ウケる文章の王道はわが身の恥を晒したもの、とはよく言われるが、その段でいくと、今回のはウケない文章の極めつけと言えるかもしれない。何しろ、わが身に降って湧いた僥倖話、書いてる本人有頂天なもんで。まぁ、たまにはいいかと寛大な心でお許しくださいませ~。
●コスプレ写真、イタリアへ
私が撮ったコスプレ写真を、来月イタリアで展示してもらえることになったのである。
これはひとえにYuzuの尽力のおかげである。その経緯を語るには、3年前の8月まで遡らなくてはならない。当時私は週末になると原宿の「橋」に行ってはビジュアル系バンドのコスチュームでたむろするファンたちの写真を撮っていた。そこでたまたま声をかけたのが、イタリアから来ていたYuzuである。それから2週間後には夏コミ(夏のコミケ)で「君が望む永遠」の涼宮茜のコスをしていたところをまた撮った。
イタリアに帰ってからも細々とメールのやりとりを続け、去年の夏コミに向けて2年ぶりに日本に来るというので、今度はしっかりと計画を立てて、日本庭園で撮影したり、松戸のバンダイミュージアムを見学したり、中野のメイド喫茶とメイドバーでくつろいだり、日光東照宮へ行ったりした。
●コスプレ写真、イタリアへ
私が撮ったコスプレ写真を、来月イタリアで展示してもらえることになったのである。
これはひとえにYuzuの尽力のおかげである。その経緯を語るには、3年前の8月まで遡らなくてはならない。当時私は週末になると原宿の「橋」に行ってはビジュアル系バンドのコスチュームでたむろするファンたちの写真を撮っていた。そこでたまたま声をかけたのが、イタリアから来ていたYuzuである。それから2週間後には夏コミ(夏のコミケ)で「君が望む永遠」の涼宮茜のコスをしていたところをまた撮った。
イタリアに帰ってからも細々とメールのやりとりを続け、去年の夏コミに向けて2年ぶりに日本に来るというので、今度はしっかりと計画を立てて、日本庭園で撮影したり、松戸のバンダイミュージアムを見学したり、中野のメイド喫茶とメイドバーでくつろいだり、日光東照宮へ行ったりした。
私も非常に楽しかったが、Yuzuにとってもいい思い出になったようで、以前にも増して日本が好きになったようである。帰国後、「富士会」という日伊文化交流団体を見つけて入会したと知らせてきた。
< http://www.fujikai.it/
>
そのサイトによると、「富士会は公式に登録された非営利団体で、世界各国間での、特にはイタリアと日本との間での文化交流を深めるためにあります。2001年2月3日に創立されたこの富士会は国籍、性別、主義、職業の差別なく、興味を持たれる全ての方々のために開放されています」とある。
その富士会が、来る4月29、30日に、ミラノからほぼ真東へ100kmばかり行ったところにあるBotticinoという町で展示会を開くことになった。いつもは生け花や書道といった、日本の伝統文化を紹介しているのだが、今年は思い切って日本のポップな文化という側面も取り上げようという話になった。そこでYuzuが、それにはうってつけの人がいる、とうまく働きかけて、私の撮った写真を展示してもらえることになったらしい。
来場者は一体何人ぐらいになる見込みなのかと聞いてみると、約100.000人だという。100人? ずいぶん少なくないかい? 小数点以下の0が3つって何? 調べてみると、イタリアでは3桁区切りのカンマ(,)と小数点(.)とを逆に使うのだと分かった。あ、10万人ね。……ってずいぶん多いじゃん!
●経歴を出せと言われても、ない袖は……
主催者は私のウェブサイトに載せている写真を見て、展示に値すると判断してくれたそうである。それはいいのだが、相当な写真家と思われたようで、略歴と写真家としての活動歴を送ってくれと言ってきた。いや困った。
まず略歴だが、
1962年 東京に生まれる
1986年 早稲田大学理工学部数学科を卒業
1988年 同、修士課程を修了
以来、光学と画像処理のエンジニアとして印刷会社に勤務
こんな具合。まるで赤の他人のを見るようである。およそクリエイターらしくなく、なんだか硬い人みたいではないか。誰かのを借りてきて詐称したいくらいである。
次に活動歴だが、至って簡潔、「なし」である。あ゛ー。個展を開いたこともなければ、コンテストに入選したこともない。ボツ歴ならあるけれど。「百万人の写真ライフ」という初心者向けの雑誌に投稿したけど落ちたし、鎌倉にある長谷寺の主催する境内写真コンテストにも何点か応募したけど、かすりもしなかった。原宿で撮ったコスプレ写真を「アニメージュ」という雑誌に載せてもらったことはあるけれど、それは駅前の英会話学校に「留学」してたときに、徳間書店の編集の人がたまたま来ていて知り合ったからだし。そんなの、経歴どころか、人に言うのも恥ずかしい。
ない袖は振れないので「なし」と書いたが、まあ今さらそれで話を白紙撤回、ってなことにならなかったのは幸いである。
●2.5次元の美少女たち
写真の展示全体にタイトルをつけるよう言われ、「2.5次元の少女たち」にした。もとより漫画やアニメが2次元の世界で、そのキャラを3次元に引っ張り出したところにコスプレやメイド喫茶などがあり、よく「2.5次元産業」のように称される。そのコスプレイヤーを写真に撮ることで再び2次元に落とし込むが、それを紙焼きしたものは3次元の物体で、それが地球を1/4周して、遠くイタリアの地に展示される。そんな次元間の往ったり来たりに妙味があるのではないかと、このタイトルに。
●写真を準備
展示枠は、40cm×30cm以内の写真を10~15枚という指定だったので、比較的最近撮った中から14枚選び出した。コスプレイベントはイタリアでもよく開催されるようなので、ここは日本のアドバンテージを強調すべく、殺風景なイベント会場で撮ったものはなるべく避け、春夏秋冬それぞれの季節感がよく現れているもの、例えば自然豊かなポティロンの森や江戸の町を再現したワープステーション江戸でのイベントで撮ったもの、あるいは日本庭園で個人撮影したものを重点的に選び出した。
プリントは、ワイド四つ切(36.8cm×25.4cm)に焼いてもらうことにした。似たようなサイズに四つ切(30.5cm×25.4cm)があるが、アスペクト比を考えると、35mmフィルムひとコマ(36mm×24mm)の1.5に対して、ワイド四つ切が1.45、四つ切が1.2と、ワイド四つ切の方が近いため、トリミングしやすい。
私はキヤノンのEOS 5という一眼レフで撮っている。フィルムは富士フイルムのベルビア100Fとアスティア100Fを使うことが多い。ポジフィルムから四つ切ワイドにプリント注文するとき、色味までは指定できないが、トリミング枠と明るさが指定できる。
かなり面倒だが、次のような手順を踏むことにした。ニコンのフィルムスキャナを持っているので、ポジフィルムを自分でスキャンして、画像データに落とし込む。その際、プレスキャンの画面でトリミング枠を指定し、後でプリントしたい領域と合った画像を作る。この画像は見本として使うだけなので、アスペクト比さえ合っていれば、画像サイズはどうでもいいのだが、手ごろなところで、1286×888画素に。また、トーンカーブをいじって、好ましい明るさにしておく。
色空間はsRGBを指定して、JPEG画像でセーブ。これをCD-Rに焼いて、新宿のヨドバシカメラに持っていき、L判サイズでプリント注文。何も指定しないと上下左右がカットされてしまい、トリミング指示としては用をなさなくなるので、「内接」指定する。これだと、画像がどこも欠けない範囲内で最大サイズに引き伸ばしてもらえる。
……はずだったが、内接と外接の意味が取り違えられたようで(画像/プリント枠のどっちがどっちに内接/外接するんだって話)、画像が欠けていた。仕方がないので、「リサイズなし」を指定して焼き直し。これをトリミング領域と明るさの見本として添えて、あらためてポジフィルムからワイド四つ切へのプリントを注文する、という段取りである。
フィルムスキャナを持っているのなら、画像から直接プリントするという手もある。その方が、色についても心ゆくまで調整できるし、フォトショップを使って不要物を消したりもできる。しかし、そのためには300dpiで取り込まなくてはならず、ワイド四つ切なら、4347×3036画素もの画像になる。そんなのを14枚も取り込んで修正なんて、面倒くさすぎて……。
と、こういうところで手を抜くあたり、クリエイターとしてはダメダメなんだけど。まあ、その代わり、デジタル修正一切なしの撮ったまま、という形でご覧いただけることになるわけで。撮る腕の貧弱さが丸出しやんけ~。
●見に行けるもんなら私も
ぜひとも見に行きたい。できればタダで。ここ2~3年、海外出張が多かったおかげで、JALのマイレージが18.6万マイルもたまっている。そのうち12万マイルを使えばファーストクラスでヨーロッパ往復できちゃう。
しかし、一番のハードルは、今ごろになってゴールデンウィークの航空券が取れるかどうかである。マイレージを使って買う航空券は「特典航空券」として別枠になっており、取ろうとしてみると、案の定、空席が全然ない。どこまで遡ればあるかと見ていくと、4/24(月)なら。待て待て、さすがにゴールデンウィークとつなげて丸々2週間も休暇取ったら、休み明けには職場から席が消えてるだろ。
正規運賃の方を調べてみると、往き4/28(金)成田出発、帰り5/2(火)ミラノ出発のエコノミークラスなら取れる。195,000円。これの支払いにマイレージを充てると、13万マイル使わなくてはならない。
うーん、納得ゆかぬ。特典の空席さえあれば12万マイルでファーストクラスなのに、正規だと13万マイル使ってエコノミーとは。エコノミーと言えば、座席の前後間隔は窓1.5個分、食事は1枚のプレートに盛りつけたのを保温しておいたようなもんで、プレートのそれぞれの窪みにかけられたプラスチックの蓋を取ると置き場所にも困るほど狭い。
一方、ファーストクラスと言えば、空港で専用のラウンジが使え、上等のお酒が飲み放題、寿司などもいただける。機長よりも前に位置する客室にはわずか12席しかなく、前後間隔は窓5つ分。水平までシートを倒しても、まだ足先に空間が余る。翼から遠いので、静か。お酒と食事のメニューが別々の冊子で、ワインはソムリエお薦めの銘柄の5~6年寝かせたのが10種ほど飲み放題だが、私には味の違いが分からず、日本酒は長野の「真澄」という蔵元の「夢殿」という銘柄がめっちゃ美味い。食事は陶器のお皿に盛りつけたのが一枚ずつ出てくる。オードブルは山盛りキャビアとフォアグラ、トリュフと世界三大珍味が出揃う。和牛のステーキは焼き加減まで聞いてくる。フライトアテンダントはもてなし上手で、私の左手の薬指の「誓いの薔薇の指輪」を「素敵な指輪ですね」とほめてくれたりする。
こういう殿様気分を一度でも味わってしまうと、もうエコノミーになんかぜ~ったいに乗れんっ、と思うのも無理からぬことで、これをファーストクラス症候群という。身分相応ならいいが、不相応な者がうっかり「これが俺のクラスだ」なんて勘違いした日にゃ、大変危険で、以降の社会生活に支障を来たす可能性がある。荒療治には、エコノミークラスが一番。
というわけで、背に腹はかえられぬ。13万マイルを使ってエコノミーを予約。なんだかすご~く損した気分だが、実際には、160万円分得できるはずのところを、たったの20万円分しか得できなかったということなので、140万円分損したと言ってもあんまり同情してもらえないかもしれない。
いやいや、こんな人生でどうもすみません。こんな人生なので、いよいよ天からお迎えが来るという段になったときには「いや~、面白かった~」と言ってオサラバできそうなのは、間違いない。
【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
カメコ。3/4(土)には「ネオロマンスあらもーど 2」に行ってきた。男性声優10人ほどのステージに数千人の乙女たちが集まるイベントである。ゲームキャラに扮する乙女たちを撮ったついでに、私もステージを見てきた。黄色い歓声がすごい。2階席で見ていたのだが、途中、ゲームの勝者に賞品を配りに声優さんたちが客席まで来て……目が合っちゃった。お互いどう反応していいか分からず、目をそらし合う。気まずい瞬間でした。
< http://www.geocities.jp/layerphotos/
>
< http://www.fujikai.it/
>
そのサイトによると、「富士会は公式に登録された非営利団体で、世界各国間での、特にはイタリアと日本との間での文化交流を深めるためにあります。2001年2月3日に創立されたこの富士会は国籍、性別、主義、職業の差別なく、興味を持たれる全ての方々のために開放されています」とある。
その富士会が、来る4月29、30日に、ミラノからほぼ真東へ100kmばかり行ったところにあるBotticinoという町で展示会を開くことになった。いつもは生け花や書道といった、日本の伝統文化を紹介しているのだが、今年は思い切って日本のポップな文化という側面も取り上げようという話になった。そこでYuzuが、それにはうってつけの人がいる、とうまく働きかけて、私の撮った写真を展示してもらえることになったらしい。
来場者は一体何人ぐらいになる見込みなのかと聞いてみると、約100.000人だという。100人? ずいぶん少なくないかい? 小数点以下の0が3つって何? 調べてみると、イタリアでは3桁区切りのカンマ(,)と小数点(.)とを逆に使うのだと分かった。あ、10万人ね。……ってずいぶん多いじゃん!
●経歴を出せと言われても、ない袖は……
主催者は私のウェブサイトに載せている写真を見て、展示に値すると判断してくれたそうである。それはいいのだが、相当な写真家と思われたようで、略歴と写真家としての活動歴を送ってくれと言ってきた。いや困った。
まず略歴だが、
1962年 東京に生まれる
1986年 早稲田大学理工学部数学科を卒業
1988年 同、修士課程を修了
以来、光学と画像処理のエンジニアとして印刷会社に勤務
こんな具合。まるで赤の他人のを見るようである。およそクリエイターらしくなく、なんだか硬い人みたいではないか。誰かのを借りてきて詐称したいくらいである。
次に活動歴だが、至って簡潔、「なし」である。あ゛ー。個展を開いたこともなければ、コンテストに入選したこともない。ボツ歴ならあるけれど。「百万人の写真ライフ」という初心者向けの雑誌に投稿したけど落ちたし、鎌倉にある長谷寺の主催する境内写真コンテストにも何点か応募したけど、かすりもしなかった。原宿で撮ったコスプレ写真を「アニメージュ」という雑誌に載せてもらったことはあるけれど、それは駅前の英会話学校に「留学」してたときに、徳間書店の編集の人がたまたま来ていて知り合ったからだし。そんなの、経歴どころか、人に言うのも恥ずかしい。
ない袖は振れないので「なし」と書いたが、まあ今さらそれで話を白紙撤回、ってなことにならなかったのは幸いである。
●2.5次元の美少女たち
写真の展示全体にタイトルをつけるよう言われ、「2.5次元の少女たち」にした。もとより漫画やアニメが2次元の世界で、そのキャラを3次元に引っ張り出したところにコスプレやメイド喫茶などがあり、よく「2.5次元産業」のように称される。そのコスプレイヤーを写真に撮ることで再び2次元に落とし込むが、それを紙焼きしたものは3次元の物体で、それが地球を1/4周して、遠くイタリアの地に展示される。そんな次元間の往ったり来たりに妙味があるのではないかと、このタイトルに。
●写真を準備
展示枠は、40cm×30cm以内の写真を10~15枚という指定だったので、比較的最近撮った中から14枚選び出した。コスプレイベントはイタリアでもよく開催されるようなので、ここは日本のアドバンテージを強調すべく、殺風景なイベント会場で撮ったものはなるべく避け、春夏秋冬それぞれの季節感がよく現れているもの、例えば自然豊かなポティロンの森や江戸の町を再現したワープステーション江戸でのイベントで撮ったもの、あるいは日本庭園で個人撮影したものを重点的に選び出した。
プリントは、ワイド四つ切(36.8cm×25.4cm)に焼いてもらうことにした。似たようなサイズに四つ切(30.5cm×25.4cm)があるが、アスペクト比を考えると、35mmフィルムひとコマ(36mm×24mm)の1.5に対して、ワイド四つ切が1.45、四つ切が1.2と、ワイド四つ切の方が近いため、トリミングしやすい。
私はキヤノンのEOS 5という一眼レフで撮っている。フィルムは富士フイルムのベルビア100Fとアスティア100Fを使うことが多い。ポジフィルムから四つ切ワイドにプリント注文するとき、色味までは指定できないが、トリミング枠と明るさが指定できる。
かなり面倒だが、次のような手順を踏むことにした。ニコンのフィルムスキャナを持っているので、ポジフィルムを自分でスキャンして、画像データに落とし込む。その際、プレスキャンの画面でトリミング枠を指定し、後でプリントしたい領域と合った画像を作る。この画像は見本として使うだけなので、アスペクト比さえ合っていれば、画像サイズはどうでもいいのだが、手ごろなところで、1286×888画素に。また、トーンカーブをいじって、好ましい明るさにしておく。
色空間はsRGBを指定して、JPEG画像でセーブ。これをCD-Rに焼いて、新宿のヨドバシカメラに持っていき、L判サイズでプリント注文。何も指定しないと上下左右がカットされてしまい、トリミング指示としては用をなさなくなるので、「内接」指定する。これだと、画像がどこも欠けない範囲内で最大サイズに引き伸ばしてもらえる。
……はずだったが、内接と外接の意味が取り違えられたようで(画像/プリント枠のどっちがどっちに内接/外接するんだって話)、画像が欠けていた。仕方がないので、「リサイズなし」を指定して焼き直し。これをトリミング領域と明るさの見本として添えて、あらためてポジフィルムからワイド四つ切へのプリントを注文する、という段取りである。
フィルムスキャナを持っているのなら、画像から直接プリントするという手もある。その方が、色についても心ゆくまで調整できるし、フォトショップを使って不要物を消したりもできる。しかし、そのためには300dpiで取り込まなくてはならず、ワイド四つ切なら、4347×3036画素もの画像になる。そんなのを14枚も取り込んで修正なんて、面倒くさすぎて……。
と、こういうところで手を抜くあたり、クリエイターとしてはダメダメなんだけど。まあ、その代わり、デジタル修正一切なしの撮ったまま、という形でご覧いただけることになるわけで。撮る腕の貧弱さが丸出しやんけ~。
●見に行けるもんなら私も
ぜひとも見に行きたい。できればタダで。ここ2~3年、海外出張が多かったおかげで、JALのマイレージが18.6万マイルもたまっている。そのうち12万マイルを使えばファーストクラスでヨーロッパ往復できちゃう。
しかし、一番のハードルは、今ごろになってゴールデンウィークの航空券が取れるかどうかである。マイレージを使って買う航空券は「特典航空券」として別枠になっており、取ろうとしてみると、案の定、空席が全然ない。どこまで遡ればあるかと見ていくと、4/24(月)なら。待て待て、さすがにゴールデンウィークとつなげて丸々2週間も休暇取ったら、休み明けには職場から席が消えてるだろ。
正規運賃の方を調べてみると、往き4/28(金)成田出発、帰り5/2(火)ミラノ出発のエコノミークラスなら取れる。195,000円。これの支払いにマイレージを充てると、13万マイル使わなくてはならない。
うーん、納得ゆかぬ。特典の空席さえあれば12万マイルでファーストクラスなのに、正規だと13万マイル使ってエコノミーとは。エコノミーと言えば、座席の前後間隔は窓1.5個分、食事は1枚のプレートに盛りつけたのを保温しておいたようなもんで、プレートのそれぞれの窪みにかけられたプラスチックの蓋を取ると置き場所にも困るほど狭い。
一方、ファーストクラスと言えば、空港で専用のラウンジが使え、上等のお酒が飲み放題、寿司などもいただける。機長よりも前に位置する客室にはわずか12席しかなく、前後間隔は窓5つ分。水平までシートを倒しても、まだ足先に空間が余る。翼から遠いので、静か。お酒と食事のメニューが別々の冊子で、ワインはソムリエお薦めの銘柄の5~6年寝かせたのが10種ほど飲み放題だが、私には味の違いが分からず、日本酒は長野の「真澄」という蔵元の「夢殿」という銘柄がめっちゃ美味い。食事は陶器のお皿に盛りつけたのが一枚ずつ出てくる。オードブルは山盛りキャビアとフォアグラ、トリュフと世界三大珍味が出揃う。和牛のステーキは焼き加減まで聞いてくる。フライトアテンダントはもてなし上手で、私の左手の薬指の「誓いの薔薇の指輪」を「素敵な指輪ですね」とほめてくれたりする。
こういう殿様気分を一度でも味わってしまうと、もうエコノミーになんかぜ~ったいに乗れんっ、と思うのも無理からぬことで、これをファーストクラス症候群という。身分相応ならいいが、不相応な者がうっかり「これが俺のクラスだ」なんて勘違いした日にゃ、大変危険で、以降の社会生活に支障を来たす可能性がある。荒療治には、エコノミークラスが一番。
というわけで、背に腹はかえられぬ。13万マイルを使ってエコノミーを予約。なんだかすご~く損した気分だが、実際には、160万円分得できるはずのところを、たったの20万円分しか得できなかったということなので、140万円分損したと言ってもあんまり同情してもらえないかもしれない。
いやいや、こんな人生でどうもすみません。こんな人生なので、いよいよ天からお迎えが来るという段になったときには「いや~、面白かった~」と言ってオサラバできそうなのは、間違いない。
【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
カメコ。3/4(土)には「ネオロマンスあらもーど 2」に行ってきた。男性声優10人ほどのステージに数千人の乙女たちが集まるイベントである。ゲームキャラに扮する乙女たちを撮ったついでに、私もステージを見てきた。黄色い歓声がすごい。2階席で見ていたのだが、途中、ゲームの勝者に賞品を配りに声優さんたちが客席まで来て……目が合っちゃった。お互いどう反応していいか分からず、目をそらし合う。気まずい瞬間でした。
< http://www.geocities.jp/layerphotos/
>