電子浮世絵版画家の東西見聞録[35]今回のホテルは快適です
── HAL_ ──

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鐘路入口駅6番出口を出て200メートルほど南下すると、明洞地下商店街の入り口があり、その左側にすぐ見えてくる真っ赤なハイビスカスが目印のイビスアンバサダーホテル。これが今日の目的地です。

このホテルは最上階の19階にロビーがあり、その階下に客室フロアーがあります。ロビーでチェックインをするとカードキーをもらえ、そのカードがなければエレベーターで途中の客室フロアーに止まることが出来ない仕組みになっています。セキュリティーOKです。


客室には浴槽がないのですが、風呂好きな日本人向けにはロビーの階に大浴場があり、深夜以外の好きな時間に入ることが出来ます。この浴場はお湯が日替わりで、私が使ったお湯は薬草系の香りの時と緑茶風呂でした。どちらも漢方系の薬湯ということで、健康ブームを考えているようです。この湯にはロビーでその度に、お風呂用のカードキーとロッカーのキーをもらって入ります。

まず、お風呂の入口のドアーをカードを使い開くと、中には男女別の入口があるので、男性用のドアーに入りロッカーの電磁鍵を使います。こちらもセキュリティーは万全です。お風呂自体は7〜8人用といった感じのもので、ロビーではロッカーの数を最大人数にしているのでしょう、人数制限をしているようです。こういったサービスは韓国では初めてでした。日本の温泉の形式を取り入れているのでしょう、なかなか嬉しいサービスです。

客室の浴室はバストイレが一緒になったタイプで、バスはシャワーのみですが大きなガラスで仕切られて、とても清潔感あふれる気持ちの良い作りです。予約した部屋はツインで小ぶりですが、それなりにゆとりを感じる部屋です。一見すると、テレビ以外の大きなものは置いてありません。しかし、テレビの下の台に小さな冷蔵庫が仕込まれ、ロッカーの中には番号入力でセキュリティーがかけられる金庫が用意されています。

テレビの脇には小袋に入ったお茶やコーヒーがあり、ティファールの電気ポットが置かれています。他のホテルのように毎日水の入ったペットボトルのサービスはないのですが、各フロアーにひとつずつ温水と冷水の出る設備があり、氷も自由に使うことが出来ます。そして、歯ブラシなどの自動販売機もあるので、はじめて韓国に行った人でも大丈夫です。

そう、そう、韓国のホテルでは身体を洗うソープ以外、歯ブラシや、シャンプーなどの消耗品は日本のように用意されていません。これは条例で設定されているようですので、近々韓国に行かれる方はチェックしてから行くようにして下さいね。忘れても、市内ならコンビニで何でも買えます。

宿泊したフロアーは17階で、ロッテ百貨店の見える部屋でした。窓から見えるビルの谷間の景色には市庁前の広くのんびりした公園が見え、窓下では大都心の喧噪を見ることが出来ます。ホテルの反対側の部屋だと、山の上に立つソウルタワーが見えるようです。どちら側でもそれなりに楽しむことの出来る良いロケーションです。

いままで、さんざんツアーのひどいホテルを見てきた私達には夢のようなホテルです。やはり、自分で設定するホテルは満足感があります。あとで、友人に聞いたところ古くなってきた特級のロッテホテルよりもきれいで良いということでした。

窓から見下ろす大都心の人と車、右側にはロッテ百貨店が


今日はこれから、今回ずっと着いてくれるという友人がホテルに来てくれるのでそれを待ち、明洞の夜を楽しみます。ただし、彼女が郊外に引っ越しをしたため、早めの夜を楽しむことになります。まあ、普段から夜は早い私達には好都合ですけれど。

旅行鞄を開いたり、インターネット接続テストをしたりしているうちに、友人から連絡が入りました。彼女は私達を非常に気遣ってくれ、携帯電話に電話をすると電話代がかかるというので、必ずホテルにいる時はロビーまで来て連絡してくれます。私達が持っているのはグローバル携帯なのですが、国際電話料金は私達持ちなのです。とは言っても、たいした金額がかかるわけではありませんが、韓国の必要生活費から考えると割高感があるのでしょう。

連絡をもらいすぐロビーに行った私達は、明洞の街に夕飯を食べに出かけます。明洞はおなじみなのですが、歩いたことのない道を夕暮れ時に歩き店を探すので、次第に現在地が分からなくなります。彼女も良さそうな店を知らないので、美味しそうな店がないかと途中で人に聞いたり、妙な宣伝マンに声をかけられたりしながらぶらつきます。彼女は日本人に間違えられるので、明洞にいるとほとんど日本語で話しかけられます。こんな方向感覚を失ったまま歩いていくのも楽しいのです。

辺りがだいぶ暗くなってきた頃、私達はチョガチプという民族酒場に入りました。私達がドンドンジュを飲みたいと言ったので、それに応えて民族酒場を探してくれたのです。最近のソウル市内の酒場は、外国人のアルバイトが多いそうです。私達は日本語しか分かりません。彼女が通訳してくれるのですが、私達のテーブル付きの男性も中国系の学生バイトのようで、韓国語がよく分かりません。何となくちぐはぐな会話が始まりましたが、まあ飲み食い始まればそれも忘れ、楽しい夜もあっという間に時間が過ぎ去っていきます。

私達が陣取った席は、入る前にちょうど外から写真で撮った場所でした。3月なので窓際は少し寒かったのですが、何となく居心地が良さそうな場所だったのでした。ここは、靴を脱いではいるオンドル式の大部屋で、テーブルが7つ、その一部ではテーブルを固めた8人ほどの集団がすでに酒盛りを始めています。その中から時々聞こえてくるのが日本語で、どうも韓国人と日本人が混ざり合ったグループのようでした。やはり明洞地区は日本人が多いです。

私達もしばらく会話している内にちょっと疲れてきたので、私は身体を後ろ斜めにして身体の後ろ側に置いた両手に体重をかけました。そうすると、手のひらからじんわりと暖かさが伝わってくるのです。なんと、私達が座っている席だけオンドルが聞いていなかったのです。寒いはずです。まあ、面倒なのでそのままの席で最後まで頑張りましたが、今度来る時は床の暖かさを確認してから来ることにしましょう。

そして案の定、店を出たとたんに方向感覚をなくしていた私達は行き場を失い、またまた道を尋ねながら明洞をさまようことになります。チョガチプは二階にありました。

この窓の向こうに陣取ります。

民族酒場らしく、上にはこのようなものが飾ってあります。


【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/
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Web < http://Web.mac.com/hal_i/
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Sound Drawing グループ「ZIetZ」の公式サイト
< http://zietz.hal-i.com/
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