。

非常に厳しい言い方ですが、就職・求職に際して多少厳しい状況にあるからと
いって、「人材を育てる時間がないのは分かります。ということは、この世界
は初心者は入れないと言う事ですよね」などと業界のせいにした他力本願な考
え方では、社会人として必要な人材には感じられません。

まず、社会人になる人間として、自分の人生や仕事についてもう一度真剣に考
えることから始めてみてください。企業の採用担当者たちの目は、学生やフリ
ーターの人たちが考えている以上に、厳しいモノだと思います。
がんばって下さい。

【わたべ まこと】watabe@abox7.so-net.ne.jp
1967年11月生まれ。平成2年、広告・出版の制作プロダクションに勤め、企画・
制作・進行管理を担当。平成6年より関連出版社の編集を担当。平成8年よりフ
リーとなり、企画・取材・コピーライティング・編集・レイアウト・組版など、
DTPにおけるプリプレス全般の業務を行う。現在、編集広告の企画・編集・コ
ピーライティングや、書籍の編集などを中心に活動している。

▼メルマガ「デイリーM」の紙上討論会 第27回・印刷業界で求められている
人材とは? というテーマに関して渡部さんが応じたテキストを転載します。

デイリーM 株式会社 印刷之世界社
http://www.monz.co.jp/

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■コンテスト&展覧会案内
「エプソンカラーイメージングコンテスト2000」審査結果発表
http://www.epson.co.jp/osirase/osirase2.html
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セイコーエプソンが主催する、デジタル出力した写真・グラフィック作品を対
象としたコンテスト「エプソンカラーイメージングコンテスト2000」の入賞者
が決定した。

今年は6211点(99年5,165点・前年比120%)の応募があった。今年は特に、組
写真・組作品、大判作品の増加が見られ、また、若年層からのみずみずしい応
募も増えたことが特徴としてあげられるという。

大賞は、東京都の池田加奈子(イケダカナコ)さんの作品「僕らは生きる」に
決定。有楽町マリオン朝日ギャラリーにて受賞作品展を開催、受賞作品および
各部門の入選作品を展示する。

・受賞作品展
日時 11月24日(金)~29日(水)11時~19時 入場無料
会場 有楽町朝日ギャラリー 
   東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11階

・大賞 僕らは生きる (池田加奈子/東京都)
・写真部門 優秀賞 `passenger´(長尾浩介/東京都)
・グラフィック+アート部門 優秀賞 僕が呼んだ台風 (白井由美枝/東京都)

・審査員賞
伊藤俊治賞 金魚の休日 (磯部昭子/東京都)
大竹伸朗賞 Blue day (江川 淳/大分県)
勝井三雄賞 September note #4/2000 (桑田 覚/広島県)
サイトウマコト賞 パパの背中でおおはしゃぎ (大塚由美子/東京都)
藤原新也賞 ともだち (川西隆史/神奈川県)
森村泰昌賞 カエルの擬態 (長谷川裕子/新潟県)

・デジタルカメラ賞「falling gallery」 (小磯裕司/東京都)
・プロスペクト賞 Kiss me (岡村庸平/京都府)

・奨励賞
微睡みの淵 (小野寺 弘/徳島県)
灰 (上西英次/東京都)
街 (青木慧三/東京都)
龍に乗った家族 (久松美喜夫/大阪府)
北国から来た寝台特急列車「北斗星2号」 (並木運美/埼玉県)

入選30作品、佳作60作品

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■セミナー案内
関西DTP協会「インターメディアフォーラム2000」
http://www.digital-kansai.com/
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関西DTP協会は、IT見本市「インターメディアフォーラム2000(11月28日・29
日/マイドームおおさか)」のプレセミナーを実施します。Webデザインに必
須のツール「Flash」で有名なマクロメディア株式会社の手嶋社長が来阪。マ
クロメディアの今後の戦略を熱く語ります。マクロメディアの新製品・新技
術も紹介されます。入場無料。事前申込制です。

日時 11月13日(月)14時~16時30分(受付は13時45分~)
会場 TSURUYAホール(地図はhttp://www.tsuruyagolf.co.jp/hall/
   交通 地下鉄御堂筋線・中央線『本町駅』7番出口出てすぐ
参加費 無料 120名先着順
講師 手嶋雅夫(マクロメディア株式会社代表取締役社長)
   阿部成行(マクロメディア プロダクトマーケティングマネージャ)

内容:刻一刻と進化を続けるインターネットの世界において、今、Webデザイ
ンに何が求められているのか? それを実現するために必要なソリューション
とは何か?単なる情報提供から、効果的なWeb体験を通じたe-ビジネスへとシ
フトを遂げる中、マクロメディアは、様々なテクノロジーやソリューションを
提供し続けています。

今回のセミナーでは、こうしたマクロメディアの最新動向をご説明すると共に、
新しいWebデザインツールであるMacromedia Flash 5日本語版のご紹介をいた
します。また、10月に行われたばかりの「Macromedia Japan UserConference
2000」で発表された新技術のご紹介も行ないます。

申込方法 ホームページからのみのお申し込みになります。受付確認後、11月
10日までに参加証をFAXにてお送りいたします(FAXをお持ちでない方はメール
でお送り致します)。当日、参加証をお持ち下さい。

主催 インターメディアフォーラム実行委員会、関西DTP協会
問合せ 06-6414-1711 FAX 06-6414-1712
dtp@digital-kansai.com

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■編集後記(11/7)
・マンション問題はいよいよ大詰め。補償金(相手はあくまでそうは言わない、
本来は出さなくてもいいのだが、まあ迷惑をかけたことはたしかなので「迷惑
料」として出しましょう、ト言う)の大枠が示され、その公平な分配をめぐっ
て委員会はあ~でもないこ~でもないト連日大変だ。だれもが理解し我慢でき
る仕組みはなかなか考えられない。まったくお金問題はむずかしい。今日も朝
から打ち合わせがあり、デジクリの仕上げが遅くなった。     (柴田)

・これおもろいで、と島田氏が差し出した一冊の本。「新約 炎の言霊 島本
和彦名言集2」 漫画の1ページが掲載されており、そこに出てくる台詞を取り
上げ、解説が書かれてあるもの。「お前の未来は、今のお前が考えつくほど、
チャチじゃねぇ」「あなたの尺度ではかれないからといって、あなたに否定さ
れる理由はありませんね」「ゲームだってリセット押す時は電源切るときじゃ
ねぇ もう一度トライするって時だもんなぁ」「誰だって…たたけばホコリは
でる!」などなど。訳わからん! ほんまか! などと笑いながら突っ込みた
いものもあるのだが、妙に説得力があり、解説がまた絶妙。 (hammer.mule)
http://www3.gateway.ne.jp/~sima/
http://www.asahisonorama.co.jp/hp/index/comic-index.html

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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.nagesen.gr.jp/  <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行   デジタルクリエイターズ
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
        森川眞行 

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