電子浮世絵版画家の東西見聞録[11]美女探しはやはり大学が良い -5
── HAL_ ──

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私の風貌を知っている人は聞かずとも分かると思いますが、私は昔からの束髪に髭面。日本国内では珍しがられもしませんが、この国韓国では髭は奇異に映るらしく、ちょっと地方にいくと目を引き、指さされ、つつかれ。町中では酔っぱらいのおじさんに声をかけられ、追いかけ回され、酒臭い息を吐きかけられるという始末。

まあ私の場合は年かさが助けてくれるので、風貌の許される範囲が広いのではありますが、若者の髭の顔は、韓国では珍しいのです。このことは兵役があることと関係があるのかもしれませんね。未検証ですが。

さて前回の終わりに話を戻しますが、声をかけて初めに帰ってきた娘の言葉が「え、なんですか?」。


あ、いや、こちらの方が「なんですか」状態になるほどのネイティブさで返されてしまいました。

「韓国にいる人を撮影しようと思って、、」
あれ、こっちの方が変な日本語に。すると彼女は
「日本からですか?」

「はい、そうです」え、、っとぉ、「日本語上手ですね」と尋ね返すと、「ええ、日本人ですから、、、。」

あ、いやぁ、参った。同じ顔をしている民族、本当に日本人だか韓国人だか分からない、分からない。彼と彼女は日本からの留学生だそうで、改めてみるとこんな奇異な韓国人はいないか、というところに落ち着いた。ま、日本人でもこれだけのタトゥーをしている娘は珍しい。

これは日本に帰ってからのことですが、同じように大きな入れ墨をしている娘に出会ったことがありましたが、やはりその娘は韓国に住んでいたということでした。なにか関連があるのかな?

ということで、まあ気持ちよく撮影に応じてくれたわけで、お二人の写真は金魚屋本舗サイトにもアップしますので見てください。部分にするかなぁ。

さて次のターゲットを探しに奥へ奥へと進んで行きますが、なんと男子の多いこと。男の子も良いんだけど、でもねぇ。やはり女子が良いぃ〜! あ、目的はカップル捜しだ。

ちょっと歩くと道の向かい側にベンチのある広場のような場所があり、そこに突入。入ったとたんに、いました、いました。品の良さそうな、お嬢様風の娘とイケメンカップルが。さっきの二人とは大違い、さすがはマンモス校です。

今度は韓国人でしょう、きっと。う、う〜ん、絶対!!

案の定やはり前の学生と同じ台詞をかけてみると、ちゃぁんと韓国人でした。私も見る目が出来てきたぞ。しかも、日本語が分からないという、生粋のお嬢様とお坊ちゃま。彼女は大きな白いボタンをあしらったピンクのワンピース。もちろん膝丈で、柔らかいカットの襟と胸ポケットのフラップ。肩先に小さくタックが入り、軽くふくらんだ半袖。顔立ちも清楚でまさにお嬢様といった感じです。可愛いです。今回の逸品です。

彼はというと、黒のコットン地のバミューダ丈のパンツに真っ白なTシャツ、足元は白のスニーカー。やはりとても清楚な感じの顔立ちは、お坊ちゃま風。このまま数年後には多くの人を招いた良い結婚式を挙げて子供を三人もうけ、その子達はやはり延世大学校に通い、老後まで幸せに暮らしていく。なんと理想的な韓流文化人生活。貧乏アーティストにはとてもうらやましい存在です。

もちろんこのお二人にも撮影の許諾を頂き、その場でリラックスした雰囲気の絵作りが出来ました。最後に許諾書を渡すと丁寧に翻訳ミスまで直していただき、ありがたい限りでございます。さすがお坊ちゃまの御尊顔に風格がにじみ出て、気持ちの良い撮影をさせていただけました。あれ、言葉使いまで変わってきてしまいましたね。

さて、さて、そのほかにもいろいろとありましたが、今回は素材として使うだけなのでとラフに撮影してきましたが、出来ることならば最大限の努力をして撮影条件を満たし、良い素材を用意したほうが絵を描くときにも意欲が増しますね。プロフェッショナルな写真家とはちがうところが残念なところです。木村伊兵衛まで師事しに来たという、私の祖父の血をもう少し受け継いでいれば良かったかな。祖父の遊び心だけは受け継いではいるようですけれどね。

デジタルでの絵作りはノーマンロックウェルのような、キャンバス上に映写機を使ってスケッチをするという手法を、デスクトップ上で作り上げることが出来てしまいます。しかし、素材は輪郭を追うだけではなく、立体的な形を追うために重要なものです。そのためには、もっと写真そのものを勉強しなければならないなぁ、と感じてしまいました。

【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
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