[1642] 視線を高く上げて…

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1642    2004/11/19.Fri.14:00発行
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      <ウェブデザインの仕事は命がけだと思いました>
      
■映画と夜と音楽と…(236)
 視線を高く上げて…
 十河 進

■デジクリお蔵だし

■イベント案内
 RESFEST2004 ワークショップワークショップ パネルディスカッション
 


■映画と夜と音楽と…(236)
視線を高く上げて…

十河 進
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●大量に制作された青春純愛映画

昭和三十年代後半から四十年代前半にかけて、若者の観客を見込んで大量の青
春映画と称するものが生産された。原作には当時の人気作家である石坂洋次郎
が多く使用されたが、ジュニア小説もかなり使われている。ジュニア小説は青
春映画の中の細分化されたジャンルとして「学園もの」の原作として使われた。

最近、ジュニア小説で腕を磨き一般的な文壇にデビューして直木賞を獲得する
人が増えて、ジュニア小説の書き手が注目されているようだけど、昔からジュ
ニア小説は修行の場だと思われていた。富島健夫もそうだった。団塊世代前後
の人で富島健夫のジュニア小説を愛読した人は多いと思う。

官能小説の書き手になってしまった富島健夫のジュニア小説時代の最大のベス
トセラーは「制服の胸のここには」という作品である。僕も兄が持っていた本
を読んだ記憶があるのだが、内容はさっぱり覚えていない。もしかしたら、読
んだと錯覚しているだけかもしれない。

富島健夫の原作で作られた青春映画には「高校三年生」(1963)「君たちがい
て僕がいた」(1964)「北国の街」(1965)「制服の胸のここには」(1972)
などがある。「高校三年生」と「君たちがいて僕がいた」は池田一朗(後の隆
慶一郎)、「北国の街」は倉本聰がシナリオを書いている。

青春映画の多くは歌謡曲のヒットにあやかって作られた。「高校三年生」「学
園広場」「北国の街」「君たちがいて僕がいた」「絶唱」など、やはり学園ソ
ングの王者だった舟木一夫の歌が圧倒的に多いが、西郷輝彦や橋幸夫なども人
気を反映して映画化された歌は多い。

そうした青春映画に主演したのは、日活なら吉永小百合、浜田光夫、山内賢、
和泉雅子、高橋英樹、松原智恵子などだった。日活は人材が豊富で、特に吉永
小百合の人気は群を抜いていた。

青春路線が得意でなかった東映も日活に対抗して何本か青春歌謡映画を制作し
た。ただ中村錦之助、大川橋蔵などの時代劇役者、高倉健などのヤクザやギャ
ングを演じていた俳優ばかりで青春映画の主演ができる俳優がいなかった。女
優も日活ほど層が厚くなく、ヒロインはほとんど本間千代子が演じた。

大映は昭和38年(1963年)に早々と「高校三年生」を映画化している。大ヒッ
トしたレコードの発売は6月で、映画の公開は11月だった。この時、主演した
のは倉石功と姿美千子である。倉石功は後にテレビシリーズ「ザ・ガードマン」
などにも出演するが、背が高いだけで特別に人気があった俳優ではない。大映
には他に高田美和もいてヒロインを演じた。

少し別の青春映画路線を作ったのが東宝だった。スポーツ青春ドラマというジ
ャンルで、おそらく加山雄三の「若大将シリーズ」で培ったノウハウが活きた
のである。

東宝は石原慎太郎の新聞小説「青春とはなんだ!」を夏木陽介主演のテレビシ
リーズとしてヒットさせたが、その映画化に当たっては石原裕次郎主演で日活
に取られてしまったため、「これが青春だ!」という同工異曲の学園スポーツ
映画を制作した。

主演はもちろん夏木陽介が演じる熱血教師で「これが青春だ!」(1966)「で
っかい太陽」(1967)「燃えろ!太陽」(1967)「燃えろ!青春」(1968)と
続いていく。その間、テレビドラマでも同様のシリーズが放映され、竜雷太、
中村雅俊、村野武範などの人気者を生んだ。

●「いつでも夢を」は何を示唆したのか

改めてその頃の青春映画、学園ドラマを振り返ってみると共通する言葉に「純」
という字が浮かぶ。純情、純愛、純粋、純潔、純朴、純真…。とにかく、どの
映画もマジメだし、出てくる若者たちがみんな視線を高く上げ真剣に生きてい
る。希望を持ち、世界は確実によくなっているという確信を抱いているように
見える。

タイトルが象徴するように、そんな映画の代表作が「いつでも夢を」だった。
昭和37年に橋幸夫と吉永小百合がデュエットして大ヒットした「いつでも夢を」
は年末にレコード大賞を受賞。その映画化作品は昭和38年(1963年)の正月映
画として封切られた。

「いつでも夢を」の吉永小百合は孤児だったが町医者の元で娘として育てられ、
今は看護婦として父親を手伝いながら定時制高校(映画の中では「夜学」と呼
ばれる)に通う明るく元気なヒロインである。そのキャラクターは登場人物の
ひとりによって「我が町の太陽」と形容されるように純真である。

彼女の定時制高校の同級生で工員として働きながら、一流企業のホワイトカラ
ーになることを夢見て勉強に励んでいるのが浜田光夫だ。うだつのあがらない
貧乏生活から抜け出すことを夢見て努力を重ねている。彼は母と弟を養わなけ
ればならない。

橋幸夫が演じるのは、威勢のいいトラックの運転手だ。彼は自分の仕事に誇り
を持ち、カラダひとつで世の中を渡っていこうという覚悟で生きている。何か
というと感激するたちで、吉永小百合の父親が貧乏人から金を取らずに治療し
ているのを知って、手持ちの金を全部出してしまうような男だ。

もうひとり、定時制高校の同級生を演じるのが松原智恵子である。線が細くい
つも悲しそうな泣き顔をしている松原智恵子だが、役柄も悲しいものが多い。
彼女は母子家庭で学校へいっている弟がふたりいる。紡績工場で働きながら定
時制高校に通っているのだが、ある日、喀血して倒れてしまう。

その松原智恵子を見舞う教師(内藤武敏)と吉永小百合の場面が忘れられない。
体が弱いと言われるのが辛くて無理をしてきた、夜学になんか通っているから
ロクに仕事ができないんだと言われて口惜しい想いをしてきた、と自暴自棄に
なる松原智恵子に教師は言う。

──自分でそんな風に思い込んだら治るものも治らなくなってしまう。てのひ
らを太陽に透かしてごらん。赤い血がいっぱい流れてるだろ。ねぇ、生きてる
って証拠だよ。この力に負けないように丈夫なからだを作らなくちゃ。

●逆境の中で負けずに生きていく

松原智恵子を励ますシーンに流れているメロディは「寒い朝」である。映画の
冒頭、一流企業に就職することを夢としている浜田光夫に、自分たちの現実の
生活の中で夢を見出そうと反論する吉永小百合をはじめとする定時制高校の仲
間たち。彼らはそれぞれの夢を確認しあって一体感を感じ、その高揚感を共有
し「寒い朝」を合唱しながら下校する。

  北風吹き抜く 寒い朝も
  こころひとつで 暖かくなる

僕は何度見てもそのシーンに涙を禁じ得ない。自転車を押しながら先頭をゆく
のは吉永小百合である。その横に浜田光夫、その後ろにマフラーを巻いた松原
智恵子、そして夜間高校の仲間たちが続く。夜の暗闇の中に巨大な工場の煙突
がそびえ威圧するような倉庫が背景だ。そんな中でも彼らは歌う。

  北風の中に 聴こうよ 春を

このシーンに象徴されるように「いつでも夢を」の実質的なテーマ曲は「寒い
朝」である。その歌は、現実のきびしさに負けず視線を高く、志を高く、と聴
く者を励ます。

同じ歌は昭和39年(1964年)に公開され大ヒットした「愛と死をみつめて」で
も歌われる。骨肉腫という難病に襲われ死を予感する少女とそれを励まし続け
る青年は、逆境の中で希望を失うまいと自分たちを鼓舞するように合唱する。

そんなシーンは、今、見たら恥ずかしくて見ていられないかもしれない。当時
でも、どんな映画に出ても熱演する吉永小百合のまるで級長のようなマジメさ
に僕はついていけなかった。屈折していない優等生らしさが恥ずかしかった。
彼女はまっすぐ人を見て話し、考えていることをそのまま言葉にしてひるまな
い人間に見えた。

しかし、僕は秘かに彼女が歌ったその歌を愛唱した。僕は、冬の寒い朝には
「寒い朝」を口ずさみながら冷たい水で顔を洗った。登校の途中でも歌った。
今も冬の朝には口をついて出る。

「いつでも夢を」や「愛と死をみつめて」が公開された時代を、作家の関川夏
央は「昭和が明るかった頃」と命名し長篇エッセイにまとめた。社会全体の貧
しさが豊かさを求めていた時期で、豊かさに対する疑いは微塵もなかった。世
の中がよくなるということは、経済的な豊かさとイコールだった。

今、僕らは知っている。定時制高校の生徒たちが「寒い朝」を歌いながら帰っ
た工場街の煙突が公害を撒き散らし、物質的な豊かさが社会のモラルの低下を
もたらしたことを、貧しさから抜け出そうとした努力や向上心が、今や嘲笑の
的にしかならないことを…

だが、僕はあの時代の雰囲気を覚えている。僕が小学生から中学生にかけての
時期で、その頃、僕も視線を高く、漠然としてはいたが希望に充ちた日々を送
っていた。現実のきびしさに負けず、視線を高く上げて生きていこうという内
容の歌詞が素直に僕を惹きつけていた。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
関川夏央さんの「昭和が明るかった頃」が文春文庫に入りました。最近、恩田
陸の「夜のピクニック」を評判につられて読んでみたら、なかなかよかったで
す。と思っていたら、いきなり朝日新聞の金曜日の夕刊に恩田陸の写真入り取
材記事が出て「えっ、女性だったの」と思ったものの、女顔の男性かもしれま
せん。性別不明。どっちでもいいけど…

デジクリ掲載の旧作が毎週金曜日に更新されています
http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html

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■デジクリお蔵だし

~読者の皆様の投稿を集めています~
取り扱い注意:ものすごく古いお話も入っています
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●涙のお仕事・DTPやWebやら

・ある会社の作風というか、クオリティーにあこがれて面接、採用になったが
入ってみたら、今まで、いわゆる現場で働いていた人たちが、ほとんど抜けた
後で……(あまりに簡単に採用になったので、おかしいなぁ~と思っていたの
だが)営業しかできない社長の下、今までの作風のコピーばかりやらされ、社
長自ら「パクれ!」「これと同じモノつくれ!」の爆弾発言連発、二日に一度
の完徹作業。ただ、クライアントはみな一流、仕事もおもしろかったのでがん
ばって続けようと思っていたのだが。。。あまりに理不尽な方針に、誰も何も
言わないので、ひとこと言わせてもらった。あくまで会社のため、ほかの社員
のためと思ったのだが伝わらず、試用期間でクビ。コミュニケーションって難
しい、と改めて実感。あと名前が売れてる=良い会社ではないんだね。やっぱ
り(コムタン)

・デザインなどの仕事をしていると太りやすいので(みんなに最近せめられる
……)最近なわとびをかったりてぃっぷねっすに体験にいったりしてみている。
そのなかでヨガを体験したがまっとの上できもちよくてねてしまった。(ST)

・はりきって、住所印と盛上げ印刷で名刺を作ったが、すごく安い物件の登場
により、事務所を移転することになってしまった。そのときの名刺印刷屋さん
に持ち込んだ版下フィルムのクワエが足りなかったために困りはてたが、「大
きめに紙を断裁して、印刷後に断ちましょう」というアナログ印刷の機転の早
さに感動。(TI)

・モリサワのOCFフォントのアウトライン抽出ができないので、モリサワに電
話をして聞いた人の会社が損害賠償金をとられたって言う冗談話。OS9で起動
できるマックはいつまで売っているのでしょうか。印刷所はいつまで、このデ
ータはこのアプリでお願いしますって言うのでしょうか。(HK)

・ただいま、InDesign CSで、マニュアルを作っております。初めて使います。
結構、動作は軽いです。煮詰まっています。ああ。(↑上にこんな事しか書け
ないくらい、煮詰まっています。)こんなヤツには、プレゼントやらんわなぁ、
普通。(匿名さん)

・よく平日にセミナー等がありますが、実際現場で働いてらっしゃるクリエイ
ターの方々は、やっぱり休暇を取って行ってらっしゃるのでしょうか……。
(あおい)

・会社のモニターが壊れて新しいものを買うまでの間の代替モニターが、使用
中に突然「爆発」しました。ウェブデザインの仕事は命がけだと思いました。
(なかしず)

・Googleの検索窓に文字を入力していたら、打ってない文字がエンドレスに書
き込まれていった。Lan内の誰かが入力している文字が表示されているのか、
ネット上の誰かなのか貞子なのかわからないが、支離滅裂ながらも単語の断片
的なものだったり、文章だったり。夜中でひとりぼっちでいたとしたら相当怖
かったと思う。(Bourbon)

●その他、読者の愉快な? お話など……

・ディレクトリ階層を表す \ 記号を見て、フォルダを開くたびにお金を請求
されると信じて、エクスプローラを使えないでいた初心者の方がいました。
(はるか)

・お客様同士で見合いの席を設けられてしまいました。(コイン太夫)

・独身で一軒家に住んでいる人(男性)が、「うちの二階には誰も入れない」
と言ったら、あいつの家の二階には幼女がいるという噂話になってしまった。
(戎)

・週末、近くのディスカウントストアで必ずセールがある。日替わりのセール
品のために開店の何時間も前から100m近い大行列である。商品はなんとお米だ
ったりする。さながら戦時中の食糧配給のようである。(場所は三軒茶屋のセ
キゼンです!)(AI)

・愉快でも何でもありませんが……子供が見ている「デカレンジャー」セリフ
が一昔前のギャグだったり、石野真子が出ていたり、変に懐かしい作り。制作
の人の世代が変わったのかな? (匿名さん)

・先日友人から「今東京駅なんだけど、爆弾が見つかったとかで駅にシャッタ
ーが閉まってて改札入れない、電車乗れなくて帰れない」との電話が。改札が
閉鎖中との駅のアナウンスも聞こえるし、警察犬がいるとか言ってるし、こり
ゃ一大事か? と思ったが、30分後「なんとか帰れるみたい」とのメールが来
てホッ。結構こんなことあるんですかね。(NG)

・関西人なのにネタがないのは悲しいことです……(泣)いや、関西人関西人
思いすぎかもしれないですが(笑)(AK)

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■イベント案内
RESFEST2004 ワークショップ パネルディスカッション
<http://www.resfest.jp/html03/index2004.html>
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「RESFEST」とは、新しいデジタルフィルム・シーンをプロモートするイベン
ト。主に3つの柱により形成されている。作品の上映、最新のデジタルツール
の紹介とセミナーで構成されるワークショップ、内外からゲストを招いてのパ
ネルディスカッション。以下<主催者情報>

●WORKSHOP 1 :Canon & Adobe 
11月22日(月)15:00~16:00 
Canonとアドビシステムズ社の合同ワークショップでは、スネオヘアーのミュ
ージックビデオなどでRESFEST オーディエンスに熱い支持を受ける映像ディレ
クターの児玉裕一氏をゲストに招き開催。ミドリカワ書房のPVを題材にXL2、
AdobeR Premiere Pro、Adobe After Effectsを使用し、撮影から編集まで映像
制作のワークフローを解説。さらに児玉氏の独特の絵を作り出すテクニックま
でも披露する、クリエイター必見の内容。

●WORKSHOP 2:Panasonic 「21世紀的新感覚映像 small & shortの可能性」
11月23日(火)13:00~14:30
近年、映像表現は斬新なアイデアと果敢な挑戦によってわたしたちの目を驚か
せ続けている。ミュージックビデオ、CMといった世界も従来とは違ったジャン
ルの気鋭の監督らの参入と活躍によって活気を見せている。そんな潮流の代表
として、辻川幸一郎氏と箭内道彦氏を招いてのトークセッションを開催。辻川
氏のジャンルを越えた作品群を題材に、ミュージックビデオ、CM、ショートフ
ィルムといったフォーマット論、そしてモバイル、ブロードバンドなどのパー
ソナルメディア、対するテレビに代表されるマスメディアなどメディア論につ
いて語りながら、今最も注目されている映像作家、辻川氏が幅広く支持される
理由を探る。

●WORKSHOP 3:Apple
11月23日(火)15:00~16:30  
エミー賞受賞のFinal Cut Pro は、業界に先駆けて24P DV、DVCPRO50、DVCPRO
HD編集に対応し、多くのインディーズムービー制作者に支持されてきた。この
セッションでは、石井聰亙監督を招き、Final Cut Pro を使用して制作された
作品を題材にその活用方法を解説。来場者の中から3名様にApple Production
Suiteをプレゼント。

●パネルディスカッション Branded Entertainment Pt.2 
11月22日(月)13:00~14:30
RESFESTでは昨年に引き続きBranded Entertainmetをテーマにパネルディスカ
ッションを開催。ブランドを伝えるための新たなメディアとしてショートフィ
ルムが脚光を浴びているが、その内容はCM的なものから純粋アート作品まで様
々だ。今年のパネルでは、その中でも商品を一切出さないプロジェクトに注目。
新たなブランディッド・エンタテインメントの潮流をクリエイターとともに展
望する。モデレーター:田中賢治

会場:ラフォーレミュージアム原宿
参加費:1ワークショップ500円、3ワークショップ通し券1,000円
チケット販売:全国チケットぴあにて発売中

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<応募受付中のプレゼント>
Web Designing 2004年12月号 本誌1641号(11/25締切)

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■編集後記(11/19)
・これ合成写真だろ~と思うのが普通の感覚だ。何がっていうと、宮田珠己著
「晴れた日には巨大仏を見に」(2004 白水社刊)の表紙である。得体の知れ
ないものがぬっと街なかに現れた、なんとも不気味な写真である。その正体は
仙台市郊外のニュータウンに立つ高さ100メートルの仙台大観音である。まさ
に、街なかを移動中というかんじだ。著者によれば、この企画をたてたときか
ら一番気になる存在だったといい「ニュータウンという現代的で日常的な場所
と、どこか古めかしくて非日常的な大観音とでは、その似合わなさたるや、誕
生日のケーキに線香が立っているくらいの違和感ではないかと思ったからだ」
と絶妙な表現をしている。著者は、巨大仏のある風景を見て、そのとき胸にわ
きおこるヘンな感覚をじっくり味わってみたい、その感覚の正体を解明したい
ということで、日本の巨大仏をネットで調べて、そのうち40メートル以上のも
のに限って観光して回るというばかばかしい企画をたてた。全国13か所をまわ
る珍紀行で、ヘンな感覚の分析がじつに面白い。同行するヘンな編集者とのや
りとりもおかしい。もちろん、あやしい写真もいっぱい(そこに行けば誰でも
撮れる写真だけど)。マヌケな感じのする風景全般を愛する筆者は、それを称
し「マヌ景」という。うまい。今度、晴れた日にデジタルカメラを持って牛久
大仏を見に行こうとかたく決心したのであった。         (柴田)

・昨日の「おゆきなさい」は「おいきなさい」が正しかったようだ。/東京出
張。調子が悪いので行けないかもと思いつつ、気合いで乗り切る。ホテルにウ
ェルカムシャンパンサービスがついていた。アルコールに強くないので、方向
音痴な私のためにホテルまで送ってくださった方にお礼も兼ねて飲んでいただ
こうと思ったら、ボトルサービス&苺つきであった。グラスワイン一杯くらい
だと思っていたから驚いた。ルームサービスのお兄さんは親切だったし、設備
も悪くないのでいいホテルだなぁと思ったが、朝食バイキングでは(朝です朝)
欧米系宿泊客がナンパ(死語?)してきて客層は悪いのかもしれないなと。観
光地ではないはずなのに。時間がなかったし、体調が悪かったのでドリンクと
果物をとって早々に退散。/体の調子が良くない。だいぶよくなっていたが、
ちょっと無理しちゃってぶり返した模様。メールくださった皆様、ありがとう
ございます。皆様もお体大切にしてくださーい。     (hammer.mule)
http://www.tv-asahi.co.jp/skyhigh/  スカイハイ

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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