[1232] 執着心と諦念

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1232    2003/01/17.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 21123部
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       <ある意味あんたの方が金遣い荒いかもよ>

■映画と本と音楽と… 154
 執着心と諦念
 十河 進

■かりん島(新連載)
 ピクニック with ライスボール
 北川かりん



■映画と本と音楽と… 154
執着心と諦念

十河 進
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●生涯をかけて執着する人間関係

水村美苗さんの「本格小説」を読了した。村上春樹さんの「海辺のカフカ」に
続いて上下巻の大長編小説を読んだのは、最近の僕にしては珍しいことである。
「本格小説」を読もうと思ったのは「嵐が丘」を下敷きにしているという話だ
ったからだ。「嵐が丘」を持ち出されたら、僕としては読む他はない。

「嵐が丘」との共通性を気にしながら読んだけれど、「本格小説」は確かに読
ませる力を持っていた。「嵐が丘」だけではなくチェーホフの「三人姉妹」や
「桜の園」もベースになっていた。どことなくハーレクインロマンスっぽい感
じもしたが、骨太の物語性が魅力で昨年の日本文学の収穫のひとつだろう。

僕は「嵐が丘」を一度しか読んでいない。一度で充分だと思った。優れた小説
は、一度読んだだけで生涯忘れられない記憶を残す。「嵐が丘」は人物関係が
複雑なうえ、語り手が入れ子状態になっていて簡単にストーリーを要約できな
い小説だが、そんなこととは別に読み終えた後、確実に自分の中の何かが変わ
っていた。

「嵐が丘」はすべての物語が終わっているところから話が始まる。冒頭に少女
の幽霊が現れ、様々な謎の提示がある。最初に登場する語り手である「私」は
物語の聞き役にしか過ぎない。当時、流行していたゴシック・ロマンの体裁を
とっているからか、作者のエミリー・ブロンテが生きている間にはまったく評
価されなかった。

もっともエミリー・ブロンテは「嵐が丘」を発表して一年もしないうちに死ん
でしまう。29歳で「嵐が丘」を出版し、30歳で死んだ。荒野の牧師館で文学趣
味を共通にする妹のアンと「ジェーン・エア」を書いた姉のシャーロットの三
姉妹で暮らした。年譜を読むと彼女自身に異性との交流があったとは思えない。
「嵐が丘」を遺すためだけにこの世に生まれてきたような人生だった。

僕は「嵐が丘」の細かなストーリーは忘れてしまったが、そこに描かれた濃密
な人間関係は忘れようがない。ヒースクリフとキャサリンのあまりに深すぎる
関係は恋愛感情というより、本来ひとつの存在であったものがふたつに分かれ
た結果、宿命のように惹かれ合っているようだった。

嵐が丘と呼ばれる荒野に住む一家がいる。幼い兄と妹がいる。ある日、父親が
ロンドンでひとりの孤児を拾ってくる。そのヒースクリフという少年はキャサ
リンという娘と子供の頃から一緒に育ち離れがたい存在になる。しかし、キャ
サリンの兄は父の愛情を奪ったヒースクリフを憎悪する。

成長したキャサリンは名家の息子エドガーと結婚し、絶望したヒースクリフは
嵐が丘を去る。数年後、金持ちになって戻ったヒースクリフは嵐が丘の館を買
い取りキャサリンの兄に復讐を果たす。エドガーの子を産んで死んでいくキャ
サリンにヒースクリフは自分と結婚しなかった怨みを述べ、キャサリンの死後、
彼女の面影を求めて死んだように生きる。

現代なら、ヒースクリフのキャサリンへの異常な執着心はストーカーと呼ばれ
るだろう。「本格小説」でヒースクリフに当たる東太郎も幼なじみのよう子に
異常な執着を見せ、モノマニアックな性格を感じさせる。彼は「しょうがない
じゃないか。別の男と結婚したんだから」と諦めることができない。諦めのよ
い(ホントかよ)僕としては、正反対の人間だとしか思えない。

●失われた己を求めるように惹かれ合う

ヒースクリフとキャサリンの関係を「運命の恋」というように通俗的な言葉で
形容することがあるけれど、そんなものではないのじゃないか、と僕は思う。
少年と少女の頃から離れがたく結びついた関係、片方が欠けたら生きていけな
い関係を単なる恋愛感情とは呼べないと思う。

しかし、「嵐が丘」は昔から「運命の恋、宿命の愛」などと言われて少女マン
ガになったり、脚色されて宝塚にかかったりする。おそらく女性ファンが多い
からだろう。たぶん、水村美苗さんも少女時代から愛読していたに違いない。
「本格小説」を読んでいると、この人は相当「嵐が丘」を読み込んだのだろう
なあと思わされる。

僕は15歳の時に「嵐が丘」を読んだ。高校一年の秋だった。キャサリンに執着
すると同時に自分を奴隷のように扱ったキャサリンの兄への異常な復讐心を抱
くヒースクリフ、愛する男と結婚しながらヒースクリフを希求するキャサリン、
子供の頃から一緒に育っていながらヒースクリフを憎悪するキャサリンの兄な
ど、エキセントリックな登場人物ばかり出てくる物語に僕は数日間浸りきった
けれど、読み終えて深く深く溜め息をついたものだった。

「嵐が丘」は何度か映画化されている。異色なのは1988年に松田優作主演で吉
田吉重によって映画化された「嵐が丘」だろう。「告白的女優論」以来、観念
的な吉田監督の映画に怖れをなし僕は見にいけなかったのだが、鎌倉時代の話
にしていたということだ。

小説を読んだ頃に見たのは、ウィリアム・ワイラーが監督した「嵐が丘」だっ
た。ローレンス・オリヴィエがヒースクリフを演じ、マール・オベロンがキャ
サリンを演じた。キャサリンが結婚する名家の息子エドガーを演じたのは、デ
ビッド・ニーブンだった。1939年、「風と共に去りぬ」が制作されたと同じ年
に公開された。

当時、ローレンス・オリヴィエには妻がいたが、愛人で新人女優のヴィヴィア
ン・リーを連れて「嵐が丘」撮影のためにハリウッドにいった。その頃、ベス
トセラー「風と共に去りぬ」の映画化は話題ばかりが先行していた。数多くの
女優たちのスクリーンテストを行ったもののスカーレット・オハラの役は決ま
っていなかった。

プロデューサーのデビッド・O・セルズニックは、ヒロイン未定のままアトラ
ンタ炎上シーンを撮影することにし、話題作りのために多くの人々をスタジオ
に招いた。その中にオリヴィエとヴィヴィアン・リーがいた。炎に照らされな
がらスタジオの階段を昇ってくるヴィヴィアン・リーを見た瞬間、セルズニッ
クは叫んだ。

──ついに、スカーレットを見付けた!

スター誕生の瞬間だ。ハリウッドが夢の工場だった頃の心暖まる伝説である。

さて、ロイヤル・シェークスピア劇団の中心的俳優だったローレンス・オリヴ
ィエは、出生も不明で野生児のような荒々しいヒースクリフを演じるには知的
すぎた気がしないでもないが、僕はワイラー版の「嵐が丘」が一番好きだ。マ
ール・オベロンという女優はこれ一本しか見ていないけれど、キャサリン役だ
けで彼女は映画史に残っている。

この映画のスチールやポスターを見ると、仰角で撮られたヒースクリフとキャ
サリンが写っている。ヒースが密生した嵐が丘を見上げているようなヒースク
リフにキャサリンが寄り添っている。ヒースクリフの片手はキャサリンを抱き
寄せるように回されている。想いが叶った幸せなふたりなのだと思わせる。

そのふたりを見ると、僕は小説の最後を想い出す。この世では遂に一緒になれ
なかったヒースクリフとキャサリンは、亡霊となって嵐が丘にふたりで現れる。
そのふたりの姿なのだと僕は思った。

●ひとつの感情に囚われて見えなくなってしまうもの

「嵐が丘」を読んで、強く印象に残るのは人間の感情の激しさだ。人が人をそ
れほどまでに愛せるものなのか。あるいは、それほどまでに憎めるものなのか。
自分以外の人間にそれほど執着できるものなのか。復讐の想いをそれほどまで
に持ち続けることができるものなのだろうか。少年の頃の僕は、そんなことを
考えた。

愛と憎しみ、執着、復讐、嫉妬など、人間が最も生な形で見えてくる感情であ
る。多くの人は、そうした感情をストレートには露わにしない。そうした感情
が一時的に燃え上がったとしても、その激情を抱き続けることはあまりない。
次の瞬間に醒めることもあるし、俗に言われるようにひと晩寝れば忘れてしま
うこともある。

もちろん、どんな人間も何かの想いに囚われてしまうことはある。永く生きて
いれば、誰でも深い怨みのひとつくらいはできてしまうものかもしれない。ど
うしてもこだわってしまう何か、あるいは、忘れようとしても忘れられない想
い……。

しかし、経験的に僕は思うのだけど、そんな深い想いや心の傷を一生引きずっ
ていくことはほとんどない。もちろん死ぬまで忘れることはないかもしれない。
だが、想いは薄れていく。人は日常の生活の中で、ひとつの想いだけに凝り固
まって生きているわけではない。人は最愛の人の死にさえ慣れてしまう。悲し
みも想いもやがて薄れていくし、憎しみは時と共に弱まる。

「嵐が丘」の登場人物たちはひとつの思いに取り憑かれ、生涯それを持ち続け
る人たちである。持続することによって他者との葛藤が起こり、ドラマが発生
する。小説の中の人物ならそういう生き方が可能だが、現実の人間の生き方と
しては辛すぎる。現実の世界でそんな人間たちは生きていけない。

怨みであれ、異性に対する強烈な執着心であれ、ひとつの感情に支配され、そ
れに取り憑かれることはとても苦しい。多くの場合、それは狂気に近づく。寝
ても覚めてもその思いが離れない時、人は苦しさのあまり救いを求めたくなる。
この思いから解放されるのなら何でもする、とさえ思う。ヒースクリフも愛と
憎しみに囚われて、一度も心やすらぐことはなかっただろう。

僕はまた、フィッツジェラルドが創り出したギャツビィという男を思い出す。
ひとりの女に恋い焦がれ、その想いから解放されないまま彼は身を滅ぼす。彼
は人生で得られる多くのものを失う。彼には、その女以外に存在する様々なも
のが見えなかったのだ。ひとりの女を深く愛したがために、彼は苦しみの人生
を送る。

人は諦め、妥協し、忘れ、水に流さなければ、現実の長い長い人生を生きては
いけない。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
雑誌編集者。最近、休日になると、ひきこもっている。自宅勤務制度を昔から
提唱しているのだが、そうなるとますますひきこもってしまいそうだ。1時間
半かけて会社に通っているから、まだ社会性を保っていられるのかもしれない。

旧作掲載
http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html

竹内敏信ネットギャラリー&オリジナルプリント販売
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フォトテクニックWebSite
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■かりん島
ピクニック with ライスボール

北川かりん
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故郷の大阪へ帰り正月早々友人達とお金の話をしていた。何故若い女の子はあ
んなにお金があるんだろうか? なんで、あんなに良い服着れんだ? なんで
あんなに美容院に行けるんだ? なんで、あんなに旅行に行けるんだ?

と、話し進めるうちに友人の一人が「あんたはそういうもんには使わんけど、
作品の材料に金使ってるやないの。ある意味あんたの方が金遣い荒いかもよ」

…なるほど、確かに等身大のロボット作らずに、洋服買えば、私も美しくいら
れるかもしれん。見渡せば、メモリなら2万円払えても服なら考えるといった
人間の集まりで、確かに私達の方が見た目は地味だがはるかに金遣いが荒いの
かもしれない。

私の場合、お金はほとんど作品制作費に消えていく。この制作費を捻出する為
にはどでかいスポンサーがつくしかないと思うのだが、まあ、そういう訳にも
いかず生活費を切り詰めて捻出しているのが現状である。

しかし、こんな私でも展覧会や映画は見たいのである。文化に触れたいのであ
る! だから、チケット代は何とか都合し、できるだけ見に行くようにしてい
る。仕事先では「チケット無料で差し上げます」と言われれば、内容はともか
く何でも食らいつく。どうしても見たいものに限ってチケット代はとても高く
自腹なので、私はいつも出かける時はおにぎりを持参して食費を浮かせている。

昨年の夏はずっと楽しみにしていた横尾忠則さんの展覧会「森羅万象」を見に
行った。横尾さんは私が子供の頃から活躍しているし、しかも今でも現役バリ
バリのスゴイ格好良い作品をバンバン発表している。ブラウン管や雑誌等のメ
ディアで何度も登場してる方で、私にとってはかなりスーパースター的存在だ。

横浜から現代美術館のある木場まで、えっちらおっちら電車に揺られて約2時
間かけて目的地に辿り付いた。酷暑の中、木場の駅から美術館までかなり遠い
道程を歩いてへとへとになった私とパートナーの北川兼次は、涼しくさわやか
な美術館内のベンチにへたり込んだ。

この美術館はかなり広くて、今回の展覧会も点数が多いと聞いていた私達は、
横尾芸術と対峙するのに腹を減らしては勝負できんと考え、お手製おにぎりを
取り出し、まずは玄関付近のベンチで腹ごしらえをする事にした。

入場料1000円、交通費往復一人約1500円。一年間、髪を切らなかったくらいの
私達には大盤振る舞いである。もちろん、見たら安い! と思える充実感だが、
せめて倹約にとお弁当を持参したのだ。さすがに通行人から見えると恥ずかし
いので、中庭が見える方に向いて座り、人目につかないように食べ始めた。

「今日のおにぎりはミリンをちょっと入れて炊いてみたんだよ」と、北川兼次。
「おー、だからこんなにうまいのかー!うまい、うまい!」
と言いながら食べていたら、美術館職員らしききれいなお姉さんがやってきて、
「あのぅー、すいません。」と、声をかけられた。

絶対、注意されると思った私達はお姉さんの言葉を待たず、「ふぅみぃまへん
(すみません)」とおにぎりをほおばりながら即座に謝った。

「いえ、あの、お食事でしたら、2階のカフェで食べて頂く事ができるんです。
もし、次回こられたら、そこをご利用下さい。では(ニコっ)」といって、立
ち去って行った。

「よかったー、注意されるのかと思ったねー」って注意されてんだけど、この
注意の仕方って言われる方もいいね。私のような貧乏人がやはり他にも大勢い
て、きっと同じベンチで何度も繰り返されたおにぎり先例があるのかもしれな
い。対策案で、カフェでも食べれるようにしようかという事になったのだろう
か? ありがとう、諸先輩の方々!

おにぎりはさておき、いよいよ展覧会場へ向かう。
横尾芸術は噂通り物凄い点数だった。しかも一枚がデカい。今も生きてて、あ
んなに忙しくて一体いつこんなに描く時間があるんだろうか? 数はパワーで
ある。そして一枚の絵から出てくる何だかわからないこのとてつもないエネル
ギー。やっぱ腹ごしらえしておいてよかった。

この「森羅万象」の批評やら解説はあちこちに載っているので、省かせてもら
うが、見終わった後、その足で画材屋さんに向かって絵具とキャンバスを買っ
て描きたい衝動を沸き立たせてくれた。絵が本来持っている面白さというのか、
喜びというのか、ダイレクトに伝わる得体の知れないものがそこにあった。

同じ作品を見に行ったとしても、自分の年齢や環境で全く違った面を発見した
りする事がある。今回も以前の展覧会で見た作品も多数展示されていたけど、
いつも作品から放出されるド迫力なエネルギーで目が眩んで見えなかった部分
が見えておもしろかった。

作品の至るところで、描きたい人物は執拗に描いて、興味のないところは途中
で描くのをやめてしまったり、いい意味でこだわりがないというか、原色の渦
の中で気付かなかったが、意外とあっさりと描ききっていて、なんだか今まで
感じた事のない清涼感を覚えた。

一枚の作品がどうのこうのじゃなくて、作家本人の歩んできた葛藤やら喜びや
らひっくるめてひとつの仕事なんだなーと、改めて気付かせてくれる展覧会だ
った。

あまり他人の展覧会を観るという事が好きではなかったのに、ここのところ展
覧会を見に行ってショックを受けたり、感動したり、そんな事が多くて嬉しい。
これからも私のプチピクニックは続く。今度はいったいどこでおにぎりを食べ
ようか?

【北川かりん】
今までは<レッツゴー トゥ「ロボぐるみ」ワールド>で時々掲載させてもら
ってましたが、今回から新たに「かりん島」というタイトルで隔金曜日で連載
させて頂く事になりました。皆さん宜しくお願いします!
●TASU ART WORK ロボぐるみ
http://www.h3.dion.ne.jp/~tasu/

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■編集後記(1/17)
・夜間は玄関のベッドで寝ているハニー号だが、朝一番で外に飛び出し、まず
は自分の小屋に直行する。以前はそんなことはしなかったのだが、このごろそ
うしなければならないワケがある。ある朝、野良猫がハニー邸で寝ていたので
ある。怒った、怒った。以来、毎朝確認に走る。それでも日中は日だまりを求
めて移動しているから、この時期あまり自分の小屋は利用していないのだ。夜
間、とくに冷え込みがきびしくなった。公園や高架下にいつもいるホームレス
さん3人は、どこでこの寒さをしのいでいるのだろうか。自転車を所有してい
るのでしかるべき所に避難しているのであろうが、考えるとつらい。(柴田)

・私は詰めが甘い。いまの自分の人生が面白いので、これはこれでいいし、い
ざとなればどうにかなると考えているけれど、あの時こうすればと思うことも
ある。ファッション系の雑誌が好きで、エディトリアルデザインをしたかった
私は、地元大阪の出版社が出していたあるファッション系タウン誌に関わりた
かった。大阪ならこの雑誌だろと決めた私は、無謀にも奥付にある編集部に電
話した。無償でもアルバイトでもいいから、デザインさせてくれと、やっとの
ことで伝えた。もちろん実力があるとは思っていなかったので、弟子入り希望
くらいの感覚だ。もう少し知能があればタウンページか何かでデザイン事務所
の電話番号を調べたと思うのだが、編集部に入ればデザインできるくらいにし
か考えてなかった。編集にも関わってみたいという欲張りな感覚もあった。そ
んな私に編集部の人は、迷惑がらず親切にもデザイン事務所の電話番号を教え
てくれた。編集部に電話すること自体で卒倒しそうな上、自分の無知さを知り、
恥ずかしくなり、教えてもらったデザイン事務所へは電話できなかった。就職
が決まらないという学生さんへ。とにかく当たって砕けろです。どこでもいい
と思っているならダメだけど、ここに入りたいと決めているくらいの根性の持
ち主はファイトです。無償でもいいから、どんな仕事でもいいから関わりたい
くらいの気持ちでぶつかってみてください。断られて当たり前、関われたらラ
ッキー。現場の空気は絶対勉強になります。ゴーです!   (hammer.mule)

<応募受付中のプレゼント>
 DTPフォント完全理解! 1225号。
 できるクリエイター Photoshop 7.0 独習ナビ 1227号。
 Web Designing 2003年2月号 1231号。

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
アシスト    島田敬子 

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