[1557] MacOS Xでの自動化の実際

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1557    2004/07/06.Tue.14:00発行
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       <なんか、狐に化かされたような気分だ>

■クリエイター手抜きプロジェクト(8)
 MacOS Xでの自動化の実際
 古籏一浩

■デジタルサウンズ研究室
 キューブ型ベアボーンと熱対策
 モモヨ(リザード)

■買い物の王子さま(45)
 出会いのチャンス
 石原 強



■クリエイター手抜きプロジェクト(8)
MacOS Xでの自動化の実際

古籏一浩
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この連載が始まる前に、MacOS XとLinuxの組み合わせの仕事があり、MacOS X
側で一定の処理を自動化することになりました。Linuxにある特定のフォルダ
内のEPSファイルを読み込み、Illustrator ver 8のEPSでLinux側の特定フォル
ダ内に保存するというものです。実際には、PDFとJPEGもLinux側に保存します。

都合によりWindowsマシンでは、ある処理ができない(機能がない)ため、Mac
OS Xで行う事になったのですが、現実的には問題が多くて、なかなか完全自動
化は難しいと感じました。壁はいくつかあったので、何かの参考にでもなれば
幸いです。逆に解決方法があったら教えてもらえると助かります。

最初はMacOS X (10.3) + Illustrator 10の組み合わせでした。Illustrator
CSはバグでまともにスクリプトが動かないので最初から却下。しかし、長時間
運用していると、なんだか動作がおかしい。結局MacOS X (10.2)で動かすと問
題なく動くため、古いバージョンで運用する事になりました。

しかし、しばらく運用すると、また問題発生。保存ファイル名に日本語など2
バイトコードなどが入っているとIllustratorが警告ダイアログを出して停止。
この状態では、もうスクリプトが動作しないため、このままではお手上げ。エ
ラーダイアログを出さないようにスクリプトでtry, catchのエラー処理を行っ
てもファイルが壊れている場合には、やはり停止してしまいます。

そこで、伝統的(?)な自動化アプリケーションのひとつQuickeysを入れ、あ
る秒数になったらリターンキーを押したことにするように設定しました。これ
でエラーダイアログなどは、出さないようにすることができました。

・Quickeys
http://www.cesoft.com/products/qkx.html
(日本語版はアップデートが止まった状態…)

しかし、この弊害(?)で、一度に処理できるファイル数が激減。1分に一度
Linux側のファイルを読み込むのですが、1ファイルのみ処理するという状態に。
運悪くファイルが壊れていてもスクリプト側で削除するため、連続して処理でき
るのですが、とにかく低速状態。

と言っても、これで一応動くようになり2週間ほど安定して稼働していました。
が、あるファイル数を超えるとnetatalkの仕様なのかHFSの仕様なのか、おか
しなファイル名で保存されたりされなかったり動作が異様に不安定になってし
まいました。とりあえず、フォルダを作成しファイルを分けることで回避でき
た感じでした。

・netatalkについて
http://netatalk.sourceforge.net/jp/index.php

が、さらに2週間経過するとファイル数が少ないのに同じ現象に。ファイルキ
ャッシュがおかしいのか原因不明なため、定期的に再起動させることに。ボリ
ュームもUNIXシェルからコマンドを使って自動マウントして、なるべくMacOS
X側のGUIなどを使わないようにしました。

まあ、まだ完全というわけではありませんが、こんな調子で一応自動的には動
作しています。とにかく大変だったのが、UNIX側だけですべて処理できない、
MacOS Xのアプリだけでもすべて処理できない、という状態に加えてシェルス
クリプト、アップルスクリプト、JavaScriptという組み合わせで、やっと動作
するというスパゲッティ状態になってしまうことでした。

それでも、まだプログラム側で対処できる部分は良いのですが、エラーダイア
ログなどアプリケーションのエラー関係には困りました。どんなエラーがでる
のかわからないためです。

ダイアログを表示しないようにする、エラーを無視してスクリプトを走らせる、
try, catchで完全にエラーを捕捉できる、などの機能がアプリケーション側に
ないと自動化は難しい。

UNIXのように標準出力とエラー出力が切り分けられているのは、なかなか自動
化に関しては合理的というか必須です。コマンドレベルの処理とGUIレベルが
切り分けられていてコマンドでIllustratorなどのアプリケーションに処理を
行わせることができるようになれば良いのですが。

当面、手作業で繰り返している部分を、ちょこっとしたプログラムで自動化し
ていくのが現実的でしょう。

【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp
      http://www.openspc2.org/
いつまで経ってもQuickeysはMacでの自動化に必需品なのかも・・・

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■デジタルサウンズ研究室 
キューブ型ベアボーンと熱対策

モモヨ(リザード)
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さいきん、自作PCの世界ではキューブ型のものが流行しているようだ。それと、
熱対策の記事が流行っている。

実は、キューブ型のベアボーンキット(マザボードとケースのセット)をもら
ったので、そこにペンティアム4の3.2GHzを搭載して、160GBのハードディス
クを入れて、一台作ってみた。そこで、このHTテクノロジーを使ったCPUの排
熱量がはんぱじゃないことを実感する。自然、熱対策に目が行くことになるの
である。

なかなか世の中よくできているものだ。書店のPC系雑誌の並ぶ棚を前にして、
思わずうなずいてしまうのである。キューブ型の流行は、当然、この新しいイ
ンテルCPUの熱の問題に行き着く。そうすれば、夏は熱対策でしょう、という
ことになるわけである。

当初は、必死に、この夏の熱対策に労力・金力を割くつもりでいたが、こうい
う状況を見ると、私のようなへそ曲がりは、何とか、思う壺にはまらない方法
を考えださないと気がすまない。

私のキューブには、CPUに対する負荷を変えて、ファンのコントロールも連動
してコントロールするソフトがついている。ターボ、ノーマル、クワイエット
のうちから動作モードが選べる。インスツールした時はノーマルモードだった。
ソフトのインスツールというのは案外CPUパワーを使うものだ。

私は、主として、音楽と映像の編集レンダリングに使うつもりだったので、ま
ずは、そうした作業の場合のCPUの負荷を検討してから、対策を考えようとい
うことになった。そこで、もう一度、動作モードと作業内容の関係について実
際の事例を元に考え直す気になった。

その答は、正直、ほんとうにあっけないものだった。このコントロールソフト
には、クワイエットモードがあって、当然、処理速度も少し犠牲になる。しか
し、3.2GHzである。少しぐらい遅くなっても、これまでも1GHz台の機械が玩
具に思えるほどの性能を見せてくれる。

例えば、映像(動画)が、まるで音声トラックのように、あちこちに貼り付け
ても、操作が重くなることは、いっさいない。クワイエットモードで、これだ。
クワイエットモードの場合、静かなだけでなく、発熱も随分と押さえ込まれる。

なんか、狐に化かされたような気分だ。

確かに、今後、もっと重くなる作業をPCにさせるようになるだろうから、熱対
策を世の中の自作マニアを巻き込んでアレコレ試行錯誤するのは、大事だろう。
自作マニアが苦しんだおかげで、DVDも身近になり、映像編集も特別なもので
なくなったのは事実で、今年、自作マニアが苦しむのは、より小型化し、家庭
の中で自然に使えるようなキューブのありようと、その際の熱の問題、という
ことだ。

こうした自作の傾向は、あくる年には、平凡な商品として世の中に出る。来年
当たりは、起動しないでもDVDやCDが再生でき、お茶の間においても違和感の
ないPCが市場を賑わわせているかもしれない。

モモヨ(リザード) 管原保雄
http://www.babylonic.com/

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■買い物の王子さま(45)
出会いのチャンス

石原 強
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Yahoo!オークションの便利なサービスに「アラート」という機能があります。
あらかじめキーワードを登録しておけば、関連する商品が新しく出品された時、
リストにしてメールで知らせてくれるのです。

ちなみに私の登録キーワードは「アレッシィ」「フィリップ・スタルク」等々。
但し、キーワードを含む商品すべてがリストアップされてしまうので、その中
身は玉石混合。でもたまに、最新商品や掘り出し物が見つかることがあります。

その日もリストをチェックしていたら、シンプルできれいな色をしたグラスを
発見。早速クリックして商品紹介ページをチェックすると、200年の歴史を誇
るフィンランドのガラス器メーカー「イッタラ」の製品でした。

以前から「イッタラ」のシンプルで美しいデザインが好きで、お店やサイトで
ちょくちょくチェックしているのですが、このグラスには見覚えがありません。
それもそのはず、なんと1956年に作られたビンテージのグラスとのこと。しか
も未使用のデッドストックで、シンボルの赤い「i」マークのシールもついた
ままです。

ページの下にはお店の紹介があります。出品している商品は店頭でも見て買え
るようです。

---
隣はお寺、裏がオランダ大使館&東京タワーという快適な立地&心地イイ店内
でショッピング&コミュニケーションを楽しんでいただく、新しいスタイルの
ショップを目指しています
---

アレッと思って住所を調べると、なんとオフィスから徒歩10分程の場所。早速、
お昼休みに足を伸ばしてみることにしました。お店は路地を入った青果店の二
階にありました。正直なところ、センスの良い雑貨店がありそうなロケーショ
ンではないので、驚きました。

入り口を入ると、すぐにお目当ての商品が並んでいました。思ったより小さく
て、かわいらしいく、色も落ち着いていて涼しげです。一目で買いたくなりま
した。しかもよく見ると、一つづつ色や形が微妙に違うみたいです。

聞いてみると、一点ずつハンドメイドのものなのだそうです。手に持ってよく
見なければわからないくらいわずかな差なので、こればっかりはネットではわ
かりません。一つずつじっくり手にとって見比べて、一番気に入ったものを購
入しました。

手の中におさまる大きさのグラスは、日本酒のお猪口にぴったりな感じです。
ワインもいいけど、たまには冷やしたお酒にしてみようと思います。でも使お
うとすると、せっかくの「i」シールも剥がさなければなりません。なかなか
決心がつかなくて、今も飾ってあるのです。

ビンテージのグラスを買ったお店「カコリコ」
http://www.kana-co.com/

【いしはら・つよし】info@webanalyst.jp
ウェブプロデューサー、ウェブアナリスト
センスのいい商品は包んでいるパッケージも優れていることが多いです。本当
は全部とっておきたいのですが、それでは場所がいくらあっても足りません。
どれを残すのかどれを捨てるのかで、また悩んでしまうのです。

ウェブマスターの情報源「ウェブアナ」
http://www.webanalyst.jp/mt/


<応募受付中のプレゼント>
 『早川廣行のPhotoshop CSプロフェッショナル講座 レタッチ編』
 『早川廣行のPhotoshop CSプロフェッショナル講座 合成編』
 それぞれ本誌#1554号。締切は7月8日(木)14時。
 
<姉妹紙「写真を楽しむ生活」にて応募受付中のプレゼント>
 液晶&プラズマ/DVD お薦め機種はズバリこれだ! #416号(7/12締切)
 めざせ! 風景撮影 露出の達人 #414号(7/11締切)

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■編集後記(7/6)
・昨日、「藤原ヨウコウ改め、森山由海(もりやま・よしみ)と申します」と
いうメールが来た。あのヨウコウさんかい。「コミッカーズ」だったか、坊主
頭の不吉なポートレートが掲載されていて、くやしいけどかっこいいわい。し
かし、その特集「戦う美少女」とかに参加していながら、戦いも美少女もさっ
ぱり関心ないというような、あきれたQ&A付きなのだ。そんな彼が、8月中頃
からミュゼオ・ピクトリコで個展を開催するという情報が聞こえてきた。ほと
んど18禁というか、危険物指定とか、もしくは、夏の風物詩でいうと、ずばり
お化け屋敷のような……と関係者は声をひそめて語る。いままでの藤原ヨウコ
ウを想定して行くとひどい目に遭いそうな、とんでもない世界爆裂とかで、期
待しちゃいますね。ところで、どっちの名前で個展やるんだろうか。森山由海
ではお客来ないのではないか? 不思議なタイミングで芸名を変える人だ。さ
て、このヨウコウさんは、わたしの仕事と深い関わりをもっているのだ。かな
り早い時期の実験的WEBマガジン「WONDER-J」、日本初のPDFマガジン「月刊ア
イピーネット」、それぞれが消滅することになった理由は彼の作品を特集した
からである(と今も確信している)。その作品名は、おっと、言霊が作用する
から言えません。藤原もとい森山さんは「自らが幼少期を過ごした自然環境、
深い森や山、また、海などを名にいただき、子供時代の澄んだ目や感受性を取
り戻し、さらに邁進していく所存です」と謙虚なこと(ホンマかい?)を言っ
ているのでおおいに好感を持つのだが、わたし関連のWEBサイトで作品を特集
するようなことはないだろう。三度目が来たらコワイ。いやマジで。(柴田)
・森山由海さんのサイト
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/yowkow/

・オフ会はほぼ満席である。リストを見たが、濃いっ。ゲストも含め、この人
数枠で、これだけの人たちが集まることってあんまりないんじゃないだろうか。
楽しみだ。参加者の方には事前アンケート送りますので、何でも書いてくださ
いまし。                        (hammer.mule)
http://www.dgcr.com/off20040710/  オフ会

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編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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