<犬、入れてもらえました?>
■装飾山イバラ道[18]パリ旅行記(8)
アントワネットの最後の時間
武田瑛夢
■気になるデザイン[16]
ヌ、ヌレバイ? それって何なの!?
津田淳子
■電子浮世絵版画家の東西見聞録[44]
この季節はジャムづくり
HAL_
■イベント案内
ヨコハマEIZONE2008
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★★★ 賞金総額180万円 空想デザイン実現化計画「D3」 ★★★
#1【建築&インテリア】理想の部屋コンテスト ☆大賞は実際に施工
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■装飾山イバラ道[18]パリ旅行記(8)
アントワネットの最後の時間
武田瑛夢
■気になるデザイン[16]
ヌ、ヌレバイ? それって何なの!?
津田淳子
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■装飾山イバラ道[18]パリ旅行記(8)
アントワネットの最後の時間
武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20080722140400.html
>
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●旅の終わりに見るコンシェルジュリー
パリ旅行記も今回がラスト。最後のシテ島では、セントシャペルとコンシェルジュリーの二か所が見られるチケットを売っていたので、予定になかったコンシェルジュリーにも行った。
コンシェルジュリーは元々は宮殿だったところを牢獄にしたもので、マリーアントワネットが最後に過ごした場所だった。宮殿ひとつが巨大な牢獄。フランス革命でここに送られた多くの貴族が、それぞれの身分によって待遇の分けられた部屋に入れられていたという。
あまりカメラを向けられる気分でもない場所が多かったけれど、唯一中庭にはきれいな花が咲いていて光が射し込んでいた。
・コンシェルジュリーの中庭
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拡大(640×480)
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それまでのパリの名所の豪華な雰囲気とは一変して、冷たい石造りの壁や黒い鉄の柵が閉じられた空間をさらに寂しげなものにしている。当時の様子が再現された牢屋の中は、服装や髪型もそのままで等身大のリアルな人形を使って日々の暮らしがわかるようになっている。数人が一緒の部屋、テーブル付きの個室などがガラス張りで見える。
処刑台に送られた人物の名前が壁一面に記された部屋や、当時の処刑の様子を描いたモノクロの版画を見ると、歴史の中でこの場所が果たしていた役割の重さを感じる。
・処刑台(版画)
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拡大(640×480)
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肝心のマリーアントワネットが過ごしたのはどこなのか、あてずっぽうに回っていくしかなかったけれど、やっとその部屋をみつけた。マリーアントワネットの人形は、粗末なテーブルの上の小さな十字架に向かい合うようにに座っている。見学者からは後ろ向きで顔が見えない。部屋は狭く、下に敷かれた絨毯は大きな絨毯の一部をカットしたものだし、必要最低限のものしかないという印象だ。ここで聖書を手に祈りながら暮らした姿を旅の終わりに見ることができて良かった。
シテ島にはある時代の人々の終焉の姿があり、人を神の元へ導く寺院の美術がある。ノートルダム寺院の高く高くそびえる内と外の様子は、見ているだけで人を天へと引っぱっていくような感じがする。宮殿とは全く違うかたちで、人々の心に作用する建築や美術なのだと思う。
シテ島がこの日になったのは偶然だったけれど、本当にパリでラストのシメにちょうど良い場所だと思った。
最後の観光地をまわって、後は帰るだけとなった。できるだけ長くパリにいたいので、飛行機は夜の最終便をとった。ホテルからのタクシーがなかなか来なくて焦ったけれど、もっと焦ったのは実は空港についてからだった。
チケットを窓口で見せると、残念そうな顔でオーバーブッキング(過剰予約)で乗れないと言うのだ。「?」普通に帰れると思っていた私たちはショック。そういえば窓口で大きな声で怒っている人がいたり、ほとんどの人の顔から笑みが消えているのはそのせいか。エッフェル塔の最上階へ行けなかったくらいで悔しがっていたのに、今度は日本へ帰れませんときた。
座席番号が指定されているのに、人数があふれてしまうしくみがよくわからないけれど、いろんな工夫で座席の空きを防ぐために起こりうることだという。「明日の朝また来てください。ホテルは用意します。それでいいですね?」噂では聞いたことがあったけど、実際そういうことになってみると何とも言えない感じ。この後もだいぶ待たされて、なぜか荷物の重さを量られたりした。どうやら、どうしても納得しない人から順に乗せてくれたのかもしれない。交渉事なので一人一人が時間ごとに別々の条件になっていくらしい。
結局、私たちは翌日の朝の韓国経由の便で帰ることになった。近くにいた日本人の親子は日本への直行便だけれど、座席が離れてしまったという。長旅で隣同士でないのは不安だろうな。
予定外に一泊増えてしまったけれど、条件を飲んだ以上あまり文句は言わないことにする。用意されたホテルは空港に近すぎて寝るだけという感じ。でもその日はノートルダムに上って足が最高潮に疲れていたので、ベッドで眠れて良かったのかもしれない。
次の日の飛行機の中では、機内食がビビンバだった。ソウルの空港でキムチを買ってそれはそれで楽しかった。家に帰るまでが旅、自宅に着いた時の安堵感はひとしお。振り返ってみれば当初心配していたスリにも遭わなかったし、自分たちで納得できれば済むミスばかりだったので、次につなげればいいかな。
はじめてのパリ旅行は、流れに身を任せる時は任せるのが良いのを学んだ旅だった気がする。書ききれないことも多かったけれど、ここにパリ旅行記を書かせていただいたおかげで、自分にとってのパリがよりしっかりと刻まれた気がする。夏休み開けには通常のコラムでお送りします。
●iPhone買いました
お休み前にやっぱりiPhoneのことも書かずにはいられなかったので追記。デジクリの皆さんのiPhone記事を楽しく読ませてもらいました。それぞれのスタンスでアクションは違うものの、やはり気になる物には違いないですね。私もiPhoneが待ちきれなくてiPod touchを買ったくらいなので、大いに気になっていた。初日のお祭りは楽しそうだけれど、気力+体力的に出かける勇気がなくて、いつどこへ買いに行くかを迷っていた。
そういえば「噂のアイテム」「販売日の行列」と言えば以前ファービー(しゃべるペット)の大行列に並んだことがある。明け方から並んでやっと開店まじかになっても、今度はテレビカメラ取材陣や巨大ファービーのかぶり物やらがどしどし駆けつけて大変だった。予約を忘れて買えずにいたので、あちこち探す苦労を思えば、確実にありそうな所で決着させた方がいいと学んだ。もう10年も前のこと。
結局、iPhoneは次の日の土曜日に表参道へ朝から出かけて16GBの白を買うことができた。その日は8GBのみ販売ということにも納得して並んでいたのでびっくりしたけれど、状況は刻々と変わるらしい。契約を終えて店を出たのが昼。猛暑。
手続きはいろいろ大変だったけれど、私にとっての重要事項「しゃべるお父さん犬ストラップはもらえるんですね?」の確認は怠らなかった。ところが、最後に紙袋を手渡された時に「犬、入れてもらえました?」「あ!」と危うく忘れられそうだった。でもあの混雑状況ではしょうがないな。白い犬ストラップはファービーに比べて動かないけれど、ちゃんとあの低い声でしゃべるのがかわいい。
実際iPhoneを使ってみると、自宅のMacとの同期作業が頻繁になる。そこでMobileMeで自動的にプッシュなんだろうな。でもまだ設定せず。だんなさんには「ほとんどゲーム機と化している」と言われている私のiPhoneだけれど、一日の中でこんなに携帯電話に触れている時間が多いのはiPhoneがはじめてだ。
Macでアプリを探せる便利さ、と購入の手軽さはすごい。今までの携帯アプリって買いに行くまでにいくつもの画面を通らなくてはならなくて、途中でやめちゃったりしてた。iPhoneではプリペイドのiTunes Cardを買っておけば、チャリっと買える。プリペイドなので使い過ぎ防止にもなっていい。
・装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>
「やさしいデザイン」誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
エムディエヌコーポレーション発行 インプレスコミュニケーションズ発売
< http://www.mdn.co.jp/content/view/3983/
>
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■気になるデザイン[16]
ヌ、ヌレバイ? それって何なの!?
津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20080722140300.html
>
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世の中では近年、大人の社会科見学がブームですが、私も日々、いろんな現場を見学させてもらっている。これがすごくおもしろい。
私は、『デザインのひきだし』というデザイナーの方にむけた、デザイン/印刷/紙/加工に関する媒体を作っているので(他にもデザイン/印刷関連の本をつくっていますが)、お陰で印刷や加工の現場取材をさせていただくことが非常に多いのだ。
本で読んで知識は得ていても、やはり現場に伺うと、どうやってそれが印刷されているのか、加工されているのか、そしてどんなところがキモなのか、ということを直接見せていただけるので、毎度毎度、大変に勉強になる。百聞は一見に如かず、とはまさにその通りですな。
今年になって見学させてもらった現場は、うーん、ちゃんとは数えてないけど20〜30カ所は伺っているはず。
現場ではその作業を見て「おぉー!」とか「すごい!」とか感動しているわけですが、もうひとついつも「へぇー」と思って伺うのが、それぞれの現場/業界で使われている「業界用語」だ。
前号の『デザインのひきだし』では、紙の型抜き現場をいろいろと突撃させていただいたが、最初はもう何が何だかよくわからなかった。だって「うちはビクだよ」とか「トムソンやってます」とか、「ブッシュやってるところは少ないからなぁ」というのから始まって、「ピナクルだと細かいものが抜けるよ」とかいろいろ教えていただいても、うー、それってなんなんっすか!?(これらが何なのか知りたい方は、最後に簡単に説明を付けておきますのでご参照ください。もっと詳しく知りたい方は、『デザインのひきだし4』をご覧くださいまし)
こういう業界用語/専門用語を使っている現場の方々を見ると、「かっこいい」と思ってしまい、ちょっとうっとりする。これってなんでなんでしょうか(笑)
それ以外にも、ファンシーペーパーを作っている抄造(しょうぞう:紙を漉く)現場に伺った時に聞いて印象的だったのが、「色はヌレバイですから」というもの。「ヌレバイ」ってなんなんっすか?
実はこれは、紙は濡れているとき、乾いたときの倍くらい濃い色だ、ということを指す言葉だそうだ。抄造工程では、紙の原料であるパルプは水と合わさっているので当然濡れている。色紙を作るときはそこに染料などを入れて色付けするが、パルプと水が合わさった状態で色を付けても、それを乾燥させると、本当に色が薄くなってしまう。
この現場に伺った時には、何枚か色を付けさせてもらったのだが、パルプの状態ではけっこう赤くても、それを乾燥させるとピンクになって、なるほど確かに「濡れ倍」ですな、と思ったものだ。ちなみにいい気になってどんどん染料入れて濃い色をつけたら、なんだかすごくきたない色の紙ができてしまったのはご愛嬌。
出版/印刷業界の専門用語としては、ゲラとかルビとかドブとか、知らない人にとっては「なんだそりゃ?」という言葉がいろいろあるが、調べてみると他の業界にもいろいろな専門用語があるもんですな。
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=20862882
>
いやぁ、これからもどんな専門用語が聞けるのか、そしてそれを話すかっこいい現場の方にどれだけ出会えるか、楽しみ、楽しみ。
※ビクというのは「ビクトリア打ち抜き機」の略。基本的に一枚ずつ紙を打ち抜き機に入れて型抜きする方法。
※トムソンは、ビクなど平打ち抜き機で使用する「刃型」のこと。木の板に刃を埋め込んだもの。なぜ「トムソン」と呼ばれているかは、調べたけれど諸説あって、真相はわからずじまい。ご存知の方がいらっしゃったら教えて下さい。なんか「トマソン」を思い出してしまいます。
※ブッシュは、ビクと違い、何枚も重ねた紙の束を鋳型の刃で一気に型抜きする方法。トレーディングカードとかトランプとかはこれで型抜きされていることが多いようですな。
※ピナクルとは、平打ち抜き機で使う刃型の一種で、トムソン刃と違って、一枚の金属を腐食して作られた刃型のこと。
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
蛍光色の掛け合わせ、2度刷り、OPニスの有無など、必須の印刷見本を、4種類の用紙に各々印刷した、蛍光色見本帳の決定版「標準 印刷見本帳1 蛍光色×CMYK×マット/グロスニス編」が好評発売中です!
他に最近作った本は『デザインのひきだし vol.5』『デザイン事務所の封筒・名刺・ビジネス文具コレクション』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
>
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■電子浮世絵版画家の東西見聞録[44]
この季節はジャムづくり
HAL_
< https://bn.dgcr.com/archives/20080722140200.html
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●BlackBerryとは
iPhoneに対抗する………訳ではなく。「BlackBerry」と言っても、欧米のビジネスマン向けのスマートフォンのことではありません。
< http://ja.wikipedia.org/wiki/BlackBerry
>
ではなく
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=20143300
>
の方のお話。
ブラックベリーはバラ科キイチゴ属のひとつで、キイチゴ属には日本では有名なラズベリーとブラックベリーの二種類があります。ラズベリーは真っ赤な実がなりますが、ブラックベリーはその名の通り収穫時には真っ黒な実に見えます。この色は、もの凄く濃い赤紫で、完熟したものを収穫した時には手が赤紫色に染まってしまいます。白いシャツなど着て収穫すると、完全に染み付いてしまうので要注意です。
花はソメイヨシノよりも濃いめのピンクで、五弁のとてもかわいらしいものです。この花からあのような実が収穫できることなど想像も出来ません。人智の及ばない神の叡智のなせる技です。4月の終わりから花を咲かせはじめ、6月頃から徐々に実の収穫が出来るようになります。灌木で冬の寒さに強く、手入れはほとんど必要ありません。ほったらかしておいても実がなるので、我が家ではフェンスに絡めています。
実がなりはじめる頃梅雨に入ります。雨が長く続くと、色づきはじめた実が白く腐ってしまいます。雨は降る時に降って、あとは暑い日が続く、今年のような季候では白くなる実も少なく、花の数だけ実を付け、収穫は多くなります。完熟には高温多湿の時期が必要らしいのです。
ブラックベリーとの出会いは7〜8年前。裏の公園の中に木イチゴらしい花を見つけ、毎日のように観察していました。次第に赤い実が育ち、その後、誰も採る様子もない真っ黒に完熟した実ををちょっとだけ採り、お味見してみました。その実を元にインターネットで調べ、これがブラックベリーであることを知りました。
●ブラックベリーの収穫
もともと植物には興味があり、挿し木でも育つかなと思い、ブラックベリーの枝先をちょっといただいて持ち帰り、植木鉢にさしておいたのですが、手も掛からずにすくすくと育ち、その年のうちに枝葉をどんどん伸ばしていきました。ある程度大きくなったので、直径40cmほどの大きめの鉢に植え替えたのですが、ほおっておいたら鉢底から根を張り、しっかり地植えのごとく育ってしまったのです。ほんの数十個の収穫だった、その二年後には立派な実が、山のように採れるように育ちました。
花が落ち、青い実がふくらみ、はじめは赤い色になってきますが、あっという間に黒くなります。青い果肉は酸味が強く渋みもあり、ちょうど青梅(あおうめ)のような味がします。意外に青臭い味はないのです(それなりに美味しいかも)。真っ黒になった実は、完熟すると収穫です。指先でちょっと押さえなければ取れないくらいのものは、種が大きく口に含むと種ばかりが気になって、食用になるとは言い難いものです。
7月から8月にかけて次々に成熟し暗褐色に色付き、収穫の季節になります。収穫する実は、完熟すると手で触れただけで枝先からポロッと掌に落ちてきます。そのようになった実は、口の中に入れるとトロッととろけて喉に流れ落ちます。すこし堅そうな実は、自然な酸味と甘みが口の中にはじけますが、果肉の中にあるゴマの二つ分位の大きさがある種が、口中にたくさん残ってしまいます。
色づき甘みが増した実は少しずつ収穫し、さっと水洗いし冷凍庫に保存しておきます。ある程度たまったら、解凍しフードプロセッサーで形を崩します。どうしても種が残るので、粗めの網で種を濾過します。ネット検索すると種子の少ない品種もあるようなのですが、我が家の品種は原種に近いのでしょうか、早く収穫しすぎると種子が大きくて口当たりが悪いのです。
●ジャム作り
1)ブラックベリージャムこの種子が邪魔なブラックベリー、とにかくこの種子を濾し落としてしまうことが先決です、フードプロセッサーはまわりの果肉をつぶすくらいの感じで使い、網で濾すのですが、この作業がまた大変です。我が家では濾すための網として味噌こしを使います。もう少し手頃な大きさの網の目があると良いのですが、とりあえず家にある物を道具としています。
次にすっかり種子を取り除いたソースを煮詰めていきます。煮詰めていくとアクが浮いてくるので、こまめに取ることが必要です。鍋の中は真っ赤で、この状態でもう何のジャムなのか分かりませんね。お砂糖の量はブラックベリーの半分以下です(1kgに対して400g位)。ジャム作りは種子を採るのが面倒なだけで、あとは非常に簡単なものです。今年はちょっとだけ新しいことをと、レモンもしぼって入れてみました。
ブラックベリージャムは煮詰め具合でやわらかくなり、ジャムというよりソースといった感じの仕上がりになることもあります。作ったジャムやソースはヨーグルトに入れたり、パンに付けたりと様々に利用できます。爽やかな酸味と香り、そして深紅の色が持ち味のジャムが完成します。そして、残った種なのですが、まだまだ回りにゼラチン質状のものがまとわりついています。今年はこれもまた利用できないかと画策中です。
ついでにジャム作りをもう一本。
2)うめジャム(南高梅)
完熟した南高梅が安く手に入った時に、梅シロップかな、梅干しかな、と考えていたのですが、はじめての試みとして、梅ジャムを作ることにしました。梅は種まで割って中の明神様まで入れて、風味豊かなジャムとしてみました。
まずアク抜きのために梅を水につけ、翌日水を取り替えまた一晩つけます。鍋に梅を入れ水はひたひたで火にかけ、果肉がやわらかくなったら種からはずします。皮が気になる口当たりかもしれないので、ていねいに裏ごししました。
次に、ほうろう鍋かステンレスの鍋に入れ、砂糖を三回ぐらいに分けながら加え、好みのやわらかさと甘みになるように煮詰めます。ここで、種の中の明神様も入れていきます。出来上がったジャムはジンジャーティーにちょっと加えると、この梅雨の時節、お腹に優しく身体を温める飲み物になります。
どちらのジャムも煮沸して空気をぬき、瓶詰めすると完成です。こうしておくと、常温で保存可能になります。もちろん瓶もジャムを詰める前に煮沸滅菌しておかなければなりません。
ブラックベリーの花
< >
まだ青い果実
< >
色づきはじめ、収穫はもう少し
< >
最盛期、一日の収穫量
< >
中の種子を濾す作業
< >
煮詰めていく
< >
瓶詰め
< >
南高梅のジャム
< >
◇ZietZ LIVE
7月25日(金)「EIZONE2008」メインスポット、横浜赤レンガ倉庫での開催が決まりました。定例のApple Ginzaライブは予告通り8月29日(金)です。赤レンガ倉庫、銀座アップル、どちらも入場無料となりますので、お時間のある方は是非ご来場下さい。会場内のインターネット放送局「EIZONE STATION」にもばんばん登場します。
EIZONE2008
< http://www.y-eizone.jp/index.html
>
Sound Drawing LIVE Vol.008
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール
日時:7月25日(金)16:30〜17:00
イベント問い合わせ TEL.03-3481-7920(ヨコハマEIZONE事務局)
その他、EIZONEでは携帯電話の壁紙時計を作るワンデイワークショップも開始しておりますので、是非ご参加下さい。詳細は下記「ワンデイワークショップ」サイトで。
< http://www.y-eizone.jp/workshop/index.html
>
【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/
>
Web < http://lohasfood.exblog.jp/
>
Web < http://Web.mac.com/hal_i/
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■イベント案内
ヨコハマEIZONE2008
< http://www.y-eizone.jp/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20080722140100.html
>
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ヨコハマEIZONEは、デジタル映像・アートを中心に最先端の映像表現を発信するフェスティバルです。エンタテインメント・アート・テクノロジーなどを切り口に、アニメーションからインタラクティブまで多彩な作品の展示・上映をおこないます。開催期間中はトークショーなど様々なイベントが連日開催され、家族連れから専門家まで「映像の今」を体験・体感していただけます。(サイトより)
会期:7月24日(木)〜7月29日(火)11:00〜20:00 会場によって異なる
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館2階、東京藝術大学大学院映像研究科 馬車道校舎/新港校舎、ZAIM、創造空間 万国橋倉庫、放送ライブラリー、ほか
入場料:無料
主催:ヨコハマEIZONE実行委員会(横浜市/NHK横浜放送局/財団法人横浜市芸術文化振興財団/株式会社NHKエンタープライズ)
共催:東京藝術大学大学院映像研究科
●「ヨコハマEIZONEショーケース」最先端映像の上映・展示
< http://www.y-eizone.jp/showcase.html
>
< http://www.y-eizone.jp/geidai.html
>
会期:7月24日(木)〜7月29日(火)11:00〜20:00 最終日18時
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館2階 東京藝術大学大学院映像研究科 馬車道校舎/新港校舎
●「ヨコハマEIZONEショーケース・セッション」
< http://www.y-eizone.jp/event_akarenga.html
>
参加クリエーターや団体によるトークやライブの競演。
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3階(一部は2階シアター)
各回定員150名 入場無料 先着順 30分前より受付開始
●「ヨコハマEIZONE・デジタルワークショップ」
< http://www.y-eizone.jp/zaim.html
>
コンピュータを使ってデジタル映像を創る 参加は事前登録制
会期:7月24日(木)〜7月28日(月)
会場:ZAIM(横浜市中区日本大通34)
●関連イベント
< http://www.y-eizone.jp/event.html
>
創造空間 万国橋倉庫、放送ライブラリー、ブリリアショートショートシアター そのほか
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■編集後記(7/22)
・「幽」Vol.9(メデァファクトリー)を読む。特集は「山の怪談」である。この号で、夢枕獏との対談、怪談巡礼団の案内役、そして座談会と、フル回転の安曇潤平さんは山男で山の怪談作家である。この人の連載する「山の霊異記」という怪談はこわい。バックナンバーも読み返し、こんな恐ろしい目に遭うかもしれない山なんて、絶対行くもんじゃないと思うのだが、もう山登りする体力ないから安心だ。とくにこわいのが、単独行で山中(あるいは他に誰もいない幕営地)にテントを張った夜というシチェーション。たとえば、真冬の北アルプスN岳、H小屋付近でテントを張る。午前2時30分、雪を踏みしめる足音が近づいて来る。突然、大きな音とともに、大きく開いた人間の両手の形でテントが内側にふくらんで、グランドシートからは人間の顔の形が浮かび上がって来る。テントの生地は伸び切って、破れる寸前、手に触れたヘッドライトでその顔を照らすと異様な声とともに怪異が去った。たとえば残雪のK沢岳、異常な寒さに目をさますと、テントの外で雪を踏む音がして、若い女が救助を求めに来た。ひとつのシュラフに入って裸で抱き合い、体温の低下を防ごうという提案に応じた女の、驚くほど妖艶で魅力的こと。邪心を持たずに朝を迎えられるか自信がないと思ったとき、テントのそばに落雷。気がつくと女の姿はなく、自分は上着を脱いで上半身をテントの外の雪の上に投げ出していた。そして、Vol.9に掲載された「真夜中の訪問者」、これは超絶の怪談だ。道志N岳7合目付近の登山コースをはずれた山中。午前2時、今までテントの外で聞こえていた虫たちが突然鳴き止んで、山が完全に静寂に包まれたとき、何者かが近づいて来るカタ…カタ…カタ…という音。そいつはテントの回りをゆっくり三周して、テントの入り口で突然止まった。悲鳴を喉の奥で懸命にこらえ、目を見開いて闇を見つめる、そのとき─。ああ、おそろしくてその先は書き写せない。いま鳥肌が立っている。この怪異の理由は翌朝判明する。ますますゾーッとする。読まなければよかった。─やはり寝苦しい夜になった。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001ASWEUK/dgcrcom-22/
>
アマゾンで
・先週火曜日に毎日新聞の勧誘について書いた。ここ数日、お試し朝刊が配達されている。一週間という期間なのに、問題の英文サイトについて、一面と特集面を大きく使っての調査報告、背景、おわび、今後の対応についての記事があって、偶然読めてしまった。事実関係がとてもわかりやすく書かれてあり、真摯な対応だと思った。女性記者からの忠告、海外からの苦情メール、今年に入ってからの国内からの苦情メールを大きく考えず対応しなかったことを悔やんでいる、というところは、とてもよくわかる。自分にも思い当たることはある。前兆のようなもの、小さなつまづきを見逃すと大きな波紋になってしまう。胸が痛い。有識者のひとり、吉永みち子さんの、おわびすべき時に被害者のようにふるまったことは反省するべきだ、という苦言を読んで、読者の視点に立てる有識者がいて良かったなぁと。女性からの視点がなかったから編集長を女性に、という対応策はどうかなぁとは思いつつ。男性から見てもひどいとわかっていたわけだし、数合わせのように入れられるのは私ならいやだなぁ。まぁそういうこと多いけどさ。チャンスと見て活かしてくれはったらいいなぁ。/掲載内容は詳しく知らなかったが、調べてみるとひどすぎる。途中で読むのはやめた。米州機構の反人身売買レポートに記事が引用されていたとかの話も。なぜ食品関連企業のように記者会見をしないのか、という意見もあった。(hammer.mule)
< http://www.mainichi.co.jp/home.html
>
おわびと調査結果。新聞PDFも見られる。
< http://www.mainichi.co.jp/20080720/0720_07.html
>
吉永みち子さんの
< http://www.mainichi.co.jp/home.html#02
> 女性編集長
< http://mdn.mainichi.jp/
>
掲載内容がひどくて詳細な説明ができないところは日英同じ
< http://www.suzaku-s.net/2008/07/man_hunter_mainichi.html
>
< http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/07/52oas_d3a8.html
>
ひぇー。こりゃ低俗記事ではおさまらないわ
< http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/07/53_5802.html
>
食品業界にたとえると。後記書くのすら怖くなってきた
< http://www8.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/33.html
>
いかに新聞というものの信頼性が高かったか
アントワネットの最後の時間
武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20080722140400.html
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●旅の終わりに見るコンシェルジュリー
パリ旅行記も今回がラスト。最後のシテ島では、セントシャペルとコンシェルジュリーの二か所が見られるチケットを売っていたので、予定になかったコンシェルジュリーにも行った。
コンシェルジュリーは元々は宮殿だったところを牢獄にしたもので、マリーアントワネットが最後に過ごした場所だった。宮殿ひとつが巨大な牢獄。フランス革命でここに送られた多くの貴族が、それぞれの身分によって待遇の分けられた部屋に入れられていたという。
あまりカメラを向けられる気分でもない場所が多かったけれど、唯一中庭にはきれいな花が咲いていて光が射し込んでいた。
・コンシェルジュリーの中庭
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拡大(640×480)
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それまでのパリの名所の豪華な雰囲気とは一変して、冷たい石造りの壁や黒い鉄の柵が閉じられた空間をさらに寂しげなものにしている。当時の様子が再現された牢屋の中は、服装や髪型もそのままで等身大のリアルな人形を使って日々の暮らしがわかるようになっている。数人が一緒の部屋、テーブル付きの個室などがガラス張りで見える。
処刑台に送られた人物の名前が壁一面に記された部屋や、当時の処刑の様子を描いたモノクロの版画を見ると、歴史の中でこの場所が果たしていた役割の重さを感じる。
・処刑台(版画)
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拡大(640×480)
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肝心のマリーアントワネットが過ごしたのはどこなのか、あてずっぽうに回っていくしかなかったけれど、やっとその部屋をみつけた。マリーアントワネットの人形は、粗末なテーブルの上の小さな十字架に向かい合うようにに座っている。見学者からは後ろ向きで顔が見えない。部屋は狭く、下に敷かれた絨毯は大きな絨毯の一部をカットしたものだし、必要最低限のものしかないという印象だ。ここで聖書を手に祈りながら暮らした姿を旅の終わりに見ることができて良かった。
シテ島にはある時代の人々の終焉の姿があり、人を神の元へ導く寺院の美術がある。ノートルダム寺院の高く高くそびえる内と外の様子は、見ているだけで人を天へと引っぱっていくような感じがする。宮殿とは全く違うかたちで、人々の心に作用する建築や美術なのだと思う。
シテ島がこの日になったのは偶然だったけれど、本当にパリでラストのシメにちょうど良い場所だと思った。
最後の観光地をまわって、後は帰るだけとなった。できるだけ長くパリにいたいので、飛行機は夜の最終便をとった。ホテルからのタクシーがなかなか来なくて焦ったけれど、もっと焦ったのは実は空港についてからだった。
チケットを窓口で見せると、残念そうな顔でオーバーブッキング(過剰予約)で乗れないと言うのだ。「?」普通に帰れると思っていた私たちはショック。そういえば窓口で大きな声で怒っている人がいたり、ほとんどの人の顔から笑みが消えているのはそのせいか。エッフェル塔の最上階へ行けなかったくらいで悔しがっていたのに、今度は日本へ帰れませんときた。
座席番号が指定されているのに、人数があふれてしまうしくみがよくわからないけれど、いろんな工夫で座席の空きを防ぐために起こりうることだという。「明日の朝また来てください。ホテルは用意します。それでいいですね?」噂では聞いたことがあったけど、実際そういうことになってみると何とも言えない感じ。この後もだいぶ待たされて、なぜか荷物の重さを量られたりした。どうやら、どうしても納得しない人から順に乗せてくれたのかもしれない。交渉事なので一人一人が時間ごとに別々の条件になっていくらしい。
結局、私たちは翌日の朝の韓国経由の便で帰ることになった。近くにいた日本人の親子は日本への直行便だけれど、座席が離れてしまったという。長旅で隣同士でないのは不安だろうな。
予定外に一泊増えてしまったけれど、条件を飲んだ以上あまり文句は言わないことにする。用意されたホテルは空港に近すぎて寝るだけという感じ。でもその日はノートルダムに上って足が最高潮に疲れていたので、ベッドで眠れて良かったのかもしれない。
次の日の飛行機の中では、機内食がビビンバだった。ソウルの空港でキムチを買ってそれはそれで楽しかった。家に帰るまでが旅、自宅に着いた時の安堵感はひとしお。振り返ってみれば当初心配していたスリにも遭わなかったし、自分たちで納得できれば済むミスばかりだったので、次につなげればいいかな。
はじめてのパリ旅行は、流れに身を任せる時は任せるのが良いのを学んだ旅だった気がする。書ききれないことも多かったけれど、ここにパリ旅行記を書かせていただいたおかげで、自分にとってのパリがよりしっかりと刻まれた気がする。夏休み開けには通常のコラムでお送りします。
●iPhone買いました
お休み前にやっぱりiPhoneのことも書かずにはいられなかったので追記。デジクリの皆さんのiPhone記事を楽しく読ませてもらいました。それぞれのスタンスでアクションは違うものの、やはり気になる物には違いないですね。私もiPhoneが待ちきれなくてiPod touchを買ったくらいなので、大いに気になっていた。初日のお祭りは楽しそうだけれど、気力+体力的に出かける勇気がなくて、いつどこへ買いに行くかを迷っていた。
そういえば「噂のアイテム」「販売日の行列」と言えば以前ファービー(しゃべるペット)の大行列に並んだことがある。明け方から並んでやっと開店まじかになっても、今度はテレビカメラ取材陣や巨大ファービーのかぶり物やらがどしどし駆けつけて大変だった。予約を忘れて買えずにいたので、あちこち探す苦労を思えば、確実にありそうな所で決着させた方がいいと学んだ。もう10年も前のこと。
結局、iPhoneは次の日の土曜日に表参道へ朝から出かけて16GBの白を買うことができた。その日は8GBのみ販売ということにも納得して並んでいたのでびっくりしたけれど、状況は刻々と変わるらしい。契約を終えて店を出たのが昼。猛暑。
手続きはいろいろ大変だったけれど、私にとっての重要事項「しゃべるお父さん犬ストラップはもらえるんですね?」の確認は怠らなかった。ところが、最後に紙袋を手渡された時に「犬、入れてもらえました?」「あ!」と危うく忘れられそうだった。でもあの混雑状況ではしょうがないな。白い犬ストラップはファービーに比べて動かないけれど、ちゃんとあの低い声でしゃべるのがかわいい。
実際iPhoneを使ってみると、自宅のMacとの同期作業が頻繁になる。そこでMobileMeで自動的にプッシュなんだろうな。でもまだ設定せず。だんなさんには「ほとんどゲーム機と化している」と言われている私のiPhoneだけれど、一日の中でこんなに携帯電話に触れている時間が多いのはiPhoneがはじめてだ。
Macでアプリを探せる便利さ、と購入の手軽さはすごい。今までの携帯アプリって買いに行くまでにいくつもの画面を通らなくてはならなくて、途中でやめちゃったりしてた。iPhoneではプリペイドのiTunes Cardを買っておけば、チャリっと買える。プリペイドなので使い過ぎ防止にもなっていい。
・装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>
「やさしいデザイン」誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
エムディエヌコーポレーション発行 インプレスコミュニケーションズ発売
< http://www.mdn.co.jp/content/view/3983/
>
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■気になるデザイン[16]
ヌ、ヌレバイ? それって何なの!?
津田淳子
< https://bn.dgcr.com/archives/20080722140300.html
>
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世の中では近年、大人の社会科見学がブームですが、私も日々、いろんな現場を見学させてもらっている。これがすごくおもしろい。
私は、『デザインのひきだし』というデザイナーの方にむけた、デザイン/印刷/紙/加工に関する媒体を作っているので(他にもデザイン/印刷関連の本をつくっていますが)、お陰で印刷や加工の現場取材をさせていただくことが非常に多いのだ。
本で読んで知識は得ていても、やはり現場に伺うと、どうやってそれが印刷されているのか、加工されているのか、そしてどんなところがキモなのか、ということを直接見せていただけるので、毎度毎度、大変に勉強になる。百聞は一見に如かず、とはまさにその通りですな。
今年になって見学させてもらった現場は、うーん、ちゃんとは数えてないけど20〜30カ所は伺っているはず。
現場ではその作業を見て「おぉー!」とか「すごい!」とか感動しているわけですが、もうひとついつも「へぇー」と思って伺うのが、それぞれの現場/業界で使われている「業界用語」だ。
前号の『デザインのひきだし』では、紙の型抜き現場をいろいろと突撃させていただいたが、最初はもう何が何だかよくわからなかった。だって「うちはビクだよ」とか「トムソンやってます」とか、「ブッシュやってるところは少ないからなぁ」というのから始まって、「ピナクルだと細かいものが抜けるよ」とかいろいろ教えていただいても、うー、それってなんなんっすか!?(これらが何なのか知りたい方は、最後に簡単に説明を付けておきますのでご参照ください。もっと詳しく知りたい方は、『デザインのひきだし4』をご覧くださいまし)
こういう業界用語/専門用語を使っている現場の方々を見ると、「かっこいい」と思ってしまい、ちょっとうっとりする。これってなんでなんでしょうか(笑)
それ以外にも、ファンシーペーパーを作っている抄造(しょうぞう:紙を漉く)現場に伺った時に聞いて印象的だったのが、「色はヌレバイですから」というもの。「ヌレバイ」ってなんなんっすか?
実はこれは、紙は濡れているとき、乾いたときの倍くらい濃い色だ、ということを指す言葉だそうだ。抄造工程では、紙の原料であるパルプは水と合わさっているので当然濡れている。色紙を作るときはそこに染料などを入れて色付けするが、パルプと水が合わさった状態で色を付けても、それを乾燥させると、本当に色が薄くなってしまう。
この現場に伺った時には、何枚か色を付けさせてもらったのだが、パルプの状態ではけっこう赤くても、それを乾燥させるとピンクになって、なるほど確かに「濡れ倍」ですな、と思ったものだ。ちなみにいい気になってどんどん染料入れて濃い色をつけたら、なんだかすごくきたない色の紙ができてしまったのはご愛嬌。
出版/印刷業界の専門用語としては、ゲラとかルビとかドブとか、知らない人にとっては「なんだそりゃ?」という言葉がいろいろあるが、調べてみると他の業界にもいろいろな専門用語があるもんですな。
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=20862882
>
いやぁ、これからもどんな専門用語が聞けるのか、そしてそれを話すかっこいい現場の方にどれだけ出会えるか、楽しみ、楽しみ。
※ビクというのは「ビクトリア打ち抜き機」の略。基本的に一枚ずつ紙を打ち抜き機に入れて型抜きする方法。
※トムソンは、ビクなど平打ち抜き機で使用する「刃型」のこと。木の板に刃を埋め込んだもの。なぜ「トムソン」と呼ばれているかは、調べたけれど諸説あって、真相はわからずじまい。ご存知の方がいらっしゃったら教えて下さい。なんか「トマソン」を思い出してしまいます。
※ブッシュは、ビクと違い、何枚も重ねた紙の束を鋳型の刃で一気に型抜きする方法。トレーディングカードとかトランプとかはこれで型抜きされていることが多いようですな。
※ピナクルとは、平打ち抜き機で使う刃型の一種で、トムソン刃と違って、一枚の金属を腐食して作られた刃型のこと。
【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp
蛍光色の掛け合わせ、2度刷り、OPニスの有無など、必須の印刷見本を、4種類の用紙に各々印刷した、蛍光色見本帳の決定版「標準 印刷見本帳1 蛍光色×CMYK×マット/グロスニス編」が好評発売中です!
他に最近作った本は『デザインのひきだし vol.5』『デザイン事務所の封筒・名刺・ビジネス文具コレクション』『しかけのあるブックデザイン』など。
< http://www.graphicsha.co.jp/
>
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■電子浮世絵版画家の東西見聞録[44]
この季節はジャムづくり
HAL_
< https://bn.dgcr.com/archives/20080722140200.html
>
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●BlackBerryとは
iPhoneに対抗する………訳ではなく。「BlackBerry」と言っても、欧米のビジネスマン向けのスマートフォンのことではありません。
< http://ja.wikipedia.org/wiki/BlackBerry
>
ではなく
< http://ja.wikipedia.org/w/index.php?oldid=20143300
>
の方のお話。
ブラックベリーはバラ科キイチゴ属のひとつで、キイチゴ属には日本では有名なラズベリーとブラックベリーの二種類があります。ラズベリーは真っ赤な実がなりますが、ブラックベリーはその名の通り収穫時には真っ黒な実に見えます。この色は、もの凄く濃い赤紫で、完熟したものを収穫した時には手が赤紫色に染まってしまいます。白いシャツなど着て収穫すると、完全に染み付いてしまうので要注意です。
花はソメイヨシノよりも濃いめのピンクで、五弁のとてもかわいらしいものです。この花からあのような実が収穫できることなど想像も出来ません。人智の及ばない神の叡智のなせる技です。4月の終わりから花を咲かせはじめ、6月頃から徐々に実の収穫が出来るようになります。灌木で冬の寒さに強く、手入れはほとんど必要ありません。ほったらかしておいても実がなるので、我が家ではフェンスに絡めています。
実がなりはじめる頃梅雨に入ります。雨が長く続くと、色づきはじめた実が白く腐ってしまいます。雨は降る時に降って、あとは暑い日が続く、今年のような季候では白くなる実も少なく、花の数だけ実を付け、収穫は多くなります。完熟には高温多湿の時期が必要らしいのです。
ブラックベリーとの出会いは7〜8年前。裏の公園の中に木イチゴらしい花を見つけ、毎日のように観察していました。次第に赤い実が育ち、その後、誰も採る様子もない真っ黒に完熟した実ををちょっとだけ採り、お味見してみました。その実を元にインターネットで調べ、これがブラックベリーであることを知りました。
●ブラックベリーの収穫
もともと植物には興味があり、挿し木でも育つかなと思い、ブラックベリーの枝先をちょっといただいて持ち帰り、植木鉢にさしておいたのですが、手も掛からずにすくすくと育ち、その年のうちに枝葉をどんどん伸ばしていきました。ある程度大きくなったので、直径40cmほどの大きめの鉢に植え替えたのですが、ほおっておいたら鉢底から根を張り、しっかり地植えのごとく育ってしまったのです。ほんの数十個の収穫だった、その二年後には立派な実が、山のように採れるように育ちました。
花が落ち、青い実がふくらみ、はじめは赤い色になってきますが、あっという間に黒くなります。青い果肉は酸味が強く渋みもあり、ちょうど青梅(あおうめ)のような味がします。意外に青臭い味はないのです(それなりに美味しいかも)。真っ黒になった実は、完熟すると収穫です。指先でちょっと押さえなければ取れないくらいのものは、種が大きく口に含むと種ばかりが気になって、食用になるとは言い難いものです。
7月から8月にかけて次々に成熟し暗褐色に色付き、収穫の季節になります。収穫する実は、完熟すると手で触れただけで枝先からポロッと掌に落ちてきます。そのようになった実は、口の中に入れるとトロッととろけて喉に流れ落ちます。すこし堅そうな実は、自然な酸味と甘みが口の中にはじけますが、果肉の中にあるゴマの二つ分位の大きさがある種が、口中にたくさん残ってしまいます。
色づき甘みが増した実は少しずつ収穫し、さっと水洗いし冷凍庫に保存しておきます。ある程度たまったら、解凍しフードプロセッサーで形を崩します。どうしても種が残るので、粗めの網で種を濾過します。ネット検索すると種子の少ない品種もあるようなのですが、我が家の品種は原種に近いのでしょうか、早く収穫しすぎると種子が大きくて口当たりが悪いのです。
●ジャム作り
1)ブラックベリージャムこの種子が邪魔なブラックベリー、とにかくこの種子を濾し落としてしまうことが先決です、フードプロセッサーはまわりの果肉をつぶすくらいの感じで使い、網で濾すのですが、この作業がまた大変です。我が家では濾すための網として味噌こしを使います。もう少し手頃な大きさの網の目があると良いのですが、とりあえず家にある物を道具としています。
次にすっかり種子を取り除いたソースを煮詰めていきます。煮詰めていくとアクが浮いてくるので、こまめに取ることが必要です。鍋の中は真っ赤で、この状態でもう何のジャムなのか分かりませんね。お砂糖の量はブラックベリーの半分以下です(1kgに対して400g位)。ジャム作りは種子を採るのが面倒なだけで、あとは非常に簡単なものです。今年はちょっとだけ新しいことをと、レモンもしぼって入れてみました。
ブラックベリージャムは煮詰め具合でやわらかくなり、ジャムというよりソースといった感じの仕上がりになることもあります。作ったジャムやソースはヨーグルトに入れたり、パンに付けたりと様々に利用できます。爽やかな酸味と香り、そして深紅の色が持ち味のジャムが完成します。そして、残った種なのですが、まだまだ回りにゼラチン質状のものがまとわりついています。今年はこれもまた利用できないかと画策中です。
ついでにジャム作りをもう一本。
2)うめジャム(南高梅)
完熟した南高梅が安く手に入った時に、梅シロップかな、梅干しかな、と考えていたのですが、はじめての試みとして、梅ジャムを作ることにしました。梅は種まで割って中の明神様まで入れて、風味豊かなジャムとしてみました。
まずアク抜きのために梅を水につけ、翌日水を取り替えまた一晩つけます。鍋に梅を入れ水はひたひたで火にかけ、果肉がやわらかくなったら種からはずします。皮が気になる口当たりかもしれないので、ていねいに裏ごししました。
次に、ほうろう鍋かステンレスの鍋に入れ、砂糖を三回ぐらいに分けながら加え、好みのやわらかさと甘みになるように煮詰めます。ここで、種の中の明神様も入れていきます。出来上がったジャムはジンジャーティーにちょっと加えると、この梅雨の時節、お腹に優しく身体を温める飲み物になります。
どちらのジャムも煮沸して空気をぬき、瓶詰めすると完成です。こうしておくと、常温で保存可能になります。もちろん瓶もジャムを詰める前に煮沸滅菌しておかなければなりません。
ブラックベリーの花
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まだ青い果実
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色づきはじめ、収穫はもう少し
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最盛期、一日の収穫量
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中の種子を濾す作業
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煮詰めていく
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瓶詰め
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南高梅のジャム
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◇ZietZ LIVE
7月25日(金)「EIZONE2008」メインスポット、横浜赤レンガ倉庫での開催が決まりました。定例のApple Ginzaライブは予告通り8月29日(金)です。赤レンガ倉庫、銀座アップル、どちらも入場無料となりますので、お時間のある方は是非ご来場下さい。会場内のインターネット放送局「EIZONE STATION」にもばんばん登場します。
EIZONE2008
< http://www.y-eizone.jp/index.html
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Sound Drawing LIVE Vol.008
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール
日時:7月25日(金)16:30〜17:00
イベント問い合わせ TEL.03-3481-7920(ヨコハマEIZONE事務局)
その他、EIZONEでは携帯電話の壁紙時計を作るワンデイワークショップも開始しておりますので、是非ご参加下さい。詳細は下記「ワンデイワークショップ」サイトで。
< http://www.y-eizone.jp/workshop/index.html
>
【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
Web < http://homepage.mac.com/HAL_i/
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Web < http://lohasfood.exblog.jp/
>
Web < http://Web.mac.com/hal_i/
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■イベント案内
ヨコハマEIZONE2008
< http://www.y-eizone.jp/
>
< https://bn.dgcr.com/archives/20080722140100.html
>
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ヨコハマEIZONEは、デジタル映像・アートを中心に最先端の映像表現を発信するフェスティバルです。エンタテインメント・アート・テクノロジーなどを切り口に、アニメーションからインタラクティブまで多彩な作品の展示・上映をおこないます。開催期間中はトークショーなど様々なイベントが連日開催され、家族連れから専門家まで「映像の今」を体験・体感していただけます。(サイトより)
会期:7月24日(木)〜7月29日(火)11:00〜20:00 会場によって異なる
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館2階、東京藝術大学大学院映像研究科 馬車道校舎/新港校舎、ZAIM、創造空間 万国橋倉庫、放送ライブラリー、ほか
入場料:無料
主催:ヨコハマEIZONE実行委員会(横浜市/NHK横浜放送局/財団法人横浜市芸術文化振興財団/株式会社NHKエンタープライズ)
共催:東京藝術大学大学院映像研究科
●「ヨコハマEIZONEショーケース」最先端映像の上映・展示
< http://www.y-eizone.jp/showcase.html
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< http://www.y-eizone.jp/geidai.html
>
会期:7月24日(木)〜7月29日(火)11:00〜20:00 最終日18時
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館2階 東京藝術大学大学院映像研究科 馬車道校舎/新港校舎
●「ヨコハマEIZONEショーケース・セッション」
< http://www.y-eizone.jp/event_akarenga.html
>
参加クリエーターや団体によるトークやライブの競演。
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3階(一部は2階シアター)
各回定員150名 入場無料 先着順 30分前より受付開始
●「ヨコハマEIZONE・デジタルワークショップ」
< http://www.y-eizone.jp/zaim.html
>
コンピュータを使ってデジタル映像を創る 参加は事前登録制
会期:7月24日(木)〜7月28日(月)
会場:ZAIM(横浜市中区日本大通34)
●関連イベント
< http://www.y-eizone.jp/event.html
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創造空間 万国橋倉庫、放送ライブラリー、ブリリアショートショートシアター そのほか
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■編集後記(7/22)
・「幽」Vol.9(メデァファクトリー)を読む。特集は「山の怪談」である。この号で、夢枕獏との対談、怪談巡礼団の案内役、そして座談会と、フル回転の安曇潤平さんは山男で山の怪談作家である。この人の連載する「山の霊異記」という怪談はこわい。バックナンバーも読み返し、こんな恐ろしい目に遭うかもしれない山なんて、絶対行くもんじゃないと思うのだが、もう山登りする体力ないから安心だ。とくにこわいのが、単独行で山中(あるいは他に誰もいない幕営地)にテントを張った夜というシチェーション。たとえば、真冬の北アルプスN岳、H小屋付近でテントを張る。午前2時30分、雪を踏みしめる足音が近づいて来る。突然、大きな音とともに、大きく開いた人間の両手の形でテントが内側にふくらんで、グランドシートからは人間の顔の形が浮かび上がって来る。テントの生地は伸び切って、破れる寸前、手に触れたヘッドライトでその顔を照らすと異様な声とともに怪異が去った。たとえば残雪のK沢岳、異常な寒さに目をさますと、テントの外で雪を踏む音がして、若い女が救助を求めに来た。ひとつのシュラフに入って裸で抱き合い、体温の低下を防ごうという提案に応じた女の、驚くほど妖艶で魅力的こと。邪心を持たずに朝を迎えられるか自信がないと思ったとき、テントのそばに落雷。気がつくと女の姿はなく、自分は上着を脱いで上半身をテントの外の雪の上に投げ出していた。そして、Vol.9に掲載された「真夜中の訪問者」、これは超絶の怪談だ。道志N岳7合目付近の登山コースをはずれた山中。午前2時、今までテントの外で聞こえていた虫たちが突然鳴き止んで、山が完全に静寂に包まれたとき、何者かが近づいて来るカタ…カタ…カタ…という音。そいつはテントの回りをゆっくり三周して、テントの入り口で突然止まった。悲鳴を喉の奥で懸命にこらえ、目を見開いて闇を見つめる、そのとき─。ああ、おそろしくてその先は書き写せない。いま鳥肌が立っている。この怪異の理由は翌朝判明する。ますますゾーッとする。読まなければよかった。─やはり寝苦しい夜になった。(柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001ASWEUK/dgcrcom-22/
>
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・先週火曜日に毎日新聞の勧誘について書いた。ここ数日、お試し朝刊が配達されている。一週間という期間なのに、問題の英文サイトについて、一面と特集面を大きく使っての調査報告、背景、おわび、今後の対応についての記事があって、偶然読めてしまった。事実関係がとてもわかりやすく書かれてあり、真摯な対応だと思った。女性記者からの忠告、海外からの苦情メール、今年に入ってからの国内からの苦情メールを大きく考えず対応しなかったことを悔やんでいる、というところは、とてもよくわかる。自分にも思い当たることはある。前兆のようなもの、小さなつまづきを見逃すと大きな波紋になってしまう。胸が痛い。有識者のひとり、吉永みち子さんの、おわびすべき時に被害者のようにふるまったことは反省するべきだ、という苦言を読んで、読者の視点に立てる有識者がいて良かったなぁと。女性からの視点がなかったから編集長を女性に、という対応策はどうかなぁとは思いつつ。男性から見てもひどいとわかっていたわけだし、数合わせのように入れられるのは私ならいやだなぁ。まぁそういうこと多いけどさ。チャンスと見て活かしてくれはったらいいなぁ。/掲載内容は詳しく知らなかったが、調べてみるとひどすぎる。途中で読むのはやめた。米州機構の反人身売買レポートに記事が引用されていたとかの話も。なぜ食品関連企業のように記者会見をしないのか、という意見もあった。(hammer.mule)
< http://www.mainichi.co.jp/home.html
>
おわびと調査結果。新聞PDFも見られる。
< http://www.mainichi.co.jp/20080720/0720_07.html
>
吉永みち子さんの
< http://www.mainichi.co.jp/home.html#02
> 女性編集長
< http://mdn.mainichi.jp/
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掲載内容がひどくて詳細な説明ができないところは日英同じ
< http://www.suzaku-s.net/2008/07/man_hunter_mainichi.html
>
< http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/07/52oas_d3a8.html
>
ひぇー。こりゃ低俗記事ではおさまらないわ
< http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/07/53_5802.html
>
食品業界にたとえると。後記書くのすら怖くなってきた
< http://www8.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/33.html
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いかに新聞というものの信頼性が高かったか