あけまして、おめでとうございます。
今年もよろしくおねがいいたします。
と、小正月に定番の挨拶をしたところで今回は、MacOS Xに搭載されている自動化機能であるオートメータについて少し書きたいと思います。
オートメータを活用している人は、Googleでの検索結果を見る限り多くなさそうです。以下のAppleのサイト上にあるオートメーターのアクションも、わずか100程度しかありません。
< http://www.apple.com/downloads/macosx/automator/
>
今年もよろしくおねがいいたします。
と、小正月に定番の挨拶をしたところで今回は、MacOS Xに搭載されている自動化機能であるオートメータについて少し書きたいと思います。
オートメータを活用している人は、Googleでの検索結果を見る限り多くなさそうです。以下のAppleのサイト上にあるオートメーターのアクションも、わずか100程度しかありません。
< http://www.apple.com/downloads/macosx/automator/
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同時期に搭載されたDashboard(ダッシュボード)とは桁違いの少なさです。
< http://www.apple.com/downloads/dashboard/
>
オートメータのダウンロードページを見ると、FilemakerやInDesignのアクションパックも提供されていますが、さすがにこれだけでは思ったことはできません。
< http://www.apple.com/downloads/macosx/automator/index3.html
>
MacOS X Leopardにもオートメーターは搭載されていますが、起動してみると以前のTigerの時と、ほとんど変わっていません。こんなに使われない機能も珍しいかもしれませんが、オートメーターの場合は使いたいけど「欲しいアクション(機能)が提供されない」「データがうまく受け渡せない」という状態になっています。使おうと思っても、どうしようもないというのが現実です。
まず、「欲しいアクション(機能)が提供されない」のには原因があります。オートメーターの土台となっているのがAppleScript(アップルスクリプト)であるという点です。AppleScriptを使ってプログラミングできる人が非常に少ないため、提供されるアクションには限界があります。
これに対してDashboardは、Webで多く利用されているJavaScriptを使っています。開発者の数は桁違いです。実際に上記で提示したURLにあるDashboardとオートメーターアクションの数は、4248:109で本当に桁違いな状態です。
また、自動化の対象となるアプリケーション側もAppleScriptに対応しなければならず、これも障害のひとつになっているかと思います。オートメーターの場合、このままではどうしようもなく使い物にならない機能になってしまうので、是非改良して欲しいところです。
そのために、AppleScriptだけでなくJavaScriptやPython、Rubyなど他の言語からも制御できるように再設計した方がよさそうです。
オートメーターの自動化の手順は、ドラッグドロップで作業手順を上から下に配置するだけで、インターフェースとして非常に分かりやすいものになっています。しかし、実際に配置してみると、うまく動作しないことが多いはずです。決してプログラムの不具合や手順が悪いわけではありません。実は、うまくデータが渡せないためです。
一口にデータと言っても「テキスト」「XML/HTML」「画像ファイル」など非常に多くの種類があります。他のアプリケーションからデータを受け取る場合、処理するアプリケーションが処理できる形式になっていなければいけません。
例えば、テキストエディタからPhotoshopにデータを渡したら、Photoshopではレイヤーにテキストを配置する、といった処理を行なって欲しいところです。逆に、Photoshopからテキストエディタにデータを渡す場合、レイヤー内のテキストデータだけ抽出して渡して欲しいところです。
しかし、現実的にはこのようなことはオートメーターでは無理があります。オートメーターで処理をうまく行なうには、どのアプリケーションでもやりとりできる透過なデータ形式(例えばXMLなど)でないといけません。
MacOS X以前ではスクラップブックなどを利用して、様々なデータを保持するという方法がありましたが、オートメーターには渡されたデータを変換してくれる機能がありません。このため、アプリケーションからアプリケーションに、うまくデータが渡すことができずに、ワークフロー制作でつまづいてしまうことになります。
Leopardになって改良されるか(アクションが相当数増えるとか)と思いましたが、どうも駄目だったようです。次のバージョンでも大幅改良されないような気がしますので、オートメーターを使って自動化するというのは将来的にも無理があるでしょう。
ということで今年も、この連載が続いてしまうというオチです...
【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>
お正月も普段通りでした………。何十年も相変わらずです。一応、お決まりということで「鏡音リン・レン例文辞典」を作成しておきました。
< http://www.openspc2.org/reibun/kagamine_rin_len/
>
また、Google Mapsについて学習したい人は以下のページを参考にしてください(依頼を受けて掲載しているもので私が作成したものではありません)。
< http://www.openspc2.org/Google/Maps/example/
>
DOM Scriptingの本が出ました。今回はXHTML, CSS, DOM Scrptingの3冊セットになってます。
< http://www.apple.com/downloads/dashboard/
>
オートメータのダウンロードページを見ると、FilemakerやInDesignのアクションパックも提供されていますが、さすがにこれだけでは思ったことはできません。
< http://www.apple.com/downloads/macosx/automator/index3.html
>
MacOS X Leopardにもオートメーターは搭載されていますが、起動してみると以前のTigerの時と、ほとんど変わっていません。こんなに使われない機能も珍しいかもしれませんが、オートメーターの場合は使いたいけど「欲しいアクション(機能)が提供されない」「データがうまく受け渡せない」という状態になっています。使おうと思っても、どうしようもないというのが現実です。
まず、「欲しいアクション(機能)が提供されない」のには原因があります。オートメーターの土台となっているのがAppleScript(アップルスクリプト)であるという点です。AppleScriptを使ってプログラミングできる人が非常に少ないため、提供されるアクションには限界があります。
これに対してDashboardは、Webで多く利用されているJavaScriptを使っています。開発者の数は桁違いです。実際に上記で提示したURLにあるDashboardとオートメーターアクションの数は、4248:109で本当に桁違いな状態です。
また、自動化の対象となるアプリケーション側もAppleScriptに対応しなければならず、これも障害のひとつになっているかと思います。オートメーターの場合、このままではどうしようもなく使い物にならない機能になってしまうので、是非改良して欲しいところです。
そのために、AppleScriptだけでなくJavaScriptやPython、Rubyなど他の言語からも制御できるように再設計した方がよさそうです。
オートメーターの自動化の手順は、ドラッグドロップで作業手順を上から下に配置するだけで、インターフェースとして非常に分かりやすいものになっています。しかし、実際に配置してみると、うまく動作しないことが多いはずです。決してプログラムの不具合や手順が悪いわけではありません。実は、うまくデータが渡せないためです。
一口にデータと言っても「テキスト」「XML/HTML」「画像ファイル」など非常に多くの種類があります。他のアプリケーションからデータを受け取る場合、処理するアプリケーションが処理できる形式になっていなければいけません。
例えば、テキストエディタからPhotoshopにデータを渡したら、Photoshopではレイヤーにテキストを配置する、といった処理を行なって欲しいところです。逆に、Photoshopからテキストエディタにデータを渡す場合、レイヤー内のテキストデータだけ抽出して渡して欲しいところです。
しかし、現実的にはこのようなことはオートメーターでは無理があります。オートメーターで処理をうまく行なうには、どのアプリケーションでもやりとりできる透過なデータ形式(例えばXMLなど)でないといけません。
MacOS X以前ではスクラップブックなどを利用して、様々なデータを保持するという方法がありましたが、オートメーターには渡されたデータを変換してくれる機能がありません。このため、アプリケーションからアプリケーションに、うまくデータが渡すことができずに、ワークフロー制作でつまづいてしまうことになります。
Leopardになって改良されるか(アクションが相当数増えるとか)と思いましたが、どうも駄目だったようです。次のバージョンでも大幅改良されないような気がしますので、オートメーターを使って自動化するというのは将来的にも無理があるでしょう。
ということで今年も、この連載が続いてしまうというオチです...
【古籏一浩】openspc@po.shiojiri.ne.jp
< http://www.openspc2.org/
>
お正月も普段通りでした………。何十年も相変わらずです。一応、お決まりということで「鏡音リン・レン例文辞典」を作成しておきました。
< http://www.openspc2.org/reibun/kagamine_rin_len/
>
また、Google Mapsについて学習したい人は以下のページを参考にしてください(依頼を受けて掲載しているもので私が作成したものではありません)。
< http://www.openspc2.org/Google/Maps/example/
>
DOM Scriptingの本が出ました。今回はXHTML, CSS, DOM Scrptingの3冊セットになってます。
- Web標準テキスト(1) DOM Scripting (Web標準テキストシリーズ 1)
- 古籏 一浩
- 技術評論社 2008-01-12
- ActionScript逆引きクイックリファレンス―5&MX&MX2004&8対応 for Windows & Macintosh
- 田中 康博 古籏 一浩 林 拓也
- 毎日コミュニケーションズ 2005-12
- おすすめ平均
- Flash(ActionScript)の開発前の調査にも役立ちます
- 良書です。
by G-Tools , 2008/01/15