[1159] 時々刻々前後裁断せり

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1159    2002/09/17.Tue発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 21461部
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       <春は春、夏は夏、秋は秋、冬は冬>

■デジタルサウンズ研究室
 時々刻々前後裁断せり
 モモヨ

■電網悠語:Ridual開発記編(9)
 人材
 三井英樹

■青瓶 2443
 ブランド戦略、読売新聞 7.
 北澤浩一



■デジタルサウンズ研究室
時々刻々前後裁断せり

モモヨ
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先週は、体に残った夏風邪のせいで、発熱してしまい。原稿の方は休ませても
らった。

夏の終わりになってから、いろいろと各所で新しい兆しが見えてきた。しばら
く気が抜けなかったが、それをリアルタイムで追いかけていた無理が祟ったの
かもしれない。

ここ幾日か、ひどく寒い。なかなか残暑が緩まず、そのせいか、夏バテがひど
く応えていたところなので、この天候の激変、本来は喜ぶべきなのだけれど、
どこか腑に落ちない。

暦の上では、とっくに秋になっていたし、街吹く風は秋の気配をはらんでいた。
なので、この寒さ(涼しい、などとは決して言えない状態だ)は、来るべくし
て来たわけだが、やはり気温がある日を境に激変するなんてのは、体によくな
い。だいたい、大通りを吹く風に枯葉が舞っていても不思議ではない、そんな
気温なのだ。冗談ではない。

今朝、目覚めきらぬ頭の中で、「春が夏になるわけではなく、夏が秋になるわ
けではない、四季はそれぞれ独立している」そんなことを考えていたら、思い
は道元禅師に逢着した。道元。永平寺を開いたかの禅僧である。彼の著書『正
法眼蔵』は、かねてからの愛読書で、毎年、幾たびか思いつくとページを繰っ
てきたが、最近、とんと読んでいなかった。

……しかし、なぜ道元のことが頭に浮かんだろう、そんなことを考えていたと
ころ、先日、書店店頭で、この岩波文庫版を買うまいかどうしようか迷ったあ
げくに、ウルトラマンの本を買って帰って来たことを思い出した。やはり、あ
の時に、『眼蔵』を買っておけばよかったのか。

季節は、それぞれひとつひとつが独立している。春は春。夏は夏。そもそも刹
那そのものが、時々刻々、一つ一つが独立しているのだから、季節も同じだ。
こうした言葉を連ねた後に、道元は、生は一時(いっとき)の位(くらい)で
あり、死もまた一時の位、生が死になるわけではない、生死(しょうじ)を晦
ましてはいけない、私なりの解釈であるが、このように続けている。

こうした明晰な連想、思考が、十五年ほど前、市井を彷徨っていた際の私のよ
すがだった。

他の禅匠の言行録や出版物では、まずこのような言葉は見られない。例えば、
臨済録などでは、師匠に疑義をていする弟子に対して「この糞袋め!」と一括
して、弟子の頭を払子(ほっす)で殴ったりする。それで、弟子は頓挫に悟る
のである。このような師弟関係はままあろうし、臨済という人物のパンク度は、
多分、歴史上最高のものだと思いもする。

しかし、おおよそ、道元の『正法眼蔵』のように概念を韜晦ぜずに思索を導く、
そんなところは皆無である。面白い親父だが、十五年前の私には用がない存在
だった。もし、街を流離っていた時、臨済と会っていたら、単純に取っ組み合
いの喧嘩になって終わっていたろう。

ふうてん老人対ふうてん中年。考えてみると面白そうなバトルだが、街を騒が
せたうえに、何の決着もみなかったにきまっているので、やはり残るのは虚無
感だけだろう。

いや、話は、前後裁断する時節の話だった。

いまや、デジタルな考え方は世の中に浸透しているため、道元の言葉も理解さ
れやすいだろう。季節は、しだいにうつろいゆくのではない。うつろいゆくの
は観察者そのものなのだ。春は春、夏は夏、秋は秋、冬は冬。それらを時々刻
々享受できない時、私達は、自我の漂流を疑ってみなければならない。

しかし、この寒さは何なのだろう。
まるで、臨済の払子のようなショックである。

「何を薄らぼんやりしている、この糞袋が!」

臨済が可々大笑が聞こえてきそうだ。

モモヨ(リザード)
http://www.babylonic.com

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■電網悠語:Ridual開発記編(9)
人材

三井英樹 / ※Ridual=XMLベースのWebサイト構築ツール
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Webサイト開発に必要な人材とはどんな人達だろう。どんな崖をもものともせ
ずに皆を先導してくれるリーダか。とにかくキチンと仕事をこなせるカッチリ
屋さんか。それとも、奇抜なアイデアがあふれ出る、
生まれながらのデザイナーか。

もちろんこれらの人達がそれなりに揃っていなければ大きなサイト開発は苦し
いだろう。でもこれらの方々は、他の仕事、Web以外のプロジェクトでも必要
な人材だ。Webならではと言われたら、私は「触媒社員」が必要なんじゃない
かと思っている。

大辞林第二版によると;
・しょくばい 【触媒】
それ自身は変化をしないが、他の物質の化学反応のなかだちとなって反応
の速度を速めたり遅らせたりする物質。アンモニア合成の際の鉄化合物や、
油脂に水素添加する際のニッケルなど。生体内の酵素も一種の触媒である。

開発チームの個々のメンバーの中に眠っているモノを、別に意図的にではなく、
引き出して活性化してしまう人材。冷静に考えると、その人が何かを作った訳
ではなく、なんとなく踊らされたような気さえする。でもその人の一言がな
かったなら、そこに辿り着くのにもっと時間がかかったと思える。その人に何
かとてつもない才能や技術があるようにも思えなくはないんだけど、冷静に考
えると旗を振っていただけで、場を忙しくさせてくれるだけ。その人と組むと、
ただでも忙しい現場が更に忙しくなるけれど、プロジェクトが終わった時の達
成感がいつもよりも大きく感じる。

Ridualのような説明に困るような新しいものを作ると、色々と壁にあたる。先
ず評価先。いずこも現場は忙しい。新しいツールなんて評価している時間など
あろうはずがない。しかも、絵を描くとかピンポイントに効果を見れるツール
ではなく、ワークフローに関わるようなものならなおさらだ。大抵はムゲに扱
われる。的外れなコメントでも貰えればラッキーで、積読(ツンドク)状態に
なるのが関の山だ、基本的には。そう、現場は忙しい。

でも考えた。DynamicHTMLでレイヤーに驚いたのはいつだったか。CSSでテキス
トがきれいに表示できたのに感心したのはいつだったろう。FutureSplash
(現Flash)に度肝を抜かされて騒いだのはどのプロジェクトだったか。はっ
きり言って暇なときなど今までなかったし、忙しい時ほど様々なサイトを見て
回り、様々なツールを評価環境を汚す危険を冒しつつ試しまくっていた。

一人がそんな風に毎日感動してディスプレーの前に座っていると、それは微々
たるスピードであっても広がっていく。別に演技を考えて感動を現している訳
ではない、でも周りの人はそのリアクションを求めて集まってくる。「ねぇ
ねぇ、こんなサイト見つけたんだけど、どう?」。

もちろん、驚くだけでは仕事にならない、先ず真似できることが必要条件だ。
だからソースも見る。感動したら、次の瞬間には右クリックでソースを表示さ
せて解析する癖がついてくる。その癖も広がっていく。こう書けばこうなるん
だ。見た目の驚きに奇声を上げていたグループが、ソースコードを囲んで熱く
議論が進むようになる。

そこまで来ると、それまで眉をひそめていた上司も、なんだかアカデミックな
雰囲気が出てきたと、気のせいか(もしれないが)少し寛大になる。互いが感
化し合えて、効率とか利益とかではないところで、先ず作る側に喜びが生まれ
る。この点を考えると、この触媒社員はリーダ的なポジションにいた方が、流
感速度が高いので効率的かもしれない。

ネットの何が楽しいのか、何が心を掴んで離さないのかを考えると、自分には
ない価値観に触れる喜びがある。それに触れることで、「そんなのあり?」と
思いつつ知らない自分が引き出される瞬間がある。別に大仰なことばかりじゃ
ない。子育てレポートに取り組みだしたのも、好きな漫画によりはまっていっ
たのも、そんな実例だ。意見をもつ人が何処かにいて、ネットがなかったら私
は生涯その人と意見交換をしなかっただろう。でもネットがあったおかげで話
ができている友人がいる。知りえない情報にたどり着けたことだって数え知れ
ない。ネット自身が私にとって触媒の場なのだ。

そんなネット上にサイトを作るのである。同じ「触媒」に属する者が力を発揮
するのが道理だろう。本好きは本屋に行くと棚から「良い本」が呼んでる声が
するという。触媒人間も触媒ネットから無言の声を聞き取れるように見える。
「ここに面白いモノがあるぞ」。そしてそこに喰いついた人を起点にさらに蜘
蛛の巣状の「リンク」が広がっていく。そんな人材がチームに一人は居て欲し
い。そしてそんな人材を上手く抱えられるチームが実は何となく強いように見
える。

触媒人間は評価が難しい。アンテナは敏感だが、実際に役立つものを作るのは
その人ではない場合が殆どだからだ。でもその人がいなかったなら始まらない。
しかし、触媒人間は単なる「お祭り野郎」ではない。こなすべきノルマも持つ。
その上で感動を撒き散らす人を指す。それが存在できるということは、受け皿
も存在するということで、それは取りも直さずチーム全体の、ある「キャパシ
ティ」とリンクする。それはそのチームの「ゆとり」や「遊び(ネジ等の連結
部分が、ぴったりと付かないで少しゆとりがあること)」の象徴かもしれない。

最後に、私がよくテストケースに使っている文書を引用する。
夏目漱石「草枕」
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかく
に人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みに
くいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りに
ちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからと
て、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国
は人の世よりもなお住みにくかろう。
越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容(く
つろげ)て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人
という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。あらゆる芸術の士は人
の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。

無意味な文字列でテストするに飽きた末に探し当てた名文だが、私にとっては
これはWeb開拓者(デザイナ)のことを言っていると思える。へこたれたり、
疲れが溜まると読み返す。

ref)
・青空文庫: http://www.aozora.gr.jp/
・草枕: http://www.aozora.gr.jp/cards/souseki/htmlfiles/kusamakura.html
・大辞林第二版: http://dictionary.goo.ne.jp/cgi-bin/jp-top.cgi

【みつい・ひでき】 ridual@mac.com / info@ridual.jp
先日朝日新聞土曜日の「Be」で、松永真理氏(iMode)がご自分のことを触媒社
員だと書いていた。もしかしたら一般的な言葉かも?

・Ridual(XMLベースのWebサイト構築ツール)公式サイト
http://www.ridual.jp/
・超個人的育児サイト(書籍は絶版中)
http://member.nifty.ne.jp/mit/MilkAge/index.html

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■青瓶 2443
ブランド戦略、読売新聞 7.

北澤浩一
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ブランド戦略、読売新聞 7.
ブランドフォース - Brand Force -
感動をデザインする。




3:Webデザインの最近の動向 と ITのビジネス動向(20分)。
______________________________

■ブランドフォース - Brand Force -
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 だいぶ突っ込んだ話になりまして、喋っている方としても気が気ではないの
ですが、そこは流れで、次にすすみます。
 まずはすこしばかり具体例を。

 現在私は、ソニーデザインのサイト構築に関わっています(2001年10月)。
 10ヶ月近くにおよぶ連作というか連載でして、最後のトリの構成をどうする
かで悩んでいるといいますか、なかなかまとまらない。
 このサイトでは主に、ID、インダストリアル・デザイン、つまり工業デザイ
ンを語る場所でありました。記録的な価値を意識したWeb上の書籍にも似た扱
いです。
 ところがそこに、企業や製品のロゴ、あるいはWebデザインのコンセプトな
ども含まれるようになっています。
 いわゆる「デザイン領域の拡大」と言ってもいいのかもしれません。
 例えば、ウォークマンのロゴが最近変わっています。
 現在出荷されているものは、Wと「.」ドットを組み合わせたものになってい
ます。これには、理由があるのですね。
 以下は私が書いた本文、原案の一部です。

__

○製品と企業のシンボル、ロゴ
 ネットワーク時代にふさわしい、新しい『Walkman』ロゴをつくる。
『Walkman』とは何か、どのように定義したらいいのか。
 これを明確にするために、デザイン・カンパニー・セールス、三者の声を取
り入れながら、「Walkman Comittee」がつくられました。
 -Portable,Personal,Stereo,Joggable-.
『Walkman』をこのように特徴づけ、製品本体のみならずパッケージや宣伝広
告など多様な用途に使用できる、複合的なシンボルとしてのロゴ。
 いわばロゴそのものが、『Walkman』という総合ブランドを形づくり象徴し
てゆく。しかも、ロゴのデザイン自体が、製品のデザインに取り入れられるこ
とをも想定した扱いやすいものであることが求められました。
_

 ここで注意していただきたいのは、
「いわばロゴそのものが、『Walkman』という総合ブランドを形づくり象徴し
てゆく」という部分です。
『Walkman』という商品自体が、既にして総合ブランドである。
 あるいは、独立したブランドに育ててゆかねばならない、という認識が根底
にあります。もちろん、それまでに培ってきた商品の技術力、ユーザへの認知
度などの歴史・蓄積があってはじめて為しえることですけれども、同時に、か
つてのイメージがやや拡散し始めたという危機感もない訳ではない。
 一時、なんにでも「グッチ」の商標がついていて、そのブランドイメージが
下落したということがありました。
 更に、新しい時代に対応してブランドそのものを集約してゆこうという、再
構築の意思も感じられます。
 つまりこれは、BM、「ブランドマネジメント」の概念にも連なるものなんで
すね。
 ブランドマネジメントとは、企業におけるブランドの階層を設定することで
す。個々のブランドのコアな顧客層とポジショニングを明確化にしながら、ブ
ランド体系を維持、強化していく管理プロセス・経営手法。
 このブランドマネジメントを旨く行えるかどうかが、現在のように成熟化し
た市場あるいはグローバルな市場において、競合他社との差別化をはかる成功
要因のひとつになっていると言われています。
 ご記憶になっている方もおられると思いますが、以下はその実例。
 企業ブランド再構築の一例です。
___

○資料
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/0004/0419/0419-a.html
平成12年4月19日
ブランドで選ばれる日立へ
-企業価値向上に向けて新たなブランドマネジメントを導入-
ブランドマネジメント実施概要
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/0004/0419/0419-b.html
___


■夢とプライド

 上記、文章だけですとやや観念的なキライもありますが、99年度字を出した
日立に対するマスコミ論調は、これを契機にすこしずつ変わってきているとも
言われています。
 特筆すべきところは、ブランドを社内の求心力、旗印にもしようとしている
ことです。いわばこれは「プライド」と言っていいものでして、いくら中期・
長期の経営戦略が旨く描かれていても、それで人が動かなければ意味がないと
いうことです。
 同様の発言は、多くの経営者から発せられています。

「ブランドは、消費者のメンタルプラットフォームである」
(ソニー社長:井出氏発言:「マーケティング革新の時代第3巻 ブランド構築」
有斐閣)
「ブランドの創造と存続、それは人々に夢を与えること。
そしてその夢は、創造する自分の夢であること」
(本田技術研究所チーフエクゼィティブアドバイザー:大塚紀元氏)

 多くの企業では、こうしたとりくみが次第に行われ始めています。
 例えば企業ロゴの扱いはきわめて厳格に定められ、Web上の表現であっても、
その色、かたち、背景、置く場所などには緻密なマニュアルがあります。
 そのようにして自社のブランドイメージを創造・管理しようとしているわけ
です。


■感動をデザインする

 ネットワークの社会においては、いわゆる「ブランド戦略」というものが、
非常にパーソナルなものに近づいている。担当者のセンスも含めてです。
 そして、莫大というほどの経費はかかっていない。
 これは、何度も申し上げましたように、ITというインフラの本質が、あくま
でも「個」を主体としたものだからだろう、という風に私は予感しています。

 大手テクノロジー調査会社、フォレスター・リサーチ社のメアリー・モーダ
ル氏は、ネット経験によるブランド作りとして、以下の点を指摘しています。
「インターネットビジネスにおいては、ブランドは消費者が経験する双方向の
対話から生まれてくる」
「インターネット上の消費者にとっては、Webサイトがすなわち企業である。
デザインがよくて画面表示も速く、使い勝手のよいHPにあうと、消費者はよい
ブランドだと思う。他のWebサイトには真似のできない、独自の忘れがたい思
い出を消費者に残せるかどうかが、ブランド作りの決め手となる」
(「既存企業VSドットコム企業」ソフトバンクパブリッシング社刊:2000年
7月25日)

「忘れがたい思い出」と表現されていますが、これは体験であったり経験とい
うことです。そこから導かれるひとの情感。メンタル。
「モノ」に代わり、ある種の「感動」が求められている。
 と言ってもいいかも知れません。
 これに関与して、以下の文を掲げてみます。


●感性をデザインしてゆく
__
 インターフェースデザインとは、一般に、カタチを持たない情報をデザイン
することです。そのアプローチには、二通りの方法があると私たちは考えてい
ます(略)。
 一方、使いやすさ、理解しやすさといった要請を満足させた上で、人の感性、
情感的な側面をデザインの重要なファクターとして加えてゆく方向もあります。
コンピュータのアプリケーションソフトの企画・デザインなどはその一例です。
 操作する人の情感・感性をも刺激し、使い心地を高めてゆく。
 いわば、人の感性を刺激することまでも、デザインの領域に取り込んでゆこ
うとするのです。
 こういったアプローチの仕方が、従来のインターフェースデザインから、さ
らに一歩踏み込んだインタラクションデザインであると私たちは考えています。
(ソニーデザイン:原文北澤)
http://www.sony.co.jp/Fun/SonyDesign/
___

 情報をデザインする際、感性を刺激するということが重要な成功要因になり
つつある、ということだと思われます。これを前記では「インタラクションデ
ザイン」と定義している。
 このことは、Webデザインの世界では「ユーザエクスペリエンス」と呼ばれ
ています。

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2001年10月3日:読売新聞大阪本社での講演会より。
註:コンテンツ名などは当時のものです。
Copyright 2002.kitazawa-office. All Rights Reserved.

北澤 浩一:kitazawa@kitazawa-office.com
○「Give A Whistle」http://www.kitazawa-office.com/
○「青い瓶の話」MM
http://kitazawa-office.com/aobin/ao_top.html
 青瓶MM17号は「特集・十河進」だった。これは読み応えあります。
・寄稿並びにデスクを募集しています。仔細はメールにて。

●読売新聞大阪本社|yomiuri on-line 関西
http://osaka.yomiuri.co.jp/home.htm
ディレクション・デザイン:北澤事務所


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■編集後記(9/17)
・とうとう内蔵ハードディスクがだめになったのは金曜日の午後だった。それ
でもあきらめきれず、ソフト的な手当てをしたが回復しなかった。そこで、土
曜日に秋葉原に行って「ディスクウォーリア」という強力なトラブル解消ツー
ルを買ってきた。名前からいって効きそうだ。だが、これをもってしてもディ
スクは認識されなかった。そこで、内蔵ハードディスクを取り外して、新しい
のと交換するという最終的な手段に出た。日曜日にまた秋葉原に行って、IBM
純正60GBを買った。13000円だった。内蔵ハードディスクを取り外したら、焼
けこげた症状があって、完全に壊れていることが確認できた。新品と交換する。
意外にあっけない簡単作業だった。月曜日はシステムをインストールし、ネッ
ト環境を整えた。こっちのほうが難関だった。おかげで、GWにやろうと思って
いたOS9.2へのアップはようやく達成された。3連休中でよかった。(柴田)

・「『できる人』はどこがちがうのか」を読み終えた。書店でお勧めとして平
積みされ、店員さんのコメントがあった。タイトルを見ると、ノウハウ本めい
ていたが、目次を見て面白そうだなと思った。スポーツで学ぶ上達論がすべて
において活きてくるとか、徒然草や村上春樹氏のことばが引用されていたりし
て興味深い。蓮實重彦がゴダールにした質問なんて唸ってしまった。読了して
から、この人が「声に出して読みたい日本語」の作者と結びつき、今度は立ち
読みくらいはしようかなと。「三色ボールペンで読む日本語」をぱらっと見て、
学習雑誌にこういうテクニックあったよなぁ、と。     (hammer.mule)
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~saito/  齋藤氏オフィシャル
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~saito/5book/dekiru.htm  書籍案内

・「ベンチャー失敗の法則」をプレゼント。詳細は1152号。
・「ウェブサイト制作のワークフローと基礎技術」も。詳細は1151号。
・「図解カラーマネージメント実践ルールブック2002-2003」「レイアウトス
タイルブック」のプレゼント詳細は1158号。

・「写真を楽しむ生活」をよろしく!  http://dgcr.com/photo/

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
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