[1291] こども放送局を作ろう!

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1291    2003/04/14.Mon発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 20984部
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       【デジクリは本日から6年目に突入します】

■KNNエンパワーメントコラム
 こども放送局を作ろう!
 神田敏晶

■泰国パパイヤ削り
 エロ本放置プレイ。
 白石 昇



■KNNエンパワーメントコラム
こども放送局を作ろう!

神田敏晶
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KNN神田です。

ラスベガスのNAB2003から戻った。
http://www.nab.org/conventions/nab2003/

今年も目玉的な話題は少ないものの、すでに何億円もするシステム販売は成立
せずに、数100万円から導入が可能な設備がたくさん紹介されていた。ゼロの
数が本当に2つほど少なくなってきているようだ。

IEE1394とDV(デジタルビデオ)フォーマットが、完全に価格破壊を招いてい
る。NABの大御所である、ソニー社とパナソニック社においても、その影響は
受けており、インディペンデント(米国でいう中小企業)向けのソリューショ
ンがいくつも紹介されている。放送機材が高価というのは、すでに昔の話にな
りつつあり、テープからディスクへ、シンプルな放送からデジタルTV時代の放
送ソリューションへと転換がはかられている。

他にも、個人、一般消費者向けのシネマ仕様の24PビデオカメラやHDカメラな
どもたくさん紹介されるようになってきた。それだけテレビやインターネット
で供給されるコンテンツの門戸は広く開放されるイイ時代となってきたわけだ。

今までのように、新規で放送局とつきあうとなると口座がないと取引できない
という事情は皆無となり、良質なコンテンツを長期にわたり供給できるところ
は引く手あまたであり、それらを目指すインディペンデントに向けた商材が新
市場を開きはじめている。
※(このあたりのNAB2003レポート(無料)は info@knn.com までお問い合わ
 せください)

●ブロードバンド課金、矛盾の法則

ボクのところにも、ブロードバンド向けの映像コンテンツを供給してほしいと
いう問い合わせをよくいただくが、みなさん何か勘違いされているようだ。

「ブロードバンド時代にふさわしい動画で、しかもキラーコンテンツになり得、
小額課金決済できるもの」を希望される。しかし、すべてを満たすものは、男
性にはアダルト、女性には必ずやせるダイエットビデオ(?)以外に存在しえ
ない。

これだけテレビやDVDやゲームに占拠され続けているモニターの時間から、PC
で、しかも金を払ってまで見たいコンテンツがどれだけあるのであろうか?
テレビ放送が、PCのモニターで好きな番組だけをオンデマンドで検索して見ら
れるようになった時に、彼らは一体どうするのだろうか?

ショートムービーが流行していそうだから、ショートムービーを! 505に
Flashブラウザが搭載されるので携帯で見たくなるコンテンツを! なんでも
いいのでBtoCの成功モデルを!

……当然、企業活動としては必要な考え方なのですが、失敗する事は目に見え
ている。それは本当に消費者が求めるものには目もくれず、調査レポートや将
来の市場規模ばかりに目が奪われてばかりいるからにちがいない。

企業人であったとしても、一歩会社を離れれば消費生活者であったり、クリエ
イターであったりする。しかし、なぜか、消費者を自分たちとは違う属性の人
たちのことと考えているようだ。

いつも講演などでお話させていただくが、BtoCで課金を考えている人ほど、課
金される有料サービスを使っていないという「ブロードバンド課金、矛盾の法
則」が成り立ってしまう。

自分たちのふるまいを省みて、ブロードバンドで課金されてもかまわないもの
を考えることが一番の近道だろう。もしくは物品購入による間接課金でもいい
かもしれない。答えは自分の中にあるのだ!

さらに、最近はメディアアントレプレナー志望という学生と話をする機会があ
った。ビジネスモデルをどう構築するかに悩んでいるという。神田さんのビジ
ネスモデルは?「好きなことだけをやる」といつも答える。好きなことでメシ
を食うのが一番のベンチャーの楽しいビジネスモデルであろう。

ネット業界の大手でもあるyahoo.comでもamazon.comでも、当初想定している
ビジネスモデルからは偉大なる戦略変更があったから存続している。だから机
上やMBAの考えるビジネスモデルだけではなく、もっと「パッション」が必要
だろう。

●コンテンツの宝庫

そこでボクが提案しているのが、「子供放送局」だ。既存のテレビのバラエテ
ィに登場する、アホタレントより普通の子供のほうがよっぽど面白い。まず、
社会にもまれていない独創性とアイデアと夢と希望と可能性に満ちている。誰
だって数十年前はもっていたはずだ。いつでもボクは大きくなったらどんな大
人になるべきかを真剣に考え続けている。そんな同士は、気づいた時から常時
接続で、辞書をひかずに何でもネットで解決する小学生が先生になることがあ
る。

彼らは「ネットピュアな世代」である。中途半端に社会に出てから、もしくは
学校でインターネットを教わった人種とはケタ違いにネットに溶け込んでいる。

転校してからもIMで交流できるし、毎日地域や学校の枠を超えて、自分のコミ
ュニティに生息している。海外の文献も翻訳ソフトなどでチャレンジするし、
テレビを見ながらネットではなく、ネットを見ながら、テレビを眺めている。

そんな世代のネット観は、大人になってしまったボクたちには見えないものを
たくさん持っている。まさにコンテンツの宝庫だ。しかし、残念ながら彼らは
そのコンテンツのイグジット先がない。そんなところにボクは風穴を開ける仕
事をしたい。

そこで、2003年、子供放送局のプロジェクトを開始する。
ここでは、学校で教えてもらえない4つのことを伝授する。

1.メディアリテラシー
2.語学リテラシー
3.コンピュータリテラシー
4.企業家精神リテラシー

1.広告とコンテンツのサンドイッチされた20世紀の無料メディアの成り立ちを
理解し、その中から自分たちのメディアであるインターネットという舞台をど
う活用すべきなのか?

2.翻訳ソフトや対訳サイト、翻訳チャットなどを通じて自分と同年代の世界の
子供たちとコミュニケーションする中で、日本の特異性を見つめる。

3.簡易な操作になったPCといえども、技術畑の人たちが作ったものだ。それを
もっと使いやすく、簡単に手軽に、そして情報の武器として使えるツールにす
る。

4.いい大学、いい会社はもはや存在しない。夢のある大人になるためには、起
業してもらうのが一番だ。役員は両親でもかまわない。子供に起業の楽しみを
教えたい。

まず、第一弾は、西武のコミュニティカレッジで5月13日から開始される「こ
どものためのデジタル放送局入門」だ。
http://college.e-doc.co.jp/ikepri/files/200304/homepage/public/hp/20030416292.html

また、折々「こども放送局のプロジェクト」をリポートしていきたい。夢のあ
る大人に限ってこちらも展開する。
http://college.e-doc.co.jp/ikepri/files/200304/homepage/public/hp/20030416319.html


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Phone81-3-5465-6555 Fax81-3-5478-8719

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■泰国パパイヤ削り
エロ本放置プレイ。

白石 昇
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前回まであらすじ。

 なんとか長崎の書店に納本し、マスコミ数社を回って在泰日本語マスコミか
 らの取材も入ったが、タイの方で販売がまだ開始されてないことが発覚して
 どうしよう。

白石昇です。そもそもパパとあたしはそんなに仲良しさんだったってワケでも
ないんです。あたしが仲良しさんだったのはパパじゃなくて、パパの婚約者の
方だったんです。だから、お金があるからと言っていつまでもフラフラとして
るわけにはいかないヨ、と言うパパの出資を受け入れたんです。

確かにあたしの友達と婚約したパパは、仕事をしていないせいで彼女の親戚や
家族の間で立場が悪いかったみたいだし、お金もあるんだから、この仕事を通
じて何かビジネスのきっかけを掴めればいいなと思ってたんです、あたしもパ
パも。

でも出版社に印刷代金払う頃からパパがなんかおかしくなりはじめたんです。
パパはあたしが自分のお金で印刷して日本に持っていく三百冊からも利息を取
るつもりだったらしくて、それはおかしいとあたしが指摘すると数十秒間に渡
って逆ギレしたりしたんです。

でもそんなことよりあたしが気になっていたのは、パパがノート=ウドム・テ
ーパニットに払う著作権使用料をあたしに手渡すときに言った、まあデモこの
くらいのお金、彼にとっては払っても払わなくても大したコトないハシタ金で
しょうけどネ、という言葉でした。

確かにノート=ウドム・テーパニットは大金持ちですから、三千冊分の印税な
どはした金かもしれません。しかしそれは版元としてあたしが確実にノート=
ウドム・テーパニットに支払わなければならないお金なのです。それを払わな
くても大したことがないなんて、他人に言われる筋合いはありません。

ましてやこのエロ本を書いたのはノート=ウドム・テーパニットで、日本語化
して版下を作り、出版するのはあたしなのです。お金を貸しているからと言っ
てそんな発言をする権利はパパにはありません。いや、パパだけではなく誰に
もありません。

当然あたしは、その場でその発言をとがめました。でも、パパは悪びれること
もなく、そうデスカと言ってあたしからすぐ視線を逸らしました。その時あた
しは、日本でたくさん売って、出来れば年内にはパパにすべて借金を返してエ
ロ本を自分のものにしたいと思ったのです。

二週間近くも納本をサボっていたタイ国販売総代理人に対してあたしは怒りを
禁じ得ませんでした。あたしはすぐさま在泰の日本語マスコミから取材の依頼
が来ているからタイ国で販売している書店を教えて欲しい旨のメールをパパに
向けて発信しました。

返事が来たのは、エロ本が刷りあがってからちょうど一ヶ月後の十月十二日で
した。

  お疲れ様です。まだタイの書店の店頭には並んでません。個人的なこ
  とで先月は忙しかったので手をつけられませんでした。もう書店には
  サンプルを送ってありますので来週には店頭に並ぶようにしたいと思
  ってます。それでは。(直訳)

どうやらあたしはとんでもない人にお金を借りて、タイ国販売代理を任せてし
まったようです。つづく。

【しらいしのぼる】hinkaw@chan.ne.jp
言語藝人。昭和44年5月1日長崎県西彼杵郡多良見町生まれ。『抜塞』で第12回
日大文芸賞を受賞。訳書にノート=ウドム・テーパニット『エロ本』。現在エ
ロ本屋仮店舗店長。

エロ本販売サイト↓
http://hp.vector.co.jp/authors/VA028485/erohonyakaritenpo.html

ノート=ウドム・テーパニット主演映画で、第二十二回ゴールデン映画大賞
(タイ芸能記者協会主催 通称プラスラサワディー)最優秀作品及び最優秀監
督賞受賞作品"Klong"の英語字幕付DVDが発売されたようです。ただし、PAL方
式なのでパソコン以外でしか見れないかもしれません。以下のサイトで日本か
らも購入できるようです。しかし、タイのDVDって安いですね。
http://www.ethaicd.com/show.php?pid=8620

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■編集後記(4/14)
・昨日、デジクリは満五年の誕生日だった(デスクに指摘されるまで忘れてた
けど)。フリーになってもうじき満七年だから、そのうちの大部分をデジクリ
と過ごしてきたわけだ。まったくよく続いているもんだ。これも、全面的に協
力してくれる筆者と、支持してくれる読者のおかげだが、我々もお気楽な部活
と位置づけていたから続いているのだろう(お気楽でもなかったケド)。これ
から「デジタルクリエイターズ」というグループは大きく変わる。その第一段
目、デジクリの事務所が移転する。そこでは今まで以上に幅広い活動が期待で
きる。今日、入所のイベントがありデスクがデジクリをプレゼンテーションす
る。わたしも今年は大阪に行く機会が増えるだろう。説明し難い変な芸術家の
永吉克之さん、また通院、じゃなかった痛飲いたしましょうね。  (柴田)

・プレゼンの準備をしていなければ、気がつかなかったんですが。私はデジク
リ継続のためにフリーの道を選んだので、切り離せなくなっちゃいました。協
力・支持してくださっているみなさま、ありがとうございます。   (濱村)

・先週末に、喜んでいるイラク市民の話を書いた。何故なんだろうと。けれど
もう少し冷静なメディアが伝えたのは、喜んで見えるのは一部で、他の人は怯
えているとのことだった。テレビが伝えるフレーム内では、喜んでいる人がた
くさんいるように見えるが、少し引いた映像では、違う人々の姿を映していた。
それらの映像を鵜呑みにしてしまった自分を恥じた。どうしても戦後の日本の
姿と重ね合わせてしまうのだ。自分がそこにいたらどうするかと考えてしまう
のだ。ホラー映画や残酷な映画を見られないのだが、それらを見ると、現実と
は違うと理解しているつもりなのだが、夢で見たり、それらしい場所に行くと
想像してしまったり、実際に体が痛くなったような気がする。死体を見たら、
自分が死んだ気になってしまう。ハリウッドな銃弾だらけの映画は何ともない
んだけど。/アメリカの13歳の少女の書いた文章が、世界で大きな反響を生ん
でいるそうだ。彼女が訴えるまで気がつかない人もいたというのが恐ろしい。
大事の前では小事は……、だから偉い人が子供達にも「死んでくれ」と言うの
が戦争ってことなんだよね?/…文の途中だけど。悲しい。 (hammer.mule)
http://www.mainichi.co.jp/news/article/200304/09i/001.html どうなるの
http://www.asahi.com/edu/nie/syasin/kiji132.html  将来を盗まれる

<応募受付中のプレゼント>
 Digital Information Graphics 1281号。
 サーバのある仕事場 Mac OS Xでサーバをつくる 1281号。
 Web Designing 2003年4月号 1282号。
 ホームページをお手軽に作って10倍楽しむ本 1283号。
 「素材辞典イメージブック6」「素材辞典イメージブック7」 1284号。

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デスク     濱村和恵 <mailto:zacke@days-i.com>
アソシエーツ  神田敏晶 <mailto:kanda@knn.com>
アシスト    島田敬子 <mailto:keiko@days-i.com>
リニューアル  8月サンタ <mailto:santa@londontown.to>

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