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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0740 2000/11/14.Tue発行
http://www.dgcr.com/ 1998/04/13創刊 前号の発行部数 17080部
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■五反田 | 世界をリードする電化製品メーカーでのグラフィックアシスト
■九段下 | グラフィック系アプリケーションのユーザーサポート
■池袋 | スタイリッシュなWebサイトへのリニューアルデザイン
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<レシピを誤ったクッキーは人知れず怪物に化ける>
■デジクリトーク
小学校が1.5MBで接続される日
森川眞行
■デジクリトーク
毒入りクッキー、食べていませんか?
なゆみ かすい
■イベント案内
映像工夫館展「3D@バーチャル2000」展
【日刊デジタルクリエイターズ】 No.0740 2000/11/14.Tue発行
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<レシピを誤ったクッキーは人知れず怪物に化ける>
■デジクリトーク
小学校が1.5MBで接続される日
森川眞行
■デジクリトーク
毒入りクッキー、食べていませんか?
なゆみ かすい
■イベント案内
映像工夫館展「3D@バーチャル2000」展
■デジクリトーク
小学校が1.5MBで接続される日
森川眞行
───────────────────────────────────
●先生の先生の先生?
先日、久しぶりに出張をした。行き先は広島。
文部省と広島の教育委員会の主催で、中国・四国地区の小学校の先生のみなさ
んを対象にしたセミナーで、僕はホームページのデザインとツールの環境につ
いてお話をさせてもらった。…トゆうか、いつものデスマッチセミナーの圧縮
版である。
一ヵ月ぶりに新幹線に乗った。やはり出張は新幹線である。ここ数年飛行機を
利用する場合もあるが(夏場の出張はポケモンカードがもらえるANAを利用す
ることも多い)、やはり圧倒的に新幹線を利用している。だって飛行機はタバ
コ吸えないもんね。
「のぞみ」で広島まで、その後「こだま」に乗り換えて一駅戻り東広島駅で下
車。駅前には何もなく見渡す限りの山と畑。あまりにも、のどか過ぎる風景。
今年の初めにデスマッチセミナーで色々と地方都市を廻ったのだが、今回はそ
の中でもかなり“田舎”の部類に属する。
お迎えに来ていただいたスタッフの方の車に乗せてもらい、会場に向かうのだ
が、その途中の景色もなかなかよろしい。ずっと都会で仕事をしてきている僕
にとっては、いつかこんな場所で暮らしたい…と思う景色なのである。
実際には広島市のベッドタウンとして機能しているそうなのだが、やはり就職
の問題などで過疎が進んでいる…という。しかしいずれインターネットによる
仕事のあり方が整備されると、人々はこのような素晴らしい環境の場所で、都
会と同じスピードで仕事を進めて行けるのではないか…と、ふと思った。
今回の講演は、小学校の先生を対象にしたもので、約一週間『教育とインター
ネット』というテーマで毎日講演が行われるというもので、僕はその中の一セ
ッションを担当させていただいたのである。受講者の先生方は、学校に戻って
から、再び学校内の先生達に『教育とインターネット』を解いていく立場にあ
る。いわば“先生の先生”なのである。従って僕は、“先生の先生の先生”と
いうことになる(なんのこっちゃ)。
先生の先生の先生である僕にも小学校の娘がいる。娘の小学校にもパソコンが
導入されており、一ヵ月に一回くらいの割合で、パソコン教室に児童が集めら
れてパソコンの操作を覚えるらしい。ちなみにうちの娘は、幼稚園の頃から
Macintoshをオモチャにしていたので(僕が仕事で使わなくなった古いマシン
を与えていた)、マウス操作もキーボード入力も習得していた。授業の中で作
成したキッドピックスのデータを勝手に「保存」を行い先生に怒られたらしい。
また「先生~、Photoshopはないんですか~?」と言ってヒンシュクを買った
…とも聞いた。
そんな感じで小学校のパソコンの授業なんて、現状では「教育」という部分と
はあまり関係のないところにあると言ってよい。まだまだ教育の現場でのパソ
コンは特殊なものであり、実践の教育のためのツールという部分からは遠い存
在にある。
…なんてことを、講演終了後に教育委員会の皆さんと話していたら、「その通
り」という返事が帰ってきた。インターネットによる授業というよりは、「イ
ンターネットというものがあるんだよ~」というような、社会見学的な扱いで
あるという。
しかし、この環境もあと5年くらいで大きく変わるらしい。現在はモデム接続
によるインターネットが、5年後には1.5MBの常時接続になるという。さらにパ
ソコンの台数も増え、各教室に配備されて、それぞれの小学校の教室から1.5
MBでインターネットに接続されるということなのである。
教室に虫の観察箱や植木鉢やオルガンなどと同じように、パソコンがやってく
るのである。その話を聞いて僕は「ふーん、やっとそうなるのか…。でも、僕
の知っている小学校ではすでに教室でインターネットを使って授業を行ってい
るところもあるんだけどなあ…」などと思っていた。けど、よく考えたら、全
ての小学校がその環境になる…ってことは凄いことだと思ったのである。
●第四世代に突入か?
読者のみなさんが、今こうしてインターネットのメール配信で情報を受け取っ
ている…ということは、日本全体のレベルで言うと、まだ「進んでいる」種類
に属しているのだと思う。また接続環境においても安価な常時接続を利用され
ていることだろう。
でも、思い出してほしい、数年前までは電話回線でモデムを使うことが一般的
で(ちなみに僕はまだ、自宅ではモデム接続ですが…)毎月高額な電話料金と
プロバイダ料金を支払っていたはずである。それが、5年後にはすべての小学
校が1.5MBの常時接続になるのである。
おそらく、小学校が1.5MBの常時接続になっている…という時代は、その環境
は特別なものではなく、むしろ「最低限の環境」なのである可能性の方が大き
いだろう…と話もされた。小学校が1.5MBで接続されているということは、各
個人の接続環境はもちろん、ほとんどの企業もインターネットによる情報網が
完全に整っているだろうし、公共施設も同様であろう。
そんな時代になった時に、我々クリエイターは何をしているのだろう?
…そんなことを考えて帰りの新幹線に乗った。もちろん今以上にWebデザイン
という仕事は需要になるだろう。単にデザインだけでなく、Webサイトを構築
できるノウハウがないと食っていけないのは今も同じだが、今後はさらにDB連
携などの高度なスキルが必要になるに違いない。
そして、もう一つ思ったことは、インフラの整備がさらに進み、国内の環境が
大容量のデータ転送が可能になった時代に流通するコンテンツの変化だ。Web
デザインの仕事を開始して5年になる僕も、現在の仕事の中心はHTMLをベース
にしてGIFやJPEGをイメージソースとして添付するオーソドックスな手法であ
る。もちろんFlashもたまに使うが、それはFlashが小さいファイルサイズで大
きな表現を実現できることが理由だ。やはりファイルサイズとの格闘が最も大
きいテーマなのだ。
しかし全ての小学校が1.5MBの時代になる頃には、現在リッチメディアと呼ば
れているテクノロジーが確実に脚光を浴びる。だって静止画よりも動画、もち
ろん動画になれば音声も欲しい。さらにインタラクティブな仕掛けにもワクワ
クしたい…と願うのが参加する立場の言い分だから。Shockwaveはもちろん、
映像&音声ストリーミングがさらに一般的に波及することは間違いないと思っ
ている。
デジタルでモノを作る人々の第一世代は、アナログからDTPへのシステムの変
化で、多くの人々が苦労してきた。第二世代はマルチメディアというジャンル
だろう。そして第三世代ではインターネットということになる。このインター
ネット…特にWebデザインでは、第一世代の時と同様に「今までのことはなか
ったことにして…」という切り捨てが再び施行されてしまった。次は第四世代
の時代に突入する。そんな気がしてならないのである。
シリコンカフェウェブデザインスタヂオ
http://www.siliconcafe.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■デジクリトーク
毒入りクッキー、食べていませんか?
なゆみ かすい
───────────────────────────────────
ひとつの忘れ去ろうとしていたメモがある。ここに引用する。
99/05/30 23 偶然にも「COOKIE.TXT」に異常な情報が含まれているのを見
つける。しかし、DELEGATEのログを調べるも、皮肉にも早朝
にログを消去したばかりのため送信元は不明。ただ、.co.jp
サイトにブラウザーが無条件に送信していることは確認。
99/05/31 6 未明より、最近アクセスしたサイトやブックマークしてある
サイトへ手当たり次第にアクセス。ビンゴ。
99/05/31 8 念のため、数回、試してみる。一度だけ正常なものが送られ
てきた。複数サーバで運用されていて、一部のサーバが異常
な状況にあるのか?
99/05/31 10 JPNIC whoisにおいて検索し、××××株式会社 技術担当者
へ、メール。
99/05/31 17 未だ修正されず。
99/06/01 04 未だ修正されず。
99/06/01 18 未だ修正されず。
99/06/01 23 ××××より、返信受信(担当部署に回すとのこと……)。
未だ修正されず。
99/06/02 17 未だ修正されず。
99/06/03 07 未だ修正されず。
99/06/03 19 未だ修正されず。
(以下略)
●いちいち毒味なんてしてられない
日頃、何気なく……そして無数に飛び交う“クッキー”。HTTP(Hyper Text
Transfer Protocol)を(その仕様上で)補う有用な機構だ。しかし、レシピ
を誤ったクッキーは人知れず怪物に化けることがあるのを忘れてはいけない。
クッキーは、CGI(Common Gateway Interface)のようなサーバー・サイドに
おける処理上はもちろんのこと、HTML文書にメタ・タグ(HTTP-EQUIV)をひと
つ書くだけでも送ることができる。サイトを公開することができる立場にある
人、つまり、誰もがクッキーを送ることができるわけだ。また、アクセス追跡
などの機能を持ったサーバーもクッキーを送ってくる。
そんな、時には得体の知れない、ひょっとすると、どんな毒が入っているかも
しれないクッキーも、その送られてくる量からすれば、ひとつひとつ確認しな
がら受け取るかどうかを判断するのは明らかにナンセンスだ。時間的かつ精神
的な負担になるだけであろうことは容易に想像がつく。
そのため、誰もがそういった行為を避けたいと思うし、避けようとするだろう。
ブラウザーも、いくらかの制限を施したり、仕分けによって処理する仕組みを
提供していたりするが、機械的な処理の限界や設定の煩わしさが付きまとう。
かといって、クッキーを受け取らないようにしてしまうと、いくつかのサイト
ではうまく表示されないこともあるだろうし、逆にクッキーを無条件で受け取
るようにしていると気づかないうちに“とんでもないもの”を受け取ってしま
うこともある。
●クッキー・モンスターの悪夢
そう。保存されたクッキーは頻繁にチェックするように心がけてはいたものの
無条件でクッキーを受け入れるように設定していたため、その、とんでもない
クッキーを受け取ってしまったことがある。
ただ、不自然なことに「SITESERVER」という名前のクッキーが「Site Server
(マイクロソフト謹製のサーバー)」以外のサーバーに送られていたのを発見
したことによって、それに気付くことができた。
居ても立ってもいられず、冒頭に掲載したメモにあるように夜が更けていくの
も忘れて事実の確認と調査を行った。ブラウザーの履歴に残っているサイト、
ブックマークに登録してあるサイトをひとつひとつ調べていくという原始的な
方法によってだ。そして、ようやく汚染源を突き止めた。驚いたことにプライ
バシー・ポリシーにクッキーに関する記述をも掲げた有名企業のサイトだった。
また、この件は既に指摘されているのではないかと思い検索してみた。すると、
俗に「クッキー・モンスター」と呼ばれる不都合であることが分かった。セサ
ミストリートのクッキー・モンスターはクッキーをくれと言うが、ここでいう
クッキー・モンスターはクッキーをひとつでも与えてしまうとそれを複製して
至る所にばら撒いてしまう可能性のある困った存在だ。
●おいしいクッキーとそうでないクッキー
今回の件の場合、複数のサーバーで運用されており、正常なサーバーと異常な
サーバーとが混在しているように思えた。下のものは正常なものだ。ちなみに
一部伏せてある。
SITESERVER=ID=********************************;
expires=Monday, 01-Jan-2035 00:00:00 GMT;
path=/;
domain=.*****.co.jp
次に挙げるものが異常なもの。
SITESERVER=ID=********************************;
expires=Monday, 01-Jan-2035 00:00:00 GMT;
path=/;
domain=.co.jp
見て分かるように、唯一の相違点が「.*****.co.jp」と「.co.jp」の違いだ。
前者は「.****.co.jp」のつくサーバーにだけ送り返されることを意味するが、
後者は「.****.co.jp」以外のものを含む「.co.jp」のつく全てのサーバーに
送り返されることを意味する。
つまり、対策が不十分なブラウザーがこの厄介なクッキーを受け入れると無関
係なサーバーにもクッキーを送ってしまうわけだ。いや、撒き散らしてしまう
という表現の方が適切かもしれない。
これは明らかにサーバーの設定漏れかなにかのケアレス・ミスのように思える。
少なくともクッキーの仕組みは難解な技術とはいえないからだ。管理者の知識
を疑いたくもなる。
また、Site Serverの日本語版の初期値は「.co.jp」にでもなっているのだろ
うか。この件の半年後くらいに、やはり、Site Serverで運用されている別の
サイト(現在は存在しない?)でも同様の異常なクッキーを受け取ったことが
あるのだ。
●毒入りクッキー、その毒性は?
毒入りクッキーといっても、これに大きな害はない。あるとすれば若干のトラ
フィック増加くらいだ。ただ、それが過度に多くなると、塵も積もれば……と
言うように、ネットワーク(=共有空間)の帯域圧迫や無関係なサーバーに無
駄な処理をさせることに繋がりかねない。そうなれば、これは公害といえる。
しかし、巨大なデータをやりとりすることがあることや個々の情報の価値も多
角的に勘案する必要があるため圧迫の度合いを一概に議論することはできない。
そして、このようにSite Serverのタグのようなものならば大きな問題となら
ないとは思うが、これがメールアドレスやパスワードなどの個人情報だとした
らどうなるだろうか。「.co.jp」のつくサイトにアクセスする毎に、人知れず
それらをばら撒くことになるかもしれないのだ。
また、このdomain属性はオプションとなっている。これが省略されている時は
元のサーバーにのみ送り返すというのが一般的なクッキーの実装だ。無意味に
記述せずに省略していれば、このようなことは起こらなかったともいえる。
加えて、このようなアクセス追跡のためのクッキーの多くは有効期限も卑らし
いことが多い。上に挙げたもでも、2035年となっている。そこまで長い期間に
設定するのには現実味が感じられない。
●クッキー討伐士たちの苦悩
「.com」のような「gTLD」であれば、まずユニークなドメインではないという
ことは周知だ。また「.jp」のような「ccTLD」もユニークなドメインではない。
事実上、それらは単なる名前空間の識別子に過ぎないからだ。そのため、クッ
キーでトップ・レベル・ドメインが指定されている場合、ブラウザーは無条件
で受け入れないように対処することは容易であり、そうしてある……はずだ。
まっとうなブラウザーなら。
しかし、「ccTLD」は第二レベルから開放しているところもあれば、現在のJP
ドメインのように第三レベルから開放しているところもある。このような場合、
第二レベルまでをユニークでないものと判断しなければならず、処理は複雑化
する。
そこに、JPドメインは近く第二レベルが再び開放され、その受付が始まろうと
している。また、JPドメイン配下には多階層構造をとる地域ドメインもある。
ただでさえ複雑な構造をしているのに、現在、各地域で進められている市町村
合併が進むと、この地域ドメインにも影響が出てくる。
(JPドメインが特に複雑なだけかもしれないが)JPドメインだけでもこれだけ
複雑なのだ。世界中の全てのユニークでないドメインに対応しようとするなら
実に骨が折れることだ。
併せて、もし、安直なクッキー・モンスター対策を施しているなら、皮肉にも
そのブラウザーはクッキーが必須のサイトでは使い物にならなくなる可能性が
ある。いや、可能性なんていうものではない。JPドメインの第二レベルが供用
され始めると、それは現実になるかもしれないのだ。
そして、これこそがクッキー・モンスターを具現化させる根幹的な問題だ。
●最後に
あれから一年、資料を求めて久しぶりに問題のあったサイト訪れた。しかし、
全く改善されていない現状を目の当たりにしようなど予測すらしていなかった。
未だに修正されてなかったのだ。
クッキーを無条件で受け入れるよう設定しているにもかかわらず、どのような
ものが保存されているのかチェックしたことがないなら、ともかく急いで保存
されているクッキーをチェックした方がいい。
ドメインが「.co.jp」やその他のユニークでないドメインのものが混じってい
ないだろうか。特に「SITESERVER」というエントリーには要注意だ。該当する
ものを見つけたらすぐに削除しよう。ただし、クッキーの確認や削除の方法に
ついては各自で調べていただきたい。
●参考文献
NHKインターナショナル
Muppets-Cookie(日本語)
http://www.nhkint.or.jp/sesame/intro_cook.html
Netscape Communications Corporation
PERSISTENT CLIENT STATE HTTP COOKIES(英語)
http://www.netscape.com/newsref/std/cookie_spec.html
David M. Kristol
Cookie I-D Drafts(英語)
http://portal.research.bell-labs.com/~dmk/cookie-ver.html
Oliver Lineham
Cookiemonster - Cookie Bug Affecting Non-Generic Domains(英語)
http://homepages.paradise.net.nz/~glineham/cookiemonster.html
【なゆみ かすい】mailto:kasui@flux.gr.jp
この10月に入ってから今更ながら「ペヨトル工房」の解散を知って、しばらく
感慨に浸っていたら何年かぶりの鼻血が出ました。(汗) そういえばデジクリ
にも名前が出たことが前にあったような……と、検索してみると#396、鷺義勝
さんの記事でした。そして「ペヨトル工房ブックフェア最終版」の文字。あぁ、
最終版。そうかぁ。うーん。世の中って理不尽だなぁ~。
ペヨトル工房告知ページ
http://www.tctv.ne.jp/members/peyotl/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■連載「ip2000-phase2」 疾走記(158)11/14
開店、殺到、大盛況!
川井拓也@スエズ運河
───────────────────────────────────
現在のオリビア号の位置
マッサワ(エリトリア)>>凸>ポートサイド(エジプト)
インマルサットと久しぶりの再会をした。ピースボートの通信担当は大平くん
という好青年。初顔合わせである。腰が低くどことなしユーモアただよう彼と
スポーツデッキで通信開始。太平洋衛星へのアンテナ角度はもう水平になって
おり、まもなく捕捉できなくなることを意味していた。なにはともあれ修正プ
ログラムをダウンロードした。
船内の機材ルームでサーバー、バックアップサーバー、クライアントマシン、
テストマシンをLANで接続してテスト開始。相互に書き込みを行い自動でミラ
ーリングが行われているか? 船内時刻の修正がなされているか等をチェック
していく。
もともと思いつき系の私としては、このようなひとつひとつの細かい検証、テ
ストは実は苦手な部類である。インドで乗船してくるプログラマーの山田氏に
任せようとしていた作業であるからどーにも進みが遅い。しかしなんとか動作
確認をして、今度は船内のスタッフに説明である。
今回のクルーズは前回の地球一周とはまた違い、スタッフがほとんど入れ替え
になっている。今回のクルーズの事務局長は中原さんというジャーナリスト出
身の人。面識はほとんどない。まずは事務局挨拶から始まり、機材室で実際の
サービスイメージを披露する。発言等をどうコントロールするかや担当の分担
を話しあい、明日のサービス開始に備える。
インドのコーチンを出航したオリビア号は、インド洋をアフリカ大陸に向って
航行を始めた。クライアントマシンは、ピースボートカウンターという旅行業
務を行う船内のメインの場所に置かれた。ちょうどバーのテーブルの高さがあ
るカウンターの端に、まるで猫のようなデザインの液晶デスクトップSHARPの
VINOが置かれた。カウンター裏にはメインのサーバーであるショップモデルの
タワー型デスクトップと、ノートのバックアップサーバー、それにUPSやHUB等
が設置された。
9時にカウンターが開くとすぐに人が殺到した。これはいい出足だ! いきな
り予約表が必要になった。銀行や郵便局にある番号レシートのようなものが必
要なくらいだ。そして操作方法を手取り足取り教えていく。パソコンの知識は
人によって千差万別、自分でタイプできる人からまったく分らない人までさま
ざまだ。
一日9時間のカウンターオープン時間に書き込まれたメッセージは43通にもの
ぼった。初日としては上出来である。しかし、落とし穴が待ち受けていた。
http://www.japangrace.co.jp/board/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■展覧会案内
映像工夫館展「3D@バーチャル2000」展
http://www.tokyo-photo-museum.or.jp/
───────────────────────────────────
<主催者情報>
日時 11月10日(金)~2001年3月29日(木)(一部は2月12日まで)
10時~18時(木・金は20時まで)
会場 東京都写真美術館 03-3280-0031
濃密なコンピュータグラフィックス作品と触覚的スクリーン "FEELEX"との出
会い! 恵比寿の東京都写真美術館にて、11月10日からバーチャルリアリティ
作品「GEMOTION」が公開されます。河口洋一郎による映像が、岩田洋夫による
"FEELEX"と結びつき、情感を持つかのようなエモーショナル・テクスチャーを
出現させます。ぜひ会場のスクリーンに触れ、このインタラクティヴな幻惑的
ビジョンとサウンドをご体験ください。
後援=日本バーチャルリアリティ学会
協賛=キヤノン株式会社 Canon
協力=東京大学大学院河口研究室/筑波大学機能工学系岩田研究室/日本電子
専門学校ほか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(11/14)
・昨日は2台のマックを交互に使って、なんとかメールを読み書きすることが
できた。デスクにSOSを発して、いろいろな対処を教わる。まったく頼りにな
るお方であります。チェックを指示されたコントロールパネルのTCP/IPにおい
て怪しげなヤツを見つけて排除、G4は元通りになった。ありがと~~。この際
ボードを1枚差して、デュアルモニタにすることに。今日、液晶モニタを買い
に行こうと思う。また、PageMakerを使うために旧マックも復帰させることに
した。ようやくバックアップの大切さもわかり、外付けのHDDも買おうかなと
いう気にもなった。これでは折り畳み自転車は当分入手できない。(柴田)
・昨日号に表記ミスがありました。(誤)UNICORD(正)UNICODEでした。ご指
摘くださったkitazawaさん、ありがとうございます。
・今朝の読売新聞一面に、資生堂や日本生命保険は自社ドメイン登録できなか
ったと書かれていた。そのくらいの大手なら、裁判で勝てるとは思うけど、こ
の裁判で勝てる、というのも本来は変なんだよな。先着順って決めているなら。
売り目的の登録を増やさないためだろうけれど。記事の中、武田薬品工業が、
武田薬品.comはとれたが武田.comはとれなかった、とあって、武田は武田薬品
のものじゃないだろ、なんて思っていたりする。どこも企業イメージを作り出
すために力を入れているのはわかっているけど。他人に自分の名前を使われる
のって気持ち悪いし。ところで、例えば「キカイダー01」のような、社名に英
数字の含まれている企業さんはどう対処なさいました? 全角数字と半角数字
の両方を取得するのでしょうか。混在不可ってのはナシよっ。(hammer.mule)
----------------------------------------------------------------------
■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.nagesen.gr.jp/ <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行 デジタルクリエイターズ
<http://www.dgcr.com/>
編集長 柴田忠男
デスク 濱村和恵
アソシエーツ 神田敏晶
森川眞行
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Macky!<http://macky.nifty.com/>、カプライト<http://kapu.cplaza.ne.jp/>、
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許可なく転載することを禁じます。
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森川眞行
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今回の講演は、小学校の先生を対象にしたもので、約一週間『教育とインター
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ッションを担当させていただいたのである。受講者の先生方は、学校に戻って
から、再び学校内の先生達に『教育とインターネット』を解いていく立場にあ
る。いわば“先生の先生”なのである。従って僕は、“先生の先生の先生”と
いうことになる(なんのこっちゃ)。
先生の先生の先生である僕にも小学校の娘がいる。娘の小学校にもパソコンが
導入されており、一ヵ月に一回くらいの割合で、パソコン教室に児童が集めら
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Macintoshをオモチャにしていたので(僕が仕事で使わなくなった古いマシン
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また「先生~、Photoshopはないんですか~?」と言ってヒンシュクを買った
…とも聞いた。
そんな感じで小学校のパソコンの授業なんて、現状では「教育」という部分と
はあまり関係のないところにあると言ってよい。まだまだ教育の現場でのパソ
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在にある。
…なんてことを、講演終了後に教育委員会の皆さんと話していたら、「その通
り」という返事が帰ってきた。インターネットによる授業というよりは、「イ
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あるという。
しかし、この環境もあと5年くらいで大きく変わるらしい。現在はモデム接続
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ソコンの台数も増え、各教室に配備されて、それぞれの小学校の教室から1.5
MBでインターネットに接続されるということなのである。
教室に虫の観察箱や植木鉢やオルガンなどと同じように、パソコンがやってく
るのである。その話を聞いて僕は「ふーん、やっとそうなるのか…。でも、僕
の知っている小学校ではすでに教室でインターネットを使って授業を行ってい
るところもあるんだけどなあ…」などと思っていた。けど、よく考えたら、全
ての小学校がその環境になる…ってことは凄いことだと思ったのである。
●第四世代に突入か?
読者のみなさんが、今こうしてインターネットのメール配信で情報を受け取っ
ている…ということは、日本全体のレベルで言うと、まだ「進んでいる」種類
に属しているのだと思う。また接続環境においても安価な常時接続を利用され
ていることだろう。
でも、思い出してほしい、数年前までは電話回線でモデムを使うことが一般的
で(ちなみに僕はまだ、自宅ではモデム接続ですが…)毎月高額な電話料金と
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校が1.5MBの常時接続になるのである。
おそらく、小学校が1.5MBの常時接続になっている…という時代は、その環境
は特別なものではなく、むしろ「最低限の環境」なのである可能性の方が大き
いだろう…と話もされた。小学校が1.5MBで接続されているということは、各
個人の接続環境はもちろん、ほとんどの企業もインターネットによる情報網が
完全に整っているだろうし、公共施設も同様であろう。
そんな時代になった時に、我々クリエイターは何をしているのだろう?
…そんなことを考えて帰りの新幹線に乗った。もちろん今以上にWebデザイン
という仕事は需要になるだろう。単にデザインだけでなく、Webサイトを構築
できるノウハウがないと食っていけないのは今も同じだが、今後はさらにDB連
携などの高度なスキルが必要になるに違いない。
そして、もう一つ思ったことは、インフラの整備がさらに進み、国内の環境が
大容量のデータ転送が可能になった時代に流通するコンテンツの変化だ。Web
デザインの仕事を開始して5年になる僕も、現在の仕事の中心はHTMLをベース
にしてGIFやJPEGをイメージソースとして添付するオーソドックスな手法であ
る。もちろんFlashもたまに使うが、それはFlashが小さいファイルサイズで大
きな表現を実現できることが理由だ。やはりファイルサイズとの格闘が最も大
きいテーマなのだ。
しかし全ての小学校が1.5MBの時代になる頃には、現在リッチメディアと呼ば
れているテクノロジーが確実に脚光を浴びる。だって静止画よりも動画、もち
ろん動画になれば音声も欲しい。さらにインタラクティブな仕掛けにもワクワ
クしたい…と願うのが参加する立場の言い分だから。Shockwaveはもちろん、
映像&音声ストリーミングがさらに一般的に波及することは間違いないと思っ
ている。
デジタルでモノを作る人々の第一世代は、アナログからDTPへのシステムの変
化で、多くの人々が苦労してきた。第二世代はマルチメディアというジャンル
だろう。そして第三世代ではインターネットということになる。このインター
ネット…特にWebデザインでは、第一世代の時と同様に「今までのことはなか
ったことにして…」という切り捨てが再び施行されてしまった。次は第四世代
の時代に突入する。そんな気がしてならないのである。
シリコンカフェウェブデザインスタヂオ
http://www.siliconcafe.com/
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■デジクリトーク
毒入りクッキー、食べていませんか?
なゆみ かすい
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ひとつの忘れ去ろうとしていたメモがある。ここに引用する。
99/05/30 23 偶然にも「COOKIE.TXT」に異常な情報が含まれているのを見
つける。しかし、DELEGATEのログを調べるも、皮肉にも早朝
にログを消去したばかりのため送信元は不明。ただ、.co.jp
サイトにブラウザーが無条件に送信していることは確認。
99/05/31 6 未明より、最近アクセスしたサイトやブックマークしてある
サイトへ手当たり次第にアクセス。ビンゴ。
99/05/31 8 念のため、数回、試してみる。一度だけ正常なものが送られ
てきた。複数サーバで運用されていて、一部のサーバが異常
な状況にあるのか?
99/05/31 10 JPNIC whoisにおいて検索し、××××株式会社 技術担当者
へ、メール。
99/05/31 17 未だ修正されず。
99/06/01 04 未だ修正されず。
99/06/01 18 未だ修正されず。
99/06/01 23 ××××より、返信受信(担当部署に回すとのこと……)。
未だ修正されず。
99/06/02 17 未だ修正されず。
99/06/03 07 未だ修正されず。
99/06/03 19 未だ修正されず。
(以下略)
●いちいち毒味なんてしてられない
日頃、何気なく……そして無数に飛び交う“クッキー”。HTTP(Hyper Text
Transfer Protocol)を(その仕様上で)補う有用な機構だ。しかし、レシピ
を誤ったクッキーは人知れず怪物に化けることがあるのを忘れてはいけない。
クッキーは、CGI(Common Gateway Interface)のようなサーバー・サイドに
おける処理上はもちろんのこと、HTML文書にメタ・タグ(HTTP-EQUIV)をひと
つ書くだけでも送ることができる。サイトを公開することができる立場にある
人、つまり、誰もがクッキーを送ることができるわけだ。また、アクセス追跡
などの機能を持ったサーバーもクッキーを送ってくる。
そんな、時には得体の知れない、ひょっとすると、どんな毒が入っているかも
しれないクッキーも、その送られてくる量からすれば、ひとつひとつ確認しな
がら受け取るかどうかを判断するのは明らかにナンセンスだ。時間的かつ精神
的な負担になるだけであろうことは容易に想像がつく。
そのため、誰もがそういった行為を避けたいと思うし、避けようとするだろう。
ブラウザーも、いくらかの制限を施したり、仕分けによって処理する仕組みを
提供していたりするが、機械的な処理の限界や設定の煩わしさが付きまとう。
かといって、クッキーを受け取らないようにしてしまうと、いくつかのサイト
ではうまく表示されないこともあるだろうし、逆にクッキーを無条件で受け取
るようにしていると気づかないうちに“とんでもないもの”を受け取ってしま
うこともある。
●クッキー・モンスターの悪夢
そう。保存されたクッキーは頻繁にチェックするように心がけてはいたものの
無条件でクッキーを受け入れるように設定していたため、その、とんでもない
クッキーを受け取ってしまったことがある。
ただ、不自然なことに「SITESERVER」という名前のクッキーが「Site Server
(マイクロソフト謹製のサーバー)」以外のサーバーに送られていたのを発見
したことによって、それに気付くことができた。
居ても立ってもいられず、冒頭に掲載したメモにあるように夜が更けていくの
も忘れて事実の確認と調査を行った。ブラウザーの履歴に残っているサイト、
ブックマークに登録してあるサイトをひとつひとつ調べていくという原始的な
方法によってだ。そして、ようやく汚染源を突き止めた。驚いたことにプライ
バシー・ポリシーにクッキーに関する記述をも掲げた有名企業のサイトだった。
また、この件は既に指摘されているのではないかと思い検索してみた。すると、
俗に「クッキー・モンスター」と呼ばれる不都合であることが分かった。セサ
ミストリートのクッキー・モンスターはクッキーをくれと言うが、ここでいう
クッキー・モンスターはクッキーをひとつでも与えてしまうとそれを複製して
至る所にばら撒いてしまう可能性のある困った存在だ。
●おいしいクッキーとそうでないクッキー
今回の件の場合、複数のサーバーで運用されており、正常なサーバーと異常な
サーバーとが混在しているように思えた。下のものは正常なものだ。ちなみに
一部伏せてある。
SITESERVER=ID=********************************;
expires=Monday, 01-Jan-2035 00:00:00 GMT;
path=/;
domain=.*****.co.jp
次に挙げるものが異常なもの。
SITESERVER=ID=********************************;
expires=Monday, 01-Jan-2035 00:00:00 GMT;
path=/;
domain=.co.jp
見て分かるように、唯一の相違点が「.*****.co.jp」と「.co.jp」の違いだ。
前者は「.****.co.jp」のつくサーバーにだけ送り返されることを意味するが、
後者は「.****.co.jp」以外のものを含む「.co.jp」のつく全てのサーバーに
送り返されることを意味する。
つまり、対策が不十分なブラウザーがこの厄介なクッキーを受け入れると無関
係なサーバーにもクッキーを送ってしまうわけだ。いや、撒き散らしてしまう
という表現の方が適切かもしれない。
これは明らかにサーバーの設定漏れかなにかのケアレス・ミスのように思える。
少なくともクッキーの仕組みは難解な技術とはいえないからだ。管理者の知識
を疑いたくもなる。
また、Site Serverの日本語版の初期値は「.co.jp」にでもなっているのだろ
うか。この件の半年後くらいに、やはり、Site Serverで運用されている別の
サイト(現在は存在しない?)でも同様の異常なクッキーを受け取ったことが
あるのだ。
●毒入りクッキー、その毒性は?
毒入りクッキーといっても、これに大きな害はない。あるとすれば若干のトラ
フィック増加くらいだ。ただ、それが過度に多くなると、塵も積もれば……と
言うように、ネットワーク(=共有空間)の帯域圧迫や無関係なサーバーに無
駄な処理をさせることに繋がりかねない。そうなれば、これは公害といえる。
しかし、巨大なデータをやりとりすることがあることや個々の情報の価値も多
角的に勘案する必要があるため圧迫の度合いを一概に議論することはできない。
そして、このようにSite Serverのタグのようなものならば大きな問題となら
ないとは思うが、これがメールアドレスやパスワードなどの個人情報だとした
らどうなるだろうか。「.co.jp」のつくサイトにアクセスする毎に、人知れず
それらをばら撒くことになるかもしれないのだ。
また、このdomain属性はオプションとなっている。これが省略されている時は
元のサーバーにのみ送り返すというのが一般的なクッキーの実装だ。無意味に
記述せずに省略していれば、このようなことは起こらなかったともいえる。
加えて、このようなアクセス追跡のためのクッキーの多くは有効期限も卑らし
いことが多い。上に挙げたもでも、2035年となっている。そこまで長い期間に
設定するのには現実味が感じられない。
●クッキー討伐士たちの苦悩
「.com」のような「gTLD」であれば、まずユニークなドメインではないという
ことは周知だ。また「.jp」のような「ccTLD」もユニークなドメインではない。
事実上、それらは単なる名前空間の識別子に過ぎないからだ。そのため、クッ
キーでトップ・レベル・ドメインが指定されている場合、ブラウザーは無条件
で受け入れないように対処することは容易であり、そうしてある……はずだ。
まっとうなブラウザーなら。
しかし、「ccTLD」は第二レベルから開放しているところもあれば、現在のJP
ドメインのように第三レベルから開放しているところもある。このような場合、
第二レベルまでをユニークでないものと判断しなければならず、処理は複雑化
する。
そこに、JPドメインは近く第二レベルが再び開放され、その受付が始まろうと
している。また、JPドメイン配下には多階層構造をとる地域ドメインもある。
ただでさえ複雑な構造をしているのに、現在、各地域で進められている市町村
合併が進むと、この地域ドメインにも影響が出てくる。
(JPドメインが特に複雑なだけかもしれないが)JPドメインだけでもこれだけ
複雑なのだ。世界中の全てのユニークでないドメインに対応しようとするなら
実に骨が折れることだ。
併せて、もし、安直なクッキー・モンスター対策を施しているなら、皮肉にも
そのブラウザーはクッキーが必須のサイトでは使い物にならなくなる可能性が
ある。いや、可能性なんていうものではない。JPドメインの第二レベルが供用
され始めると、それは現実になるかもしれないのだ。
そして、これこそがクッキー・モンスターを具現化させる根幹的な問題だ。
●最後に
あれから一年、資料を求めて久しぶりに問題のあったサイト訪れた。しかし、
全く改善されていない現状を目の当たりにしようなど予測すらしていなかった。
未だに修正されてなかったのだ。
クッキーを無条件で受け入れるよう設定しているにもかかわらず、どのような
ものが保存されているのかチェックしたことがないなら、ともかく急いで保存
されているクッキーをチェックした方がいい。
ドメインが「.co.jp」やその他のユニークでないドメインのものが混じってい
ないだろうか。特に「SITESERVER」というエントリーには要注意だ。該当する
ものを見つけたらすぐに削除しよう。ただし、クッキーの確認や削除の方法に
ついては各自で調べていただきたい。
●参考文献
NHKインターナショナル
Muppets-Cookie(日本語)
http://www.nhkint.or.jp/sesame/intro_cook.html
Netscape Communications Corporation
PERSISTENT CLIENT STATE HTTP COOKIES(英語)
http://www.netscape.com/newsref/std/cookie_spec.html
David M. Kristol
Cookie I-D Drafts(英語)
http://portal.research.bell-labs.com/~dmk/cookie-ver.html
Oliver Lineham
Cookiemonster - Cookie Bug Affecting Non-Generic Domains(英語)
http://homepages.paradise.net.nz/~glineham/cookiemonster.html
【なゆみ かすい】mailto:kasui@flux.gr.jp
この10月に入ってから今更ながら「ペヨトル工房」の解散を知って、しばらく
感慨に浸っていたら何年かぶりの鼻血が出ました。(汗) そういえばデジクリ
にも名前が出たことが前にあったような……と、検索してみると#396、鷺義勝
さんの記事でした。そして「ペヨトル工房ブックフェア最終版」の文字。あぁ、
最終版。そうかぁ。うーん。世の中って理不尽だなぁ~。
ペヨトル工房告知ページ
http://www.tctv.ne.jp/members/peyotl/index.html
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■連載「ip2000-phase2」 疾走記(158)11/14
開店、殺到、大盛況!
川井拓也@スエズ運河
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現在のオリビア号の位置
マッサワ(エリトリア)>>凸>ポートサイド(エジプト)
インマルサットと久しぶりの再会をした。ピースボートの通信担当は大平くん
という好青年。初顔合わせである。腰が低くどことなしユーモアただよう彼と
スポーツデッキで通信開始。太平洋衛星へのアンテナ角度はもう水平になって
おり、まもなく捕捉できなくなることを意味していた。なにはともあれ修正プ
ログラムをダウンロードした。
船内の機材ルームでサーバー、バックアップサーバー、クライアントマシン、
テストマシンをLANで接続してテスト開始。相互に書き込みを行い自動でミラ
ーリングが行われているか? 船内時刻の修正がなされているか等をチェック
していく。
もともと思いつき系の私としては、このようなひとつひとつの細かい検証、テ
ストは実は苦手な部類である。インドで乗船してくるプログラマーの山田氏に
任せようとしていた作業であるからどーにも進みが遅い。しかしなんとか動作
確認をして、今度は船内のスタッフに説明である。
今回のクルーズは前回の地球一周とはまた違い、スタッフがほとんど入れ替え
になっている。今回のクルーズの事務局長は中原さんというジャーナリスト出
身の人。面識はほとんどない。まずは事務局挨拶から始まり、機材室で実際の
サービスイメージを披露する。発言等をどうコントロールするかや担当の分担
を話しあい、明日のサービス開始に備える。
インドのコーチンを出航したオリビア号は、インド洋をアフリカ大陸に向って
航行を始めた。クライアントマシンは、ピースボートカウンターという旅行業
務を行う船内のメインの場所に置かれた。ちょうどバーのテーブルの高さがあ
るカウンターの端に、まるで猫のようなデザインの液晶デスクトップSHARPの
VINOが置かれた。カウンター裏にはメインのサーバーであるショップモデルの
タワー型デスクトップと、ノートのバックアップサーバー、それにUPSやHUB等
が設置された。
9時にカウンターが開くとすぐに人が殺到した。これはいい出足だ! いきな
り予約表が必要になった。銀行や郵便局にある番号レシートのようなものが必
要なくらいだ。そして操作方法を手取り足取り教えていく。パソコンの知識は
人によって千差万別、自分でタイプできる人からまったく分らない人までさま
ざまだ。
一日9時間のカウンターオープン時間に書き込まれたメッセージは43通にもの
ぼった。初日としては上出来である。しかし、落とし穴が待ち受けていた。
http://www.japangrace.co.jp/board/
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■展覧会案内
映像工夫館展「3D@バーチャル2000」展
http://www.tokyo-photo-museum.or.jp/
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<主催者情報>
日時 11月10日(金)~2001年3月29日(木)(一部は2月12日まで)
10時~18時(木・金は20時まで)
会場 東京都写真美術館 03-3280-0031
濃密なコンピュータグラフィックス作品と触覚的スクリーン "FEELEX"との出
会い! 恵比寿の東京都写真美術館にて、11月10日からバーチャルリアリティ
作品「GEMOTION」が公開されます。河口洋一郎による映像が、岩田洋夫による
"FEELEX"と結びつき、情感を持つかのようなエモーショナル・テクスチャーを
出現させます。ぜひ会場のスクリーンに触れ、このインタラクティヴな幻惑的
ビジョンとサウンドをご体験ください。
後援=日本バーチャルリアリティ学会
協賛=キヤノン株式会社 Canon
協力=東京大学大学院河口研究室/筑波大学機能工学系岩田研究室/日本電子
専門学校ほか
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■編集後記(11/14)
・昨日は2台のマックを交互に使って、なんとかメールを読み書きすることが
できた。デスクにSOSを発して、いろいろな対処を教わる。まったく頼りにな
るお方であります。チェックを指示されたコントロールパネルのTCP/IPにおい
て怪しげなヤツを見つけて排除、G4は元通りになった。ありがと~~。この際
ボードを1枚差して、デュアルモニタにすることに。今日、液晶モニタを買い
に行こうと思う。また、PageMakerを使うために旧マックも復帰させることに
した。ようやくバックアップの大切さもわかり、外付けのHDDも買おうかなと
いう気にもなった。これでは折り畳み自転車は当分入手できない。(柴田)
・昨日号に表記ミスがありました。(誤)UNICORD(正)UNICODEでした。ご指
摘くださったkitazawaさん、ありがとうございます。
・今朝の読売新聞一面に、資生堂や日本生命保険は自社ドメイン登録できなか
ったと書かれていた。そのくらいの大手なら、裁判で勝てるとは思うけど、こ
の裁判で勝てる、というのも本来は変なんだよな。先着順って決めているなら。
売り目的の登録を増やさないためだろうけれど。記事の中、武田薬品工業が、
武田薬品.comはとれたが武田.comはとれなかった、とあって、武田は武田薬品
のものじゃないだろ、なんて思っていたりする。どこも企業イメージを作り出
すために力を入れているのはわかっているけど。他人に自分の名前を使われる
のって気持ち悪いし。ところで、例えば「キカイダー01」のような、社名に英
数字の含まれている企業さんはどう対処なさいました? 全角数字と半角数字
の両方を取得するのでしょうか。混在不可ってのはナシよっ。(hammer.mule)
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■ 日刊デジクリは投げ銭システム推進準備委員会の趣旨に賛同します ■
http://www.nagesen.gr.jp/ <投げ銭システムをすべてのhomepageに>
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発行 デジタルクリエイターズ
<http://www.dgcr.com/>
編集長 柴田忠男
デスク 濱村和恵
アソシエーツ 神田敏晶
森川眞行
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