[1313] 勝者の寛容・敗者の嫉妬

投稿:  著者:


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1313    2003/05/23.Fri発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 21038部
情報提供・投稿・広告の御相談はこちらまで mailto:info@dgcr.com
登録・解除・変更・FAQはこちら http://www.dgcr.com/regist/index.html
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

      <自分ではなく、なぜアイツが……と人は思う>

■映画と本と音楽と… 170
 勝者の寛容・敗者の嫉妬
 十河 進

■かりん島
 脱構築+混乱夢
 北川かりん

■イベント案内
 Break Station Gallery 13th.occasion

■ワークショップ案内



■映画と本と音楽と… 170
勝者の寛容・敗者の嫉妬

十河 進
───────────────────────────────────

●モーツァルティアンとワグネリアンの対立

クラシック音楽を聴き始めたのは三十近くになってからだった。それまでロク
なオーディオセットを持っていなかったのだが、マンションに引っ越し部屋数
に余裕ができたので、安物だったがステレオセットを買った。それがきっかけ
で再びレコードを買い始めたのだ。

高校生まで毎日のように本屋とレコード屋に通っていたくせに、上京して大学
に入ってからは経済的余裕がなかった(要するに貧乏だった)のと四畳半ひと
間での生活が続いたので、レコードなどは買っていられなかった。たまにジャ
ズ喫茶に入り、友人に誘われてコンサートに出かけたりしたくらいである。

就職してからは六畳ひと間と三畳のキッチンの部屋に引っ越したが、すぐに同
居人がやってきたので四畳半にいた時より自分のものを置くスペースがなくな
った。スチールの本棚一本だけが僕のコーナーだった。机は処分し、同居人が
持ち込んだ大きなダイニングテーブルですべてをすませた。三畳のキッチンは、
そのダイニングテーブルでいっぱいになった。

ほぼ十年ぶりにステレオセットを確保した僕は勇んでレコード屋へ出かけた。
一度に大量には買えなかったが、まず僕はMJQとセロニアス・モンク、アスト
ラッド・ジルベルトとエディット・ピアフ、ビートルズとビーチボーイズ、岩
崎宏美と浅川マキ、そして、ワーグナーとモーツァルトを買った。

小学校の名曲教育は子供をクラシック嫌いにさせる。僕も例外ではない。退屈
でつまらないし、だいたいが長すぎた。僕はずっとクラシックを苦手にしてき
たのだが、ワーグナーとモーツァルトを買ったのは会社に熱心なワグネリアン
がいたのと、会社の近くにある本屋の店長さんが熱心なモーツァルティアンだ
ったからだ。

会社の先輩のワグネリアンは、毎朝、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」を
大音量でかけ、「さあ、会社にいくぞ」と勢いをつけて出てくるという。後年、
コッポラが「地獄の黙示録」で「ワルキューレの騎行」をかけながらヘリコプ
ターで爆撃をするキルゴア中佐を登場させた時、僕が深く納得したのはその先
輩の例を知っていたからである。

モーツァルティアンの店長がいる本屋は、いつもモーツァルトのシンフォニー
やオーボエ協奏曲やバイオリン協奏曲が静かに流れていた。僕は彼の口からモ
ーツァルティアンとワグネリアンは互いに相容れない仇敵同士なのだと教えら
れた。モーツァルトとワーグナーを一緒に聴く人がいるなんて信じられない、
と彼は言った。

僕がモーツァルトとワーグナーを同時に買ったのは、どうして仇敵同士になる
のか実際に聴いてみたかったからだ。その結果、僕はミニ(今風に言えばプチ、
でしょうか)モーツァルティアンになった。集中して聴くと、ワーグナーは重
くてハッタリが強く辟易するところがあったが、モーツァルトはまったく飽き
ず聴けば聴くほど気分が明るく軽快になるのだった。

●イメージを覆すアマデウスの実像

集中的にモーツァルトを聴いた頃から二十年近くがたち、最近、また通勤の行
き帰りにモーツァルトを聴き始めた。僕が持っているモーツァルトのLPレコー
ドは6枚しかないから、集中して聴いたといってもそれだけのことだったけれど、
交響曲38番「プラハ」と41番「ジュピター」は何度聴いたかわからない。

その6枚のLPレコードはCDで買い直し、さらに何枚か新しく買った。最近、通
勤の行き帰りで聴いているのは交響曲25番である。聴けば多くの人が「ああ、
あの曲」と思うだろう。かなりドラマチックな曲だと思う。

しかし、以前に集中して聴いた時にも思ったのだが、モーツァルトの曲は何を
聴いてもモーツァルトとわかる。まあ、バッハもマーラーもワーグナーもサザ
ン・オールスターズもビートルズもマイルス・デイビスも森進一もそれぞれ何
を聴いても彼らとわかるからそう珍しくもないのだが、聴き慣れた旋律やテー
マの展開など、ジャズのインプロビゼーションで言えばストックフレーズのよ
うなものがある。

人には文体があり、喋り方には口癖があり、即興演奏にはストックフレーズが
ある。作曲者にもオリジナルなスタイルがあるのは当然だろう。モーツァルト
の35年間の人生の時間に対して作曲した作品数を考えると、ものすごい短時間
で一曲を作ったことになると何かで読んだことがある。多少、似た曲があるの
は仕方がない。

古今東西、世にモーツァルティアンは多い。たとえばアインシュタインは「死
とはモーツァルトを聴けなくなることだ」と言っている。日本の代表的なモー
ツァルティアンである高橋英郎さんの本を何冊か読んだことがあるが、モーツ
ァルトなしでは夜も日も明けない人が本当にいることがわかった。

僕がモーツァルトを聴き始めた頃だったか、ピーター・シェーファーの「アマ
デウス」の劇評が新聞に載った。世界的に評判になった戯曲で、日本では松本
幸四郎、江守徹によって演じられた。重厚なサリエリの役を幸四郎が演じ、軽
薄でおしゃべりな天才ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトを江守徹が
演じた。モーツァルトの妻コンスタンツェは藤真理子だったと思う。

僕はサンシャイン劇場で公演されたその舞台を見てはいない。新聞の劇評を読
んだだけで、それまで抱いていたモーツァルトのイメージが崩れたのである。
ピーター・シェーファー描くところのモーツァルトは天才音楽家ではあったが
人格的には幼稚で、けたたましい笑い声を挙げ下品なことを口走る男だった。

それに僕は初めてモーツァルトがヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
という名で、ヨーロッパではアマデウスと呼ばれるのが一般的だと知ったので
ある。同時に、小学校の音楽の時間に教えられた天才音楽家に対して初めて興
味が湧いた。音楽史上の偉人ではなく、人間くさい生身の存在としてモーツァ
ルトが立ち上がってきたのだ。

僕はモーツァルトに関する本を集中的に読み、その音楽を集中的に聴いた。高
橋英郎さんの著作の中で僕はモーツァルトの手紙を読み、まるで子供のように
「うんこ」「おしっこ」「われめちゃん」を連発するモーツァルトに驚いた。
しかし、モーツァルティアンたちにとっては、スカトロジストであるモーツァ
ルトも愛すべき存在であるらしかった。

●クリエイトする者たちの嫉妬心

1984年に制作されたミロシュ・フォアマン監督作品「アマデウス」を何の予備
知識なしに見た人は、その中に登場するモーツァルト(以後、アマデウスと呼
ぶことにします)の姿にショックを受けたことだろう。けたたましい笑い声を
あげ、のべつまくなし甲高い声で喋り散らし、女を追いかけ、下品な言葉を口
にする。

映画「アマデウス」のテーマ曲に使われたのは、交響曲25番の第一楽章だった。
スリリングでスピーディで、ドラマチックな曲である。そして、どこかミステ
リアスであり、ドラマの結末を予感させる不気味さもある。

映画は死を迎えようとしているサリエリの回想で始まる。モーツァルト毒殺説
は昔から伝えられているようだが、このストーリーはサリエリがモーツァルト
を毒殺した説を題材にしているのだ。サリエリはかつて宮廷の楽長だった音楽
家で、老いさらばえた姿を晒している。

サリエリが作曲した音楽は一曲だけ残っていると何かで読んだことがある。音
楽史的にはまったく無視されてきた人らしい。宮廷の音楽長だったというから
官吏であり、エリートだったのだろう。彼はモーツァルトに出会い、その人格
を嫌い軽蔑する。

しかし、音楽を理解すること、音楽の素晴らしさがわかる能力を彼は持ってい
た。自分の作曲の才能についても自分で厳しい評価をしてしまう。彼は、アマ
デウスが作る曲の素晴らしさを厭と言うほど思い知らされている。だから、彼
は「こんな軽薄で馬鹿な男があんな素晴らしい音楽を作れるはずがない」と、
神の皮肉を認められない。

サリエリがアマデウスに殺意を抱くシーンがある。彼はアマデウスの家にいき、
作曲中の楽譜を見る。そこには推敲の跡がない。湧き出る旋律を流れるように
書き留めただけの楽譜だった。アマデウスが神に愛された音楽の天才だと知っ
たその瞬間、衝撃を受けたサリエリは楽譜を落とし殺意を抱く。

その時のサリエリの気持ちは理解できた。嫉妬、理不尽さへの怒り、己の才能
の見極め、絶望、諦め……様々なものが交差していたに違いない。サリエリは
ほんの少し才能があるだけの凡人なのだ。世の中の多くの人と変わらない。神
に選ばれた人間ではなかった……

映画「アマデウス」の評価は高く、アカデミー賞でも主要部門にノミネートさ
れた。作品賞、監督賞……、そして主演男優賞にはサリエリを演じたF・マレ
ー・エイブラハムとアマデウスを演じたトム・ハルスのふたりが候補になった。
他にノミネートされたのは、サム・ウォーターストン、ジェフ・ブリッジス、
アルバート・フィニーである。

自分ではなく、なぜアイツが……と人は思う。競い合う者たちは特にそうだ。
そして、クリエイティブなセンスが必要なことほど、人は他人の才能に嫉妬す
る。その世界を真剣に愛していればいるほど、自分にはない才能を妬んでしま
う。その才能が自分のものであったなら……、と夢想する。

その夜、主演男優賞のプレゼンターは「and the winner is」(現在は「oscar
goes to」と言われる。演技に勝ち負けはないと抗議があったからだ)とカー
ドを封筒から取り出し、F・マレー・エイブラハムの名を呼んだ。

演技者ならサリエリの方が得な役だと思うだろう。甲高い笑い声を響かせて独
特なアマデウスのキャラクターを創り出したトム・ハルスは目立っていたが、
複雑な心理を抑えた演技で見せられるサリエリの方がむずかしい役だと評価さ
れる。サリエリを演じたエイブラハムからは、眼の表情を見ているだけでアマ
デウスへの愛憎と己への絶望が伝わってきた。

壇上に登りオスカー像を手にして感謝の言葉を連ねたエイブラハムは、最後に
「しかし、私にとって物足りないのは、今、私の横にトム・ハルスがいないこ
とだ」とスピーチした。その瞬間、会場にいるトム・ハルスがスクリーンにア
ップになり、彼は敗者の失意に暮れる暇もなくエイブラハムに感謝の挨拶を送
らねばならなかった。

会場は大きな拍手に包まれた。寛容な勝者に対しての拍手だった。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
出版社勤務。部屋の模様替えが趣味だと以前にも書いたと思う。DIYの店を覗
くのも好きです。近くのホームセンターにいくらつぎ込んだでしょうか。先週
も掘り出し物を見付けてきました。

旧作が毎週金曜日に更新されています
http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html

竹内敏信ギャラリー&オリジナルプリント
http://www.genkosha.com/gallery/photo/

玄光社WebSite
http://www.genkosha.co.jp/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■かりん島
脱構築+混乱夢

北川かりん
───────────────────────────────────
ミシェル・フーコーの本を購入してからもう5年位たつ。だのに、まだ読破し
ていない。いつも1ページくらい読むと寝ている。だから、5年後の今も栞は25
ページくらいのところでとまっている。せめて大阪弁で書いてくれたらもっと
読めるんじゃないかと思うのだが・・・。

「身体刑がなー、その頃華々しく行われてたんやんかー。でもなー、それがな
ー、監獄でなー。」…うーん、どうかなー? 大阪弁だったら歴史に残る名著
となってなかったかもしれんな。一応、私の目標は80歳までには完読すること
だ。なんせ、4600円もしたからね!・・・金が理由か。

なんでフーコーの本なんか読んでいるのかというと、ある時期から権力構造と
いうのが気になりだして、それが作品のコンセプトとなってるからなんだけど、
最終的に私はひとつの答えを求めてる訳ではない事に最近気がついた。

多分、哲学のように言葉を使って、ひとつの形にまとめていくなら、あいまい
な答えでは完結しないので、最終結論を導き出さなければいけないと思うのだ
が、私のように何か素材(例えば写真であったり、布であったり)を使って形
を練り上げていこうとすると、頭の中で考えた通りに創ると、あまりおもしろ
いものが出来上がらない。

だから、途中からコンセプトは忘れてしまって、自分の感じるおもしろい形を
探して創っていく。そうすると、毎回答えは同じではなく、多種多様な答えが
用意されている。まあ、多種多様という名の混乱なのかもしれないが。

権力構造なんて大袈裟な言い方だが、例えば同じ人間が片方「平社員」で片方
「部長」の場合、「部長」の方がもちろん今の世の中エライ人になる。「部長」
という肩書きのフィルターを通す事でそこに力関係が生まれる。このフィルタ
ーが何なのか気になって、制作過程で何か発見できないかと思っているのだが、
フーコー読んで寝ちゃうくらいだから、今もよくわかっていない。

でも、最近、そんなフィルターもそれほど気にするほどの事でもないのかもと
いう気がしてきた。まあ、これも、ひとつの答えだと思うのだけど。

なんで、そう思えてきたかというと、多分、私が今、フィルターから外れたと
ころに存在しているからだと思う。前は「○○会社の北川さん」というフィル
ターを背負っていたのが、今の私にはなんにもない。まあ、あるとしたら「貧
乏な北川かりんさん」くらいのもんだろう。

私の存在が何かに隷属されるものではなく、単にそこに存在している状態にな
った。そうなると、なんで、そんな事気にしてたんだろう? と、思うように
なってしまった。

…困った。作品のコンセプトがなくなってしまうやん。

そろそろ次の段階に進む時がきているのだ。そして、また新しい事柄に直面し
て悩み、それが作品のコンセプトとなっていくのだろう。

私は混乱の中で夢見た形を、作品に投影して眺めて楽しんでいるのかもしれな
い。それは、その時々で形を変え、美しかったり、不気味だったり、醜かった
りする。私は予期しない色や形や空気に出会い、驚き、絶望し、喜び、楽しむ。
自分の答えを探す行為が作品を生み出す事なら、この混乱はきっと一生続くの
だろうな。

偉大な過去の哲学者の知識を参考にするのはいいけど、鵜呑みにするのはよく
ない。一番大事な事は自分の速度で考え、自分の言葉や感覚で答えを探る事だ
と思っている。そうじゃないと嘘ッパチのものしか出来ないと思うから。

しかし、フーコーは一体いつ読み終える事ができるのだろうか?

【北川かりん】
・TASU ART WORK
http://www.h3.dion.ne.jp/~tasu/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■イベント案内
Break Station Gallery 13th.occasion
四季を彩るコンピュータ・グラフィックス~日経プラス1「歳時記」より~
http://www.jr-break.com/gallery/ueno/13th/
───────────────────────────────────
会期:5月17日(土)~7月17日(木)
会場:JR上野駅「ガレリア」2F Breakステーションギャラリー
展示内容:B0パネル6点、PDP展示一式

主催:東日本旅客鉄道株式会社
協力:日本経済新聞社
企画・運営:Breakステーションギャラリー運営事務局
企画協力:株式会社シフカ

日本経済新聞で連載されているCGによる「歳時記」を3期に分けて6点づつ展示。
“春”に始まり“夏”に終わる。季節に馳せた9名のアーティストの“想い”
をご堪能下さい。無料(オープンスペース)

1st (5/17-6/6)「動き出す季節」
遊佐光明、三河一郎、田宮彩、小笠原たけし、服部幸平、北岡久美子
2nd (6/7-6/27)「レイン・レイン・レイン」
岩渕泰治、井上佳子、北岡久美子、相根良孝、服部幸平、三河一郎
3rd (6/28-7/17)「夏へようこそ」
相根良孝、小笠原たけし、岩渕泰治、田宮彩、遊佐光明、井上佳子

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ワークショップ案内
http://www.67.org/ws/
───────────────────────────────────

●A.e.Suckのアニメ制作実践 絵コンテ集中特訓
http://www.67.org/ws/0305/030524-1.html

絵コンテでムービーのイメージを明確にすれば、Flashでの作業がスムーズに
行えます。紙と鉛筆が基本です。
前回の様子 > > http://www.67.org/ws/0304/030404-1.html
日時:5月24日(土)13:00~17:30(4時間、休憩30分)
受講料:16,000円

●サブリンのFlashサイト デザイン・インターフェイス考察
http://www.67.org/ws/0306/030607-1.html

Flashサイト制作における問題点をクリアし、魅力あるサイト作りをするため
のノウハウをサブリン流に伝授!
前回の様子 > > http://www.67.org/ws/0304/030415-1.html
日時:6月7日(土)13:00~17:30(4時間、休憩30分)
受講料:16,000円

●大重美幸のFlash使いのためのDirector入門
http://www.67.org/ws/0306/030613-1.html

Flashの知識をベースにDirectorの使い方を説明します。Flash使いだからこそ
陥ってしまう誤解や混乱を取り除けば、Flash制作で培った経験はDirector制
作にも活かすことができます。内容はDirectorアニメーションの基礎知識、
Lingo入門~中級、FlashとDirectorの連携の予定です。
日時:6月13日(金)13:00~17:30(4時間、休憩30分)
受講料:16,000円

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(5/23)
・岡田秀文「本能寺六夜物語」(双葉文庫)を読む。信長が本能寺で死んだの
は事実だったのか。本能寺の変から30年経ち、山寺に集められた6人の老男女
が語るそれぞれの本能寺。6話どれもが面白いが、最後の話が秀逸。これこそ
本能寺の乱の本当の理由といわれても納得できる。信長の小姓だった男が語る
おどろくべき真実。光秀こそ最大の被害者だった。それをここで明かしてしま
うわけにはいくまい。それにしても、みごとな解釈だと感心したのであった。
最後に、この6人の老男女に本能寺を語らせるイベントをしかけた人物は、天
海僧正(=光秀?)であると明かされる。おもしろいねえ。    (柴田)

・来週金曜日はデジクリ大阪オフ会でお会いしましょう。
http://www.uketsuke.jp/show_event_detail.php?uno=6
・Mebic扇町ではロビーで無線LANが使えます。
http://www.67.org/ws/0305/030530-d1.html  Flash Liteイベント

・ここ数日、私に仕事をくださる代理店さんたちがめげてはる。クライアント
の要望が二転三転したり、材料をくれないまま、その材料が入ったらデザイン
修正が入るとわかっているのに案だけ出せとか、でも納期はのびないとか、そ
んなの聞いてないよ、だったり、他の会社はもっと安くしてくれると聞き、そ
の会社の作るものを見て、価格でしか評価してくれないなら、ほかと仕事して
もらいたいよ、とか(値引きには応じない)。昨日の後記に書いたみたいな流
れもありがち。二度手間、三度手間で時間ばかりとられるのって効率悪いね。
でも代理店さんがそういう意識をもってはるのは、うちとしては助かる。クラ
イアントに何も言えないまま、伝書鳩しがちな代理店も多いから。私がぶつく
さ言うからかもしれない~。「このまま提出したらぜったい修正きますよ。聞
いておいてもらえませんか。そのあとで作業していいですか」とか。商品開発
しているクライアントさんだと、直前で商品差し替えがあるのは仕方ないんだ
けど、そうじゃないのに項目総差し替えとかは困るもんなぁ。(hammer.mule)

<応募受付中のプレゼント>
 Photoshop Filter Reference 1305号。
 目と脳にマジック絵本 1306号。
 目がよくなるスペシャル3D 1306号。
 Web Designing 2003年6月号 1311号。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/ >

編集長     柴田忠男 <mailto:tdo@green.ocn.ne.jp >
デスク     濱村和恵 <mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 <mailto:kanda@knn.com >
アシスト    島田敬子 <mailto:keiko@days-i.com >
リニューアル  8月サンタ <mailto:santa@londontown.to >

情報提供・投稿・プレスリリース・記事・コラムはこちらまで
                        <mailto:info@dgcr.com >
登録・解除・変更・FAQはこちら <http://www.dgcr.com/regist/index.html >
広告の御相談はこちらまで   <mailto:info@dgcr.com >

★等幅フォントでご覧ください。
★【日刊デジタルクリエイターズ】は無料です。
お友達にも是非お奨め下さい (^_^)/
★日刊デジクリは、まぐまぐ<http://mag2.com/ >、
E-Magazine<http://emaga.com/ >、カプライト<http://kapu.biglobe.ne.jp/ >、
Pubzine<http://www.pubzine.com/ >、Macky!<http://macky.nifty.com/ >、
melma!<http://www.melma.com/ >、めろんぱん<http://www.melonpan.net/ >、
MAGBee<http://magbee.ad-j.com/ >、posbee<http://www.posbee.com/ >、の
システムを利用して配信しています。

★携帯電話対応メルマガもあります。<http://dgcr.com/i/ >
★姉妹誌「写真を楽しむ生活」もよろしく! <http://dgcr.com/photo/ >

Copyright(C), 1998-2003 デジタルクリエイターズ
許可なく転載することを禁じます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■