[1776] コンプレックスを生きる

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1776    2005/06/24.Fri.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18127部
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          <どこにも本当の自分などはない>         

■映画と夜と音楽と…(260)
 コンプレックスを生きる
 十河 進

■ショート・ストーリーのKUNI(12) 
 嫉妬を主題とする二つの短い物語
 やましたくにこ

■展覧会案内
 映像ミュージアム企画展『VFX-ありえない世界への旅-』展
 ヤノベケンジ キンダガルテン

■おしらせ
 「メイキング・オブ・エンジェル」写真家・所幸則の世界



■映画と夜と音楽と…(260)
コンプレックスを生きる

十河 進
───────────────────────────────────

●コンプレックスは誰にでもある?

どんな人にもコンプレックスはあるのだろうか。人は自分がどんなコンプレッ
クスを持っているのかを隠そうとする。「そんな(くだらない)ことにコンプ
レックスを持っているんだ」などと思われたくないし、人に知られるのは恥ず
かしい。恥ずかしいからコンプレックスなのである。

人に言えるコンプレックスはコンプレックスではない、と僕は思っている。親
にも言えない。友にも言えない。まして、妻や恋人には絶対に知られたくない。
だが、多くの人の悩みはコンプレックスなのである。

誰かがひどく悩んでいる時、自分にもこんな悩みがあるんだ、と相手と同じ次
元に立とうとすることがある。相手が真摯に悩みを打ち明けた時、そこまで信
じてくれたのかという想いから自分の弱みを告白し、そのことで相手を慰めよ
うとする。そんな経験はあるだろう。

息子が高校に入学してすぐ登校拒否になった時、僕は自分が彼と同じ頃に悩ん
でいたこと、夢見ていたことを手紙に書いて送ったことがある。息子が口を閉
ざして何も言わなかったからだ。それに、そんなことを口で言うにはひどい照
れがあった。ホームドラマの立派な父親ではない。面と向かって言えるはずは
なかった。

しかし、その後、その時の苦悩から立ち直った息子は「とうちゃん、高校生の
頃にそんなことに悩んでいたんだ」などと冷やかすようになり、父親の弱みを
握ったような顔をする。まったく…

息子に弱みを見せたことに少し後悔する部分もあるけれど、実は本当に僕が悩
んでいたコンプレックスは明かしていない。そんなつまらないことにコンプレ
ックスを持っていたのか、と思われたくないからだ。

だが、どんなにつまらなくても本人にとってはひどく重要なことなのだ。コン
プレックスにとらわれる一生は辛いが、コンプレックスから完全に解放される
ことはないだろうと諦めている。

もちろん子供の頃に持っていたコンプレックスが時間の経過と共に、経験を積
むことによって薄まることはあるだろうが、そうしたコンプレックスを持って
いた記憶はなくならない。それに、人は生きているとまた新しいコンプレック
スを背負い込んでしまう。

それにしても、自分以外の人間はコンプレックスなどとは関係なく生きている
ように見えるものだ。自信満々で生きているとしか思えない人もいる。だが、
そんな人も意外に肉体的なコンプレックスを持っていたりするのだろうか。

先週、「奇跡の人」のことを書いていたら、パティ・デュークの「ナタリーの
朝」という映画を思い出し、そんなことを考えた。「ナタリーの朝」は小品で、
36年も前の映画だし人々の記憶に残る名作でもない。映画史的にはアル・パチ
ーノが端役でデビューした作品として価値があるくらいかもしれない。

●容貌に対するコンプレックスは永遠不滅か

テレビシリーズ「パティ・デューク・ショー」で、パティ・デュークはハイス
クールのお転婆(死語か)な生徒とおしとやかで優等生の従姉妹の二役を演じ
一般的にも人気が出たけれど、いわゆるアイドルスターではなかった。

「奇跡の人」のヘレン・ケラー役で天才少女と言われたパティ・デュークは、
当初から演技を評価された子役だったから、美人であることが優先されたわけ
ではない。そのパティ・デュークを容貌にコンプレックスを持つ少女として登
場させるのが「ナタリーの朝」である。

プロローグ。幼い女の子が泣きながら家に帰ってきてベッドの下に潜り込む。
母親が理由を聞くと男の子に「オカメ」(死語だ)とか「ブス」と言われたの
だという。母親はそんな娘を慰める。「大人になったら、おまえもきれいにな
るのよ」と…

だが、母親は嘘つきだった、という意味のナレーションと共にハイスクールの
生徒になったパティ・デュークが登場する。そんな彼女は、長く会っていなか
った大好きなおじさんが家にやってくる日、自分を見ておじさんがガッカリす
るのを怖れて逃げ出してしまう。

このおじさんを演じたマーチン・バルサム(「ティファニーで朝食を」にも出
てますね)がとてもいい。肥っていて禿げているのだが、包容力にあふれた男
の魅力がいっぱいだ。こんな男になりたいと昔から僕は思っていた。あれから
三十数年、体型はすっかりバルサム化したけれど、男の魅力ではまったくかな
わない。

さて、ナタリーも結局は魅力的なおじさんに会いたくて彼が開いた薬局へいく。
入ってきた若い娘を見ておじさんはすぐにナタリーと気付き、話をしているう
ちに彼女のコンプレックスを推察する。おじさんは、薬棚に並んだ赤い瓶と青
い瓶を指さして話をする。

──見かけの美しさで選ぶと赤く美しい瓶を選ぶ。男の子はそうかもしれない。
しかし、大人の男は青い瓶を選ぶ。この薬は痛みを止め病気を治してくれるか
らだ。中身を知っているからこちらを選ぶ。

おじさんは薬の瓶を暗喩にして、大人の男は女性を見かけではなく内面で選ぶ
と語るのだが、そのおじさんが連れてきた婚約者は背が高くグラマーで美人の
ダンサーだった。ナタリーは、またも裏切られた気分になる。男はやっぱり美
人が好きなのだと…。

容貌にコンプレックスを持ち、四六時中そのことが頭から離れないナタリーは
自分の容貌をネタにしたジョークを言うが、その自虐的な皮肉がさらに自分を
傷つける。傍目にもナタリーは嫌な女でしかない。

●本当の自分など探しても無駄だ

ハイスクールを出たナタリーは家を出てグリニッジ・ビレッジで暮らし始める。
彼女自身も容貌のコンプレックスにとらわれた自分から解放されたいのだ。60
年代のニューヨークのグリニッジ・ビレッジという一般的なモラルから解放さ
れた場所で、別の価値観の世界でナタリーは生き始める。

やがてアパートの階下の部屋に住む画家志望の三十代の男と知り合うが、最初
に彼が美しいヌードモデルと一緒のところを目撃したせいで意味もなく反発す
る。ナタリーは自分の容貌に自信がもてないせいで、男はみんな美人が好きな
のだと思い込み、男たちに敵意さえ抱くようになっているのだ。

それは「私を振り向かない男たち」への敵意であり、彼女をますます嫌な女に
させている。それでいてナタリーは美人になりたいのだ。ある日、高い金を払
って付け鼻を買って帰る途中、画家に会い「やめておけ」と言われる。

画家は建築家として成功していたが、若い頃からの絵を描いて生きていきたい
という夢が棄てられず、また、ビジネスの世界で心を病み、長い休みを取りグ
リニッジ・ビレッジで心身を回復させようとしているのだが、次第にナタリー
に興味を抱くようになる。

ナタリーにとっては、彼こそがおじさんが言っていた「中身を知っている大人
の男」だったのだ。画家と愛し合うようになったナタリーは、自信を取り戻し
ていく。不思議なことに、ゴツゴツした印象だったパティ・デュークの顔がど
んどん柔らかく優しい印象になっていく。

照明やメイクの効果もあるのだろうが、やはりパティ・デュークの演技力だと
思う。コンプレックスにかたまり、男たちや世の中に敵意を抱いていたナタリ
ーが愛する男を得て心に平安を取り戻し、自信に充ち、幸福感にあふれた感情
をその表情からうかがわせるのだ。

しかし、ナタリーの恋はハッピーエンドではない。いや、見方によっては不幸
な終わり方だろう。だが、幸せな失恋、充実した恋の失い方も人生には存在す
る。彼女は愛した人を諦めることで、ひとつ上のステージに昇る。人生のグレ
ートな経験を経て、何かを悟る。

そうなのだ。「ナタリーの朝」は、その後、若い女性たちの合い言葉のように
なる「自分探し」の物語なのである。若い娘が人生を学び、コンプレックスか
ら解放され、本当の自分(というより成長した己)になるまでを描く一種のビ
ルディングス・ロマンなのだ。

最後に彼女は言う。
──たとえ不幸でも、それは私の不幸なのだ。

この映画を見た1969年、比喩的に言うなら17歳の僕も自分を探していた。いや、
それはどこかにある本当の自分などではなく、自分の中にあるはずの、まだ確
立されていない自己だった。

僕は自分が何者なのか、何者になるのか皆目わからないまま、騒然たる世の中
に戸惑い、自分が何をやればいいのかと迷っていた。今から思えば、自分の中
に存在する何かを発見できなかったのだ。

あれから長い長い時間がたったからこそ言えるのだが、人は自身の中にある何
かを常に発掘することでしか生きることができない。自分の可能性を開発する
ことでしか人は成長できないし、それ以外の方法はない。

「たとえ不幸でも、それは私の不幸なのだ」と自覚し、自立しなければ自分の
人生は生きられない。人を羨んでも、自分のコンプレックスは解消できないし、
自分のコンプレックスと向き合わない限り、コンプレックスは常に自分をさい
なむ。コンプレックスから解放されるためには、自己と闘うしかない。

どこにも本当の自分などはない。探しても無駄だ。自己の可能性の中に本当の
自分を発掘し成長させるしかないのだと思う。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com
本日で260回、もうすぐ連載を始めてまる6年になるのですが、少し休ませても
らうことにしました。かっこよく言えば休筆です。というか充電期間のつもり
です。いくら充電しても、メモリー効果ですぐ放電してしまうかもしれません
が…。

デジクリ掲載の旧作は今後もずっと毎週金曜日に更新されています
<http://www.118mitakai.com/2iiwa/2sam007.html>

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■ショート・ストーリーのKUNI(12) 
嫉妬を主題とする二つの短い物語

やましたくにこ
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          (1)

あるところに大変嫉妬深い妻がいた。夫が浮気していることを知り、夫がたや
すく恋人のもとへ行けないよう右足を切り落とした。夫はたいへんうちのめさ
れていたが、しばらくすると恋人への思いはやはり断ちがたく、片足で苦労し
て女のもとへ通うようになった。妻は怒り、左足も切り落とした。夫はそれで
もしばらくすると腕だけで身体をひきずり、女に会いに行った。

妻は悲しみ、腕も切り落とした。もはや夫は動くことができなかったが妻は満
足した。

ある夜、夫が寝言で女の名を呼んだ。妻は悲しみに胸が張り裂けそうになり、
その名を呼んだ口を石で打ち、つぶしてしまった。白くて美しい耳も女が愛撫
したかと思うと耐えられず、そぎ落としてしまった。何よりも愛していた鳶色
のやさしい目だけは残した。

しゃべることもできなくなった夫は妻を悲しげな目で見た。

「あなたはもう私のものね」

妻がそういうと夫はかぶりを振った。

その夜、妻がふと目覚めると傍らの夫の顔から目がなくなっていた。妻は狂っ
たように村中を探し、何人もの人から夜空をまるで脚が生えているかのように
女のもとへ駆けていく「目」を見たとの言を得た。

「よほど女の顔が見たかったんだろう」

妻は何日も泣き通した後、ついに夫をあきらめた。「見」という文字はこのと
きできたもので、恋しさに目に脚が生えて駆けていくさまを表すのだそうだ。

          (2)

これは嫉妬深い男の話だ。
 
彼には若い妻がいた。自身は齢五十を超えており、妻をこの上なく愛してはい
るものの心は常に疑いに満ちていた。彼は年を取っているだけでなく風貌醜く、
背は低く腹は出て鬼のように毛深く、そのことを片時も忘れたことはなかった
からだ。

果たして妻は若くて美しい物売りの男と深い仲になり、やがて彼と床を共にす
ることを拒むようになった。

「私が醜いからだな、醜い私と寝るのが嫌になったのだな」

妻は何も言わなかったが彼の心は日ごとにどす黒い沼のように澱むばかりだ。

一方物売りの男はというと美男を絵に描いたようで、女のように美しい顔とお
よそそれに似合わぬたくましい身体がまぶしいほどだ。彼は妻を寝取った件の
物売りと道ですれ違うことがあったが、そのたび無言で(おまえは醜い、おま
えは醜い)と言われているような心地がした。まったく妻の若い身体に重なる
べきは自分ではなく、あの男の肉体こそふさわしい。そう思えば思うほど気も
狂わんばかりの嫉妬が彼を苛み、いてもたってもいられなかった。

彼は思いあまって妖術を使う老婆のもとに行き、男を醜い虫の姿に変えてもら
った。もはや美しい物売りの男は存在しない。妻は恋人の変わり様を見るや声
を上げ、髪を振り乱して泣き伏し、何日も食事も取らず眠りもせず、ただただ
嘆き暮らしたが、彼は安堵した。

ところがそうした日々の後、夜更けに家に帰るとわが妻が息を荒げ、歓喜に震
える声が聞こえる。あやしく思って戸の隙間からそっと覗くと何ということか、
妻の白い肌に脚が何本もあるあの虫が取り付き、妻の身体をくまなく愛撫して
いるではないか。彼は信じられない思いで、それでも身体が戸に吸い付いたよ
うで覗くのをやめられずに見ていた。

「どういうことなのだ。私と寝ようともしない妻が。あの吐き気のするように
醜い虫が私より美しいとでもいうのか」

するとそのとき、雲間から漏れた月の光が部屋に射し入り、妻と虫の上に降り
注いだ。青みを帯びた銀の光は妻の滑らかな肌を照らし、虫のぞろぞろとうご
めく何本もの脚を輝くばかりに照らし出した。彼は惚けたように見とれた。こ
んなことがあるのか。虫は人間の男であった頃と変わらず、いやそれ以上に美
しく、その下に横たわる妻も美しく、彼のいる場所はなかった。ただ戸の隙間
のこちら側にしか。彼は子供のように泣きながら引き下がるしかなかった。

男はその後二度と妻のもとへ戻らず、程なく出家したという。この話を聞いた
人々は驚き、笑い、そういえば「美」という字は脚が何本もある虫の姿に酷似
していることだとうなずきあった。

【やましたくにこ】kue@pop02.odn.ne.jp
<http://www1.odn.ne.jp/%7Ecay94120/>

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■イベント案内
映像ミュージアム企画展『VFX-ありえない世界への旅-』展
<http://www.skipcity.jp/event/o/200506071.shtml>
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会期:6月11日(土)~10月10日(月)9:30~17:00 月休 7/19開館 
7/5~7休
会場:SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアム3階 未来映像ゾ
ーン(川口市上青木3-12-63)
入場料:映像ミュージアム入館料で入場できます(大人500円、小中学生250円)
内容:新しいVFX技術の体験と、VFXを駆使した大作映画のメイキング展示や取
材映像を通して、VFXの魅力と驚きを体感できる。映画「ローレライ」潜水艦
伊507ミニチュア全長6mを展示。映画「HINOKIO」のメイキング映像。VFX体験
(モーフィングモーフィング、多視点撮影システム、メイキング・オブ・ロー
レライ・ローレライ)など。

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■展覧会案内
ヤノベケンジ キンダガルテン
<http://www.museum.toyota.aichi.jp/>
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会期:6月24日(金)~10月2日(日)10:00~17:30 夏休み期間中の土曜日は
19:30まで 月休 7/18・9/19開館 
会場:豊田市美術館(豊田市小坂本町8-5-1 TEL.0565-34-6610)
入場料:一般500円、高大生400円、中学生以下無料
内容:次代を担う人たちの「創造の種」となるヤノベケンジのダイナミックな
新作を紹介。像高 7.5mにおよぶ腹話術の巨大人形「ジャイアント・トらやん」、
産業廃棄物で造った マンモス型木馬「Rocking Mammoth」など、巨大な幼児の
保育ルームのようなインスタレーションが展示室に出現する。誇大妄想狂ヤノ
ベケンジによる、夢見る大人と子どものための展覧会。

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■イベント案内(おしらせ)
「メイキング・オブ・エンジェル」写真家・所幸則の世界
<http://www.dgcr.com>
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デジクリと富士ゼロックスとの主催イベントも、はや3回目、今回は思い切っ
て金曜の夜6時からの開催です。もちろん所幸則氏・羽良多平吉氏、そして美
麗なプリントも見物なのですが、今回はいつもにまして、編集者、フォトグラ
ファーの"業界関係者"の参加が多い! つまり、ピザとビール用意してますの
で、思いっきりおしゃべりも楽しんでいただきたい、ということです。また、
学生の方も一般のかたも大歓迎です。「ええっ!? あの人も?」という方も
参加してくださってます。梅雨のうっとうしい季節ですが、是非気分を変えて
いらしてください。お気軽にどうぞ。お待ちしてます。

●「メイキング・オブ・エンジェル」写真家・所幸則の世界
富士ゼロックス株式会社+デジタルクリエイターズ presents
"Creator's Table vol.3"
主催:富士ゼロックス株式会社、デジタルクリエイターズ
日時:7月1日(金)18:00~20:30 (交流パーティを含みます)
会場:富士ゼロックスepicenter(品川インターシティ A棟14F)
対象:クリエイター、フォトグラファー、ライター、編集者、印刷関係者など。
デジタルクリエイターズの読者の皆様。
定員:50名(先着順)
費用:無料
受付:デジタルクリエイターズのWebサイトで受付中
内容: 
第1部=トーク「メイキング・オブ・エンジェル」
所幸則トーク/「写真家・所幸則の昨日・今日・明日」を豊富な作品の映写で
見せる。「ZOOM」とのかかわり。作品集「天使に至る系譜」の構想について。
立体作品としての本、という意味。なぜファンタジーなのか。なぜ羽根をもっ
た天使なのか。「フォーカス」の表紙について。ゲームをつくる。所流のポー
トレート。アナログとデジタル。新しいテーマ、現実の中にいる妖精。
羽良多平吉トーク/羽良多流デザイン。「天使に至る系譜」のデザイン設計に
ついて。所幸則作品について。
対談=所幸則+羽良多平吉/作家とアートディレクターのたたかいの話。プロ
モーション用のオンデマンドプリント冊子について。
第2部=ミニ・パーティ クリエイター同士の交流を目的とした、立食形式の
パーティを準備しております。ピザとビール、ライトドリンク片手に、交流を
お楽しみください。

●所 幸則(TOKORO YUKINORI)さんについて

1961年生まれ。大阪芸術大学卒業後、フリーのフォトグラファーとなり、雑誌、
広告をはじめ、書籍の表紙写真集、ゲームのアートディレクションなどマルチ
なアーティストとして活躍。写真家として、自分が見たいものを撮り、作品と
して表現したいという純粋な情熱によって生み出された幻想的な作品は、普遍
的な美のイメージと最新テクノロジーとを自然に融合させた誰にもまねのでき
ない独自の世界それは他の追随を許さない独特な世界観をもち、現実と非現実
を浮遊しているような奇跡とも言える作品は、写真という枠組みを超え、世界
的にも類い稀なアーティストとして各界から高い評価を得ている。
一昨年、イタリアの写真誌「ZOOM」編集長から表紙と巻頭特集に抜擢され、今
後はイタリアローマでの個展をはじめ世界へ活躍の場を広げる予定。
現在、初期ファッション作品から、光と闇を彷徨う天使や妖精のファンタジー
作品、数多く雑誌や広告に掲載された著名人のポートレート作品、そして新機
軸となる最新作まで300を超える作品を収めた"未知"の写真集「CHIAROSCURO
~天使に至る系譜~」制作中。

<イタリアの写真誌「ZOOM」の編集長ロザンナは、作品集の出版にあたってメ
ッセージを送ってくれた>
所幸則は、子供の心を持ったピーターパンの瞳にしか見えない世界を私たちに
見せてくれた。所幸則の生み出すイメージの世界が、ふと、見上げた空の高さ
が無限なことや、その色彩が豊かなことに、気づかせてくれる。彼の才能に感
謝。----ロザンナ ズームマガジン編集長

【関連Webサイト】
・Tokoro Yukinori's Site
<http://tokoroyukinori.com/>
・富士ゼロックス epicenter
<http://www.fujixerox.co.jp/solution/epicenter/index.html>
・デジタルクリエイターズ
<http://www.dgcr.com/>

<応募受付中のプレゼント>
Web Designing 2005年7月号 本誌1774号
イラストレーションスタイル Illustration Style 本誌1775号
(6/29 14時締切)


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■編集後記(6/24)
・昨日、8月に「CG美少女の祭典/Virtual Beauty EXPO 2005」の開催が決ま
った原宿のデザインフェスタギャラリーに行った。会場の広さを測量し、作品
が何点入るか計算しなければならないからだ。12あるスペースの中で最大(と
いうことはレンタル料も最高)の2階のはじっこを借りた。たぶん民間アパー
トを改造したものだと思うが、窓ガラスが4枚もある部屋で、窓からは隣の民
家の庭が見える。そのぶん壁が足りないので、本番では窓をふさぐ。ギャラリ
ースタッフに聞いたら、窓に合わせた白いベニヤ板を用意してあるから使って
くれという。かなりチープなものだが、特注してつくるお金もないのでそれで
いくしかない。それにしても狭い。展示できる作品数は昨年には及ばない。ま
あ、密度が高まっていいのかも。所在地は、JR原宿駅から女学生となぜか黒人
が目立つ竹下通りをまっすぐ進み、明治通りを越えた先だ。このへんには若い
人がいやというほどいる。なんとなく居心地がよくないが、ロッテリアのシェ
ーキが半額の100円だったので、カルピス味を吸いながらトロトロ歩いていた
らけっこう気持ちよくなれた。半額のマジックか。同じ時刻に、大阪はメビッ
クにて、8月に開催されるアート展のための会場下見が実行委員会のメンバー
によって行われていたはずだ。今年の夏休みはかなり忙しくなる。 (柴田)

・昨日の後記補足。女性セミヌードのない雑誌も多いです。突っ込まれそうな
ので予防線。/何年も忙しさにかまけて、目の前の仕事に絡むもの以外の勉強
を怠っていた。頭と目に栄養を入れないと枯渇するのになと焦りつつ。今の仕
事あんまり向いてないかも~、なんだか「こっち」の方が向いているなぁ、な
んて思いながら、必要にかられて「こっち」強化にいそしんでいたのだが、久
々に本来の仕事関係の技術について調べていたら、激しい頭痛はするものの
(笑)わくわくする。「義務」とか「枠内」とか「必要クオリティ」とか「ガ
イドライン」とか「お客様の意見をくみとり」なんてのをとっぱらったら楽し
いじゃないのさ。この仕事だって、最初は単なる趣味だったもんなぁ。「こっ
ち」方面はアイデアが広がってきて、眠い時でも頭が冴えてくるから向いてい
ると思っているんだけど。皆が無理と思っていることや成果を期待していない
時に、成果を出せると楽しいんだよなぁ。「無理だ」と言われたら燃えるほう
だったのに、いつの間に「無理だ」側に来ちゃったんだろう。枯渇して消耗し
てるから? 結果考えずに「面白そう、やっちゃえ!」で進んだほうが上手く
いくこと多いのにね。                  (hammer.mule)
http://medwave2.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf?CID=onair/medwave/tpic/382286
↑シワとり進化系

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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