<17万の飛行機代、自腹で17万も飛行機代、わざわざ17万の飛行機代>
■デジアナ逆十字固め…[15]
蛇腹一号大失敗
上原ゼンジ
■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[115]
子育てSOHOオヤジinフロリダ
茂田カツノリ
■イベント案内
夏のワークショップ「Creative Children Project」
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ロフトワークは最新のMacで絵を描く、小学生向け夏のワークショップを開催。
講師はロフトワークドットコムの登録クリエイター。自由研究にオススメです♪
【開催日:8月29日・30日、場所:アップルストア銀座、対象:小学4〜6年生】
□お申し込み >> → http://www.loftwork.jp/ccp/
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■デジアナ逆十字固め…[15]
蛇腹一号大失敗
上原ゼンジ
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■デジアナ逆十字固め…[15]
蛇腹一号大失敗
上原ゼンジ
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日本一のトイレンズを探し求めて旅に出た私だったが、ついレンズベビーの間抜けなフォルムに魅せられ浮気してしまった。しかし、実際に撮影してみると「トイ」とは言ってもけっこうまともに写った。というのは本当のオモチャレンズではなく、ちゃんとした光学レンズを使っていたからだ。
掃除機のホースのような鏡筒を曲げて撮影すれば、ピントのおかしな写真になるし、単玉独特の軟焦点の味わいもある。ただ、レンズ自体は色収差を抑えた設計になっているので、筋の良さが感じられる。これはこれで、かなり気に入ったのだが、破綻のなさが、少し不満。
トイレンズを名乗るのであれば、もう少し破綻した、ヤサグレ感のようなものが欲しい。ここはひとつ破綻したレンズを自分で探し出すしかないだろう。そして私は再び、はてしない冒険の旅に出たのだった。
旅の第一の目的地である百円ショップで、今まで見たことのなかったレンズを発見した。「子ども実験シリーズ 望遠鏡を作ってみよう!」という手作りのキットだ。これに凸レンズが3枚と凹レンズが2枚付属している。百円ショップだから、もちろん百円だ。ビバ百円ショップ! 幸せはいつも百円ショップで待っていてくれる。随分と短い旅であった。
しかし、こうやって買い求めたレンズがすでに家には沢山溜まっている。結局今までまともに使ったのは、一番最初に買った百円の双眼鏡からとったレンズだけなので、私の宝箱というかガラクタ箱の中には、安い虫眼鏡やら、ルーペやらが、ごちゃごちゃと詰まっている。こいつらを一度整理してみたほうがいいだろう。
●蛇腹レンズを作る
私の次なる野望としては広角系のレンズを作ること。先に作ったフニャフニャシフトレンズは35mm換算で150mmぐらいなので、ちょっとスナップには向かない。単玉では広角というのは無理にしても、もう少し画角を広げたいところだ。
画角を広げるというのは、焦点距離を短くするということ。しかし、レンズからCCDの距離を短くするためには限界がある。カメラボディの中にまでレンズを入れてCCDに近寄らせれば、ミラーがアップした時にぶつかってしまう。素人が工作するとしたら、ボディの中までレンズを入れず、せいぜいマウントの辺りで留めておいたほうがいいだろう。
私が使っているニコンカメラの場合は、マウントから撮像素子までの距離であるフランジバックが46.5mmとのことなので、単玉で遊ぶのであれば、この辺りが基準になってくる。まあ、ちょうどいい焦点距離のレンズがあるかどうかが問題なのだが……。
天気のいい日に買い求めたレンズを外に出して、それぞれの焦点距離を測ってみることにした。まず、フニャフニャシフトレンズを陽にかざし、紙の上にピントを合わせてみる。レンズと紙との間を物差しで測ると、100mmぐらいだった。実験に使っているニコンのD200は撮像素子のサイズがAPS-Cなので、35mmフルサイズの1.5倍換算となる。つまり35mmで言えば150mm程度になるということで、実際に撮った感じとも合う。
他のレンズも色々測ってみたが、「子ども実験シリーズ」のレンズの場合は、ピントが合ったのが40mmぐらいだった。つまりフニャフニャシフトレンズと比べれば、大分画角を広げることはできる。しかし、バックフォーカス(レンズから撮像素子までの距離)のことを考えると、けっこうギリギリという感じだ。
実際に「子どもレンズ」をレンズを外したカメラのボディにかざしてみると、ちょうどマウントの辺りでピントが合った。つまりこのレンズを使う場合には、マウントの辺りにレンズがくるように工作をしなければいけないということだ。
まあ、他に適当なレンズもなかったので、今回は「子どもレンズ」を使って工作をすることにする。各界から嘲笑を浴びた生ゴム製のフニャフニャの鏡筒は封印し、紙製の蛇腹を作ってみる。
蛇腹の折り方というのはネットでいくつか検索できた。ラッパのように口径が少しずつ広がるように工作するのは、ちょっと複雑だが、同じ太さで良ければ、仕組みは割と単純だ。Illustratorで作図をし、インクジェットプリンタを使って黒い色上質紙に印刷。山折り、谷折りを繰り返すことにより、うまく工作することができた。
正面のレンズを取り付ける面はバルサ材を使うことにした。カッターで工作が出来るので、レンズ用の丸い穴を開けるのも簡単。一応ヤスリがけをし、焦げ茶のニスを塗って仕上げた。古い木製の暗箱のイメージだ。
カメラボディへはボディキャップを使って取り付けることにした。蛇腹と穴を開けたボディキャップを接着し、カメラへはボディキャップを使ってはめ込む。接着は何でも強力にくっつけてしまう接着剤と黒いパーマセルテープを使った。
今度はフニャフニャシフトレンズとは全く違う、レトロで素敵な蛇腹レンズが出来上がった。これならトイカメ娘どもも「カワイイー!」と言うこと間違いなし。しかし、カメラに取り付けようとして、このレンズに大きな欠陥があることが発覚した。
一眼レフカメラにレンズを取り付ける際には、マウントをボディに突っ込み、30度ぐらい回転させて固定するわけだが、その回転ができない。普通のレンズは円形、しかし私が作った蛇腹レンズは四角。角の所が引っかかってしまって回転することが出来ないのだ。
このままでは固定できないから簡単に外れてしまう。ボディに強力接着剤で留めてしまうなんてことは出来ない。テープで仮止めしても隙間から埃が入ってCCDにたっぷり付きそうだ。これじゃあ使えないよ。せっかくニスまで塗ったのに……
ふと戦艦大和が思い浮かんだが、そんなたいそうなもんではないか。ただ、使えないとはいうものの、ぶっ潰してしまうのも忍びない。名誉レンズとして殿堂入りして貰うことにしよう。 (旅はまだ続く)
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
「すぐにわかる! 使える!! カラーマネージメントの本〜仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアル」(毎日コミュニケーションズ)が発売中。
< http://book.mycom.co.jp/book/4-8399-1937-2/4-8399-1937-2.shtml
>
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■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[115]
子育てSOHOオヤジinフロリダ
茂田カツノリ
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いや〜、デジクリ夏休みも明けましたが、私はといえば毎年恒例のFileMaker Developer Conferenceでフロリダ州オーランドに来てるのだ。
この原稿も、フロリダに向かうノースウエストの機内で書き始め、宿泊しているJW Marriottのお部屋でまとめ、1日$12.95もするインターネット接続を使って送っているのだ。
と書き始めて、いきなり話がそれるわけだが、Orlandoは「オランドー」って表記のほうが、たぶん正しい。Wikipediaにもそう書いてるひとがいた。
・Wikipediaの解説
< http://ja.wikipedia.org/wiki/オーランド
>
ちなみに昨年行った「フェニックス」も、実際は「フィーニックス」だ。日本語表記で若干のブレがあるのはしょうがないけど、にしても明らかに間違ったカタカナ当ててるのはちと困るなあ。
そいえば、メルセデスのチューニングで有名な「AMG」も、ドイツ語なら「アーエムゲー」なのに、どっかの誰かが勝手に「アーマーゲー」と呼んじゃって定着しちゃってる。こういうのって、メディア側が間違えたまま使っちゃうのが問題なんで……ああ全然話それまくり。
●DevConの意義は大きくて
今回のDevCon、開催期間が8/14〜16という、もうモロにお盆時期。おかげで飛行機代が137,000円もしやがって、さらに燃料サーチャージ・成田利用上納金・アメリカ入場料を足すと173,800円である。
おまけに、出発直前にイギリスでの飛行機爆破未遂事件があったため、機内に液体物が持ち込めないという事態に。ヘアワックスや歯磨きのようなジェル状のものもダメ、ボールペンやウェットティッシュもダメ。機内のトイレでは、なぜか洗面の栓が閉じられないようになっていたが、ここで薬品混ぜて爆発物作ったりできないように、ということなのだろうか。
そして、子供の夏休み中に不在になるのも、僕としてはさみしい。でもね、そういうことを全部ひっくるめても、FileMaker使いにとってDevConに行く意義というのは大きいのだ。
日本ではFileMakerというソフトについての情報は、まだまだ足りない。特に日本ではプロとしてやっている人が決して多くないため、そのレベルで求められる情報が特に不足状態。
FileMakerの書籍を執筆する僕としては、みんなを代表してなんとか情報を集め、それを発表してゆかねばなどと考えたりしてるから、わざわざ12万の参加費と17万の飛行機代をかけてでもフロリダまで行こうって思うのだった。
FileMakerという同じ道を歩む世界中のひとたちが集結することだけでも、目に見えないパワーをもらっている気がする。そういう空気を浴びるという点だけでも、17万の飛行機代かける意味があるというものだ。
そして、こうした動きをしたおかげでアメリカの開発者・書籍執筆者・エバンジェリストたちとの交流も持て、米国FileMaker Inc.のドミニク社長とも「ドミちゃん」「シゲちゃん」の仲になったし(ウソ)、この一年だけでもFMPtrainingの「Stairway to Seven」日本開催、オライリーの「FileMaker 8:The Missing Manual」翻訳(9月に出るよっ)、そしてもうひとつの書籍翻訳へと結びついたわけだから、17万の飛行機代かけた価値もあるというものだ。
もちろん、このために1週間の時間を確保するというのもそれなりに大変なのだが、今年は有限会社レクレアルに優秀なスタッフが入ってくれているおかげで(いやマジ優秀なんすよ、自慢したくなるくらい)、例年になく軽い気持ちで太平洋を渡ることができている。うん、良い傾向だな。
でも、家族と数日間離れるというのは、結構重たい気分なのは事実。2年前にDevCon行ったときは、娘が生まれてから初めての海外渡航だったのだが、家を出て30分、新宿で成田エクスプレスに乗り込んだとき、すでにホームシックにかかってしまっていた。
だからホントは一家揃って行きたかったのだが、ま、赤ん坊もいるし、遊びは遊びで別の機会にしようっと。
なお、FileMaker 8.5自体の紹介は、アスキー刊「MacPeople」8/29発売号でレビューを書いているので、こちらをぜひ見てみてほしい。あ、そこのひとっ、立ち読みはダメよ、ちゃんと買ってね。情報はタダじゃないのよ〜。ちょっとした記事にも、それを収集するために自腹で17万も飛行機代払っているひとがいるんだから、買ってくださいお願いします。
●DevConで再認識した8.5の価値
今年のオープニングセッションは技術的なネタが多くて、みんな大満足。わざわざ17万の飛行機代払ったひとにしか聞けない話も、すごくたくさんあった。
セッションの内容は、8.5で付与されたWebビューア・オブジェクトへの名前付与などの機能を活かしたり、FileMaker+PHPの連携にからむものが多い。なるほど、1カ月前に8.5英語版を正式リリースしたのは、このあたりの知識を前提とした上でさらに前進するためにも意義があったのか、と気づく。
Webビューアについては、単にWebページが表示できるんだという範囲を軽く超えて、FileMakerで扱える情報形態が広がり、情報更新の手段も広がったことで、想像を超える変革を生み出しそうだ。だからみんなも、活用法についていろいろと考えてみてほしい。
オブジェクトに名前を付与できるようになった点も、僕の想像を超えた変革をもたらしつつある。スクリプトでの値設定などの操作を、フィールド名ではなくオブジェクト名で行なうことで、データベースの構造に手を加えずにレイアウト変更だけで改造ができるようになった、というとらえ方があることを、今回学んだ。
フィールド定義やスクリプト内容をいじらなくても改造できるため、より柔軟性を増した構造にできるというわけだ。この点は、まだまだ僕の想像する範囲を超えた展開がある予感がするのだった。
というわけで、このあたりの具体的なポイントは、今度追ってご紹介する。わざわざ17万も飛行機代払って行ったんだから、そこで得た情報はちゃんと共有せねばである。
●もうひとつの大ニュース
そして今回のDevConでの大ニュースがある。FileMaker関連のセミナー・イベント・書籍などを僕と一緒に手がける仲間である竹内康二さんが、今回「FileMaker Excellence Award」というものを受賞したのだ。1,000人くらい集まった会場でいきなり名前を呼ばれ前に出されたご本人は、しばらく放心状態になってた。
いや〜めでたい。
●書籍「FileMaker大全」
『FileMaker Pro 大全〜FileMaker Pro 8: THE MISSING MANUAL』
ラトルズより9月上旬発売予定・予価3,990円(税込)
あのオライリー社初のFileMaker本「FileMaker 8:The Missing Manual」の翻訳権を、ラトルズ&sevensdoorが獲得し、「FileMaker大全」としてついに9月発行! FileMaker 8.5の新機能についても、本邦初の詳細な解説を追補にてご紹介。
この本、教科書っぽい作りになってて、データベース構築の勘所を実にすっきりと解説している。初心者から上級者まで、およそFileMakerを使っている人なら絶対に読んでほしい。あ、8/26の下記イベントにギリギリ間に合うかも。
●イベント『FileMaker Fun Night! AppleStore銀座』
8月26日(土)18:00〜19:30
< http://www.sevensdoor.com/event.html
>
< http://www.apple.com/jp/retail/ginza/week/20060820.html
>
「夏休みデベコン報告Special!」
フロリダで開催のFileMaker Developer Conferenceに参加したsevensdoorメンバーが、帰国直後のレポートを致します。Tipsコーナー、デベコン土産プレゼントなども盛り沢山! わざわざ17万の飛行機代かけて収集してきた情報をタダでご披露しちゃうんだから、絶対に来てね〜。
【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
Webコンサルタント/プランナー & FileMakerデータベースデザイナー。
元来旅好きだから、外国に行くことは冒険心をくすぐって面白いのだけど、それよか家族と離れてるさみしさのほうが強かったりする41歳3児の父。来年こそは一家総出で来るぞ〜。
[有限会社アモニータ(Web制作/プランニング/出版プロデュース)]
< http://www.amonita.com/
>
[有限会社レクレアル(FileMakerソリューション開発)]
< http://www.recrear.jp/
>
[Max_blog —“インターネット拾いモノ”でも執筆中]
< http://www.maxwald.co.jp/
>
[mixi —“永吉克之Fan☆Club”コミュニティ]
< http://mixi.jp/view_community.pl?id=94983
>
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■イベント案内
夏のワークショップ「Creative Children Project」
< http://www.loftwork.jp/ccp/
>
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活躍中のクリエイターと未来のクリエイターである子供をつなぐ「Creative Children Project」。作ることの面白さをプロから子供たちに伝え、またプロも子供の豊かな発想に触れることで多くの刺激があるはず。9月には発表会も。
8月29日(火)10:30〜
・ブログで日記をつけよう
・パソコンでキャラクターを描いてみよう!
・クリエイティブ書道〜文字をパソコンで加工してみよう
8月30日(水)10:30〜
・パソコンでメッセージカードを作ろう
・プロのツールでイラストを描こう・夏の思い出の絵を描こう
9月3日(日)15:00〜
・作品発表会
参加費:無料
お土産:Creative Children ProjectのTシャツ、作品
会場:アップルストア銀座(東京都中央区銀座3-5-12 サヱグサビル本館03-5159-8200)
主催:ロフトワーク
申し込み:サイトから
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■編集後記(8/17)
・「アマゾン・ドットコムの光と影」(横田増生著、情報センター出版局、20 05)を読んだ。なぜ24時間以内に発送できるのか、なぜ1500円以上を無料にできるのか、なぜアマゾンは伸びているのか、答えはすべて物流センターに隠されていた、と表紙カバーの折り返しにある。筆者は、アマゾンの謎を解明するため2003年11月から2004年3月まで、千葉にあるアマゾンの物流センターに作業員として潜入した。その労働実態のレポートと、アマゾンに関する調査の結果をまとめた本である。結果として、秘密主義が徹底しているというアマゾンの、本当の姿に迫り切ってはいない。いい線まで追いつめているとは思うが、まだわからないことも多い。やはり、この本の読み所は、階層化された労働現場で働くアルバイトの実態だ。空虚な職場で、仕事にたいして夢も希望も誇りもない、時給900円の働きアリたち(のちに850円で集められたアルバイトもいる)。アマゾンは、アルバイトが一瞬も気を抜かぬよう、ノルマとコンピュータの監視でがんじがらめにしている。そして二か月ごとの契約更新。使い捨て人材のみごとな、恐るべき活用法だ。読んでいて寒気がしてくる。自宅のコンピュータから、アマゾンの安くて迅速なサービスを享受できる人がいる。一方、センターをはいずり回るように本をピックアップする人がいる。サービスを可能にするために労働力を提供している人たちだ。両者は、ある意味別の階層に属している。まさしく「希望格差社会」がここにある。日本の職場は、今後「アマゾン化」が進むことは明白だという。ますますいやな世の中になるなあ。「再チャレンジ」支援? そんな対症療法、効果は疑問だね。(柴田)
・正論をいえば、どつぼにはまる打ち合わせ。今までの知識が邪魔をし、黙っていりゃいいのに、正論を言い続けてしまう。立場上、口をはさむのは越権行為だし、同席者の中には、そこまで考えることないんじゃないかという表情があったりするのだが、口が止まらない。「俺的には問題ないと思う。」と言われても、「そうですね、ま、いっか。」とは言えず、空気読めているくせに、「ブラウザだと左上が一番重要で、その文字方向だと目が泳ぐのでダメです。」「リンクさせないのに、リンクを期待させるような場所を作ったらダメです。」「同じマークを場所によって違う機能を持たせるのはまずいです。」「検索エンジンから飛んできた人は、どうやってトップに行くんです? 行けないってことは商売の機会を失うのと同じで……。」「ターゲットが……。」「今は以前と違って……。」自分でも口うるさい頑固者とは思われたくないのよ〜。無難にしたいわけじゃないのよ。TVのリモコンだって何の飾りもなく、小さなボタンが整然と並ぶ方が美しく見えるけれど、どこを押せば機能するかがわからなかったり、ボタンが押しにくかったら、美しいとは思えなくなっていくし使われなくなってしまう。それなら大きなボタンにし、日本語ででかでかと用途を書いた方が親切。オブジェなら親切云々は無視してかっこいいものでいいのだが。最近は特に、いままで詰め込んできた知識や経験が、やっと整理して引き出せるようになってきたような感じで、やっかい。ヘレン・ケラーの「ウォーター」な時期とでもいえばおわかりいただけるでしょうか。いやまぁそれでもネット業界。知らないことが次から次へ出てきて、整理できないまま放り込んでいる知識も日々増えるんですが。(hammer.mule)
蛇腹一号大失敗
上原ゼンジ
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日本一のトイレンズを探し求めて旅に出た私だったが、ついレンズベビーの間抜けなフォルムに魅せられ浮気してしまった。しかし、実際に撮影してみると「トイ」とは言ってもけっこうまともに写った。というのは本当のオモチャレンズではなく、ちゃんとした光学レンズを使っていたからだ。
掃除機のホースのような鏡筒を曲げて撮影すれば、ピントのおかしな写真になるし、単玉独特の軟焦点の味わいもある。ただ、レンズ自体は色収差を抑えた設計になっているので、筋の良さが感じられる。これはこれで、かなり気に入ったのだが、破綻のなさが、少し不満。
トイレンズを名乗るのであれば、もう少し破綻した、ヤサグレ感のようなものが欲しい。ここはひとつ破綻したレンズを自分で探し出すしかないだろう。そして私は再び、はてしない冒険の旅に出たのだった。
旅の第一の目的地である百円ショップで、今まで見たことのなかったレンズを発見した。「子ども実験シリーズ 望遠鏡を作ってみよう!」という手作りのキットだ。これに凸レンズが3枚と凹レンズが2枚付属している。百円ショップだから、もちろん百円だ。ビバ百円ショップ! 幸せはいつも百円ショップで待っていてくれる。随分と短い旅であった。
しかし、こうやって買い求めたレンズがすでに家には沢山溜まっている。結局今までまともに使ったのは、一番最初に買った百円の双眼鏡からとったレンズだけなので、私の宝箱というかガラクタ箱の中には、安い虫眼鏡やら、ルーペやらが、ごちゃごちゃと詰まっている。こいつらを一度整理してみたほうがいいだろう。
●蛇腹レンズを作る
私の次なる野望としては広角系のレンズを作ること。先に作ったフニャフニャシフトレンズは35mm換算で150mmぐらいなので、ちょっとスナップには向かない。単玉では広角というのは無理にしても、もう少し画角を広げたいところだ。
画角を広げるというのは、焦点距離を短くするということ。しかし、レンズからCCDの距離を短くするためには限界がある。カメラボディの中にまでレンズを入れてCCDに近寄らせれば、ミラーがアップした時にぶつかってしまう。素人が工作するとしたら、ボディの中までレンズを入れず、せいぜいマウントの辺りで留めておいたほうがいいだろう。
私が使っているニコンカメラの場合は、マウントから撮像素子までの距離であるフランジバックが46.5mmとのことなので、単玉で遊ぶのであれば、この辺りが基準になってくる。まあ、ちょうどいい焦点距離のレンズがあるかどうかが問題なのだが……。
天気のいい日に買い求めたレンズを外に出して、それぞれの焦点距離を測ってみることにした。まず、フニャフニャシフトレンズを陽にかざし、紙の上にピントを合わせてみる。レンズと紙との間を物差しで測ると、100mmぐらいだった。実験に使っているニコンのD200は撮像素子のサイズがAPS-Cなので、35mmフルサイズの1.5倍換算となる。つまり35mmで言えば150mm程度になるということで、実際に撮った感じとも合う。
他のレンズも色々測ってみたが、「子ども実験シリーズ」のレンズの場合は、ピントが合ったのが40mmぐらいだった。つまりフニャフニャシフトレンズと比べれば、大分画角を広げることはできる。しかし、バックフォーカス(レンズから撮像素子までの距離)のことを考えると、けっこうギリギリという感じだ。
実際に「子どもレンズ」をレンズを外したカメラのボディにかざしてみると、ちょうどマウントの辺りでピントが合った。つまりこのレンズを使う場合には、マウントの辺りにレンズがくるように工作をしなければいけないということだ。
まあ、他に適当なレンズもなかったので、今回は「子どもレンズ」を使って工作をすることにする。各界から嘲笑を浴びた生ゴム製のフニャフニャの鏡筒は封印し、紙製の蛇腹を作ってみる。
蛇腹の折り方というのはネットでいくつか検索できた。ラッパのように口径が少しずつ広がるように工作するのは、ちょっと複雑だが、同じ太さで良ければ、仕組みは割と単純だ。Illustratorで作図をし、インクジェットプリンタを使って黒い色上質紙に印刷。山折り、谷折りを繰り返すことにより、うまく工作することができた。
正面のレンズを取り付ける面はバルサ材を使うことにした。カッターで工作が出来るので、レンズ用の丸い穴を開けるのも簡単。一応ヤスリがけをし、焦げ茶のニスを塗って仕上げた。古い木製の暗箱のイメージだ。
カメラボディへはボディキャップを使って取り付けることにした。蛇腹と穴を開けたボディキャップを接着し、カメラへはボディキャップを使ってはめ込む。接着は何でも強力にくっつけてしまう接着剤と黒いパーマセルテープを使った。
今度はフニャフニャシフトレンズとは全く違う、レトロで素敵な蛇腹レンズが出来上がった。これならトイカメ娘どもも「カワイイー!」と言うこと間違いなし。しかし、カメラに取り付けようとして、このレンズに大きな欠陥があることが発覚した。
一眼レフカメラにレンズを取り付ける際には、マウントをボディに突っ込み、30度ぐらい回転させて固定するわけだが、その回転ができない。普通のレンズは円形、しかし私が作った蛇腹レンズは四角。角の所が引っかかってしまって回転することが出来ないのだ。
このままでは固定できないから簡単に外れてしまう。ボディに強力接着剤で留めてしまうなんてことは出来ない。テープで仮止めしても隙間から埃が入ってCCDにたっぷり付きそうだ。これじゃあ使えないよ。せっかくニスまで塗ったのに……
ふと戦艦大和が思い浮かんだが、そんなたいそうなもんではないか。ただ、使えないとはいうものの、ぶっ潰してしまうのも忍びない。名誉レンズとして殿堂入りして貰うことにしよう。 (旅はまだ続く)
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
「すぐにわかる! 使える!! カラーマネージメントの本〜仕事で役立つ色あわせの理論と実践マニュアル」(毎日コミュニケーションズ)が発売中。
< http://book.mycom.co.jp/book/4-8399-1937-2/4-8399-1937-2.shtml
>
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■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[115]
子育てSOHOオヤジinフロリダ
茂田カツノリ
───────────────────────────────────
いや〜、デジクリ夏休みも明けましたが、私はといえば毎年恒例のFileMaker Developer Conferenceでフロリダ州オーランドに来てるのだ。
この原稿も、フロリダに向かうノースウエストの機内で書き始め、宿泊しているJW Marriottのお部屋でまとめ、1日$12.95もするインターネット接続を使って送っているのだ。
と書き始めて、いきなり話がそれるわけだが、Orlandoは「オランドー」って表記のほうが、たぶん正しい。Wikipediaにもそう書いてるひとがいた。
・Wikipediaの解説
< http://ja.wikipedia.org/wiki/オーランド
>
ちなみに昨年行った「フェニックス」も、実際は「フィーニックス」だ。日本語表記で若干のブレがあるのはしょうがないけど、にしても明らかに間違ったカタカナ当ててるのはちと困るなあ。
そいえば、メルセデスのチューニングで有名な「AMG」も、ドイツ語なら「アーエムゲー」なのに、どっかの誰かが勝手に「アーマーゲー」と呼んじゃって定着しちゃってる。こういうのって、メディア側が間違えたまま使っちゃうのが問題なんで……ああ全然話それまくり。
●DevConの意義は大きくて
今回のDevCon、開催期間が8/14〜16という、もうモロにお盆時期。おかげで飛行機代が137,000円もしやがって、さらに燃料サーチャージ・成田利用上納金・アメリカ入場料を足すと173,800円である。
おまけに、出発直前にイギリスでの飛行機爆破未遂事件があったため、機内に液体物が持ち込めないという事態に。ヘアワックスや歯磨きのようなジェル状のものもダメ、ボールペンやウェットティッシュもダメ。機内のトイレでは、なぜか洗面の栓が閉じられないようになっていたが、ここで薬品混ぜて爆発物作ったりできないように、ということなのだろうか。
そして、子供の夏休み中に不在になるのも、僕としてはさみしい。でもね、そういうことを全部ひっくるめても、FileMaker使いにとってDevConに行く意義というのは大きいのだ。
日本ではFileMakerというソフトについての情報は、まだまだ足りない。特に日本ではプロとしてやっている人が決して多くないため、そのレベルで求められる情報が特に不足状態。
FileMakerの書籍を執筆する僕としては、みんなを代表してなんとか情報を集め、それを発表してゆかねばなどと考えたりしてるから、わざわざ12万の参加費と17万の飛行機代をかけてでもフロリダまで行こうって思うのだった。
FileMakerという同じ道を歩む世界中のひとたちが集結することだけでも、目に見えないパワーをもらっている気がする。そういう空気を浴びるという点だけでも、17万の飛行機代かける意味があるというものだ。
そして、こうした動きをしたおかげでアメリカの開発者・書籍執筆者・エバンジェリストたちとの交流も持て、米国FileMaker Inc.のドミニク社長とも「ドミちゃん」「シゲちゃん」の仲になったし(ウソ)、この一年だけでもFMPtrainingの「Stairway to Seven」日本開催、オライリーの「FileMaker 8:The Missing Manual」翻訳(9月に出るよっ)、そしてもうひとつの書籍翻訳へと結びついたわけだから、17万の飛行機代かけた価値もあるというものだ。
もちろん、このために1週間の時間を確保するというのもそれなりに大変なのだが、今年は有限会社レクレアルに優秀なスタッフが入ってくれているおかげで(いやマジ優秀なんすよ、自慢したくなるくらい)、例年になく軽い気持ちで太平洋を渡ることができている。うん、良い傾向だな。
でも、家族と数日間離れるというのは、結構重たい気分なのは事実。2年前にDevCon行ったときは、娘が生まれてから初めての海外渡航だったのだが、家を出て30分、新宿で成田エクスプレスに乗り込んだとき、すでにホームシックにかかってしまっていた。
だからホントは一家揃って行きたかったのだが、ま、赤ん坊もいるし、遊びは遊びで別の機会にしようっと。
なお、FileMaker 8.5自体の紹介は、アスキー刊「MacPeople」8/29発売号でレビューを書いているので、こちらをぜひ見てみてほしい。あ、そこのひとっ、立ち読みはダメよ、ちゃんと買ってね。情報はタダじゃないのよ〜。ちょっとした記事にも、それを収集するために自腹で17万も飛行機代払っているひとがいるんだから、買ってくださいお願いします。
●DevConで再認識した8.5の価値
今年のオープニングセッションは技術的なネタが多くて、みんな大満足。わざわざ17万の飛行機代払ったひとにしか聞けない話も、すごくたくさんあった。
セッションの内容は、8.5で付与されたWebビューア・オブジェクトへの名前付与などの機能を活かしたり、FileMaker+PHPの連携にからむものが多い。なるほど、1カ月前に8.5英語版を正式リリースしたのは、このあたりの知識を前提とした上でさらに前進するためにも意義があったのか、と気づく。
Webビューアについては、単にWebページが表示できるんだという範囲を軽く超えて、FileMakerで扱える情報形態が広がり、情報更新の手段も広がったことで、想像を超える変革を生み出しそうだ。だからみんなも、活用法についていろいろと考えてみてほしい。
オブジェクトに名前を付与できるようになった点も、僕の想像を超えた変革をもたらしつつある。スクリプトでの値設定などの操作を、フィールド名ではなくオブジェクト名で行なうことで、データベースの構造に手を加えずにレイアウト変更だけで改造ができるようになった、というとらえ方があることを、今回学んだ。
フィールド定義やスクリプト内容をいじらなくても改造できるため、より柔軟性を増した構造にできるというわけだ。この点は、まだまだ僕の想像する範囲を超えた展開がある予感がするのだった。
というわけで、このあたりの具体的なポイントは、今度追ってご紹介する。わざわざ17万も飛行機代払って行ったんだから、そこで得た情報はちゃんと共有せねばである。
●もうひとつの大ニュース
そして今回のDevConでの大ニュースがある。FileMaker関連のセミナー・イベント・書籍などを僕と一緒に手がける仲間である竹内康二さんが、今回「FileMaker Excellence Award」というものを受賞したのだ。1,000人くらい集まった会場でいきなり名前を呼ばれ前に出されたご本人は、しばらく放心状態になってた。
いや〜めでたい。
●書籍「FileMaker大全」
『FileMaker Pro 大全〜FileMaker Pro 8: THE MISSING MANUAL』
ラトルズより9月上旬発売予定・予価3,990円(税込)
あのオライリー社初のFileMaker本「FileMaker 8:The Missing Manual」の翻訳権を、ラトルズ&sevensdoorが獲得し、「FileMaker大全」としてついに9月発行! FileMaker 8.5の新機能についても、本邦初の詳細な解説を追補にてご紹介。
この本、教科書っぽい作りになってて、データベース構築の勘所を実にすっきりと解説している。初心者から上級者まで、およそFileMakerを使っている人なら絶対に読んでほしい。あ、8/26の下記イベントにギリギリ間に合うかも。
●イベント『FileMaker Fun Night! AppleStore銀座』
8月26日(土)18:00〜19:30
< http://www.sevensdoor.com/event.html
>
< http://www.apple.com/jp/retail/ginza/week/20060820.html
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「夏休みデベコン報告Special!」
フロリダで開催のFileMaker Developer Conferenceに参加したsevensdoorメンバーが、帰国直後のレポートを致します。Tipsコーナー、デベコン土産プレゼントなども盛り沢山! わざわざ17万の飛行機代かけて収集してきた情報をタダでご披露しちゃうんだから、絶対に来てね〜。
【しげた・かつのり】shigeta@amonita.com
Webコンサルタント/プランナー & FileMakerデータベースデザイナー。
元来旅好きだから、外国に行くことは冒険心をくすぐって面白いのだけど、それよか家族と離れてるさみしさのほうが強かったりする41歳3児の父。来年こそは一家総出で来るぞ〜。
[有限会社アモニータ(Web制作/プランニング/出版プロデュース)]
< http://www.amonita.com/
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[有限会社レクレアル(FileMakerソリューション開発)]
< http://www.recrear.jp/
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[Max_blog —“インターネット拾いモノ”でも執筆中]
< http://www.maxwald.co.jp/
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[mixi —“永吉克之Fan☆Club”コミュニティ]
< http://mixi.jp/view_community.pl?id=94983
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■イベント案内
夏のワークショップ「Creative Children Project」
< http://www.loftwork.jp/ccp/
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活躍中のクリエイターと未来のクリエイターである子供をつなぐ「Creative Children Project」。作ることの面白さをプロから子供たちに伝え、またプロも子供の豊かな発想に触れることで多くの刺激があるはず。9月には発表会も。
8月29日(火)10:30〜
・ブログで日記をつけよう
・パソコンでキャラクターを描いてみよう!
・クリエイティブ書道〜文字をパソコンで加工してみよう
8月30日(水)10:30〜
・パソコンでメッセージカードを作ろう
・プロのツールでイラストを描こう・夏の思い出の絵を描こう
9月3日(日)15:00〜
・作品発表会
参加費:無料
お土産:Creative Children ProjectのTシャツ、作品
会場:アップルストア銀座(東京都中央区銀座3-5-12 サヱグサビル本館03-5159-8200)
主催:ロフトワーク
申し込み:サイトから
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■編集後記(8/17)
・「アマゾン・ドットコムの光と影」(横田増生著、情報センター出版局、20 05)を読んだ。なぜ24時間以内に発送できるのか、なぜ1500円以上を無料にできるのか、なぜアマゾンは伸びているのか、答えはすべて物流センターに隠されていた、と表紙カバーの折り返しにある。筆者は、アマゾンの謎を解明するため2003年11月から2004年3月まで、千葉にあるアマゾンの物流センターに作業員として潜入した。その労働実態のレポートと、アマゾンに関する調査の結果をまとめた本である。結果として、秘密主義が徹底しているというアマゾンの、本当の姿に迫り切ってはいない。いい線まで追いつめているとは思うが、まだわからないことも多い。やはり、この本の読み所は、階層化された労働現場で働くアルバイトの実態だ。空虚な職場で、仕事にたいして夢も希望も誇りもない、時給900円の働きアリたち(のちに850円で集められたアルバイトもいる)。アマゾンは、アルバイトが一瞬も気を抜かぬよう、ノルマとコンピュータの監視でがんじがらめにしている。そして二か月ごとの契約更新。使い捨て人材のみごとな、恐るべき活用法だ。読んでいて寒気がしてくる。自宅のコンピュータから、アマゾンの安くて迅速なサービスを享受できる人がいる。一方、センターをはいずり回るように本をピックアップする人がいる。サービスを可能にするために労働力を提供している人たちだ。両者は、ある意味別の階層に属している。まさしく「希望格差社会」がここにある。日本の職場は、今後「アマゾン化」が進むことは明白だという。ますますいやな世の中になるなあ。「再チャレンジ」支援? そんな対症療法、効果は疑問だね。(柴田)
・正論をいえば、どつぼにはまる打ち合わせ。今までの知識が邪魔をし、黙っていりゃいいのに、正論を言い続けてしまう。立場上、口をはさむのは越権行為だし、同席者の中には、そこまで考えることないんじゃないかという表情があったりするのだが、口が止まらない。「俺的には問題ないと思う。」と言われても、「そうですね、ま、いっか。」とは言えず、空気読めているくせに、「ブラウザだと左上が一番重要で、その文字方向だと目が泳ぐのでダメです。」「リンクさせないのに、リンクを期待させるような場所を作ったらダメです。」「同じマークを場所によって違う機能を持たせるのはまずいです。」「検索エンジンから飛んできた人は、どうやってトップに行くんです? 行けないってことは商売の機会を失うのと同じで……。」「ターゲットが……。」「今は以前と違って……。」自分でも口うるさい頑固者とは思われたくないのよ〜。無難にしたいわけじゃないのよ。TVのリモコンだって何の飾りもなく、小さなボタンが整然と並ぶ方が美しく見えるけれど、どこを押せば機能するかがわからなかったり、ボタンが押しにくかったら、美しいとは思えなくなっていくし使われなくなってしまう。それなら大きなボタンにし、日本語ででかでかと用途を書いた方が親切。オブジェなら親切云々は無視してかっこいいものでいいのだが。最近は特に、いままで詰め込んできた知識や経験が、やっと整理して引き出せるようになってきたような感じで、やっかい。ヘレン・ケラーの「ウォーター」な時期とでもいえばおわかりいただけるでしょうか。いやまぁそれでもネット業界。知らないことが次から次へ出てきて、整理できないまま放り込んでいる知識も日々増えるんですが。(hammer.mule)