[1536] 映画サイトのリッチ、映画館サイトのプア

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1536    2004/06/07.Mon.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18829部
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<壮大な構想と、シンプルな実装>

■KNNエンパワーメントコラム 
 映画サイトのリッチ、映画館サイトのプア
 神田敏晶

■電網悠語:Ridual開発記編 
 アクセシビリティ(後編)
 三井英樹

■展覧会・イベント案内
 JAGDA新人賞受賞作家作品展2004 田中竜介・野尻大作・森本千絵

■ニュース
 ボイジャー 新潮社、講談社、インプレスと資本提携



■KNNエンパワーメントコラム 
映画サイトのリッチ、映画館サイトのプア

神田敏晶
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KNN神田です。

「ドーン・オブ・ザ・デッド」と「デイ・アフター・トゥモロー」を見てきた。
「キャシャーン」と「キル・ビル2」と「パッション」は残念ながら見過ごし
てしまった…。

「トロイ」と「キューティーハニー」と「クリムゾンリバー2」「コールドマ
ウンテン」はなんとかしたいけど、一本2時間としても8時間もかかる。今年の
このソソる映画ラッシュは、なんとかしてもらいたいものだ。

ゴールデンウイークなどの休みや夏の作品として公開されるのだが、興行成績
をあげるには、公開タイミングだけではなく、日本の興行システムの仕組み全
体を変えたほうが早いかもしれない。金曜日の夜にオールナイト上映があるの
が六本木ヒルズだけというのも、このメトロポリスでは信じがたい事実だ…。

日本には2681の上映スクリーンがあり、2032億円の興行成績である(2003年社
団法人日本映画製作者連盟調べ)。つまり、1スクリーンあたりの年間売り上
げは、平均7579万円であり、平均入場料は1252円なので、1スクリーンあたり
年間60535人。1日あたり165人が映画を見ていると計算できる。のべ人数では、
1億6234万7000人が映画館で映画を見ていることとなる。

しかしだ。これを映画館以外で考えてみるとさらに市場は大きくなる。小売店
舗の映画ソフトの売上およびレンタル市場は5,010億円で、映画鑑賞人口は8億
1,900万人にまで増える。売り上げで2.46倍。動員では5倍にあたる(日本映像
ソフト協会)。

つまり、映画のビジネスは確実に家庭のビデオやDVD市場にシフトしていると
考えられる。さらに販売用のDVDは約6943万枚と毎年130%の伸び率で増え、レ
ンタル用DVDでは5342万枚で187%の伸び率になり(ビデオレンタルは7191万本
81%)で、レンタル市場のDVDシフトが続いている。

DVD専用機からDVDレコーダー、薄型の大型ディスプレイなどのホームシアター
化がさらに牽引していき、映画を所有する傾向が見られる。また、統計にはあ
らわれないが、DVDのオークションやブックオフなどで10%~30%の価格で再
流通していることから映画の家庭内市場の大きさが増えていると考えられるだ
ろう。

しかし、家庭のリビングで映画を見始めると、シナジーの経済効果はなにも生
まれない。せいぜい、コンビニか宅配ピザ程度だろう。そこで、映画館へもっ
と人を集めやすいプロモーションが必要ではないかと思う。

1スクリーンあたりの興行成績をあげるためには、夜型へ移行せざるをえない。
平日の午前中の観客は非常に少なく、最終回の上映が18時台という劇場がほと
んどだ。これでは、平均的なビジネスマンやOL、学生では平日の鑑賞は無理だ
ろう。

まず、平日の営業を合理化し、終電に間に合うまでの興行を行うべきだろう。
最終回が21:00であれば、夕食を食べてからでも映画を見ることができる。し
かもレイトショウ価格があれば、平日の夜でも格安感がでてくる。またロード
ショウで映画を見るとDVD購入時に10%割引などのプレクーポン制度を導入し
てもいいだろう。

東急系の映画館では、映画の半券をもっていると提携レストランでサービスな
どが受けられるというキャンペーンもグループ会社でおこなっているが、これ
を映画を見る属性でタイアップできるキャンペーンもあるだろう。映画は配給
会社の宣伝は積極的であるが、映画客層の水平的なマーケティング展開は苦手
なようだ。

配給会社の映画サイトは非常に充実しているが、足を運んでお金を回収できる
劇場サイトとなると、とたんに貧相なサイトになってしまう。上映している各
映画館のスケジュールは電話で問いあわせしろという、ふざけたサイトも多い。
混雑具合の予想から、取り扱いフードメニュー、予約システムなど、いろいろ
とがんばれる劇場もあるが、一般の映画館では無理だ。

他の販売促進費をおさえても、情報化のためのASPサービスを提供し、いろん
なサイトにRSSで映画館の詳細データを提供し、映画館へ足を向けやすい努力
をしない限り、ホームシアターに映画館は勝てない。

1日の映画の日から、レイトショウ、22日のカップルデー、水曜日の女性1000
円デーなど、積極的なキャンペーンを告知していくためには、もっと映画の情
報やバナーなどで露出していかなければならない。何よりも、一か月の生活の
中に何度か映画館に足を向けたくなる習慣性を戻す必要があるだろう。

東京・飯田橋のギンレイホールでは、いつでも使える年間パスを、シングル
10,500円、ペア18,900円、法人・グループ(5人まで)31,500円、同伴者1名ま
で入場料が1000円になる特典などをつけている。
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/ginrei/cinema.htm

ここまでいかなくても、平日フリーパスのような映画の年間チケットなどがあ
ってもいいのかもしれない。ガラガラの映画館よりも、やや混雑の映画館のほ
うが、見に行った気になると思う。

また、フードコーナーは利益率が高いだけに、工夫をしてもらいたい。せっか
くの映画なんだから、プレミアムなエスプレッソやカラメル・ワッフル、シナ
ボンなど、家庭やコンビニでは買えない映画館用のメニューを開発すべきだ。
BARがあってもいいほどだ。六本木ヒルズのポップコーンは、香りだけで欲し
くなってしまう。また、女性客には、ひざ掛けの貸し出しなどもあるので、フ
ルマッサージ機つきの特別席を開発するなど、まだまだ映画館でできるプロモ
ーションはあるだろう。映画のパンフレットと袋ものだけを販売していても人
件費にもならないのだから…。

そのうち、地方の映画館のコーナーに、タリーズシネマとかスターバックスシ
アターが登場する日もあるだろう。十分タイアップできる可能性は秘めており、
地域のエンターテインメント商業アグリゲイターとしての復活を期待したい。

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blog http://knn.typepad.com/
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■電網悠語:Ridual開発記編 53-b
アクセシビリティ(後編)

三井英樹
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(...前編から)

しかし、Ridualサイトで試してみることにして、泣かされた。正直言って今ま
での考え方が全然通用しない。情報を見るたびに、trやtdタグが頭をよぎる。
いやいやそうではない、レイアウトをしたい訳ではない。情報を整理して表示
したいのだと言い聞かせる。装飾を削ぎ落とす、それがこんなに難しいとは思
っても見なかった。

味も素っ気もないHTMLを見ると、そこがコンテンツ自体の勝負であることが明
確になる。ただでさえ、Ridualサイトは説明不足の部分があるのだが、それが
浮き彫りになる。それは如何に見た目で「上げ底」をしていた自分と対峙する
ことにもなる。

CSSで何ができるのかが分かっていないと、効率的な情報分類は不可能だ。情
報分類ができていないと、CSSレイアウトは進まない。鶏が先か卵が先か。そ
んなジレンマの中で試行錯誤を重ねる。おまけに、ブラウザ依存の問題が頭を
持ち上げる。何となくどのブラウザがどのタグをどのように表示するのかが、
常識的に感知できるようになっているのに、それも白紙になる。そもそも対応
していないブラウザもまだ存在する。まるっきり一年生状態だ。

でも苦労して作ったサイトは気持ちが良い。まだまだコンテンツが足りないこ
とは自覚しているが、今までと違った満足感がある。CSSをONにした状態と、
OFFにした状態とで見比べる(NetScape7.*は標準出可能、IEはPlugIn「ス切り
ボ」が必要)。故意に非対応にしたブラウザではOFF状態で見える。イメージ
もCSS中で規定しているので、非対応版では絵は表示されない。iModeで見ても
文字だけでそのページで何を伝えたいのか簡潔に表示される。二重に配置した
CSSはiModeでは感知されないので、余計な装飾グラフィックはダウンロードさ
れない。パケット代もかからない。

ref)
・ス切りボ:http://www.xinada.ne.jp/%7Ehanda/tech/CSS/SuKiBo/

メインメニューも表示上は上のほうに来るが、HTML上は下の方にある。先ほど
の読まれる順番を意識した。そのページのアイデンティティのようなものにで
きるだけ早くアクセスできるようにしたつもりだ。その分、今までにないこと
も起こっている。下に記述されているが故に、最後の方で読み込まれレンダリ
ング(表示)される。じっくり見るとメインメニューの出方が遅い。キャッシ
ングも少し今までと違う体感がある。

実は公開後もCSS部分は、上記対応も含めて毎日のようにいじっている。HTML
はそのままで。レイアウトだけ別に修正可能だという実証実験。まだズレがあ
ったりするので、改修工事はしばらく続く。ブラウザ依存テストも並行して続
けているが、それすら後ろ向きではない。毎日が発見の連続。久々にページ記
述が楽しい。ウチのチームは少人数ながら結構湧いている。なんだか最先端を
行っている気がするのも、こそばゆく嬉しい。

これからのWebサイト開発では何が主流になってくるのか。間違いなくCSSレイ
アウトだと思う。私自身はデザインに敬意を払わないエンジニアは二流だと信
じて疑わないが、開発プロセスを考えればデザイナ作業とエンジニア作業の接
点は少ない方が良いに決まっている。衝突も間違いも少なくなる。CSSレイア
ウトではそれが可能だ。

つまりそれは、JSPやASP等動的ページの開発にも適応できるということだ。サ
ーバで生成されるHTML部分には装飾要素はない。装飾はCSS任せ。JSP内のHTML
部分で、デザイナが苦心した部分をエンジニアが踏みにじって、レイアウトだ
けではなく、チームの仲さえ滅茶苦茶にする事例は多々ある。面倒な衝突をた
だ避けるために、デザイナを入れないプロジェクトも少なくない。しかし、今
度は情報整理がなされて、class/idが付加されていたら、デザイナが独立に見
た目を、情報伝達の滑らかさを演出できることになる。

セミナー中にも紹介されたが、端的な例が"CSS Zen Garden"。共通のHTMLを使
い、CSSのみを替えることで何が起こるかの実証実験サイト。ページ内の英語
はまだ読んでいないが(読まなくても大丈夫)、同じ内容のページの見た目が
こんなに変わるという事実。CSSのデザイン能力の幅が実体験できる。行間調
整とか微妙なスタイル調整にCSSを使っていた方にとっては、目から鱗の話か
もしれない。既にガイドブックが出ている。既に書籍になっているということ
自体に、自分のふがいなさも感じる。また、最近流行のBLogを通じてもCSSの
表現力は実感可能だ。

ref)
・CSS Zen Garden:http://www.csszengarden.com/
・スタイルシート スタイルブック:http://www.stylesheet-stylebook.com/

今アクセシビリティへの対応を考えていない企業サイトは少しヤバイかもしれ
ない。この6月にはJIS化もされる。「tableレイアウトは望ましくない」とい
うレベルの表現がなされると予想されている。JIS側には、強制的にtableレイ
アウトを排除したいとう意思はどうやらなさそうだが、それでもインパクトは
絶大だろう。公的サイト構築の指針に組み込まれるのは時間の問題だし、「右
にナラえ」大好きなお国柄だ、大きなところが動き出せば一気に普及が進むだ
ろう。

しかも、実は多くのメジャーな企業は既に、ポスト・プライベートポリシーと
して独自の規定を設けてきている。アクセシビリティポリシーがないサイトは、
情報を読んでもらうという意識に欠けていると言われる可能性もある。情報を
出したいだけの自己満足サイトという印象すら持つ。情報は、読ませる方向か
ら読んでもらう方向に向いているのかもしれない。読んで頂く「おもてなし」
ができないサイトは無粋といった感じか。

しかし、「我々」には大きな問題が出てしまった。情けないが、Ridualで
Ridualサイトが解析できない。Ridualは、まだCSS対応できていない。まだ
JavaScript解析で苦戦中。今まではこれでも、Ridualのダウンロード機能で試
されても良いように考えてきた。でも、今回は付け焼刃では対応できない。グ
ラフィック部品を殆どCSS内に記述してしまっているので、リソースの感知さ
えできない。でも、方向性を見つけた。次のターゲットは、CSSだ。

情報構造をレポートする機能、定義されているスタイル情報、どれがどう使わ
れているのかのトレーシング機能。今後、コンテンツとレイアウトの分離が進
めば、こうした情報が必須になってくる。今までデザインガイドラインという
分厚い「遵守されるべき」ドキュメントが、「実際にどう適応されている指針
か」という実装レベルの情報として必要になってくる。

これらを自分で書くのは、私は勘弁して欲しいと思った。ましてや、他人の書
いたサイトのCSS仕様チェックは、かなり辛そうだ。こうした作業こそ自動で
やるべきだ。もちろん設計時は自分で書く。しかし、納品時にそれが「現状」
を表すものと言い切れるほど、私は自分を信じていないし、大きなサイトにな
るほどブレは大きくなると思わざるを得ない。納品前のサイト構築デバッガ。
更に、自分が納品してもらう側になったときの確認ツール。これがないとこれ
からの道のりはかなり厳しい。

サイト解析は、「リンク情報」と「リソース情報」と「情報構造」の三方向か
ら行われると予想してる。現状は前二者だけ見ていれば、ほぼ事足りる。が、
次世代はそれだけでは足りないのだろう。当然、CMS(コンテンツ・マネージ
メント・システム)との絡みも出てくる。大量のコンテンツを扱うようになれ
ば、効率的に管理したくなるのが常だ。この時にも、どういった情報はどうい
ったレイアウトで表示すべきだという「設計」が必要になる。

羅列された情報を整理して、サイトが出来上がってきたように、まさに一度更
地に戻すようなフェーズを経て、構造化された情報の密集地としてのサイトが
徐々に現れてくるのだろう。

今は、そんな七面倒な作り方ができるかと思う方が多い気がする。でも、trや
tdで組まれた情報から、本質的な情報を抜き出して別デバイス用に加工するよ
うな作業をしてみると、このCSSレイアウトが本流のように感じることだろう。

もうひとつ。今まで現場を無視した、学者肌HTMLチェッカーと思っていたlint
で高得点が取れるようになる快感。普通にtableレイアウトをしていると、マ
イナスの評価しか得られない。-20点とかで、-40点のサイト管理者を笑うとい
う、「目くそ鼻くそを笑う」状態だったはず、普通は。。それが情けなくて寄
り付かなくなってしまったツールだが。CSSデザインにすると高得点が取れる。
高得点を取れて悪い気がするはずがない。最近行きつけのサイトになっている。
立ち返れば、HTML記述の根本精神をツール化したものだ。今になってそこで高
得点を得られること自体が不思議な感覚だ。

ref)
・html Lint: http://openlab.ring.gr.jp/k16/htmllint/htmllint.html

特定の技術だけを見ていると、その浮き沈みに一喜一憂してしまう。ブラウザ
戦争のような欲望の渦に巻き込まれることで、苦しむこともある。Web制作の
現場には、この先余り良い話はなく、面白そうな技術の登場が香辛料程度に広
がっていくのだろうかと思った時期もあった。

しかし、地道な人たちが実は地道に頑張っていたんだ、と気付かされる。CSS
の意味にようやく気がつく私は大馬鹿だ。壮大な構想と、シンプルな実装。こ
のWebの中心二軸は光を失わずに生き続けていた。愚痴言っている場合じゃな
い、勉強不足を言い訳にしている場合じゃない。改めて、大きな流れと、Web
業界に居させてもらえて良かったと実感する。

【みつい・ひでき】 h-mitsui@nri.co.jp / ridual@nri.co.jp
疲れがとれない。徹夜一回で4日ほどエンジン廻らない。ポルコ曰く、「一つ
だけ約束しろ、徹夜はするな。徹夜はいい仕事の敵だ」。流石、紅の豚。

・Ridual(XMLベースのWebサイト構築ツール)公式サイト
http://www.ridual.jp/
・超個人的育児サイト(書籍は絶版中)
http://member.nifty.ne.jp/mit/MilkAge/

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■展覧会案内
JAGDA新人賞受賞作家作品展2004 田中竜介・野尻大作・森本千絵
<http://www.recruit.co.jp/GG/exhibition/2004/g8_0406.html>
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会期:6月7日(月)~7月2日(金)11:00~19:00 土日祝休 水20:30
会場:クリエイションギャラリーG8(東京都中央区銀座8-4-17 リクルート
GINZA8ビル 1F TEL.03-3575-6918 )
内容:1978年に発足した社団法人日本グラフィックデザイナー協会(略称:
JAGDA)は、現在、会員数約2,300名(賛助会員含)を誇る日本最大規模のデザ
イン団体である。毎年、「JAGDA年鑑」(会員作品集)出品者の中から、39歳
以下の新鮮かつ作品の質の高いデザイナーに「JAGDA新人賞」が贈られる。
2004年度は、新人賞対象者127名の中から、田中竜介、野尻大作、森本千絵の
3名が選ばれた。3名の受賞作品および近作を、ポスター・小型グラフィックを
中心に展示する。
・第158回クリエイティブサロン
日時:6月17日(木)7:00P.M.~8:30P.M.
ゲスト:永井一史・田中竜介・野尻大作・森本千絵(敬称略)
会場:リクルートGINZA8ビル1Fロビー(ギャラリー隣)
入場無料 要予約(TEL.03-3575-6918)

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■ニュース
ボイジャー 新潮社、講談社、インプレスと資本提携
<http://www.voyager.co.jp/>
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株式会社ボイジャー(東京都渋谷区神宮前5-41-14 代表取締役 萩野正昭氏)
は、電子出版市場の変化、展望に対処するために、新潮社、講談社、インプレ
スの3社を新たなるパートナーとしてむかえ、企業基盤を強化する提携をした
と発表した。

ボイジャーの最近の活動
・T-Time とオンデマンド印刷をつなぐ『T-bridge』を開発した。電子本用
T-Time データがそのまま印刷本用のデータに転用できる。
http://www.voyager.co.jp/news/040412/release_tbridge.html

・インターネット上の「公共図書館」青空文庫を快適に読む専用のビュワー
azur (アジュール)を発売した。
http://www.voyager.co.jp/azur/index.html
http://www.voyager.co.jp/news/040412/release_3000.html

・2004東京国際ブックフェアにおいて、『電子出版によせる期待と提言』の機
会を設け、問題提起した。詳細な記録はここでみられる。
http://www.voyager.co.jp/salon/TIBF2004/index.html
公開中=
富田倫生(青空文庫)
岡田一男(東京シネマ新社代表)
浜野保樹(東京大学教授)
ボブ・スタイン(Night Kitchen代表)
近日公開=
片山雅博(アニメーション協会理事・多摩美大助教授)
寺井弘典(映像ディレクター・P.I.C.S.取締役)
野々村文宏さ(和光大学助教授)
田辺浩昭(猫乃電子出版代表)
杉浦康平(グラフィックデザイナー)
中島信也(CMディレクター・東北新社取締役)
松田哲夫(筑摩書房専務取締役・パブリッシングリンク社長)

<応募受付中のプレゼント>
『Photoshop レタッチ・画像合成テクニックマスターブック』
『Flash便利帖』
『変わるか・印刷業の構造と意識の改革』
 以上デジクリ#1531号。締切は6月10日(木)14時。

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■編集後記(6/7)
・佐野眞一「だれが『本』を殺すのか」は、やはり刺激的な読み物だった。数
年前に書籍を読んで、それなりにショックを受けたが、じきに忘れてしまった。
そして改めて文庫版を読むと、これはえらいことになったとまたしてもショッ
クを受けている(書かれているのは1999-2000年のことなのだ。いまはその当
時よりさらに状況が悪いというのに)。今回の文庫化で加えられた「検死編」
は、コミックや自費出版、児童書や雑誌のいまもルポしていて、じつにおもし
ろい。そして「「本」の復活を感じさせる小さな予兆」の章は、個性的な出版
人の話がじつに刺激的なのだ。下巻だけでもいいから、買って読みましょー。
佐野さんは「『読む』という行為の基礎体力づくり、すなわち教育の地盤改良
工事からはじめない限り、未来の読者をつくりだすことはできず、ひいては出
版不況の原因の根源を絶つことはできないのではないか。それが、この三年間、
私が「本」についていちばん考えたことだった」と述懐する。まったくその通
りだ。わたしは青少年の犯罪や悲劇、ばか親の愚行などが報道されるたびに、
「親が悪い!」と怒号するのが常だが、いまは「国が悪い!政治が悪い!恥知
らずの政治屋どもが悪い!」のほうが多くなった。本当にこの国は腐っている。
戦後のある時期に戻って、すべてをやり直した方がいいと思う。東京オリンピ
ックの頃がいいな。わたしにもちょっと修正したい青春がある。  (柴田)

・友人の先輩が出場するので「REDZONE 8」に行ってきた。クラブスペースで
総合格闘技が行われる。天井は低く、中央の格闘技場である円形のマットと観
客までの距離は1mもない。椅子はほとんどなく三角座りか起立して観戦。試合
中にも音楽が流れる(これはちょっと……戦っている時のパンチ音などが聞こ
えない)。噂には聞いていて、一度は行ってみたかったのだ。30坪もないだろ
う空間に今回は300人ほどの観客がいて、熱のこもった応援が繰り広げられた。
総合格闘技は生で見ようと思っても、結局は会場にあるスクリーンを見ること
になってしまうのだが、このREDZONEだと迫力のある戦いが間近で見られるし、
実際面白い試合が多くて楽しかった。観客は格闘技をやっていそうな体格のい
い人たちと、場違いなおしゃれな若者たち。若者たちは友人を応援しているだ
けで、格闘技を普段はあまり見ないようだ。威勢の良い応援をしていたくせに、
友人が倒れたら長い静寂が。いやいや、倒れた時にこそ声出さないと。メイン
の池本選手はとてもかっこいい。華はあるし、重力を感じさせない戦い方をす
る。が、今回はフックでKO。残念であった。先輩はKO勝ち。 (hammer.mule)
http://www.redzone-osaka.com/  9も行きたいな

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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