[1509] これが作品展の全貌だ!

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1509   2004/04/15.Thu.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18956部
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     <あっ、そこの同業者の方、コピペしないようにっ>

■笑わない魚 109
 これが作品展の全貌だ!
 永吉克之

■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト 19
 ファイルメーカーPro7情報(関数編)
 茂田カツノリ

■Powerbook Publishing Project 81
 電子出版社は可能か(4)
 8月サンタ



■笑わない魚 109
これが作品展の全貌だ!

永吉克之
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今回のコラムは、初個展をやってやるぞ畜生と息まいている方、あるいは個展
を一度やってみたいわと夢想している方、または、個展とは何か、その意義は、
そしてその構造は、浸透圧は、と個展を研究している方の役に立てばという気
持ちで書いたので、それ以外の方には退屈きわまる内容になるだろうが、これ
も忍耐力を鍛える修行だと思って、最後まで読んでいただきたい。

私自身、初個展を10日に終えたばかりで偉そうなことは書けないのだが、申し
訳なさそうに書いても説得力がないので偉そうに書く。

■会場

私が長い間、個展をしなかった理由のひとつに、画廊という無機的な白い箱に
抵抗感があったということがある。なにしろ画廊では絵を観ることしかできな
いのだ。まあ、お茶くらいなら出してくれるところもあるが、ビールは置いて
ないし、サウナもなければ、卓球台もない。サービスは最悪である。

たいていの画廊がガラーンとした白い空間なのは、どんなタイプの作品でも展
示できるようなニュートラルな環境にするためだが、まさにそれが長居しづら
い雰囲気を生んでいるのだ。作品を鑑賞し終って買う気がなければ、とっとと
消え失せなければならないような空気がいつもある。

まあそんなわけで、会場はエスニックなカフェ・アンド・レストランにした。
繁華街からは離れているが、半地下に下りていくと古びた木製のドアがあり、
開けるとお香の薫りがするスペースが広がっていて、どこか場末のジャズクラ
ブに共通する「アーティスティックな不健全さ」が自分の作風に合うと思った
のである。

他にもメリットがあった。まず二週間も会場を借りて場所代はタダ。開店時間
も11時から23時までと長いから、仕事が済んでからでも観にきてもらえること。
そして、アートに関心のない人がどう反応するかを見ることができることだが、
これについては後述する。

■期間

会期は二週間だったが、前半の一週間は作品を観るのが目的と思われるお客さ
んがほとんど来なかった。作品は一瞥もせず、飲み食いしたら、さっさと帰っ
てしまうのを見て、「なんだ、ここに飯を食いに来たのか。ここをレストラン
とでも思っているのかね、まったく」と憤激したものである。

ああ、あんなにデジクリで宣伝したうえに、DMも送りまくったのに誰もこない。
もう人間なんか信じない、個展は失敗だ俺は破滅だ、残された人生を廃人のよ
うに生きるのかと思いこんでいたら、後半に入ってから急に作品を観に来るお
客さんが増えはじめた。美術館での展覧会は、会期終了あたりの数日間が混む
というじゃないか。焦っちゃいかんよ、キミ。

■広報

DMは千枚作った。関係各位に郵送した以外に、何軒かの画廊や、ライブや作品
展を積極的に行なっているパブ、出力センター、府立現代美術センターなどに
置いてもらった。そういえば、デジクリの大阪オフィスがあるメビック扇町も、
ロビーに置くことを快諾してくださった。

しかし広報活動に関しては、全力を尽くさなかったという悔いが残っている。
今までにもらった名刺や年賀状を見て、どんな人だったかまるっきり思い出せ
なくても、無節操に片っ端からDMを出すべきだったのかもしれない。

この人に出しても遠いから来てくれないだろうなーとか、以前この人の個展の
案内をもらったけど観に行かなかったから、その報復として僕の個展にも来て
くれないだろうなーとか、この人、女ったらしだから、中年男のやる個展なん
か、わざわざ観に来ないだろうなーとか、気を回しすぎて結局DMを出さなかっ
た人たちがワンサといる。私は気が小さいのである。

■演出

といっても、この店本来のエスニックなカラーを破壊するわけにはいかないの
でBGMで雰囲気を作るくらいのことしかできなかった。当初は、ぴんから兄弟
や殿様キングスの演歌を流して、お客さんに「なんで『女の道』がかかってん
ねん」と聞かれ「特に意味はない」と答えるのが楽しみでワクワクしていた。

しかし考えてみたら私の作品を観に来る人たちばかりではない。「あなたのた
めに守りとおした女の操、今さら人に捧げられないわ~」なんて曲を流したら、
1996年から営々と築き上げてきた、この店の威光を危うくするような気がした
ので断念した。

そこで、私の作品のイメージと店の雰囲気と折り合いをつけた音楽ということ
で、結局フランク・ザッパ、ボブ・ディラン、ハリー・ベラフォンテ、トリオ・
ロスパンチョス、バッハ、というぜんぜん脈絡のない選曲になった。こんなこ
となら、ずっとインド音楽でも流している方がなんぼかよかった。

■感想

レストランやカフェで個展をするなら、感想ノートは絶対に置いておくべきで
ある。美術展なんか絶対に行かないような人でも、店に入ると作品が嫌でも眼
に入る。そしてテーブルに着くと「何でもいいから書いてね」と表紙に書いて
あるノートが目の前に置いてある。そうなれば、とにかく感想らしいことは書
いてくれるようだ。

アートの知識のない人は「一種のポップアートだな」「シュールリアリズムの
流れを汲んでいるな」といったようなカテゴライズをせず、自分の言葉で話す。
そういう人たちに作品の感想を言ってもらうというのは、なかなか経験できる
ことではない。以下は一例であるが、造詣の深い意見もシロートな意見も十把
ひとからげに列挙した。

・キクチヒロノリに近いものを感じてしまいました。(無記名さん)
・ありえへんことっておもろい。とくにかえるみてえなどうぶつが、とくに、
 ありえねえんだよ。(M.A.さん 7歳)
・私の好きな作風ではないのですが、お店の雰囲気と妙にとけあっているよう
 な感じ。不安を感じます。(無記名さん)
・なんか噛みたくなるっっ、噛みたくなるんだってばっっっ!!!(Yさん)
・意味があると思います。それは風刺とか皮肉とかかもしれません。(Uさん)
・でんしゃのうしろにからだがないひとがおもしろいです。(Tさん 6歳)
・『特に意味はない』意味をびじあるなものにすると、こんなに美しくたのし
 いものになるのかとおどろきました。(無記名さん)
・作者のキャラクターからは全く違う感じのものが映しだされてて意外でした。
 (S.T.さん 29歳)
・絶対変態ですよね。(T.Y.さん 36歳)
・サーカスのつなわたりの様なあやうさ。その裏にあるしたたかさなど、ひそ
 かに感じました。(Y.M.さん)

■成果

個展が終了して間がないので、まだ何ともいえない。次のステップにつながる
可能性もあるが、単に「個展があった」という記憶しか残らない可能性もある。
蒔いた種が今後、芽を出すかどうかはコンゴ人しか判らない。

【ながよしかつゆき/アーティスト】katz@mvc.biglobe.ne.jp
個展には、初対面のデジクリ読者も何人か来てくださった。「作品のセンスに
脱毛です」というコメントを残してくれたTさん、はるばる東京から来られた
のに、お会いできず残念です。また最終日に来てノートにアドレスを残してく
ださったY.N.さん、メールを送ったのですが、戻ってきてしまいました。アド
レスを送ってくださーい。
http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ework

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■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト 19
ファイルメーカーPro7情報(関数編)

茂田カツノリ
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今回もファイルメーカーPro7情報の続きだ。

先日開催された「ファイルメーカーPro東京ユーザーズミーティング」のオフ
会は、柴田編集長も編集後記で書かれていたとおりの大盛況だった。

思えばリレーション対応となったバージョン3が1996年に登場して以降、4.0→
4.1→5.0→5.5→6.0と版こそ重ねたものの、根本的な機能はずっと改善されて
こなかった。

それがバージョン7では先週にも書いたとおりの、本当に大幅な改善がなされ
た。昔から使ってきたユーザにとっては本当に待ち望んだ改良であり、オフ会
での発表もずいぶんと白熱したものになった。

繰り返して言う。
「とにかくファイルメーカーPro7はすごいんだってば!」

オフ会は白熱しすぎて予定を1時間過ぎても終わらず、会場のほうからお小言
をちょうだいするハメにもなったわけだが...。

・有限会社ジェネコム
http://www.genecom.co.jp/
日本のファイルメーカー業界を支えている高岡幸生さんが経営する会社。シス
テム構築/コンサルティング/トレーニング等を行っている。

■ファイルメーカーProの使われ方に変化が

先週は「デジタル的な生産のすべての場面でファイルメーカーProを使おう」
と書いたが、別の面として、かなり大規模かつ高度なデータベースシステムに、
ファイルメーカーProが採用される例が増えているという事実もある。

ファイルメーカーProはバージョン2.1までは「カード型」と呼ばれる簡易的な
データベースソフトだった。バージョン3でリレーションに対応して活用範囲
は広がったが、それでも「素人向き」という感は常につきまとっていた。

それがバージョンを重ねるごとにWeb公開機能、ODBC、XMLなどがサポートされ
るようになり、オラクルなどの基幹システムを補完する役割などに採用が進み
始め、かなりプロの現場にも使われるようになってきた。それでも当初からの
使いやすさが決して損なわれていないのが素晴らしいところだ。

データベースソフトとしてライバル関係にあるマイクロソフト・アクセスが、
操作性にしても使っている用語にしても実に「とっつき」が悪く、一般ユーザ
が使うには難しいということで、ファイルメーカーProに乗り換えたという話
はよく聞くのだ。

ファイルメーカーPro関連書籍もバージョン3のときはMac版しか売れなかった
ものだが、いまはWindows版のほうが圧倒的に売れている。

■新しい関数ご紹介

今回のバージョンアップでは関数もずいぶん変わった。バージョン7には210個
の関数があるが、Get関数を除いても41個が新設なのだ。その41個を、以下に
ご紹介してしまおう。

あっ、そこの同業者の方、コピペしないようにっ。

○テキスト関数Filter 指定した文字だけ残し、それ以外を消去
FilterValues 指定した単語だけ残し、それ以外を消去
GetAsCSS テキストをCSSのspanタグ形式に変換
GetAsDate テキストを日付形式に変換
GetAsNumber テキストを数字形式に変換
GetAsSVG テキストをSVGのタグに変換
GetAsText 数値形式等のデータをテキスト形式に変換
GetAsTime テキストを時刻形式に変換
GetAsTimestamp テキストをタイムスタンプ形式に変換
LeftValues 改行区切りテキストの先頭から指定行数だけ取り出す
MiddleValues 改行区切りテキストの指定行だけ取り出す
RightValues 改行区切りテキストの下端から指定行数だけ取り出す
SerialIncrement テキスト中に含まれる数値部分を1加算する
ValueCount テキストの行数を数える
○text formatting関数
RGB 色のRGB値を数値に変換
TextColor 文字の色を指定
TextFont 文字のフォント種を指定
TextSize 文字のサイズを指定
TextStyleAdd 文字のスタイルを指定
TextStyleRemove 文字のスタイルを除去
○数字関数
Ceiling 数値の小数点以下を切り上げ、一番近い整数にする
Combination 組み合わせが何通りあるかを計算する
Div 割り算の答えを整数部分のみ返す
Factorial 階乗を求める
Floor 数値の小数点以下を切り捨て、一番近い整数にする
Lg 2を底とする対数を求める
SetPrecision 計算時の有効桁数を指定する
○Timestamp関数
Timestamp 日付と時刻を合成し、Timestamp形式で返す
○統計関数
Variance 分散を求める
VarianceP 母集団の分散を求める
○論理関数
Evaluate フィールド内に入力された式を計算する
EvaluationError 式を計算した際のエラーをコードで返す
IsValidExpression 計算式にエラーがあるかどうかを評価
Let 式の中で使う変数を定義
Lookup リレーションにより参照したデータを読み込む
LookupNext Lookupと同じだが、データがなかったときの動作が異なる
Quote “を含むテキストをそのまま返す。特殊記号は変換する
FieldComment フィールド定義で付けられたコメントを返す
○デザイン関数
TableIDs テーブルのIDを返す
TableNames テーブルの名前を返す
WindowNames ウィンドウの名前を返す

僕は、フィールド内の計算式を実行してくれる「Evaluate関数」がお気に入り
だ。関数の機能チェックが便利になって、執筆する身として助かる。

これらの詳しい使い方は、私の『ファイルメーカーPro関数・スクリプト事典
(バージョン7対応版)』を参考にしてほしい。6月下旬には、なんとか発行し
たいと思ってる(ホントかよ)。

【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
Webプロデューサー/テクニカルライター、あるいはファイルメーカーPro7の
執筆を多数抱えて気が遠くなっているただの凡人。子育てSOHO生活を、心の底
から思いっきり楽しんでる。うちの子供たちはずっと2人揃って民間の託児所
に入れてたのだが、今月から娘は幼稚園、息子は保育園になった。そしたら息
子は心細いらしく、毎朝「いくのやだ~」と暴れまくるのでタイヘン。これも
成長の一過程だ、頑張れ耕太郎。

[有限会社アモニータ]
http://www.amonita.com/

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■Powerbook Publishing Project 81
電子出版社は可能か(4)

8月サンタ
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前回までのお話は、コンテンツビジネスとはコンテンツ制作部門のほかに、客
のもとに配信する物流部門、代金を回収する決済部門の三つが組み合わさって、
はじめてビジネスとなるということだった。

中でも最も権力を持っているのは実は物流である。書籍の世界では取次が、映
画の世界では配給会社がコンテンツ流通を支配しているのはご存じの通り。
(ではテレビの場合は電波塔が一番の権力か? もちろんそう。放送免許とは
詰まるところ電波の発信権である)

物流を整備するのは巨大なコストがかかる大事業だが、それだけに一度つなが
った消費者とのパイプは、途切れにくい、レンジの長い収益をもたらす。それ
に比べて、そのパイプ上を流れるコンテンツ制作は、基本的に一瞬先すら読め
ない、不安定な商売だということを述べてきた。

ビジネスとして考えたとき、クリエイターは物流組織、つまりディストリビュ
ータ・プロバイダを無視できない。しかし映画の物流も書籍の物流もテレビの
物流も、既得権を享受している先行業者が支配しており、新規参入はあからさ
まに不利である。そこにインターネットという、全く新たなチャンネルが登場
したが…。

●クリエイターの地位を支えていたもの

だが、今までは、クリエイターは『著作権』という資産、人の欲望に直結する、
絶対無敵の売り物を持っていた。『著作権』というかけがえのないものを持つ
がゆえに、ディストリビュータとのパワーバランスを保つことが出来ていたと
言っていい。

ところが、インターネットは物流として画期的だったが、一方でクリエイター
が持っていた著作権というものの存在を、根元的に揺るがす核爆弾を抱えてい
た。デジタルデータという、情報完全複製技術である。

デジタルデータという新しい因子が、全世界のコンテンツビジネスの行く先を
今、根底から揺るがしているのである。デジタルが持つ情報複製能力は、著作
権を徹底的に無効化する。人とクリエイターの間のつながりの意味、価値さえ
も奪う。

『もしこの世から塩がなくなれば、何によってその味が取り戻せようか』デジ
タルはまず、著作物から希少性を奪ってしまった。経年変化による劣化「死」
を奪ってしまった。『私有の喜び』を消し去ってしまった。デジタルデータは
人の感性を変えていく。著作物に対する人のまなざしの変化こそが、著作権を
揺るがせる。

●物流に飲み込まれるクリエイター

著作権という伝家の宝刀を加速度的に破壊されつつあるクリエイターは、その
地位を、ディストリビュータに付随するサービス、というぐあいにどんどん低
められていく。単体収入としてすがるべき資産がない状態では、安定収入を得
るために物流業者の傘下に入らざるを得ない。

その端的な例がimodeのシステムである。テキスト、画像、音楽、ゲーム…様
々なクリエイターの著作物が、携帯電話会社の「サービス」として供される。
消費者はコンテンツを私有できない不安を、「サービス」として安心して手に
入れ、代価を支払うことになった。

今、デジタル系のコンテンツビジネスは、基本的にはうまく軌道に乗ったこの
imodeのシステムを追いかけていると言っていい。人々の生活から切り離せな
い携帯電話という端末を使い、クレジットカード並みの認証と決済を組み合わ
せたバックボーンがある以上、あとは端末のハード的な限界を使って、何を流
せばいいか考えれば良いだけだった。

(別にimodeを参考にしたわけではないし、imodeほどしっかりした仕組みでは
ないが、iPodとiTunes、iTunes Music Storeの仕組みもほぼ同じである。人々
が常に身につけるiPodという端末に付随するサービスとして、人々は音楽デー
タに金を払い始めた。実際には、アメリカでは著作権を保護する法整備と、執
行機関の動きもさかんだから、人は法的にクリアなデータを所有したい、とい
うこともあるが、それにしてもiPodという核の存在は大きい)

それでも、消費者が楽しみ、お金が回っている以上、問題はないのではないか、
とも言える。コンテンツと物流と決済のパワーバランスは、どんなメディアで
も常に安定していたわけではない。また、コンテンツ制作者というものが、常
に尊敬に値する、尊重される商売だったわけでもない。

しかし、本稿が問題にしていきたいのはその消費の『スピード』である。ここ
までは送り手側の都合の視点をざっと俯瞰してきたが、そろそろ受け手側も加
えた大きな円としてのコンテンツビジネスを見なくてはならない。消費のサイ
クル、時間軸を考えれば、儲かればいいというだけのものではないし、面白く
ない。

次週は「それは『客』なのか『ユーザ』なのか」、受け手の現在を書いていく。

【8月サンタ】santa8@mac.com
LondonとLyallとLeCarreを愛する35歳元書店員。某超大手取次社員の経験アリ。
・佐野眞一さんの「誰が『本』を殺すのか」には、本は不用不急の紙束ではあ
るけれど、数年、数十年を超えて効いてくる、レンジの長い存在でもある、と
いう意味の言葉が何度も出てくる。確かに本は待っていてくれる、「長いつき
あいの友達」である。柴田編集長のMacの設定のお手伝いに行った際、行きが
けの駄賃とばかりに工作舎の『遊』という雑誌を数冊、いただいてきた。帰り
道の電車の中で開いた瞬間、ずいぶん長い旅をして、帰ってきたような気がし
た。1978年~82年の本だが、驚いたことに、まだ買える。
http://www.kousakusha.co.jp/kinsyou_yu.html#top
次は開高健責任編集の『面白半分』を強奪予定である。


<応募受付中のプレゼント>
 『新宿御苑 撮影ガイド 花と風景の12ヵ月』 「写真を楽しむ生活」
 364号(4/26締切)

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■編集後記(4/15)
・DTPの、PDFの、JPCの、IGASの、PAGEの、シーボルトの、「SUPERDESIGNING」
の、そのほかいろんなことで一緒におもしろがってきた「戦友」ふたりといっ
ぱい飲んだ。5年ぶりくらいかもしれない。戦友とはアナクロな表現だが、か
つてデザイン・製版・印刷の分野では大きな動乱の時期があり、確かにある種
の戦場といってもよかった。それはそれはおもしろかった。その動乱、混乱は
いまでは沈静化してなんだかつまらないのだが、ふたりの現役は(わたしより
若い)いまも同じ職場にいるが当時とは別の、またしても先端的な仕事をして
いるので、話を聞いているだけでわくわくしてくるのであった。いや~、現役
はいいなあと何度も言ってしまった。わたしだって、いまでこそヒキコモリ状
態だが、もうじきカムバックしますからね、と宣言しておかないと。(柴田)

・後記なんだけど、先に書きためておくのである。当日掲載コラムを見る前に
書くのである。なのに後記がコラムとシンクロすることがある。先週の永吉さ
んのお葬式ネタもそうだし、昨日の笠居さんの子育ての話もそう。別に笠居さ
んのコラムと茂田さんのコラムをどうこう言うつもりはなかったんだけど、な
んか意見してるみたいだな~と。/祖母の話を書いたら励ましのメールをいく
つかいただいた。ありがとうございます。じわっときました。/googleが表紙
だったのは3月29日のNewsweeks誌なのだそうだ。KAGEYAMAさんありがとうござ
います。                       (hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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