電子浮世絵版画家の東西見聞録[47]WebTVライブ放送のMC体験
── HAL_ ──

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●Stickamって、面白い

先月の末、「横浜EIZONE 2008」の中でのライブ放送「EIZONE STATION」は、ジョイントワークスがStickamとローランド協力のもとに行った実験的WebTVです。このシステムを用いれば、インターネット上で簡単にパーソナル放送局を作れます。放送局とはいっても、映像や音声を垂れ流すだけではなく、テキストチャットを利用し、視聴者を巻き込んだ相互通信をしながらライブ放送が出来る、非常に面白いシステムです。

これは、インターネットに繋がったパソコンとWebカメラさえあれば、簡単に参加型個人テレビ放送局を作りライブ発信することが出来るシステムです。さらに、そのアーカイブもネット上に残せるので様々な活用が考えられます。個人で自分の作品発表の場を作ることが出来ることから、若手のお笑い芸人さんやアナウンサーを目指す人が情報発信するとか、ファッションショーを生中継してしまうとか、「EIZONE STATION」のようにイベントをそのまま発信するなど、手軽にできます。



そして、面白いのはアーカイブにもテキストチャットの内容が表示されるので、そのテキストと相互性を楽しむことも出来てしまいます。キーステーションを設定しておき、他にノートパソコンを一台持てば、無線LANを使って様々な場所からの中継さえも可能になるのです。

「EIZONE STATION」では、赤レンガ倉庫から離れたZAIMで行われていたワンデイワークショップを中継したり、子供エイゾーンステーションを体験学習したりと、様々な実験的な放送を行いEIZONEのトップページはもちろん、Stickamのトップページでも公開し、6日間で2万アクセスを超え、Sitckam.jpでのトップランキングを勝ち取りました。

EIZONEは夏の横浜目玉イベントです。体験型の映像祭で、最先端のアニメーション・CGなどのデジタルコンテンツを発信しています。今年で3回目になりますが、EIZONEは前身にクリエイティブフェスタというイベントがあり、私はその時からお付き合いをさせていただいています。様々な団体、企業、学校の作品が赤レンガ倉庫一号館に集結し、とても一日では見終えることが出来ない数の、見応えある展示や上映を行っています。

その中で「EIZONE STATION」は、会場からイベントの様子やクリエイターのトークステージなど、リアルタイムで発信するジョイントワークスとStickam Japan !の運営によって展開された、視聴者も参加できるインターネット放送局です。

●へなちょこパーソナリティー体験

「EIZONE 2008」期間中、ワンデイワークショップ講師の他に、「EIZONE STATION」ではパーソナリティーとして登場させてもらいました。これまでのEIZONEではゲストとしての出演で、MCの進行に流れを任せ、頭に浮かんだことをそのまま口にしていれば良かったのですが、ゲストを招く立場に立ち、話を進行していかなければならない状況は、考えても見なかった難しさを痛感する羽目になってしまったのです。

クリエイタートークステージでは、明和電機、ラジカル鈴木、foolish fish、Pマン、久多@麩羅画堂、YOUCHAN(敬称略)等々、その他数多くのクリエイターを招きました。私は、裏方とクリエイタートークステージのパーソナリティーとして参加させてもらい、あまり出番はないと思っていました。しかし、スケジュールの変動する現場です。何があるか分かりません。のんびり観客側に回っていたら、急遽ロバート・ハリス氏とのトークを任される事になってしまったのです。

ロバート・ハリス氏はFM放送J-waveのパーソナリティーとしてFMラジオというメディアの面白さを引き出した人で、最近では旅行記の執筆活動、さらにはアート活動にも興味を持たれているとのこと、本領のパーソナリティーは私の及ぶところではありません。放送前の30分間くらい様々な話をし、情報を収集して臨もうと思ったのですが、本番になると、いや、もう、どうしてよいのやら。

放送開始。はじめに「横浜赤レンガ倉庫一号館、エイゾーンステーションからお送りします」の定形文を言わなければならないのですが、その文章をへなちょこな私の口が廻らず、何を言っているのか分からない状態におちいってしまいました。いきなりスタートにつまずいてしまった私の脳は、何とか修復しようと口を動かすのですが、しどろもどろ。

一度落ち着きをなくしたとたん、全身の血中ヘモグロビン値が上昇し、取り込んだ酸素が活性酸素となり脳細胞を傷つけはじめ、さらに余計なことを口走り、ハリス氏の流ちょうな話にまで茶々を入れ、はじめは微笑していたスタジオ内スタッフも嘲笑を通り越し、困惑し、表情が硬くなり、会場の観客達の発する悪態は大きなウェーブとなり、私をめがけて襲ってきたところをここでくじけてなるものかと、サーフボードを持ち出して上手く切り返し、騒然となった会場をのろのろと進み始めた所へ、紙つぶては飛ぶは、椅子は飛ぶは、机はひっくり返るは、最後には火炎瓶までが投げつけられ、それを両手で受け止めた私はカリビアンダンサーさながらそれを振り回し、ロバート・ハリス氏が奏でるガムランのリズムと共に旅に出るのでありました。
< http://www.stickam.jp/video/178307078
>

・ジョイントワークス
< http://www.jointworks.net/
>
横浜・神奈川を拠点に、デジタルコンテンツ制作会社・SOHO・クリエイターの活動支援やネットワーク形成を行う。クリエイティブ系イベントの運営サポート、デジタルワークショップ等もおこなう。

・Stickam Japan!
< http://www.stickam.jp/
>
スティッカムはPCと通信環境、WEBカメラ(PCに出力できるDVカメラ)があれば、無料登録だけで誰でも簡単にライブ配信ができるサービスです。遠くのお友達とのビデオコミュニケーションや、自分の放送局を作って番組を配信したりできます。また、他の人の配信を見て、配信者と気軽にコミュニケーションをとることができます。テレビとは一味違った、リアルタイムの双方向コミュニケーションをやってみよう!

●ロバート・ハリス氏とスナフキン

クリエイタートークステージ前に、ロバート・ハリス氏に名刺を出したところ「ボクはカードを持たないので」と、幼少時代の彼の写真をポストカードにしたものを取り出し、表面に携帯電話の番号を書き込み「代わりにこれを」と渡してくれました。この写真は彼の3才か4才の頃のもので、白楽にある実家の洗面所の中のおまるに座って、アラジンと魔法のランプの絵本を読んでいる写真で、幼い頃の自然なかわいさがにじみ出ています。

ロバート・ハリス氏は、終わりなき旅路・イタリア編として「知られざるイタリアへ」を東京書籍から出版したばかりで、その本をバッグから取り出して見せてくれました。パラパラと本をめくった中で目に留まったのが、プロローグに「スナフキン」と書いてあるところでした。このスナフキンはもちろんムーミン谷のスナフキンで「なぜスナフキンなのですか」とお伺いしたところ、僕の心の中にはスナフキンのような存在があり、常に人生を旅している自分を目指しているとのことで、外して見せてくれた彼の指輪の内側には、芝生の上で寝ころび空を仰いでいるスナフキンが浮き出ていました。

●セロリの梅味きんぴら

さて、さて、そんなロバート・ハリス氏のイタリア紀行に合わせて、今回はイタリアンテイストの料理をご紹介していきます。はじめは、セロリの梅味きんぴらです。料理名はイタリアンというより和風な感じがするのですが、オリーブオイルを使ったところがイタリアンテイストということでご勘弁を。使用食材はセロリ2本、梅干し1コ、大葉2枚、オリーブオイル大さじ1です。

セロリは筋を取り千切りにして。梅干しは種を抜きペースト状にしておきます。フライパンにオリーブオイルをひき、梅ペーストを炒め、セロリを加えて、しゃきしゃきした食感が残るように炒めます。最後に、千切りにして水にさらしておいた大葉を散らして完成です。この料理は、さっぱりしたオリーブオイルとセロリの軽やかな風味と歯触りの良い食感、それに梅の爽やかな酸味がマッチした、じめっとした日本の夏を吹き飛ばしてくれる爽快感のある一品です。

・セロリの梅味きんぴら



●桃とレタスと生ハムのサラダ

さてもう一品、今が美味しい山梨産の桃とレタスと生ハムのサラダです。セルバチコのほろ苦さと、さわやかな香りがとても美味しいサラダです。

セルバチコはイタリアの野菜で、ルッコラの原種らしく最近では時々、スーパーの野菜売り場でも目にするようになりました。今回使った物は、わがやの庭先に栽培しているもので3年ぐらい前に園芸店で苗を購入したものです。かなり強い植物で一度植えておくと次々に増えていくので冬場を除き、ちょこちょこ食卓に登場します。

調理は簡単、桃を適当な大きさに切り分け、レタスと生ハムと共に器に盛りつけます。その上に庭から採取したセルバチコをそえるだけ。セルバチコがなければルッコラをちぎって載せても良いでしょう。ドレッシングは特別なものではなく、レモンを搾り塩とオリーブオイルとブラックペッパーをかけるだけ。これで最高の風味を引き出すことが出来ます。この時期お薦めの料理です。冷たく冷やしたスパークリングワインなどと共に、爽やかな晩餐はいかが。

・セルバチコ
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【HAL_】横浜在住アーティスト hal_i@mac.com
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