[0737] ITの使い方が筋違いの日本の書店

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0737   2000/11/10.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 17058部
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 <日本の出版界、日本の産業界の行く末は闇、か?>

■デジクリトーク
 ITの使い方が筋違いの日本の書店
 中野 潔

■デジクリトーク
 物欲班長その3:続・サーバーを買おう!
 I-OデータET-NAS20Gを使う
 須貝 弦

■セミナー案内
 (財)横浜産業振興公社/IDECヨコハマ・プロジェクト公開セミナー
 デジタル編集長による「2000年、日本IT評評」~ITと日本人情報オンチ論~

■イベント案内
 緊急シンポジウム! 明日開催
 「是か非か?!日本語ドメイン取得ディスカッション」



■デジクリトーク
ITの使い方が筋違いの日本の書店

中野 潔
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わたしは、日本出版学会の理事として、出版界の窮状、そして、その中でも大
きな問題である書店の荒廃には心を痛めてきた。もちろん、従来からのテーマ
である著作権、電子出版、オンライン通販(オンライン書店)、コンテンツビ
ジネス、出版の電子商取引、e-book、ACROBAT、PDF、amazon(アマゾン)のビ
ジネスモデル、'00年11月09日に発表されたKacis(カシス、Knowledge
Circulation System。書籍データの著作権保護と電子流通のプラットフォーム)
Publisherのビジネススキームなども重要である。修士論文を見ている修士課
程の院生ともそういった分野で研究を進めようとしている。

また、IT(情報通信技術)投資のあり方についても、強い興味を持ってきた。
出版はもとより、機械、住宅、金融、電力といった業界の経営幹部を対象とし
て、ITの重要性について講演してきた。そうした講演では(流通については、
講演参加者の誰でもが生活の一部として理解しやすいので)、クレジットカー
ドとパーソナライゼーション、データウェアハウスといった、ITが流通業界に
もたらす便益を例にとって、ITの効果を強調している。

さらに、後述する電磁誘導を使ったタグの使い方について、製鉄会社と研究プ
ロジェクトを組んだことがあり、11月8日には、生協の人と、電磁誘導タグと
ITとの組み合わせの可能性について、議論したばかりだった。

だが、そうした最先端の技術の問題だけではなく、出版流通の最前線で経営者
や店員の心根に何が起きているかについても、あらためて認識しなければなら
ないと気付いたのである。

筆者は、いままで、小さな商店街のいわゆるパパママ書店(経営者の高齢化の
ための爺婆書店と呼んだ方がいい場合すらある)の困窮を中心に考えてきた。
出版業界全体で売り上げが低下している上に、近隣商圏ではコンビニエンスス
トアに、大規模商圏では駅ビルや郊外道路沿いの大型店に顧客を奪われている。
そうした経済面での先行き不安と、経営者の高齢化の二つの要因の相乗で閉店
が相次いでいる。

しかし今回、ある事件に遭遇して、問題は経済的なものだけではない--とい
うことを痛感した。大学街で200平米前後もありそうな、大書店と呼んでもい
い、中規模以上の書店でも、問題が生じている。それは、経済的というより、
経済状況がもたらした一部の経営者のモラルの荒廃である。

ITについて言えば、ITを使うかどうかだけを論じても問題は解決しない。ITを
どう使うか、経営者が本当に顧客のためを思ってITを使うのか--それも重要
なのだ。経営者の気持ちが欲得づくになってしまえば、同じIT投資を、顧客に
迷惑を掛ける方に使いかねないという事実に、遭遇したのである。

●客の利便より店の便益確保を優先

東京・東西線の早稲田駅から、早稲田通り沿いに数十メートルのところに、北
と南に対峙して二軒の比較的大きな書店がある。南側の成文堂書店は、クレジ
ットカードが使えて、教員、ビジネスマンにも使いやすい店である。問題は、
北側のAブックス(H書店)早稲田店である。このAブックスでは、クレジット
カードが使えないので、筆者は以前から不便を感じていた。

1冊2000円、3000円の学術書を数冊買うこともある教員の端くれとしては非常
に使いにくい。4冊、5冊と1万円近く学術書を買ってから、クレジットカード
が使えないということを知らされ、所持金が足りずに銀行に走ったこともある。
ただ、出版学会の理事として、売り上げが厳しくなっている書店の状況も知っ
ているので、経済的理由でIT投資(というほど大げさな投資だとも思えないが)
に踏み切れないのだろうと、好意的に解釈していた。

出来事は、'00年11月9日に起きた。Aブックスで、2冊の書籍を買って、出よう
とドアを通ると、ピーピーと警告音がする。そのとき気がついたのだが、Aブ
ックスでは、CD店やビデオゲーム店にあるような、タグ(荷札)による万引き
防止の警告システム(この手のシステムには、前出の電磁誘導タグを使うこと
が多い。Aブックスのシステムの原理は短時間のためわからなかった)を入れて
いる。IT投資の費用がないわけではないのだ。店の利益確保のための警告ゲー
トには金を使うが、顧客の利便のためのクレジットカード導入には、金を使い
たくないだけなのだ、と判断するのが順当だろう。

さて、支配人とおぼしき店員が飛んできた。「ビデオの類を買っていないか」
という。ビデオを買った覚えはないので、その旨を説明する。警告音の原因と
なった手提げの紙袋には、自宅から持ってきた書籍数冊と、ついその10分前に
成文堂で買った書籍1冊がある。しかし、筆者はレシートを必ずもらっておく
主義なので、疑われても説明ができるとわかっており、慌てはしない。

支配人とおぼしき店員は、「済みません」といいながら、紙袋の中身を調べ始
めた。「全部あけて調べてよ」と渡したので、実際、中から全部取り出してい
る。2分もあれば、中に、ビデオの類がなく、新聞と週刊誌と書籍と書類しか
ないことなどわかる。それから、Aブックスでは雑誌、書籍にはタグをつけて
いないので、書籍と書類しかないことがわかった時点で、Aブックスの商品が
原因でないことがわかるはずなのだ。

「クレジットカードもいれないで、チェックのシステムだけ入れて、金の使い
方を間違っているんじゃないの」と、気が済むまで調べたいらしい支配人に筆
者が嫌味を言う。一心不乱に調べる支配人。「何か答えたらどうなの」と重ね
て聞くわたしに「済みませんって言っているじゃないですか」と開き直って客
に向かって怒鳴る支配人。筆者は、謝ってほしいのではなく、「金の使い方を
間違っているんじゃないの」という問いに答えて欲しいのである。

「チェックの機械に金を使うんだったら、クレジットカードの仕組み入れてよ」
と食い下がる筆者に、「経営者の判断で…」と言葉を濁しながら調べ続ける。

支配人は、何が原因で鳴っているか、とことん調べたいらしい。書籍と書類し
か残っていない時点で、Aブックスの商品が原因でないと、わかっているのに
である。しかし、「早く切り上げて行かせてくれ」と言うと、後ろめたいとこ
ろがあるように思われる可能性があるので(相手は、客に怒鳴る支配人である)、
嫌味でも言っているしかない。

書籍と書類を順番に、警告ゲートのところに持っていってピーピー鳴るか否か、
確かめている。やっと原因がわかった。前々日の7日に、中国の上海で買った
中国の簡体字で書かれた本に、警告タグシールが貼ってあったのだった。

「お宅では、中国の本、売っていないよね」と嫌味を言う筆者。「ええ…」。
何度も繰り返すが、Aブックスでは、書籍にタグを付けていないから、その中
国書の類をAブックスで扱っているかどうかに関係なく、書籍と書類しか残っ
ていないのがわかった時点で、Aブックスの商品には関係ないということがわ
かっているのだ。

結局、客の利便ではなく、警告音が鳴ったことの調査という書店側の理屈で動
いているのである。「済みませんって、言っているじゃないですか」…。開き
直って、客に向かって怒鳴る支配人である。それも、迷惑しているのは、客の
方なのである。

「気の済むまで調べてよ」と言って、堂々と全部の持ち物を差し出している時
点で、事件のないところに事件を起こしているのが客の方でなく店の方である
と気付かなければならない。この支配人の性向は、クレジットカードの仕組み
は導入しないが、警告タグと警告ゲートは導入するという経営者の性向が乗り
移ったものだろう。システム投資を、客の利便より、店の便益確保に使う方が
重要なのである。

大書店といってもいいような、中規模書店でも、経営者の一部には、気持ちの
荒廃した人々がいるのであると判断せざるを得ない。IT投資するか否か、そし
てその効果だけを論じていた筆者の修行不足だった。一般論として、IT投資を
する経営者の心が捻じ曲がっていれば、捻じ曲がったITシステムにしかならな
いのである。

日本の出版界、日本の産業界の行く末は闇、というしかないのだろうか。

【なかの・きよし】早稲田大学 国際情報通信研究センター 客員教授

中野社中のページ
www.nakano.net/

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■デジクリトーク
物欲班長その3:続・サーバーを買おう!
I-OデータET-NAS20Gを使う

須貝 弦
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以前に「サーバーを買おう!」なんて原稿を書いたところ、何人かの読者の方
から「あんなのあるよ」「こんなのもあるよ」とメールをいただいた。なかで
もいちばん気になったのが、下記の製品。なんと、メーカーのI-Oデータさん
から直々にメールをいただいてしまった。さらに、その製品を貸してくれると
いうではないか! ありがとうI-Oデータさん。

ET-NAS20G
http://www.iodata.co.jp/products/plant/etnas20g.htm

それでもってこの「ET-NAS20G」、いったい何をするものかというと、ネット
ワークに接続して使う、容量20GBのデータストレージだ。一見すると外付け
HDDみたいなデザインのケースだが、マシンとは10/100BaseのEthernetで接続
する。ネットワーク接続なので、当然HUBを介して複数マシンで共有すること
も可能。Mac/Winでの共有も可能。さらに、シリアルポートがあるのでモデム
やTA、プリンタ(MacからはPSプリンタに限る)も共有可能なうえにDHCPもで
きるという!

そ。つまりこれってサーバーなのだ。キーボードもモニタもつかないけど、サ
ーバー。当然HDDは入っているし、実は内部ではLinuxが動いているわけ。だか
ら複数のマシン、異なるプラットフォームでの共有ができる。シリアル接続の
機器も共有できる。「Linuxというと設定が面倒では?」「キーボードもモニ
タも繋がらないのにどうやって使うの?」という疑問もあるが、それはクライ
アントからWebブラウザを使って設定することで解決。ISDNルーターの設定なん
かと似てますな。

●ET-NAS20Gのセッティング

さて、I-Oデータさんのご好意で我が家に現物が届いたので、さっそく使って
みることにしよう。今回は「ET-NAS20G」を、我が家のPower Mac 8100/80AVと
iBook 333とで共有しサーバーとして利用しつつ、我が家のロートル56kモデム
をこの2台のMacで共有してみよう! というのがテーマ。実は私、昨年夏に一
人暮らしのアパートを引き払って実家に戻り、しかもすぐに実家ごと引っ越し
て以来アナログ接続なんですワ、はぁ...。

ともかく、製品を箱から出して電源などを差し込んで、とりあえずiBookとク
ロスケーブルで接続してスイッチ、オン! ふごぉぉぉぉっ...と音がしてきて、
その後カリカリカリカリッと音がして、確かに「マシンが起動している」とい
う感じですな。で、なんでiBookとクロスで接続したしたかというと、とりあ
えずiBookに仮のローカルアドレスを割り振って、その状態でET-NAS20Gを設定
してやる必要があるから。

iBookでWebブラウザを起動して、URLのところにET-NAS20Gが持っているIPアド
レスを入力すると、設定画面が出てくる。ここで、ネットワークでファイル共
有するための設定や、シリアル機器の共有の設定などができる。

ます、サーバーとしてのメインの設定であるファイル共有の設定は、いたって
簡単。AppleTalkを有効にするくらい。シリアル機器の共有に関しては、ここ
ではアナログモデムを設定したが、ISDNルーターの設定とかと同じ感じ。TCP/
IPやリモートアクセスの設定ができる人なら、マニュアル片手にすぐできる。

私も、マニュアルのあちこち読みながらでも30分で設定完了。とくにモデムの
設定のところで、モデムの設定ファイルを選んだり、設定がプリセットで入っ
ていない場合はWindows用の設定ファイルを読み込ませる必要があるのだが、
実は「たいていのモデム/TAはこれでオッケー」みたいな設定があって、私の
家のオムロン製モデム(ロートルとかいってゴメン)も、それで大丈夫だった
(後述)。

設定が終わったら、今度は接続を変える。ET-NAS20GもiBookも8100も、全部
HUBに繋ぐ。ET-NAS20Gにはモデムを接続。さきほど仮のローカルアドレスを割
り振ったiBookのネットワークの設定は、元に戻して構わない。それぞれを接
続し終えたら、あとはふつうにMacの「セレクタ」を開いて、「AppleShare」
を選択。するとET-NAS20Gの共有フォルダが出てきて、マウントできる。あー、
あっさりサーバーができてしまった。唯一、私がWindowsマシンを持っていな
いことだけが残念。

続いて、モデムの共有にチャレンジ。そのためにはTCP/IPの設定をしておく必
要があるが、まぁよほどのMacビギナーでない限り誰でもできるであろう。で、
8100もiBookも設定完了したら、ET-NAS20Gにモデムを接続。iBookのWebブラウ
ザを起動してどこかのURLを開いてみる。

すると、確かにモデムが動き始めた...が、iBookのIE5はエラー。どうやらネ
ゴが確立する前にIEがエラーを出してしまったらしい。もう一度開いたら、今
度はちゃんとWebが表示された。直後、今度は8100でWebを開く。もちろんコレ
もオッケー。ちゃんとモデムが共有された。56kモデム共有してどうする、と
いうのは確かにそうだがTAで64kなら意義はある。みんなでQuickTimeとかダウ
ンロードするのは、それはムリあるだろうけど。

●MacやWinが混ざったSOHO環境に向く

というわけで、サーバーとしてもダイアルアップルーター"代理"としてもあっ
けないくらいに簡単に稼動してしまったET-NAS20G。では、実際にはどんな人が、
どう使えばいいか。

当たり前に考えると、SOHO向けということになるのだろうか。3~4台のコンピ
ュータがあって、MacやWinが混ざっていて、それぞれのマシンでインターネッ
トが使いたくて――というニーズがあれば、ET-NAS20Gは充分に使い物になる。
Webブラウザからのちょっとした設定でMac/Winで共有できるファイルサーバ
ーがたてられるというお手軽さは魅力だ。

個人ユーザーでも使い道はある。たとえば我が家には前の家で使っていたTAが
実は眠っていたりして、Macも複数台持ってて、しかもファイルサーバーが欲し
くって――という状態の私にとって、ET-NAS20Gはとりあえずストライクゾーン
に入ってはくる。

Mac1台、もしくはWin1台だけ持っていて、今はTAでネットに接続している。で
も異なるOSのコンピュータがもう1台欲しい――という人にとっては検討する
価値がある。

たとえばMacを持っていて、これからWindowsマシンを買う。2台同時にネット
に接続しようとしたら、TAからルーターに買い替える必要がある。また、Mac
/Win間のデータのやり取りのためにユーティリティやエミュレータを買った
ら、それもそれなりの出費にもなるだろうし。

じゃぁET-NAS20Gはいくら? 定価98,000円、市価79,800円あたりである。設定
がとても簡単で、Mac/Winで共有できて、DHCPサーバー機能があって、モデム
やTAが共有できて――というあたりは充分なのだが、個人的にはちょっと高い
かな。それに、この価格だと中古のPCと比較してしまう。あと、20GBなんて言
わずに40GBくらい搭載してよ、という知人の意見もあった。確かに、用途によ
っては20GBなんてすぐに埋まってしまうだろう。

個人的な立場に戻って考えると、「Mac1台、もしくはWin1台だけ持っていて、
今はTAでネットに接続している。でも異なるOSのコンピュータがもう1台欲し
い」というところに実はモロ合致していて、何げにPC欲しかったりして、しか
も妹が使っているPowerBook 5300csも含めてネット接続を共有したかったりし
て――な状況なので、財力あればPCといっしょに欲しいと思った。買ったら、
I-Oデータのサポート受けられるし(意外と重要)。

【すがい・げん】gsugai@hh.iij4u.or.jp
Mac OS XのPBをインストールするためのマシンを買うほうが、今はプライオリ
ティ高いかな、HDDが3GBのiBookにOS Xを入れるのはイヤだ…。初代iMacか、
それともG3 DT 233かで悩み中。PCは自作かな。

マッカー休業中♪(たぶん11/18あたり新ドメインで帰ってくる!)
http://www.dgcr.com/mac/

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■セミナー案内
(財)横浜産業振興公社/IDECヨコハマ・プロジェクト公開セミナー
デジタル編集長による「2000年、日本IT評評」~ITと日本人情報オンチ論~
http://www.yokohama.venture-web.or.jp/yk/seminar/1117seminar.pdf
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<主催者情報>

インターネットを中心として、日本でも話題が絶えない IT(情報技術)。し
かしその中身を詳しく検証してみると・・・。新聞記者ならではの客観的視点
で、「ニッポンのIT」を斬ります。
トピックス
(1)ITなら何でもありか ~IT狂想曲の背景を探る
(2)ITで何をするのか ~電子政府の実現でビジネスがどう変わる?
(3)日本人情報音痴論 ~「日本人」と「情報」の関係の特殊性を検証する

スピーカー 原 淳二郎(はらじゅんじろう) 朝日新聞社 企画報道室デジタ
      ル編集長
日時 11月17日(金)14時~16時
会場 横浜情報文化センター6階 「情文ホール」 (横浜市中区日本大通11 )
   お申し込みいただいた方には、後日、参加票および会場の地図を送付。
参加費用 一般=2000円(当日精算)、IDECヨコハマプロジェクト会員=無料 
主催 (財)横浜産業振興公社
申し込み 上記サイトからフォームを入手のこと

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■イベント案内
緊急シンポジウム! 明日開催
「是か非か?!日本語ドメイン取得ディスカッション」
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<主催者情報>

本日、10日より漢字やカタカナがとおる日本語ドメインが受付開始となりまし
た。これにともない、緊急シンポジウムを明日11日、開催いたします。

ディスカッション
日本リナックス協会運営委員Project BLUE 岡田良太郎
ビデオジャーナリスト KNN神田敏晶
株式会社パイナップルカンパニー 圓尾伸三

主催 日本語ドメイン研究プロジェクト
協力 中小企業インターネット協議会
協賛 株式会社アイパワー
   株式会社パイナップルカンパニー
費用 3000円
日時 11月11日(土)13時開場 13時30分開始~15時30分
場所 社団法人日本中小企業技術振興協会
   東京都新宿区四谷4-17-2新宿エースビル2F
   TEL 03-5363-6231 FAX 03-5363-6233
http://www.mapion.co.jp/cgi/m?no=1091989500196500000&coco=207,336&icon=markloc
お問い合わせ info@knn.com

【お申し込み】
下記のフォームにご記入の上、下記アドレスへ、お申し込みください。
info@kip.net あてでお願いいたします。定員になり次第締め切らせていただき
ます。

-------------info@kip.net ---------------------------------------

【会社名】
【役職】
【お名前】
【電話番号】
【住所】
【URL】http://www.
【日本語ドメインについてあなたが知りたい事など】

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■編集後記(11/10)
・新潮臨時増刊「三島由紀夫没後三十年」を読む。特別公開の未発表原稿やノ
ートを見たかったわけではない。橋本治の「『三島由紀夫』とはなにものだっ
たか」100枚を読みたかったのだ。風采はあがらないこの人だが、ものの見方
は天下一品の天才だ(ヒトは見かけで判断しちゃイカンといういい例)。それ
に文章が適度にしつっこく、わかりやすくて面白い。橋本はあの時22歳だった。
母親から、「あんた、三島さんが死んだよ」と知らされて「じゃ、これで三島
由紀夫の作品が安心して読めるな」とまず思ったそうだ。
あのときわたしは、市ヶ谷のあの場所のすぐそば、大日本印刷の出張校正室に
いた。ヘリコプターがやかましい日だなと思っていたら、外出から戻った同僚
が三島が死んだト言う。その当時の三島事件特集の雑誌はずいぶん買いあさっ
た記憶がある。それらはたぶん書庫で朽ちているだろう。
さて橋本100枚だが、作品にかかわる内容の大半は理解できなかった。確かに
当時は「金閣寺」も「豊饒の海」も「禁色」も読んだはずである。だが今とな
ってはその内容はまったく思い出せないし、それらを今から読み直す能力はな
い。若い頃のわたしは少なくとも今のわたしよりアタマはよかったし、誇れる
理解力があった。だから、若いわたしは三島由紀夫全集を全巻買って老後に備
えたのであるが、どうやらこれから全巻の読破は不可能であろう。
橋本は書く。「なにが三島由紀夫をスターにしたのか。その最大の理由は、三
島由紀夫が生きていた時代の人間が、みんな文字を読んでいたということであ
る。~(略)~三島由紀夫は、日本人が文字を読んで、そこから『品格』とか
『知性』を学習していた時代に、手の届かない高嶺にある人だった」
そう、三島とともに「戦後」は終わり、坂道を転げるようにニッポン人から品
格とか知性が失われていく。それを批判しつつ、それに軽々と適応できちゃう
自分が情けないね。いまのわたしにとって三島はむずかしい。   (柴田)

・日本語ドメイン。代行サービスにも早々と頼んでいたが、とれるかどうかな
んてわからないので、直接登録しようと試みた。9時ジャストにアクセスして
も、トップ画面は昨日のまま。きれそうになりつつ、別のサイトにもアクセス。
数分後に最初のサイトのトップ画面が変わったので、登録を開始したが、遅い
のなんのって。アクセス集中するのがわかっているだろうに、画像使わないで!
プレステで痛い目に遭っているので、またこれかい、と脱力。別のサイトはシ
ステム不調をおこしている。海外のサイトでは、登録のボタンすらないところ
もある。いらないのよ。でも他に使われるとイヤなのよ。それだけで1時間以
上費やしているのよ。遅々として進まない中、別のサイトで検索したらもう無
くなってしまっていた。虚しい気分。いろいろ検索してみたら、結構有名な名
詞ドメインが残っている。売り目的にドメインとるわけじゃないからいらない
けど、いいのか、その名詞企業たち、とつぶやく。     (hammer.mule)

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http://www.nagesen.gr.jp/  <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
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        森川眞行 

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