[1501] 敷金・礼金ゼロ時代の付加価値サービス?

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1501    2004/04/05.Mon発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18979部
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      <まるでキャッチセールスの体験者のような>

■KNNエンパワーメントコラム 
 「敷金・礼金ゼロ時代の付加価値サービス?」
 神田敏晶

■月曜クリエイターズサロン 
 今さらですが「グローバル」ってなんだろう?
 深川正英

■展覧会・イベント案内
 「アジアグラフィック2004ヨコハマ」
 チェンジング・ワールド 奥原しんこ展
 東京国際ブックフェア2004



■KNNエンパワーメントコラム 
「敷金・礼金ゼロ時代の付加価値サービス?」

神田敏晶
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KNN神田です。

4月1日より事務所を三軒茶屋から渋谷区円山町へと移転した。東急百貨店本店
とドンキホーテの三叉路の近くで、何をするにも便利な場所だ。特に夜のにぎ
わいは、夜型人間には好都合のロケーションだ。

円山町というとラブホテルで有名だが、まさにマンションの裏口からは、ラブ
ホテルに直結しており、ラブホテル通りからもマンションにはいれるという便
利(?)な仕組みにもなっている。

この週末は、引っ越し作業というか、あまりにも狭いので持ち込める物の選別
に追われていた。しかし、ドンキホーテが近くにあるので、なにかと便利であ
る。朝の4:30まで営業しているから(中途半端な時間)、貯蔵庫がわりになっ
ている。

しかし、閉店前のドンキホーテは、渋谷の夜の多彩さを物語るに十分すぎるほ
どだ。国籍さまざま。冬服から、完全超夏服ミニミニ系まで(見ているほうが
サブい)、雑多な人種のるつぼだ。ドンキホーテの店内をブロードバンド放送
どそのままタレ流しをしてもコンテンツとしては金がとれると真剣に思う。

当初は、表参道あたりの物件を物色していたが、事務所利用だと敷金3ヶ月、
礼金2ヶ月、手数料1ヶ月に、前家賃などを含めると、金額は大変なことになる。

最近は、レンタル業界の風雲児「mini mini」などが、敷金・礼金不要など、
手数料は家賃の50%というプランをだしてきたおかげでかなりやすく移転でき
るようになった。
http://www.minimini.jp/

考えてみればユーザー側から見るとこれは非常に助かるプランだ。しかも、気
に入らなければまた、mini miniで探せばいいという事になり、結局は手数料
が低くても回転率が上がることが期待できる。回転率があがれば、貸し主も、
敷金・礼金が少なくても、空き物件にしておくことから考えると委託したくな
るので物件が入手しやすくなるという構造だ。

引っ越しを繰り返すと、「無印良品」や「オークション」などの利用も増え、
新たな経済の循環を生むこととなる。

さらにminimini の「スーパー君パック」
http://www.minimini.jp/goods_introduction/super_pack.html
という商品には、基本的な冷蔵庫や家具、電子レンジなどが備わり、引っ越し
した日にそのまま生活がスタートできるという。これはマンスリーマンション
感覚で家が借りられる仕組みだ。レオパレスもウカウカしていられない。藤原
紀香を部屋に付けている場合ではないゾ。

このサービスで、なんと国会議事堂の真裏に、格安のいい物件があり、そこを
3月下旬に契約していた。いざという取材ではすぐに対応できるし、首相官邸
まで走っても3分以内で駆けつけることができる(過去にそんな仕事はしたこ
とはないが…)。

しかし、お風呂部分を改修するのに4月中旬までかかるという。そのかわりに、
家賃サービスやいろんな得点がつけるというのだが、そこまで待てずに、急遽
渋谷近辺で探すこととなった。残念ながら渋谷にminiminiはなく、時間もない
ので道玄坂の途中のいかにも最近の不動産屋さんというところに、駆け込んだ。

若くてキレイでやり手タイプのおねえさんが登場し、希望の物件を案内してく
れる。ボクはまるでキャッチセールスの体験者のような気分であった。最近、
画廊のセールスや、オフィスコーヒーのセールスを含めて、この「やり手」タ
イプのおねえさんが非常に多い気がする。

性格はちょっときつめでハキハキしている。化粧や服装はちょっと派手め。満
面の笑顔なんだけど、目だけは笑っていない(笑)。

希望の部屋を見にいき、部屋に入ると開口、一番。
「すてきなお部屋!~」を連発! 

たぶん、そういう接客マニュアルになっているんだろうけど、若い女の子にそ
う言われて、男として悪い気はしないから不思議だ。一応、希望物件の条件は
かなっている。しかし、もう少し他の物件も見てみたい気がする。そんな時に
彼女の携帯が鳴った。

彼女の話しぶりから、どうやら不動産事務所からの連絡のようだ。電話の内容
は、他のお客様がこの物件を見たがっているので、決めるなら今、即決してほ
しいという。そうしないと他の人が気に入ってしまって契約されるので、それ
でもかまわないでしょうか? と潤んだ瞳で訴える。

なかなか、見え透いた作戦ながら、敵のチームワーク連携も見事である。もし
かするとアラートで、部屋にはいってから5分後に鳴るように計算して設定し
ている自作自演プレーだったかもしれない。

しかしだ。営業レディとしては、最高にデキる社員だと思う。彼女の腕に光る
フランクミューラーがその年代にしてはまぶしすぎるほど彼女の別の才能を評
価しているようだ。玄関で脱いだフェラガモの靴も非常に気になる。

そんなこんなで3月末に会社の登記の件もあり、急いでいたボクは永田町のオ
フィスをその場でキャンセルにして、渋谷の円山町に移転することとなった。

これが不動産だからよかったものの、宝石デザイナーや毛皮のデザイナーで、
高額商品を、「彼女商法」のような感覚で彼女に迫られたら、もしも純朴な人
ならクレジットの契約書にサインしてしまう衝動に駆られてしまうことだろう。

敷金・礼金ゼロの物件で、そこまで考える人は少ないだろうけど、同じような
物件を探すのでも、気持ちよく騙されるということは、「大人としてのゆとり」
として受けとめてみたかった。

契約を決め、事務所に戻って書類に記入する段階になった瞬間、ボクの担当は、
すでに彼女ではなく、眼鏡をかけたおばさんに代わっていた。そして、彼女は、
別の新規のお客様のもとへ、あの笑顔で飛び立っていった。

その後ろ姿を見ているボクはなぜか悲しかった…。

ちなみに新住所は…
150-0044 東京都渋谷区円山町10-18-617
KandaNewsNetwork,Inc.

KandaNewsNetwork,Inc. http://www.knn.com/
blog http://knn.typepad.com/
CEO Toshi Kanda mailto:kanda@knn.com
#617-10-18,Maruyamacho,Shibuyaku,Tokyo,150-0044
Mobile 81-90-7889-3604 Phone81-3-5430-8887

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■月曜クリエイターズサロン 
今さらですが「グローバル」ってなんだろう?

深川正英
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グローバリゼーションだの国際化社会などと呼ばれて久しいですが、「グロー
バル」と聞いて何を連想するでしょうか? 多くの人は未だに「英語」と答え
るのではないでしょうか。

あらゆる場所やメディアでさかんにその必然性が叫ばれているので、もちろん
間違いではないですし、本当に必要な人もいます。

しかし、僕はずっとその答えに対して否定的です。理由は簡単です。「僕は日
本で生まれ、育ったから」です。

英語をしゃべれればたしかにコミュニケーションの領域は広がります。しかし、
それはあくまでも手段を手にしたに過ぎず、相手の文化を理解したこととは全
く異なります。伝えたい何かがなければ、コミュニケーションすら成立しない
ですし。

日本でもようやく「グローバル」について新しい局面を迎えているように感じ
ています。特に言葉以外の表現手段を持っている人はそのことに早くから気付
いてるはずなんです。僕が以前から感じている「グローバル」とは「日本人で
あること」だと思っています。これをもっと突き詰めると「あるがまま」「そ
のまんま」でいい。

だって「僕は日本で生まれ、育ったから」です。

日本で生まれ育っただけで、自身の中には脈々とその精神が息づいているはず
です。禅や儒教や仏教の精神や思想、日本古来の神道などからくる生活習慣は
そう簡単に変えられるものではありません。もちろん宗教に限らず千年以上の
歴史からも確実に影響を受けています。もっと身近に季節感や風土といったも
のの影響もあるでしょう。

だから、普通に振る舞って、普通に発想して、普通に行動しても、そこには純
然たる「日本」があります。ヨーロッパやアメリカの文化を取り入れようとし
てもネイティブには勝てないし、それよりもなりより絶対になれないですよね。
吉田戦車の「伝染んです」では恩師のはからいでイギリス人になれた、という
話がありますが実際にはなれないんです。(たぶん)

だからといって、ちょんまげを結って、着物を着て、歌舞伎を見て、魚だけを
食え、と言っているのではありません。それは今ではむしろ不自然ですし、そ
の本質については理解しがたいはずです。フランス製の服を着て、アメリカの
映画を見て、イタリア製のパスタを食っていても、その姿は靴を脱いで地べた
に座り、難解とされる日本語を自在にしゃべっていたりする……これが今日の
日本特有の文化なんだからそれでいいじゃないかと思います。

素直に受け入れれば、今の自分=日本の活きた文化を難なく表現出来る数少な
い人、であることに気付くのではないでしょうか。

そしてそこから発せられるモノはまぎれもなく「日本の文化」です。そうした
日本の文化や精神を発信すること、それこそが「グローバル」なんじゃないか
と思います。というか、前から思ってるんですけどね。

深川正英【ふかがわ・まさひで】fuka@studio-seed.com
プロダクトデザイン、コンシューマーゲームのインターフェイスおよびグラフ
ィックデザインを経験した後、1997年に「studio SEED」を設立。
現在はWebやCD-ROMのコンテンツ、モーショングラフィックス主体の映像など、
デジタルコンテンツの企画・デザイン・製作からVJまで幅広く活動中。
Digital Creator College WAO! 講師。

スタジオ・シード 代表 http://www.studio-seed.com/
関西文化発信協議会 Web統括 http://www.k-bunka.com/
Digital Creator College WAO! http://www.dccwao.com/

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■展覧会案内
「アジアグラフィック2004ヨコハマ」
<http://www.loftwork.com/AG>
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トップクリエイター30名による日本最大規模のCGアート展「アジアグラフィッ
ク2004ヨコハマ」とは、大人とこどもが一緒に楽しめるCGアートの巨大展覧会
です。

ゲーム、TV、雑誌、デザイン等で活躍する日本のトップクリエイター30名が参
加。何メートルもある大型作品を含む約200点のCG作品と、合計2時間分のCGア
ニメーション作品が常時上映されます。また鑑賞するだけでなく、観客が自由
に操作することのできる体験型インタラクティブ作品やCGお絵描きの体験コー
ナーも用意されています。日本を代表するCGクリエイター30名の個展が集まる
ことで、独自の発展を遂げ、世界でも最高水準を誇る日本のCGアートの最前線
をお見せします。

企画展示1 「檜山巽 10年の作品群」
企画展示2 「倉嶋正彦 超細密CG パテンテの世界」
企画展示3 「富岡聡 映像作品特別上映」
企画展示4 「ソネハチ polygons(ポリゴンズ)」
企画展示5 「バーチャル・ ビューティー/3DCGキャラクターの現在」
企画展示6 「中国秀作CG展示」「こどもCG作品展」
特別展示  「CGアーティスト河口洋一郎氏作品」

ワークショップ1「ペンとタブレットで描くCGペインティング」
4月29日午後1時より なりた麻美 協力(株)ワコム
ワークショップ2「STRATA 3Dpro 3.9Jで描く3DCG」
4月29日午後2時より 武藤修 協力(株)ソフトウェア・トゥー
ワークショップ3「こどもCG教室」展示作家による指導
会期中土・日・祝日の午後2時より1時間程度(29日は午後3時より)
セミナー 「CGアート作品の正しい鑑賞法(笑)」
会期中随時開催 喜多見康

作家 安藤克昌、扇原康成、岡達也、小笠原たけし、岡部タカノブ、 喜多見
康 岸啓介 木村智博、久納ヒロシ、倉嶋正彦、小坂徹、鷺義勝、須藤健斗、
ソネハチ、瀧澤謙司、多賀泰孝、都築潤、富岡聡、中澤真純、なりた麻美、
花房まこと、花山由理、檜山巽、ブルームーンスタジオ、松林あつし、武藤修、
めけめけ、森野和馬、由水桂、ロボットメガストア(50音順)

会期:4月28日(水)~5月8日(土) 5月6日(木)休館日
時間:午前9時~午後6時
会場:神奈川県民ホールギャラリー
入場料金:一般300(250)円 学生200(150)円 ( )内は前売り、20名以
上の団体料金 65歳以上及び高校生以下は無料 購入チケットのご提示で会期
中何度でも無料入場可能 神奈川チケットセンター、アジアグラフィックHPで
前売り中
主催:アジアグラフィック/神奈川県民ホール(財団法人神奈川芸術文化財団)
後援:CG-ARTS協会(財団法人画像情報教育振興協会)日中CG文化交流協会、
横浜市教育委員会
協賛:セイコーエプソン株式会社、株式会社ソフトウェア・トゥー、株式会社
ワコム
特別協力:株式会社東京研文社、学習環境デザイン工房、株式会社ロフトワー
ク 
協力:株式会社アーリストインターナショナル、アップルコンピュータ株式会
社、株式会社イーフロンティア、株式会社インタープログ、有限会社エム・グ
リーン、シャープ株式会社、STREETgarden、有限会社デジタルアイランドジャ
パン、株式会社デジタルSKIPステーション、デジタルクリエイターズ、株式会
社プレゼンハウス・トゥー、株式会社メディアヴィジョン
     
企画:喜多見康事務所
問合せ先アジアグラフィック事務局 TEL.045-481-7940

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■展覧会案内
チェンジング・ワールド 奥原しんこ展
<http://www.progetto.co.jp>
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会期:3月29日(月)~4月30日(金)11:00~21:00 
会場:PROGETTO(プロジェット))店内(川崎市川崎区小川町4-1 LA CITTAD
ELLA内 TEL.044-211-4616)
内容:コラージュを駆使した独特の作風で広く知られる奥原しんこさん。今回
は初のペインティング作品によって製作され、大人気となった絵本「チェンジ
ング・ワールド」の原画展です。ペインティングという奥原さんの新しい世界
が見れる興味深い展示とともに、奥原さんの製作した数々のグッズや本なども
集め、奥原ワールドがPROGETTOに出現します。

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■イベント案内
東京国際ブックフェア2004
<http://www.reedexpo.co.jp/tibf/>
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会期:4月22日(木)~4月25日(日)10:00~18:00 
24(土)、25(日)が一般公開日
会場:東京ビッグサイト
主催:東京国際ブックフェア実行委員会 リードエグジビションジャパン
入場料:1200円 サイトに展示会招待券プレゼントあり

<応募受付中のプレゼント>
DTPWORLD70号(2004.4月号) 1496号
Web Site Design vol.10 1497号
グラフィックデザイナーズ年鑑2004-2005 1498号
CG&映像クリエイターズ年鑑2004-2005 1498号

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■編集後記(4/5)
・土曜日の午後にデジクリ大阪事務所で会議。わたしとハマムラさんとsanta8
さん。昨年、ファイルメーカーのオフライン・ミーティングのあとで、茂田さ
んを交えてデジクリ・データベースの打ち合わせをして以来、じつにひさしぶ
りの顔合わせ。毎日データベース上やメールでやりとりしているが、リアルに
顔をつきあわせて話すと問題解決は早い。延々6時間の会議に疲れたが、とっ
ても有意義、もうじきデジクリは大きく変わるでしょう。ご期待ください。
そのあと、わたしは永吉克之さんの個展『特に意味はない』の会場へ。ディジ
タル・イメージで知り合った関西の作家さんが6人、11時過ぎまで盛り上がっ
たが、亭主である永吉さんは(飲むと本当はすごくおもしろいのよ)、見に来
た教え子に気を配ったり、音楽を調整したりと、最後まで節度を守り(?)文
章とえらく違ってまともであった(つまンないの)。この個展はとてもおもし
ろいので全国巡業させたいと思った。興味のあるギャラリー関係者、あるいは
スペースをお持ちの方は、永吉さんかデジクリにお問い合わせ下さい。(柴田)

・「ラミパス、ラミパス、ルルルルルー。」秘密のアッコちゃん。これって
「スーパーミラー、スーパーミラー」を逆にしただけなんだって。結構有名な
話らしい。知ってた? 私は聞いて、へぇ~×20だったわよ。じゃあ「テクマ
クマヤコン」は何だろ。                 (hammer.mule)
▲どうしたデスク? こわれちゃったのか?(柴田)

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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