<住むならやはり政令指定都市>
■デジアナ逆十字固め…[47]
ビー玉レンズを作ってみた
上原ゼンジ
■笑わない魚[222]
続・政令指定都市はいいかもしれない
永吉克之
■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[147]
子供のしつけ
茂田カツノリ
■デジアナ逆十字固め…[47]
ビー玉レンズを作ってみた
上原ゼンジ
■笑わない魚[222]
続・政令指定都市はいいかもしれない
永吉克之
■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[147]
子供のしつけ
茂田カツノリ
■デジアナ逆十字固め…[44]
ビー玉レンズを作ってみた
上原ゼンジ
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ガラスコップの底を切り取ってフィルター代わりに使いたい、という話を書いたらお二人の方からメールをいただいた。ガラスの切り方に関してだ。ありがとうございます。しかし、役に立たないボトルカッターを買ってしまったショックで寝込んでしまい、もう何も切りたく症候群に陥ってしまった。
お二人のやり方というのは、灯油を染みこませたタコ糸でカットしたい部分をぐるりと巻き点火する。そして火が消えたら冷水入りのバケツに突っ込む。すると、あーら不思議、糸を巻いていた部分からパリンと割れますよという方法だった。
実はこういうようなやり方があるということは知っていた。昔、ギターのボトルネック奏法というのをやりたいと思ったことがあるからだ。ボトルネック奏法というのは、酒瓶の注ぎ口近辺の細い部分をカットして指にはめ、指で弦を押さえる変わりにボトルネックで押さえながら、スライドさせて音程を変える方法だ。
ブルースギターで主に使われるやり方で、マディ・ウォーターズやライ・クーダー、キース・リチャーズに憧れて、やってみたいと思った。ただ、楽器屋に行けばボトルネック奏法用のガラス管が売っているので、実際に自分で切ったりはしなかったのだが……。
この時、音楽雑誌で見かけた切断方法というのは、
◇和紙を帯状に二枚切り、水に浸す
◇和紙一枚を切りたい部分に巻く
◇少しずらせて隙間を空け、もう一枚を巻く
◇和紙と和紙の間の細い隙間の部分を火で焙る
◇ガラスが熱せられたら、冷水に浸ける
というやり方だ。何で今回この方法をとらなかったのかというと、切りたいガラスというのが、かなり小さなコップで、ちょっと厚手だったこと。失敗して変な風に切れてしまうと嫌なので、確実性を求めた。という理由なのだが、使えないようなボトルカッターを買ってしまったのは大きな誤算だ。
いただいたメールでは板ガラスの切り方もあった。
「窓ガラスなどの薄いガラス板などはガラスを水の中に入れた状態だと普通の鋏で面白いように切れますよ! ザクザクって感じで、お世辞にもキレイに切れるわけじゃないけどちょっと快感です」
というのは、ぜひ試してみたいなあ。板ガラスをザクザク切って何をするのかよく分からないが、何も切りたくない症候群からの脱出のきっかけとしたいものだ。
●ビー玉の中のやわらかな世界
傷心の中私は、ビー玉を使った撮影にチャレンジしてみた。ビー玉を使った撮影というのは、mixiのキッチュレンズ工房コミュでやっていた人がいて、興味を持っていた。とりあえずビー玉を手に持って撮影してみたら面白そうだったので、今回はちゃんと工作して、レンズに取り付けられるようにしてみたい。
まずはコンパクトデジカメで試してみる。ポイントは短い距離でのマクロ撮影ができること。レンズ前のビー玉にピントを合わせられるようなカメラでないとダメだ。ただ、オートではなかなか合わないので、マミュアルフォーカスできるほうがいいだろう。
色々試していたらファインダーでちゃんとピント合わせがしたくなったので、一眼レフで工作することにする。ビー玉は二つある。直径17mmのものと27mmのもの。ビー玉といっても色が付いていたり、模様があるものではなく無色透明なものがいい。小さい方はラムネ瓶から取り出した。大きい方は、陰山英男先生の「光の進み方の完全図解」に付属していたものだ。
50mmレンズにリバースリングを着けて、レンズを逆向きにボディに取り付けてみる。こうすることによって等倍以上の拡大撮影ができるようになる。二つのビー玉を手に持って覗いてみるのだが、いまいちビー玉の大きさと合わないので、60mmマクロ、90mmマクロでも試してみる。結果、90mmマクロで工作することに決定。15mmのビー玉がうまくファインダーいっぱいに収まり、ビー玉を通した画の感じも良さそうだったからだ。
工作開始。まず鏡筒を作るが、大きなビー玉だとちょっと重みがあるので、紙ではなく0.75mmのポリプロピレンシートを利用することにする。レンズに合わせてぐるりと巻き、とりあえずはテープで留めるだけでオーケー。
ビー玉はドーナッツ型に切った円盤二枚で挟みこむことにする。ビー玉の直径よりも少し小さめの穴を開ければいいわけだが、これがけっこう手間取った。サークルカッターで切ったのだが、いつも切っている紙と違ってちょっと切りづらいのと、ちょうどいいサイズにするというのが、けっこう微妙だったからだ。レンズへの取り付けは純正フードにかぶせるだけだ。一応、グラグラしないようにテープで留めて完成。試作品なので、接着はすべてテープだけで処理した。
問題はちょっとデカイということ。90mmマクロに着けた状態でレンズ全体の長さは270mmになる。どう見ても大口径の望遠レンズにしか見えないが、実際は15mmのビー玉がレンズの先っちょについているというところが哀しい。
さらにこのカメラの難点は、上下が逆さまに写ってしまうということだ。私よりも先に実験済みのmaimoさんはカメラを逆さに持つことによって、この問題を解決したそうだ。それはいくら何でも格好悪いから、ミラーでさらに反転させる仕組みにしようかとも思ったが、試作一号はとりあえずシンプルに作ってしまった。
それに、一眼レフの場合はライブビュー機能付きのカメラでないと、逐次液晶画面で被写体を確認することができない。もしもミラーを使ってレンズを上に90度曲げたとしたら、常にゴメンナサイをしながら撮影しなければならない。6×6を上から覗きこむのなら構わないが、一眼レフじゃあ地面を撮っているようにしか見えないだろう。
ということで、テスト撮影の結果はブログの方にアップしておいたのでご覧下さい。すべて逆さまのまま構図を決めたが、そんなにおかしくはない。天地が逆でも撮影できる男として売り出すか?(どこに?)
< http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/
>
描写はなかなか面白い感じになった。周縁部の柔らかさやフレアの具合がけっこう美しい。一応ガラスなので、安プラスチックのような嫌な収差はない。35 mm換算で135mm相当のレンズを使っているので、ビー玉のキズも目立たない。ドアスコープ魚眼の場合は真鍮製の鏡筒が剥きだしなので、レンズ内にメタリックで激しい反射が起こるのだが、それがない分やさしい感じになる。
ということで、ビー玉写真はさらに追求しても良さそうだな。さかさまでの撮影も気に入ってしまった。家に戻ってPCでチェックしてみると、普段は撮らないような写真が写っているのが楽しい。なるべく撮影した自分と切り離して写真のセレクトはしたいと思っているのだが、この方法であれば、かなり客観的に写真を選ぶことも出来るだろう。
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇キッチュレンズ工房
< http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/
>
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■笑わない魚[222]
続・政令指定都市はいいかもしれない
永吉克之
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【注】これは「笑わない魚」[177]の続編ともいえるが、それを読んでもあまり意味がない。なぜなら、この原稿を書き上げてから[177]を読み返して、結局、似たよーなことを書いてしまった、ということに気づいたからだ!
昨年四月に、わが大阪府堺市が政令指定都市になってから一年、人口は急増し、面積も三倍にまで拡張した。人びとは、あらゆる悪徳、憎悪、羨望、貪欲から解放され、豊かさと平和を享受している。過去に罪を犯した者は、寺や修道院で改悛と贖罪の日々を送っている。そして猛獣たちも、もはや狩ることをせず、鹿や兎たちと仲よく水を飲み、草を食む。
日の出の時刻になると、人びとは、いっせいに窓を開け放ち、そして、口ぐちに叫ぶ、おはよう、おはよう、と。その声は生駒山の中腹にぶつかり、こなごなに砕け散って、みぞれのように、奈良県民の上に降りそそぐ。こうして、堺の一日は始まる。
日の入りの時刻になると、人びとは、いっせいに窓を閉じ、そして、口ぐちに叫ぶ、おやすみ、おやすみ、と。その声は部屋中に共鳴し、窓ガラスはこなごなに砕け散って、爆弾片のように、通行人に襲いかかる。こうして、堺の一日は終る…
もし、政令指定都市になっていなければ、堺市民は、こんな喜びに満ちた生活を願う気持すら持てず、陽の光の届かない地の底を這うような絶望の日々を、いまだに送っていたことだろう。
しかし今や多大な権利を得て、堺市民は、かつて織田信長にすら楯突いた時代の誇りと自信をとり戻し、お上にはばかることなく天下国家を語り、いつ誰とでも自由にセックスができるようになった。
政令指定都市はいい。仮に堺市を出るとしても、住むならやはり政令指定都市と決めている。このエロス、いつ果てるとも知れない恍惚、尽きることのない官能の愉悦。アヘンにも似た背徳の快楽。いったん政令指定都市の甘い蜜を味わってしまったものにとっては、もう他の都市は不毛な荒野でしかないのだ。
●
この四月、浜松市と新潟市が、あらたに政令指定都市の仲間入りをした。そこで思うのだが、この二都市を最後に、政令都市の指定は廃止するべきではなかろうか。今回の昇格で政令指定都市の数は17となった。四捨五入すると20である。ピリオドを打つにはキリのいい数字だ。
いや決して、これ以上政令指定都市が増えて、堺市の価値が下がるのを心配しているわけではない。上の両市を、堺市の地位を脅かすものとして、恐れているなどということは断じてない。ましてや水戸市や船橋市など、政令指定都市昇格を虎視たんたんと狙っている都市を、ふん、小生意気な連中だと忌々しく思っていることなどあるはずがない。
もちろん浜松、新潟の両市が格上げになったことは、まことに喜ばしい。浜松市の銘菓「うなぎパイ」、そして新潟市出身の歌手、小林幸子は日本の、いやアジアの二大珍味といっていい。これだけの資源を有する両市が政令指定都市にならずして、いったいどの市がなるというのか。
ところで今年の三月の時点で、日本には「市」が782あるが、そのうちの17もの市がすでに政令指定都市になっている。ということは、46市に1市が政令指定都市ということになるわけだが、これは少し多過ぎはしないだろうか。
スペースの都合で、ここでは詳しく説明することができないが、782という市の数を考えると、政令指定都市は15がもっとも理想的なのである。だから堺市を最後にすべきだったのだ。
まあ、考えてもみていただきたい。近い将来、50も60も政令指定都市が湧いてきて、選ばれた市民であるという特権意識に我を失った愚民どもが、手前勝手な要求を押し通し、道徳は廃れ、治安は悪化し、各地で掠奪や破壊が行われ、動物園のオットセイやフクロネズミやビーバーが逃げ出し、多くの市民がその餌食になるかもしれないであろうことを。
●
ところで日本には、「先輩後輩」の秩序を重んじる美しい伝統がある。あまりに美しすぎて、暴力団や暴走族の中にまで浸透しているほどだ。そこで当然、政令指定都市間においてもその美徳は守られなければならない。でなければ、その都市は、暴力団以下の自治体と呼ばれることになるだろう。
ついこの間まで新入りの政令指定都市市民だった、われわれ堺市民は、わずか一年の差とはいえ、堺市よりも早く政令指定都市になっていた静岡市にも、他の先輩諸都市に対するのと変わりなく、心底より敬意を払ってきた。新幹線で静岡市を通過する間は、ずっと車内で起立している。
同じように、堺市民の後輩である、浜松市民、新潟市民が堺市に足を踏み入れる際には、まず最敬礼をしていただきたい。そして堺市民と話をするときは、相手が大人であろうが、ガキであろうが、野良犬であろうが、金魚の死骸であろうが、敬語を使っていただきたいのである。
ただ、堺市を一歩出て、非政令指定都市に入るときは、そんな気遣いは無用である。新参者とはいえ両市民は、まぎれもない政令指定都市市民なのであるから、それ以外の市民に対して敬語なんかで話してやる必要はない。相手が誰であれ、二人称は「おまえ」だけでいい。声をかけるときは「おい」、出入り口に誰かが立っていて通れないときは「どけ」。この三つくらいで充分である。
ヘタに敬語を使ったり丁寧に接するのは、連中に、自分が政令指定都市市民と対等になったかのような錯覚をもたせるから禁物だ。厳しいようだが、それが結局は彼らのためなのだ。
【ながよしかつゆき/骸骨】katz@mvc.biglobe.ne.jp
九月公開の映画『HERO』にエキストラで出演した。これは2001年に木村拓哉、松たか子主演で放映されたテレビドラマの映画化。設定は東京なのに大阪府庁でロケをしたのは、府庁のような古風な建物が東京にはないというのが理由らしい。私は裁判所職員と報道記者の役(つまり使い回し)で、一応、ちょっとセリフもあるし、演技もしてます。カットされてるかもしれないけど。
・ちょ〜絵文字< http://emoz.jp
>au&Yahoo!ケータイ公式サイト
・無名芸人< http://blog.goo.ne.jp/nagayoshi_katz
>
・EPIGONE < http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ework
>
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■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[147]
子供のしつけ
茂田カツノリ
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うちも上の子が小学生になり、ひとつの段階を超えたという感じで、いままでの子育てがどうだったのかを考えることもある。
「もうちょっとこういう機会を与えてやりたかった」みたいなこともいろいろ思うけど、少なくとも他人に迷惑をかけたり、ひとが嫌がることをしたりということはいまんとこなさそうで、その点はよかったかと思っている。
子育てで一番悩むのは「しつけ」部分。あまり細部について怒りすぎると自分で考えない子になってしまうし、かといって親の存在が圧力となっていないと、子供は増長してしまうし。
●どうやって「厳しさ」を出すか
「しつけ」の話をすると、すぐ「うちは厳しくやっている」みたいな話を始める人がいるのは困ったもの。話をする前から、「ヨソは甘くて自分ちは厳しい」と決めつけているような輩だ。そゆ人はとりあえず放置。
それはそれとして、どうやって子供に対して「厳しさ」を見せるかというのは、工夫のしどころだ。同じことを何度言ってもきかないとき、ほかの子のいやがることをしたときなどは、強い気持ちを持って怒る必要がある。
どうしても言うことをきかないときは、ひっぱたいたりする必要もあるかもしれない。しかし、痛い思いをさせることについての是非は、とても難しいところだ。
子供が、「ぶたれるからやらない」というだけの意識を持ってしまうのは危険。怒られるからやらないということでは、みつからないときに悪さするかもしれない。しっかり考えさせる必要がある。
それともちろん、物事の解決にそういう手段がありうると思わせることにも問題はある。
もしひっぱたくという場合も、気をつけねばならない。ほっぺたは、子供が動いたときに耳に当たると鼓膜に影響ある可能性があるから、できるだけ避けるべきだ。「おしりペンペン」するというのもあるが、これは子供にはあんまし痛くない。僕はやったことないが、拳固で頭の上からゴン、がいいのかもしれない。
僕自身、ひっぱたいたことはある。そこまで厳しく接する必要が生じることはあるのだが、別の方法で厳しさを出せればそのほうがいい。
そこで試してみたのが、追い出し作戦。どうしても言うこときかないときに、ベランダや玄関に追い出すのだ。ベランダは実際には危険なので、追い出すという脅しにしか使わないけれど。
ショッピングモールなどでダダをこねたら、抱え上げて非常口に連れ出す。一度「あ、あそこに言うこときかない子供を捨てるとこがある」と言ったら、息子が真に受けて必死に謝り始めたのは、笑ってしまったが(息子スマン)。
●しつけがされてない子供は怖い
僕自身、他人の子育てにどうこう言えるレベルではないけど、それでもトイザらスなどでは「オイオイ」と思うことがある。
まず、二〜三歳くらいの子供を完全に放置して自分だけ別の店行ってる親がいるのは、さすがに信じられない。子供の行動を単に制限すべきとは思わないけれど、一歩離れた場所からしっかり見張って、悪いことをしたら叱らねばならないのに。
特にひどいのが、三輪車や自転車のコーナー。トイザらスではたいてい、赤い線を引いて「この中で乗ってください」と書いてあるのだが、それを子供に教えないからそれを無視し、三輪車で店じゅうを走り回るような子がいるのだ。
中には、親みずからが赤い線を越えて子供の三輪車を押していたりする。社会にはルールがあり、まずはそれを守ることを子供には教えるべきなのに、こんなんでどうする気だろうか。
トイザらスの店員さんって、ストレスたまるだろうなあ。
「ルールはまず守る」ということを示すために、たとえば四歳になったらちゃんとディズニーランドの入場料を払い、小学生になる4月1日から娘にはしっかり電車賃を払った。
僕が子供の頃は親は平気でごまかしていたが、そんな嘘を子供につかせることは避けるべきだろう。子供の人格を形成する段階なんだから。
買い物は、社会のマナーを教える絶好の機会。小さい子は売り物を勝手に触るが、僕はそのたびに「これはお店のものなんだから触っちゃダメだ」としつこく教え、それなりに効果はあったようだ。
こういう場所から遠ざけず、しつこく教えるというのは、たぶん基本なんだろう。
とかなんとか言っている僕だが、まだ上の子が小学生になったばかり。しつけ関係で本当に悩むのはこれからなんだろうなあ。しっかりできるかなあ、心配だなあ。
【しげた・かつのり】
職業は、一応起業家。Web制作とPC書籍執筆を10年ちょいやってきて、この数年はFileMakerでのデータベース構築にも力を入れている。Web活用などのコンサルティングがおもな仕事で、顧問契約もやってますんでよろしくですっ。
【新刊情報】
『FileMaker関数・スクリプト+α事典』
—米国の著名な開発者集団による詳細解説 Ver.8.5(Mac&Win)対応
723ページ/ラトルズ刊/ISBN978-4899771760/3,360円
< http://www.amazon.co.jp/FileMaker関数・スクリプト%2Bα事典—米国の著
名な開発者集団による詳細解説-Ver-8-5-Mac-Win-対応/dp/4899771762/ >
アメリカのすごく有名な開発集団による著作の翻訳本で、僕が8.5および日本語版の追補と、全体監修をしている。ヘルプだけではわからない関数・スクリプトの実践的な知識のほか、各種カスタム関数・FileMaker Serverコマンド・キーボードショートカットなどを解説。ぜひ手元に置いてほしい一冊だ。
【イベント情報】
- FileMaker Fun Night! -第23回「ポータルについて考えよう」
5月26日(土)16:30〜18:00/AppleStore Ginza 3F
情報を整理して表示するためには欠かせない機能である「ポータル」は、便利だけれど使いこなしにちょっとした知識を要する部分もあります。そんなポータルの基本・留意点・応用事例などをまとめてご紹介します。ぜひ身につけてほしい「ポータルフィルタリング」などのテクニックもご紹介します。なおこの日は、引き続き19時からまつばらあつしさんのイベントもあり、デジクリがAppleStoreを乗っ取る記念日なのです。
【※開始時間が変更されています。ご注意ください】
・有限会社レクレアル
< http://www.recrear.jp/
>
・子育てSOHOオヤジ - The Blog!
< http://amonita.jugem.jp/?eid=34
>
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■編集後記(4/26)
・こどもの頃から新聞記事を切り抜いて保存するのが好きだった。それはいまも続くが、切り出しても放置するばかりで、整理するのは月に一回くらいだ。さいきん最も興味をひかれたのが「『土佐日記』冒頭に新説」という記事だ。有名な「をとこもすなる日記といふものを をむなもしてみむとてするなり」の部分の解釈だ。紀貫之が女性を装って書いた、というのが定説だと教わって来たが、小松英雄・筑波大名誉教授が近著「古典再入門」で「女もしてみよう」ではなく「女文字(ひらがな)で書いてみよう」という意味だったという新説を発表したとある。その解釈の理由は引用しないが、なるほどと思う。「これは単なる言葉遊びでなく、日本人が初めて生み出した表記方法であるひらがなを最大限に活用しようとしたのでしょう」と小松氏。女性を装ったスタイルという従来の説はおもしろいが、男のまま堂々と女文字を使ったという正反対の解釈もおもしろい。ネット上にそんな話題はないかとさぐってみたら、「松岡正剛の千夜千冊」に目の覚めるような論考があった。「土佐日記」では女性の文章に仮託したため、さらに偽装を重ねている。ある女が眺めている「ある人=紀貫之」の道中という設定と、挿入する和歌も自作なのに別の人の引用という偽装の徹底である。日記であって物語である新たな文芸様式は、紀貫之によるこころみから始まる。なぜ「土佐日記」を女装型仮名文で書いたのか、それは紀貫之の「日本語計画」ともいうべきものであった、という驚愕の内容。博覧強記の超頭脳が書いたテキストはやや難解ながら理路整然、すごいなあ。世界に冠たる日本の文学(とくに古典)、ああ日本に生まれて良かった。(柴田)
< http://kasamashoin.jp/2006/12/post_81.html
> 小松英雄さんの本
< http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0512.html
> 松岡正剛の千夜千冊
・プライバシー保護シール。通販会社のDMに入っていた。申込ハガキのクレジットカード記入欄に貼るもの。これによって郵送中にクレジットカード番号が他人の目に触れなくて済むのだ。私は通販をハガキで申し込まず、ネットで申し込む方なので、このようなハガキはすぐに捨てるのだが、なんとはなしにハガキにシールを貼ってみた。貼る時の感触に疑問を持ち、はがしてみたら、きれいにはがれる。跡形もなく。そりゃまぁ受け取った側が見るためには、きれいにはがせないといけないわけだが、こりゃ途中で誰かがはがしてもわからないんじゃ? せめて食品や化粧品に貼られているシールのように、周囲に「OPEN」と一部残るようなものにするとか、いや、たとえOPENと出ていたとしても、お客様に「誰かがあなたのカード番号を盗み見しましたよ」とは連絡してこないよねぇ。ううむ。(hammer.mule)
ビー玉レンズを作ってみた
上原ゼンジ
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ガラスコップの底を切り取ってフィルター代わりに使いたい、という話を書いたらお二人の方からメールをいただいた。ガラスの切り方に関してだ。ありがとうございます。しかし、役に立たないボトルカッターを買ってしまったショックで寝込んでしまい、もう何も切りたく症候群に陥ってしまった。
お二人のやり方というのは、灯油を染みこませたタコ糸でカットしたい部分をぐるりと巻き点火する。そして火が消えたら冷水入りのバケツに突っ込む。すると、あーら不思議、糸を巻いていた部分からパリンと割れますよという方法だった。
実はこういうようなやり方があるということは知っていた。昔、ギターのボトルネック奏法というのをやりたいと思ったことがあるからだ。ボトルネック奏法というのは、酒瓶の注ぎ口近辺の細い部分をカットして指にはめ、指で弦を押さえる変わりにボトルネックで押さえながら、スライドさせて音程を変える方法だ。
ブルースギターで主に使われるやり方で、マディ・ウォーターズやライ・クーダー、キース・リチャーズに憧れて、やってみたいと思った。ただ、楽器屋に行けばボトルネック奏法用のガラス管が売っているので、実際に自分で切ったりはしなかったのだが……。
この時、音楽雑誌で見かけた切断方法というのは、
◇和紙を帯状に二枚切り、水に浸す
◇和紙一枚を切りたい部分に巻く
◇少しずらせて隙間を空け、もう一枚を巻く
◇和紙と和紙の間の細い隙間の部分を火で焙る
◇ガラスが熱せられたら、冷水に浸ける
というやり方だ。何で今回この方法をとらなかったのかというと、切りたいガラスというのが、かなり小さなコップで、ちょっと厚手だったこと。失敗して変な風に切れてしまうと嫌なので、確実性を求めた。という理由なのだが、使えないようなボトルカッターを買ってしまったのは大きな誤算だ。
いただいたメールでは板ガラスの切り方もあった。
「窓ガラスなどの薄いガラス板などはガラスを水の中に入れた状態だと普通の鋏で面白いように切れますよ! ザクザクって感じで、お世辞にもキレイに切れるわけじゃないけどちょっと快感です」
というのは、ぜひ試してみたいなあ。板ガラスをザクザク切って何をするのかよく分からないが、何も切りたくない症候群からの脱出のきっかけとしたいものだ。
●ビー玉の中のやわらかな世界
傷心の中私は、ビー玉を使った撮影にチャレンジしてみた。ビー玉を使った撮影というのは、mixiのキッチュレンズ工房コミュでやっていた人がいて、興味を持っていた。とりあえずビー玉を手に持って撮影してみたら面白そうだったので、今回はちゃんと工作して、レンズに取り付けられるようにしてみたい。
まずはコンパクトデジカメで試してみる。ポイントは短い距離でのマクロ撮影ができること。レンズ前のビー玉にピントを合わせられるようなカメラでないとダメだ。ただ、オートではなかなか合わないので、マミュアルフォーカスできるほうがいいだろう。
色々試していたらファインダーでちゃんとピント合わせがしたくなったので、一眼レフで工作することにする。ビー玉は二つある。直径17mmのものと27mmのもの。ビー玉といっても色が付いていたり、模様があるものではなく無色透明なものがいい。小さい方はラムネ瓶から取り出した。大きい方は、陰山英男先生の「光の進み方の完全図解」に付属していたものだ。
50mmレンズにリバースリングを着けて、レンズを逆向きにボディに取り付けてみる。こうすることによって等倍以上の拡大撮影ができるようになる。二つのビー玉を手に持って覗いてみるのだが、いまいちビー玉の大きさと合わないので、60mmマクロ、90mmマクロでも試してみる。結果、90mmマクロで工作することに決定。15mmのビー玉がうまくファインダーいっぱいに収まり、ビー玉を通した画の感じも良さそうだったからだ。
工作開始。まず鏡筒を作るが、大きなビー玉だとちょっと重みがあるので、紙ではなく0.75mmのポリプロピレンシートを利用することにする。レンズに合わせてぐるりと巻き、とりあえずはテープで留めるだけでオーケー。
ビー玉はドーナッツ型に切った円盤二枚で挟みこむことにする。ビー玉の直径よりも少し小さめの穴を開ければいいわけだが、これがけっこう手間取った。サークルカッターで切ったのだが、いつも切っている紙と違ってちょっと切りづらいのと、ちょうどいいサイズにするというのが、けっこう微妙だったからだ。レンズへの取り付けは純正フードにかぶせるだけだ。一応、グラグラしないようにテープで留めて完成。試作品なので、接着はすべてテープだけで処理した。
問題はちょっとデカイということ。90mmマクロに着けた状態でレンズ全体の長さは270mmになる。どう見ても大口径の望遠レンズにしか見えないが、実際は15mmのビー玉がレンズの先っちょについているというところが哀しい。
さらにこのカメラの難点は、上下が逆さまに写ってしまうということだ。私よりも先に実験済みのmaimoさんはカメラを逆さに持つことによって、この問題を解決したそうだ。それはいくら何でも格好悪いから、ミラーでさらに反転させる仕組みにしようかとも思ったが、試作一号はとりあえずシンプルに作ってしまった。
それに、一眼レフの場合はライブビュー機能付きのカメラでないと、逐次液晶画面で被写体を確認することができない。もしもミラーを使ってレンズを上に90度曲げたとしたら、常にゴメンナサイをしながら撮影しなければならない。6×6を上から覗きこむのなら構わないが、一眼レフじゃあ地面を撮っているようにしか見えないだろう。
ということで、テスト撮影の結果はブログの方にアップしておいたのでご覧下さい。すべて逆さまのまま構図を決めたが、そんなにおかしくはない。天地が逆でも撮影できる男として売り出すか?(どこに?)
< http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/
>
描写はなかなか面白い感じになった。周縁部の柔らかさやフレアの具合がけっこう美しい。一応ガラスなので、安プラスチックのような嫌な収差はない。35 mm換算で135mm相当のレンズを使っているので、ビー玉のキズも目立たない。ドアスコープ魚眼の場合は真鍮製の鏡筒が剥きだしなので、レンズ内にメタリックで激しい反射が起こるのだが、それがない分やさしい感じになる。
ということで、ビー玉写真はさらに追求しても良さそうだな。さかさまでの撮影も気に入ってしまった。家に戻ってPCでチェックしてみると、普段は撮らないような写真が写っているのが楽しい。なるべく撮影した自分と切り離して写真のセレクトはしたいと思っているのだが、この方法であれば、かなり客観的に写真を選ぶことも出来るだろう。
【うえはらぜんじ】zenstudio@maminka.com
◇キッチュレンズ工房
< http://kitschlens.cocolog-nifty.com/blog/
>
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■笑わない魚[222]
続・政令指定都市はいいかもしれない
永吉克之
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【注】これは「笑わない魚」[177]の続編ともいえるが、それを読んでもあまり意味がない。なぜなら、この原稿を書き上げてから[177]を読み返して、結局、似たよーなことを書いてしまった、ということに気づいたからだ!
昨年四月に、わが大阪府堺市が政令指定都市になってから一年、人口は急増し、面積も三倍にまで拡張した。人びとは、あらゆる悪徳、憎悪、羨望、貪欲から解放され、豊かさと平和を享受している。過去に罪を犯した者は、寺や修道院で改悛と贖罪の日々を送っている。そして猛獣たちも、もはや狩ることをせず、鹿や兎たちと仲よく水を飲み、草を食む。
日の出の時刻になると、人びとは、いっせいに窓を開け放ち、そして、口ぐちに叫ぶ、おはよう、おはよう、と。その声は生駒山の中腹にぶつかり、こなごなに砕け散って、みぞれのように、奈良県民の上に降りそそぐ。こうして、堺の一日は始まる。
日の入りの時刻になると、人びとは、いっせいに窓を閉じ、そして、口ぐちに叫ぶ、おやすみ、おやすみ、と。その声は部屋中に共鳴し、窓ガラスはこなごなに砕け散って、爆弾片のように、通行人に襲いかかる。こうして、堺の一日は終る…
もし、政令指定都市になっていなければ、堺市民は、こんな喜びに満ちた生活を願う気持すら持てず、陽の光の届かない地の底を這うような絶望の日々を、いまだに送っていたことだろう。
しかし今や多大な権利を得て、堺市民は、かつて織田信長にすら楯突いた時代の誇りと自信をとり戻し、お上にはばかることなく天下国家を語り、いつ誰とでも自由にセックスができるようになった。
政令指定都市はいい。仮に堺市を出るとしても、住むならやはり政令指定都市と決めている。このエロス、いつ果てるとも知れない恍惚、尽きることのない官能の愉悦。アヘンにも似た背徳の快楽。いったん政令指定都市の甘い蜜を味わってしまったものにとっては、もう他の都市は不毛な荒野でしかないのだ。
●
この四月、浜松市と新潟市が、あらたに政令指定都市の仲間入りをした。そこで思うのだが、この二都市を最後に、政令都市の指定は廃止するべきではなかろうか。今回の昇格で政令指定都市の数は17となった。四捨五入すると20である。ピリオドを打つにはキリのいい数字だ。
いや決して、これ以上政令指定都市が増えて、堺市の価値が下がるのを心配しているわけではない。上の両市を、堺市の地位を脅かすものとして、恐れているなどということは断じてない。ましてや水戸市や船橋市など、政令指定都市昇格を虎視たんたんと狙っている都市を、ふん、小生意気な連中だと忌々しく思っていることなどあるはずがない。
もちろん浜松、新潟の両市が格上げになったことは、まことに喜ばしい。浜松市の銘菓「うなぎパイ」、そして新潟市出身の歌手、小林幸子は日本の、いやアジアの二大珍味といっていい。これだけの資源を有する両市が政令指定都市にならずして、いったいどの市がなるというのか。
ところで今年の三月の時点で、日本には「市」が782あるが、そのうちの17もの市がすでに政令指定都市になっている。ということは、46市に1市が政令指定都市ということになるわけだが、これは少し多過ぎはしないだろうか。
スペースの都合で、ここでは詳しく説明することができないが、782という市の数を考えると、政令指定都市は15がもっとも理想的なのである。だから堺市を最後にすべきだったのだ。
まあ、考えてもみていただきたい。近い将来、50も60も政令指定都市が湧いてきて、選ばれた市民であるという特権意識に我を失った愚民どもが、手前勝手な要求を押し通し、道徳は廃れ、治安は悪化し、各地で掠奪や破壊が行われ、動物園のオットセイやフクロネズミやビーバーが逃げ出し、多くの市民がその餌食になるかもしれないであろうことを。
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ところで日本には、「先輩後輩」の秩序を重んじる美しい伝統がある。あまりに美しすぎて、暴力団や暴走族の中にまで浸透しているほどだ。そこで当然、政令指定都市間においてもその美徳は守られなければならない。でなければ、その都市は、暴力団以下の自治体と呼ばれることになるだろう。
ついこの間まで新入りの政令指定都市市民だった、われわれ堺市民は、わずか一年の差とはいえ、堺市よりも早く政令指定都市になっていた静岡市にも、他の先輩諸都市に対するのと変わりなく、心底より敬意を払ってきた。新幹線で静岡市を通過する間は、ずっと車内で起立している。
同じように、堺市民の後輩である、浜松市民、新潟市民が堺市に足を踏み入れる際には、まず最敬礼をしていただきたい。そして堺市民と話をするときは、相手が大人であろうが、ガキであろうが、野良犬であろうが、金魚の死骸であろうが、敬語を使っていただきたいのである。
ただ、堺市を一歩出て、非政令指定都市に入るときは、そんな気遣いは無用である。新参者とはいえ両市民は、まぎれもない政令指定都市市民なのであるから、それ以外の市民に対して敬語なんかで話してやる必要はない。相手が誰であれ、二人称は「おまえ」だけでいい。声をかけるときは「おい」、出入り口に誰かが立っていて通れないときは「どけ」。この三つくらいで充分である。
ヘタに敬語を使ったり丁寧に接するのは、連中に、自分が政令指定都市市民と対等になったかのような錯覚をもたせるから禁物だ。厳しいようだが、それが結局は彼らのためなのだ。
【ながよしかつゆき/骸骨】katz@mvc.biglobe.ne.jp
九月公開の映画『HERO』にエキストラで出演した。これは2001年に木村拓哉、松たか子主演で放映されたテレビドラマの映画化。設定は東京なのに大阪府庁でロケをしたのは、府庁のような古風な建物が東京にはないというのが理由らしい。私は裁判所職員と報道記者の役(つまり使い回し)で、一応、ちょっとセリフもあるし、演技もしてます。カットされてるかもしれないけど。
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■子育てSOHOオヤジ量産プロジェクト[147]
子供のしつけ
茂田カツノリ
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うちも上の子が小学生になり、ひとつの段階を超えたという感じで、いままでの子育てがどうだったのかを考えることもある。
「もうちょっとこういう機会を与えてやりたかった」みたいなこともいろいろ思うけど、少なくとも他人に迷惑をかけたり、ひとが嫌がることをしたりということはいまんとこなさそうで、その点はよかったかと思っている。
子育てで一番悩むのは「しつけ」部分。あまり細部について怒りすぎると自分で考えない子になってしまうし、かといって親の存在が圧力となっていないと、子供は増長してしまうし。
●どうやって「厳しさ」を出すか
「しつけ」の話をすると、すぐ「うちは厳しくやっている」みたいな話を始める人がいるのは困ったもの。話をする前から、「ヨソは甘くて自分ちは厳しい」と決めつけているような輩だ。そゆ人はとりあえず放置。
それはそれとして、どうやって子供に対して「厳しさ」を見せるかというのは、工夫のしどころだ。同じことを何度言ってもきかないとき、ほかの子のいやがることをしたときなどは、強い気持ちを持って怒る必要がある。
どうしても言うことをきかないときは、ひっぱたいたりする必要もあるかもしれない。しかし、痛い思いをさせることについての是非は、とても難しいところだ。
子供が、「ぶたれるからやらない」というだけの意識を持ってしまうのは危険。怒られるからやらないということでは、みつからないときに悪さするかもしれない。しっかり考えさせる必要がある。
それともちろん、物事の解決にそういう手段がありうると思わせることにも問題はある。
もしひっぱたくという場合も、気をつけねばならない。ほっぺたは、子供が動いたときに耳に当たると鼓膜に影響ある可能性があるから、できるだけ避けるべきだ。「おしりペンペン」するというのもあるが、これは子供にはあんまし痛くない。僕はやったことないが、拳固で頭の上からゴン、がいいのかもしれない。
僕自身、ひっぱたいたことはある。そこまで厳しく接する必要が生じることはあるのだが、別の方法で厳しさを出せればそのほうがいい。
そこで試してみたのが、追い出し作戦。どうしても言うこときかないときに、ベランダや玄関に追い出すのだ。ベランダは実際には危険なので、追い出すという脅しにしか使わないけれど。
ショッピングモールなどでダダをこねたら、抱え上げて非常口に連れ出す。一度「あ、あそこに言うこときかない子供を捨てるとこがある」と言ったら、息子が真に受けて必死に謝り始めたのは、笑ってしまったが(息子スマン)。
●しつけがされてない子供は怖い
僕自身、他人の子育てにどうこう言えるレベルではないけど、それでもトイザらスなどでは「オイオイ」と思うことがある。
まず、二〜三歳くらいの子供を完全に放置して自分だけ別の店行ってる親がいるのは、さすがに信じられない。子供の行動を単に制限すべきとは思わないけれど、一歩離れた場所からしっかり見張って、悪いことをしたら叱らねばならないのに。
特にひどいのが、三輪車や自転車のコーナー。トイザらスではたいてい、赤い線を引いて「この中で乗ってください」と書いてあるのだが、それを子供に教えないからそれを無視し、三輪車で店じゅうを走り回るような子がいるのだ。
中には、親みずからが赤い線を越えて子供の三輪車を押していたりする。社会にはルールがあり、まずはそれを守ることを子供には教えるべきなのに、こんなんでどうする気だろうか。
トイザらスの店員さんって、ストレスたまるだろうなあ。
「ルールはまず守る」ということを示すために、たとえば四歳になったらちゃんとディズニーランドの入場料を払い、小学生になる4月1日から娘にはしっかり電車賃を払った。
僕が子供の頃は親は平気でごまかしていたが、そんな嘘を子供につかせることは避けるべきだろう。子供の人格を形成する段階なんだから。
買い物は、社会のマナーを教える絶好の機会。小さい子は売り物を勝手に触るが、僕はそのたびに「これはお店のものなんだから触っちゃダメだ」としつこく教え、それなりに効果はあったようだ。
こういう場所から遠ざけず、しつこく教えるというのは、たぶん基本なんだろう。
とかなんとか言っている僕だが、まだ上の子が小学生になったばかり。しつけ関係で本当に悩むのはこれからなんだろうなあ。しっかりできるかなあ、心配だなあ。
【しげた・かつのり】
職業は、一応起業家。Web制作とPC書籍執筆を10年ちょいやってきて、この数年はFileMakerでのデータベース構築にも力を入れている。Web活用などのコンサルティングがおもな仕事で、顧問契約もやってますんでよろしくですっ。
【新刊情報】
『FileMaker関数・スクリプト+α事典』
—米国の著名な開発者集団による詳細解説 Ver.8.5(Mac&Win)対応
723ページ/ラトルズ刊/ISBN978-4899771760/3,360円
< http://www.amazon.co.jp/FileMaker関数・スクリプト%2Bα事典—米国の著
名な開発者集団による詳細解説-Ver-8-5-Mac-Win-対応/dp/4899771762/ >
アメリカのすごく有名な開発集団による著作の翻訳本で、僕が8.5および日本語版の追補と、全体監修をしている。ヘルプだけではわからない関数・スクリプトの実践的な知識のほか、各種カスタム関数・FileMaker Serverコマンド・キーボードショートカットなどを解説。ぜひ手元に置いてほしい一冊だ。
【イベント情報】
- FileMaker Fun Night! -第23回「ポータルについて考えよう」
5月26日(土)16:30〜18:00/AppleStore Ginza 3F
情報を整理して表示するためには欠かせない機能である「ポータル」は、便利だけれど使いこなしにちょっとした知識を要する部分もあります。そんなポータルの基本・留意点・応用事例などをまとめてご紹介します。ぜひ身につけてほしい「ポータルフィルタリング」などのテクニックもご紹介します。なおこの日は、引き続き19時からまつばらあつしさんのイベントもあり、デジクリがAppleStoreを乗っ取る記念日なのです。
【※開始時間が変更されています。ご注意ください】
・有限会社レクレアル
< http://www.recrear.jp/
>
・子育てSOHOオヤジ - The Blog!
< http://amonita.jugem.jp/?eid=34
>
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■編集後記(4/26)
・こどもの頃から新聞記事を切り抜いて保存するのが好きだった。それはいまも続くが、切り出しても放置するばかりで、整理するのは月に一回くらいだ。さいきん最も興味をひかれたのが「『土佐日記』冒頭に新説」という記事だ。有名な「をとこもすなる日記といふものを をむなもしてみむとてするなり」の部分の解釈だ。紀貫之が女性を装って書いた、というのが定説だと教わって来たが、小松英雄・筑波大名誉教授が近著「古典再入門」で「女もしてみよう」ではなく「女文字(ひらがな)で書いてみよう」という意味だったという新説を発表したとある。その解釈の理由は引用しないが、なるほどと思う。「これは単なる言葉遊びでなく、日本人が初めて生み出した表記方法であるひらがなを最大限に活用しようとしたのでしょう」と小松氏。女性を装ったスタイルという従来の説はおもしろいが、男のまま堂々と女文字を使ったという正反対の解釈もおもしろい。ネット上にそんな話題はないかとさぐってみたら、「松岡正剛の千夜千冊」に目の覚めるような論考があった。「土佐日記」では女性の文章に仮託したため、さらに偽装を重ねている。ある女が眺めている「ある人=紀貫之」の道中という設定と、挿入する和歌も自作なのに別の人の引用という偽装の徹底である。日記であって物語である新たな文芸様式は、紀貫之によるこころみから始まる。なぜ「土佐日記」を女装型仮名文で書いたのか、それは紀貫之の「日本語計画」ともいうべきものであった、という驚愕の内容。博覧強記の超頭脳が書いたテキストはやや難解ながら理路整然、すごいなあ。世界に冠たる日本の文学(とくに古典)、ああ日本に生まれて良かった。(柴田)
< http://kasamashoin.jp/2006/12/post_81.html
> 小松英雄さんの本
< http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0512.html
> 松岡正剛の千夜千冊
・プライバシー保護シール。通販会社のDMに入っていた。申込ハガキのクレジットカード記入欄に貼るもの。これによって郵送中にクレジットカード番号が他人の目に触れなくて済むのだ。私は通販をハガキで申し込まず、ネットで申し込む方なので、このようなハガキはすぐに捨てるのだが、なんとはなしにハガキにシールを貼ってみた。貼る時の感触に疑問を持ち、はがしてみたら、きれいにはがれる。跡形もなく。そりゃまぁ受け取った側が見るためには、きれいにはがせないといけないわけだが、こりゃ途中で誰かがはがしてもわからないんじゃ? せめて食品や化粧品に貼られているシールのように、周囲に「OPEN」と一部残るようなものにするとか、いや、たとえOPENと出ていたとしても、お客様に「誰かがあなたのカード番号を盗み見しましたよ」とは連絡してこないよねぇ。ううむ。(hammer.mule)