[1882] 吉野家の牛丼はいつ食べられるのか?

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1882    2005/12/12.Mon.14:00発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 18243部
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          <石橋は叩くより前に突っ走れ!>         

■KNNエンパワーメントコラム 
 吉野家の牛丼はいつ食べられるのか?
 神田敏晶

■クリエイター手抜きプロジェクト[71]Photoshop CS編
 レイヤー内のテキストのサイズと色をリセットする
 古籏一浩

■デジクリトーク
 所幸則最新写真集『天使に至る系譜~Chiaroscuro~』
 出版が遅れたことでより熟成されました
 所 幸則

■デジクリトーク
 ついにオリジナルフル3Dアニメーション「コクーとキボーの石」を完成
 筒井海砂



■KNNエンパワーメントコラム 
吉野家の牛丼はいつ食べられるのか?

神田敏晶
───────────────────────────────────
KNN神田です。

米国産牛肉の輸入再開が始まりそうな状況になりつつあるようだ…。

昨年、12月、株式会社吉野家ディー・アンド・シーの安部修仁社長がリリース
した「何故、吉野家は牛丼の販売を再開しないのか?」から、現在のところ、
この一年もまだ何も変わっていない状況である。
<http://www.yoshinoya-dc.com/news/041228_ir.html>

吉野家によると、輸入再開後、約1か月半ほどで、吉野家で牛丼が販売開始と
なるそうだ。

そもそも、BSE問題が発端となっている米国産牛肉の輸入禁止であるが、日本
でのBSEの被害者はたったの1人であることを「数字」として認識しておく必要
がある。米国では2003年に142名だ。人命が危険にさらされていることは問題
だ。

では、JTが販売している「タバコ」を考えてみよう。世界中で年間490万人が
タバコが原因で亡くなっていると言われている。1時間あたり560人、6秒に1人
死んでいる計算だ。3秒に1人死んでいるホワイトバンドのキャンペーンの次は、
6秒に1人死んでいるタバコキャンペーンをやってもいいほどだ。

日本でのタバコが原因の死者は年間11万4000人。全死亡率の11.9%と推定され
る。1日300人、日本だけで1時間に12.5人亡くなっている計算だ。

2000年間で1人しか亡くなっていない日本のBSE被害で、これだけ騒ぐ前に、タ
バコの問題をもっと考えたほうがいいのは当然だろう。

しかもタバコ300円のうち、170円は税金である。本当のタバコの値段は「たっ
たの130円である!」なんと喫煙者は、高額納税者としてタバコ価格の56.4%
もの税金を収めてくれているのだ。

しかしながら、その税金も国税庁のアガリ(年間2兆2797億円)としては増え
るが、厚生労働省の医療費支出(年間1兆3000億円)が増えるだけでまったく
意味がない。さらに喫煙による労働力損失は5兆3000億円と算出されている
(医療経済研究機構の調査)。さらに、タバコを一箱1000円にすれば、タバコ
による犠牲者は3万人に減少し、医療費も8000億円削減され、税収は1兆円増え
るという調査結果まででている。

ここまでのドラスティックな事は望めないとしても、タバコ並に、米国産牛肉
にも寛大になるべきだろう。本当に安全性を考えた場合、外務省は、米国に旅
行に出かけた人間も税関で「全頭検査」で入国検査をするべきだ。日本でいく
ら輸入をストップさせても、自由にアメリカでアメリカ牛の食事を堪能してき
た日本人をチェックしないのは意味がないのではないだろうか?

ボクの記憶が正しければ、出国の際にアメリカ産牛肉を食べないようにと指示
をされ、この「絶対に食べません」という誓約書に署名しなければ、国外に出
られないなんて措置はとられていないと思う。本当に安全対策をするなら、出
国前の誓約書と帰国後の人間の全頭検査は必須だろう。

なぜ、そこまでしないのだろうか? もはや完全に遮断できないのだから、ア
メリカの牛肉にはすべて、タバコのように、「アメリカ産牛肉はあなたにとっ
て狂牛病の発病の危険性を高めます」と明記して輸入を再開すればいいのでは
ないだろうか。もしくは、アメリカ牛肉にのみ、税金をかければいいではない
か。狂牛病に対する医療費リスクだ。

健康を害してもタバコを吸う人がいるのだから、健康を害してもアメリカ牛を
「自己責任」で食ってもいいじゃないか! アメリカでは2億人が普通に
食べているのだから…。

仙台の牛タン屋の値段の高騰ぶりに驚く。焼肉屋のレベル低下にも嘆いている。
タフなアメリカと交渉する上において、完全なる安全はいつまでたっても保障
されない。それならば、いっそのこと、自己リスクで食する自由を与えてもい
いだろう。もしくは、生命保険会社に「アメリカ牛肉保険」を販売させ、その
保険の加入者だけが、カードをもらい、アメリカ牛肉を食することができるの
だ。

これは、将来の吉野家のカウンターの姿だ…。

店員「いらっしゃいませ!」
ボク「牛丼特盛り!」
店員「お客様、牛肉保険のIDカードを見せていただけますでしょうか?」
ボク「ああ、これね」
店員「ありがとうございます。狂牛病の危険性がありますが、大丈夫ですか?」
ボク「ああ、いいよ」
店員「それでは、食事の間までに、こちらの誓約書に署名、捺印の上、お待ち
くださいませ!」
ボク「(めんどうくさいなあ…)」
店員「お待たせいたしましたぁ! 牛丼でございます」

吉野家サイト
<http://www.yoshinoya-dc.com/>
<http://www.yoshinoya-dc.com/safety/index.html>

KandaNewsNetwork,Inc. <http://www.knn.com/>
podcast <http://knnpodcast.seesaa.net/>
SOCIAL NETWORKING.BAR <http://snbar.ameblo.jp/>
podcast <http://easy.dedio.jp/home/dotbar/>
CEO Toshi Kanda
<http://mixi.jp/show_friend.pl?id=550>
#617-10-18,Maruyamacho,Shibuyaku,Tokyo,150-0044
Mobile 81-90-7889-3604 Phone81-3-5458-6226

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■クリエイター手抜きプロジェクト[71]Photoshop CS編
レイヤー内のテキストのサイズと色をリセットする

古籏一浩
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Photoshop CS2であれば、複数のレイヤーを同時に選択できるため、今回のス
クリプトは不要です。しかし前のバージョン、CSではテキストの色や文字サイ
ズを一括して変更しようとするには、アクションを利用して繰り返すか、頑張
って手作業で処理するしかありません。

そんな時こそはスクリプトの出番です。一度作ってしまえば、Photoshopのメ
ニューから選択するだけで利用出来るようになります。

まず、以下のスクリプトはテキストレイヤーの文字サイズを、全て同一にする
ものです。以前に掲載した、レイヤー内のテキストを検索するスクリプトと、
基本的に同じ作りになっています。

// レイヤーセット内にテキストレイヤーが含まれる限り処理する(再帰)
function setLayerTextSize(layObj)
{
var i,n = layObj.artLayers.length;
for (i=0; i {
layType = layObj.artLayers[i].kind;
if (layType == LayerKind.TEXT)
{
layObj.artLayers[i].textItem.size = fSize;
}
}
var ns = layObj.layerSets.length;
for (i=0; i {
setLayerTextSize(layObj.layerSets[i])
}
}

fSize = parseFloat(prompt("フォントサイズは?(pt)",12));
setLayerTextSize(activeDocument);

次に文字の色を、黒色に統一するスクリプトを以下に示します。

// レイヤーセット内にテキストレイヤーが含まれる限り処理する(再帰)
function setLayerTextColor(layObj)
{
var i,n = layObj.artLayers.length;
for (i=0; i {
layType = layObj.artLayers[i].kind;
if (layType == LayerKind.TEXT)
{
layObj.artLayers[i].textItem.color.rgb.red = r;
layObj.artLayers[i].textItem.color.rgb.green = g;
layObj.artLayers[i].textItem.color.rgb.blue = b;
}
}
var ns = layObj.layerSets.length;
for (i=0; i {
setLayerTextColor(layObj.layerSets[i])
}
}

r = 0; // 赤の輝度
g = 0; // 緑の輝度
b = 0; // 青の輝度
setLayerTextColor(activeDocument);

サイズを指定するスクリプトとほとんど同じです。異なるのはcolor.rgb.red
~color.rgb.blueで輝度を指定している部分です。スクリプトの下の部分で

r = 0;
g = 0;
b = 0;

の数値(輝度)を変更することで任意の色に設定することができます。また、
スクリプト実行時に輝度を入力するようにすることもできます。その場合は以
下のようにします。

r = parseFloat(prompt("赤の輝度は?",0));
g = parseFloat(prompt("緑の輝度は?",0));
b = parseFloat(prompt("青の輝度は?",0));

【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp <http://www.openspc2.org/>
CS2で実現した機能を、前のバージョンでも多少なりとも何とか実現できるの
がスクリプト(プログラム)のいいところでしょうか。

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■デジクリトーク
所幸則最新写真集『天使に至る系譜~Chiaroscuro~』
出版が遅れたことでより熟成されました
 
所 幸則
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●出版元が変わった事情など

さて、出版自体が幻となってしまうのではないかと危惧されたこの作品集。そ
もそものきっかけは2年前。以前、雑誌の表紙のお仕事で関わっていた出版社
のひとりの編集者が、ぜひ僕に今までの作品を集めた写真集を、と依頼してき
たことからはじまりました。

僕自身まだ、自分の総集編的なものをつくるには早いな~とのんびり思ってい
たのですが、その熱意にほだされて、それじゃあ、ってことで20年分の膨大な
作品のデータ探しをはじめることになったのです。その発掘作業たるや、壮絶
なものでした。まだデータ化されていてないもの、学生時代の作品など、とに
かく作品点数が半端じゃなくて。

最初の転機は、ほぼ一冊のデザインが出来上がっていた状態から、最後の表紙
デザインに苦悶して、僕の学生時代からの憧れの鬼才装丁家、羽良多平吉さん
に表紙のデザインを相談して、一転して全ページ構成、デザインを見直そうと
決心したところでした。ちょうど昨年の4月だったでしょうか。

そのちょっと前の僕なら、ただ作品をならべただけでも本のかたちになってし
まえばいいや、って別の意味で踏ん切りみたいなものがあったかもしれません。
しかし、このとき、ぼく自身、この作品集をしあげることをひとつの区切りに、
これからの写真家としての未来に光のような予感を持っていましたから新しい
出発点にたつ意味でも、本自体の完成度をいい加減なものにしたくないなって
いう気持ちが強くなっていました。羽良多さんと熱のはいった深夜の打ち合わ
せがつづきます。

ところが、あまりに、完成が延びてしまったことと、当初、ぼくの作品ととも
にテクニックをおもしろく紹介しようという規模ですすめられていたものが、
量、クオリティともに膨らみ、かなり高いアート性を帯びてしまい、この新し
い写真集を扱いきれないといった諸々の事情から、当初の出版社からストップ
がかかってしまいました。

発売日が目前に迫っていたのでプレスリリースも出しつつあり、このページで
もご紹介させていただきましたが、期待していたファン、関係者の方にはたい
へん申し訳ありませんでした。

僕は真っ白になった頭で(というか目の前が真っ暗な状態で)このほぼできあ
がっているページのPDFファイルをもとに、ほかの出版元を探しました。ここ
まできて、これが世の中に出ないなんて。ほんとうに幻になっちゃうかもしれ
ないという現実の壁に直面して、まるで迷子の子供のような気分でした。でも、
なんとかしてこれをかたちにして発表したいという気持ちは強烈にあって、こ
こまで自分たちがつくってきたものへの自信だけを支えに、いろんな方に見て
いただきました。

そんななか、ほんとうに幸運なことに美術出版社で目にとめていただいて、美
術書の老舗の出版元から出るべくして出せることになった喜びの知らせをもっ
て、羽良多さんに事後報告にいきました。出版社が決まるまでは、デザインの
最後のスパートにかかっていた羽良多さんには、さすがに現状をお話できなか
ったのです(すみません羽良多さん)。

さて、それから約1年、出版元が変わるというのはたいへんなんですね~。と
くにこの本の特色のひとつである著名人のポートレート作品への許諾を再度と
りなおす作業。素晴らしい装丁のアイディアとコストとの葛藤。当初のテクニ
ック本としての販売価格から一気に美術書並にあがった価格を予約済み購入先
へ説明して納得いただくこと。掲載作品数の変動、差し替えなどによるデザイ
ンのやりなおし。などなど僕の想像をこえて時間がかかりました。

取り扱い書店やコストの問題で、昨年ここでもご紹介した画期的なカバーのア
イディアは夢と消えてしまいました(泣)。ですが、全体を通して羽良多さん
のこだわりの繊細な装丁のイメージは依然失なわれていませんのでご安心くだ
さい。

でもいいこともありました! 今年にはいってから僕、カメラマンとしてけっ
こうがんばってるんですけど、新しいタイプの仕事の作品、自分でもこれまで
になかったなっていうクオリティの作品が、出版が遅れたおかげで(?)収録
に間に合いました。ほんとはもっと新しくてかっこいいのも入れたいのはやま
やまですが、、そう言ってるといつまでも出なくなっちゃうので。

ここまで熟成された分、より貴重で中身の濃い本に仕上がってると思います。
みなさんどうぞ楽しみにしてくださいね。

●先行予約販売のお知らせ

所幸則作品集所幸則『天使に至る系譜 ~CHIAROSCURO~』(美術出版社)発
売を記念して、発売記念セットの先行予約販売についてお問い合わせがありま
したので、追加でお知らせいたします。

発売は1月15日頃の予定で、先行予約がすでにはじまっています。発売記念セ
ット先行予約販売にお申し込みいただいた方全員にお届けする作品集に僕の直
筆サインがはいります。

3パターンの豪華特典があります。
premium1 (regular):所幸則オリジナル作品ポストカード10枚セットつき
8,000円)
premium2 (deluxe):本作品集の表紙と裏表紙の2作品プリントつき
(10,000円)
premium3(super deluxe):本作品集の表紙と裏表紙の2作品+未収録オリジ
ナル新作プリントつき(13,000円)

premium2、3は限定50セットをもって終了いたします。プリントにはエディシ
ョナルナンバーと僕のサインがはいります。
※エプソン8色プリンタにて出力。A4サイズ。

書店販売価格が8,000円~9,000円の予定ですので、regularセットでもお得だ
と思います。いまのところ未収録新作プリントがついたsuper deluxeセット
へのお申し込みが多いです。ご希望のかたはぜひお早めに。
<http://www.tokoroyukinori.com/books/chiaroscuro.html>
ご確認のうえメールにてお申し込みくださいね。(なお、発送は発売日と同時
になりますのでご注意ください)

ところ・ゆきのり <http://www.tokoroyukinori.com/>

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■デジクリトーク
ついにオリジナルフル3Dアニメーション「コクーとキボーの石」を完成

筒井海砂
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10月末、私の手元に宝物となるminiDVテープが届きました。どこまでも諦めの
悪い性格が功を奏し、構想4年、ついにオリジナルフル3Dアニメーションが完
成しました。「コクーとキボーの石」です。

私は今年でちょうど独立10周年を迎えました。エアブラシタッチを継承した完
全な2Dを生業としており、3Dやアニメーションに自ら手を出した事は一度もあ
りません。恐らく誰もが考えるように、自分のキャラクターが動く・喋るとい
う事は憧れですが、仕事でその夢を実現するのはそう簡単な事ではありません。

数年にわたり、多方面の会社に営業をかけ続けましたが、唯一、自分のデザイ
ンが「3Dになる」「動く」という夢はパチンコCR機『海伝説』(株式会社大一
商会)で叶ったものの、喋らせたい、ストーリーを綴らせたい、という思いは
残りました。

私の場合、極端な行動へのきっかけは大抵が笑っちゃうほど軽い思い付きです。
今回の企画も「仕事で実現しないなら自分で作っちゃえ」という思い付きから
スタートしましたが、火が付いたら後は燃え上がるだけ。酸素がある限りは燃
え続けます。とてもシンプル(笑)。

先述の通り、私は3Dにもアニメーションにも携わった事がありません。『3Dア
ニメを作れない人間が3Dアニメを作るにはどうするか?』簡単に言えば「自分
で修得する」か「他人に頼む」かどちらかでしょう。

真面目に考えて、私は現在も、そしてこれからも自らこの分野に足を踏み入れ
る事はないと断言出来ます。今の自分は2Dでさえまともに描けていないし、こ
れからも2Dで出来る事をもっともっと探究しながら仕事をして行きたいので、
必然的に選択肢は後者になります。

色々な人に相談を持ちかけましたが、これには批判的な反応も多く、「自分で
はやらず、人に任せっきりにするのに『意欲がある』なんて言えるのか? そ
れでアニメーターを説得出来るとは思えない」「確かにお金を出せば作れるが、
クリエイターのやる方法ではない」云々……。 

すべてに納得出来るところもあり、正直かなり悩みましたが、何よりも(自分
も含め)プロの仕事は各分野のプロに任せる方が絶対に良いはずだ、という強
い思いがあったし、肯定的なアドバイスを下さる諸先輩方の声に励まされて、
正しい道を選んだと思っています。

しかし、正直アニメーターさん探しは本当に大変でした。ネットをフル活用し
ましたが、やはり商業利用の可能性が殆どない個人からのオファーでは作家側
にとっても魅力が薄いし、何より無名イラストレーターのポケットマネーとい
うのでは資金的な不安もあったに違いありません。結局、今回素晴らしい作品
を作って下さった北田監督に出会うまで3年かかりましたが、本当に最高のス
タッフに出会えた事を感謝しています。

「コクーとキボーの石」で私が担当したのは、企画・原作・キャラクターデザ
イン・絵コンテ(初稿)・美術です(ちゃんと仕事してるでしょ?<笑>)。何
より大変だったのは美術(背景画)で、アニメーションに使われているすべて
の背景を書下ろしたのですが、多方向から同じものを何枚も何枚も描く作業が
これ程大変だとは想像もしてませんでした。今考思い出しても肩が凝ります。
はぁ。 

ストーリーをきちんと考えたのも、恥ずかしながら今回が初めてだったので非
常に幼稚な出来映えですが、その点はキャラクターのくるくる変わる表情やイ
キイキとした動きでカバーしてもらってます。

フリーで仕事をしていると単独作業に慣れてしまって、他人の事も考えながら
自分の仕事に責任を持つ、という作業を忘れがちです。自分ですべてやる事も
確かに凄くカッコ良いですが、各分野の専門家が集まってのチーム作業は得る
物が非常に多く、ワクワクが満載の素晴らしい体験でした。素晴らしい作品を
作って下さった全スタッフの方々、適切なアドバイスを下さった諸先輩方に心
から感謝しています。そして「石橋は叩くより前に突っ走れ!」という自分の
性格にも(笑)。

「コクーとキボーの石」の情報は公式サイトでごらん頂けます(デモムービー
も見られます)。お時間があったら覗いてみて下さいね。お陰で私の貯蓄はす
っかり底をついたので、また黙々と仕事をするのであります(笑)。
<http://www.seasand.net/kocoo/>

【筒井海砂 Misa Tsutsui】misa@seasand.net
2Dキャラクターで細々と稼ぐフリーイラストレーター。思い付きで馬鹿げた事
をやるのが得意。来年夏にも身分不相応な大イベントをやらかす予定で準備中。
<http://www.seasand.net/>

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■編集後記(12/12)
・頭が痛い。腰が痛い。風邪をひいたようだ。そんなときは大げさに「もうダ
メかもしれない」と叫ぶのがわたしで、必ず「そんなことはない。あなたは親
の子だ」と妻が返す日常(お約束)である。もちろん、自分の体のことでもう
ダメなんて本気で思ったことはないけれど、今のところ。親の子という意味は、
わたしの両親はたしかに丈夫なのだ。ふたりとも今のわたしより上の年齢で内
臓の手術していて、その後も一応ぴんぴんしている。先日、実家で両親のダイ
ヤモンド婚のお祝いをした。居間の長押には川口市から送られたお祝いの額が
飾ってあった。市のこの地区には約4,000人が住んでいて、その中で3組6人が
該当者であるとか。まあ、めでたいことであるが、両親とも別に喜ぶでもなく
淡々としていた。町内でペアで元気なのはわが両親だけだ。中学の同級生3人
中、2人の両親は亡くなっている、ひとりは片方が、さらにひとりは自分自身
が死んでしまった。祖父は90歳をだいぶ超えて生きた。だから、わが家は長寿
系なのだ、たぶん。両親のようすを見ると、そう簡単にはお迎えがきそうにな
い。それでも、いつも話題は「朝、起きてこないので見に行ったら死んでいた」
という死に方をしたいというの。いや、わたしがそうありたいものだと言い返
すのだが、こればっかりは順番でいかなくてはならない。当分、生きていなけ
ればならない。めんどうくさいと時々思う。           (柴田)

・知能犯課に行って届けを出してきた。エキサイティングなことは何もなかっ
た。担当者は不在だったが、資料が後ろの棚にたくさんありますよ、とおっし
ゃっていた。有名らしい。雑多な部屋で、刑事さんたちは皆強面で、ドラマっ
て結構忠実に再現されているのだなぁなんて思いながら、詐欺にあったいきさ
つを話す。メールのやり取りなどはプリントアウトしていったので、正確な日
時を伝えることができた。「うちもハイテクの波が押し寄せてきてね」「かな
入力なんだが」などと話しながら、私物シールの貼られたノートパソコンをぽ
つぽつとタイプしてらして、アンダーバー、アットマークと伝えたら「アンダ
ーバーってどうやって打てばいいんだ?」と聞かれてしまう。右下にある~な
どと説明しつつ画面を見たら、全角英数字で書面が記入されていてちょっと複
雑な気分になる。入力代行したいと思いながら一時間ぐらい話していたのだが、
半分以上は調書のタイピング時間にとられていたような気がする。最終文面を
読み上げられた時は、その文面の素晴らしさにそれまでの不安が一気に吹っ飛
ぶ。印鑑を持っていかなかったので拇印を押したが、「左手の人差し指」と指
定され、右手の人差し指じゃだめなんですか? などと聞いてしまう。以前に
も同じことを聞いたことがあったなぁ。詐欺師との接触はあり逮捕に向けて動
いたことがあるそうなのだが、意外と被害届を出す人は少なく、近場の人間に
は返金してしまうので立件はなかなか難しいと言ってらした。詐欺にあったら、
被害に遭った自分も悪いし勉強代と思ってしまうものだけど、金額の多少に関
わらず、警察に把握してもらい次の被害者を出さないためにも届けを出した方
がいいと知った○○歳の冬。               (hammer.mule)

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発行   デジタルクリエイターズ <http://www.dgcr.com/>

編集長     柴田忠男 
デスク     濱村和恵 
アソシエーツ  神田敏晶 
リニューアル  8月サンタ
アシスト    鴨田麻衣子

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