[1100] 日本がひとつになった

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1100    2002/06/10.Mon発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 20973部
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     【デジクリは「メディア規制三法案」に反対します】 

■デジクリトーク
 日本がひとつになった
 神田敏晶

■イベント案内
 ロボカップ2002 福岡・釜山

■デジクリトーク
 生パパイヤ。
 白石 昇

■青瓶2427
 ブランド戦略、読売新聞 2.
 オムカエデゴンス。
 北澤浩一

■公募案内(発表)
 EZアワード



■デジクリトーク
日本がひとつになった

神田敏晶
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KNN神田です。

稲本がゴールネットを揺らした瞬間。日本がひとつになった。

それまでの不安と苛立ち、結果がすべてのサッカーにおいて、それまでの緊張
感からときはなたれた。続いて、日本のディフェンス陣の攻防。中田の惜しい
までのミドルからのロングシュート。中山ゴンの投入、ロスタイムまであと2
分、稲本の表情でゲームの終了を悟りました。

ボクは19:00より横浜スタジアム前のスタジアムにはいれない人たちのネット
生放送をしながら、テレビのあるレストランに放送しながら移動した。テレビ
朝日のスタッフと共に、テレビを背にして、サポーターたちを映し続ける。

新横浜駅前は、まさに青一色。24番目の選手が10万人ここに終結している。テ
レビでインタビューが始まる頃には、表通りは狂喜乱舞の声。祝杯に酔う人た
ちでいっぱいだ。

しかし、スタジアムから流れてくる人たちの表情は声援という戦いに疲労困憊
の表情が伺えた。満員の電車に乗り込んだときには戦い果たしたという満足感
でいっぱいだった。

東横線が、渋谷に着いた。ホームを出た瞬間、渋谷のスクランブル交差点は、
もうそこは日本ではなかった。クルマのほとんどが、クラクションをかきなら
し、暴走族ばりに上半身裸でハコ乗りしながら街中の喚起に身をまかせている。

歩行者側が青になると、一斉にスクランブル交差点は1分間の大乱舞のステー
ジと化した。それぞれの方向から一斉に人がかけあい、誰かれなしと抱擁し、
赤信号とともに対岸の方向へと散る。今度はクルマとバイクのパレード、また、
信号が青になると青の軍団がスクランブルの真ん中へ集結する。何度も何度も
終わることなく、このサイクルが夜の渋谷で続いた。

きっと、この6月9日の夜は、日本中の鬱積していたストレスが解き放たれた瞬
間のようであった。ワールドカップのゲームで初の勝利に沸いた1日であった。
開催国が勝ち進むことが、ワールドカップにとって一番のプロモーションであ
る。

14日の大阪に期待が膨らむ。この期待はさらに増殖していて関心のない人にま
で、ある意味、ナショナリティを感じる瞬間になるであろう。

アメリカでは、アメリカが勝ってもあまりワールドカップがニュースにとりあ
げられないという。この時期、アメリカにいなくてよかった。アメリカではワ
ールドカップに関するビジネスの利権がないためだ。もしもキルヒと同様、放
映権やさまざまな利権がからんでいたら、アメリカでもワールドカップを大々
的に取り上げたことであろう。

泣いても、笑っても14日の大阪で、日本の景気、経済を動かす国民のモチベー
ションが変わることであろう。引き分けか勝利、負けは認められない。ボクた
ちは少しばかりのアドバンテージを持って大阪でのゲームに望むことができる。

ベスト16に進出すれば、次は、ベスト8だ。果てしない夢は限りなく続く。日
本が忘れかけていた「一体感」を見事、ワールドカップが取り戻してくれた。

KandaNewsNetwork,Inc. http://www.knn.com/
CEO Toshi Kanda mailto:kanda@knn.com
45-14 Oyama-cho,Shibuya,Tokyo,Japan151-0065
Phone81-3-5465-6555 Fax81-3-5478-8719

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■イベント案内
ロボカップ2002 福岡・釜山
http://www.robocup2002.org/japanese/
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ロボカップは、ロボット工学と人工知能の融合、発展のために自律移動ロボッ
トによるサッカーを題材として日本の研究者らによって提唱された。ロボカッ
プは「西暦2050年、サッカーの世界チャンピオン・チームに勝てる、自律型ロ
ボットのチームを作る」という夢に向かって人工知能やロボット工学などの研
究を推進し、様々な分野の基礎技術として波及させることを目的とした新たな
ランドマーク・プロジェクトである。

ロボットサッカー世界大会
会期 6月19日(水)~25日(火)一般公開は、20日から23日までの4日間
会場 福岡ドーム(メイン会場)ほか

ROBOTEX(展示)
http://www.robotrex.com/jp/info.html
会期 6月20日(木)~23日(日)10:00~18:00
会場 福岡ドーム

ロボカップ公式応援サイト
http://robocup.chienowa.com/community/

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■デジクリトーク
生パパイヤ。

白石 昇
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白石昇です。唐突かもしれませんが平成十三年十二月二十一日から大晦日まで、
毎日一個、青パパイヤの千切りおよび調理をすることになったのです。

どうしてそう言うことになったかはまずここ↓を参考に。
バックナンバー→http://hp.vector.co.jp/authors/VA028485/shiryou.html
していただいてもよくわからないと思います。
 
だけどこの青パパイヤがらみの作業はあたしの翻訳者としての心の問題であり、
避けては通れないのです。避けてしまうと間違いなく避けた自分が許せなくな
るのです。

だから正面突破なのです。

そんな正面突破の詳しい理由なのですが教えたくありません。

翻訳している本の内容については発売まで意図的に言及しない方針なのです。
 
だから非常にメタフォニカルなたとえ話になりますが、例えばあなたが川端康
成だったとします。

そうですあの川端康成です。ストックホルムで世界的権威のある賞を貰ったあ
の人です。その川端康成の元にひとりの外国人が来て、

「コニチハ川端サン、わたしあなたの本読んだよ、したいよ翻訳、許可ちょう
だいよ翻訳の」

とかその外国人が言ったとします。しかし詳しい話を聞いていくうちにその外
国人が、

「少女なんてなんの魅力もないよ、あんな子供のどこがいいか信じられないよ、
わたしはやっぱり熟女が好きですね少女キライ」

などとほざき、とんでもない価値観をさりげなく表明したとしたらどうでしょ
うか? 川端は何も言わずその外国人に翻訳を許可するでしょうか?

百歩譲って、たとえ川端が許可したとしても、まわりがそれを容認するでしょ
うか?

あたしが川端ならなら叩き出しますその外人。そのときのご機嫌次第では入国
管理局に即刻通報です。
 
少女の魅力を解せようともせず、ロリ指向を完全否定するような男に川端康成
を翻訳させてはならないのです。ええそうなのです、川端康成は世界に共通す
る少女の魅力を言語的に形にしたことによって世界的に認められた表現者なの
です。

まさに日本が誇る、美しい日本のロリ指向な私、なわけです。
 
そう言った土台をふまえた上で話はあたしの仕事に戻って、著作者の美意識を
身体で理解するためにあたしは翻訳許可を貰った二十一日からほぼ十日間、毎
日一個の青パパイヤを千切りにし、食すことにしたワケなのです。

一般的にこの国では、青いパパイヤはソムタムというサラダにして調理します。
臼に大蒜、唐辛子、トマト、ライムなどを入れて、砂糖、ナムプラー、を加え
て千切り青パパイヤと共に杵で突いて作るのです。

オプションで桜えび、沢蟹の塩辛、魚の塩辛の汁、ピーナッツ、エンドウ豆な
どを加えたりもします。

包丁で青パパイヤを千切りにするときにはまな板なんか使いません。皮を向い
たパパイヤに包丁を縦に叩きつけて無数の傷を作り、それを削ることによって
千切りにしてゆくのです。

包丁で縦に傷を付けていく作業は、杵で突く作業と共に単純な上下運動を伴う
作業です。単純な作業を遂行していると人間というものは、深遠な思索に耽っ
たりします。

そうですあたしは作業を遂行しながら、この翻訳出版でもっとも大事な仕事に
ついて思いを馳せていたのです。

つづく。

【しらいしのぼる】noboru@geocities.co.jp
言語藝人。昭和44年5月1日長崎県西彼杵郡多良見町生まれ。『抜塞』で第12回
日大文芸賞を受賞。

僕を虐めるため為のあの場所なのですが、サーバー移転によりアドレスが変わ
りました↓。
http://cocoa.2ch.net/test/read.cgi/21oversea/1008089168/l44

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■青瓶2427
ブランド戦略、読売新聞 2.
オムカエデゴンス。

北澤浩一
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ブランド戦略、読売新聞 2.
オムカエデゴンス。




■ ほぼ徹夜の状態で大阪に向かう。
 演題にはあらかじめの構造があった。

●「IT社会と新聞社のネットデザイン-関西発ブランドリニューアル試論」
1:「列島いにしえ探訪」のデザインコンセプト(20分)
2:現在の「関西発」の問題点(20分)
3:Webデザインの最近の動向 と ITのビジネス動向(20分)。
4:質疑応答(30分)。

 非常に具体的なのだが、問題は2の部分である。
 クライアントに囲まれて、商品の弱点を指摘しなければならない。
 どのように按配をつけるか。大人の厄介が集約されていると言っても過言では
ないだろう。
 いずれにせよ、時間がきた訳である。オムカエデゴンス。


■1:「列島いにしえ探訪」のデザインコンセプト。
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■ごあいさつ

 はじめまして。デザイナーの北澤でございます。
 このサングラスは、ビデオの助監督みたいですが、非常に照れやすいという
ことと、度付きということで、御寛恕いただきたく存じます。
 さて本日は、由緒ある歴史と経済の街、大阪にお招きいただきまして誠にあ
りがとうございます。
 演題は多岐に渡りますが、始めに、この2001年7月にリニューアルした「列島
いしにえ探訪」、この表紙デザインの按配について話させていただきます。



■「いにしえの色」

 まず、以下の文をお読みください。
 最初はともかく、二番目のものであります。
 ここで、「青い瓶の話」とは、2000年10月末まで、読売新聞社が一般会員向
けにやっておられました「yominet」というインターネットサービス、その
「文芸フォーラム」に連載していた拙文の通り名であります。
 青い瓶というのは、酒の瓶のこと。ジンですね。小洒落たカクテルをつくると
きに使う。
 ジンのストレートは効きます。次第にカコクな気分になってくる。
 ちらりとスタンドの明かりの方を眺めると、青い透明な瓶の色が綺麗である
と、そういうところから付けた題名であります。都合2千数百回ほど続きました。
●と、ここで、青瓶2416,2417 を参照。
 フルバージョンはhttp://kitazawa-office.com/aobin/ao_top.html
 デジクリでは、No.0908,0909



■日本の伝統色

 はじめは大それたことをしようとしてたんですね。
 元々のコンテンツ名が「サイバー古代」ですから、やっぱり古代の壁画だろ
う。絵巻物などをコラージュしてデザインする。
 ところが、それを試みているとサイズがとても大きくなってしまうんです。
 一般読者のPCに読み込むまでに、相当の時間がかかる。
 毎回毎回、表紙を読むのに時間がかかっていては仕方がない。
 だもので、複雑に画像を配置するのは没であると。やるんだったら、動画的に
別の部分に表示する。見たいひとだけが、やや覚悟をしてボタンを押せば良い。
 となると、次なる表現の軸は何か。
 結局色と形になる訳です。それしか残っていないという。


 ここで、色についてすこし語ります。
 1920年代に、ドイツ、ワイマールで、建築家のグロピウスが開いた「バウハ
ウス」という学校がありました。「工業技術と芸術の結合」のようなことを主
張していたのですが、そこにヨハネス・イッテンという教授がいました。
 イッテンは「色彩論」という書物を著します。色について、初めて科学的、
合理的に分析を加えた訳ですが、それはさておき。
 先のコラム(青瓶)にも書きましたが、私はこの仕事の打ち合わせの際、も
う一冊の本を持ってゆきました。
 読売新聞社が1987年に出して、1996年の段階で十二刷を更新している名著、
「日本の伝統色」(日本色彩研究所編:福田邦夫著)であります。
 それを開き、「どの色がお好きでありましょうか」と担当責任者にお聞きした
訳です。
「やっぱ、白と紫ですなあ」「桔梗の色もいいかな」
 社員食堂の渋茶をすすりながら、そのように歓談というか打ち合わせをして
おったのですが、実は私自身も紫系統の色はいいのではないかと思っておりま
した。
 また、清潔感を顕すに、白は捨てがたい。
 日本人はどういう訳か白が好きです。

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2001年10月3日:読売新聞大阪本社での講演会より。
Copyright 2002.kitazawa-office. All Rights Reserved.

北澤 浩一:kitazawa@kitazawa-office.com
「Give A Whistle」http://www.kitazawa-office.com/

「列島いにしえ探訪」
http://osaka.yomiuri.co.jp/kodai/index.htm
メールマガジン「青い瓶の話」
http://kitazawa-office.com/aobin/ao_top.html
 デジクリ読者の中には、言葉通りの意味で「プロ」の方々がおられる。
 寄稿をいただいて、そのような実感を持っている。
「本日のウダツ」募集中。

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■公募案内(発表)
EZアワード
http://www.ez-award.com/index.html
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デジタルハリウッドとKDDIによる「産学協同」型のコンテスト。ケータイ・ホ
ームページ部門、ケータイ・ムービー部門、ケータイ・アプリ部門、ケータイ
・GPS部門。最優秀賞、優秀賞以外の15の賞の受賞作品が6月10日(月)18:00、
「EZアワードサイト」で発表される。

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■編集後記(6/10)
・ロシアに勝った。ベルギー戦も勝てたゲームだったから、うまくいけば引き
分けに持ち込めるかと思っていたが、予想以上に日本は強かった。ニュースを
見ていたら全国でえらいはしゃぎようである。これでは神田さんは眠れなかっ
ただろうなあ、きっと今日の原稿が着くのは遅くなるだろうなあト思う朝であ
る。普段は画面に取り込まないのがお約束の(?)あの通訳も、ゲーム中継で
はトルシエ監督と同じ動作をしているのが見られてなかなか面白い。日本チー
ムの今日は、あの影武者のおかげでもあるト思うのだが。(柴田)

・日本対ロシア。勝った! 4年前と全然違う。スピードが違う。そう、何の
かんのいって、面白いですサッカー。W杯という緊張感もいい。ナイジェリア
対イングランド戦のチケットとっちゃいました。とっちゃった、ではありませ
ん、欲しくて仕方ないので、悪名高きバイロム社のおこぼれチケットをネット
争奪。韓国でやる試合も欲しいのがあるけど、今回は近場で。ぜーんぜん繋が
らなくて諦めかけていたからとれて嬉しい。今朝、チケッティングセンターで
発券。手元にチケットがあると、本当に見にいけるのだなと実感する。世界見
てくるぜ。日本対チュニジア戦も生で見たいなぁ。     (hammer.mule)

http://www.dgcr.com/fps2001/cgi-bin/video/enq.cgi?id=dgcr  アンケート
「テクスチャイリュージョン・アンパラ」が今なら当たります。1092号を。
http://www.dgcr.com/present/

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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 

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