[2523] グリーンは部屋を救う──ハイドロカルチャー

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<するか、しないか、選択はその二つしかない>

■装飾山イバラ道[23]
 グリーンは部屋を救う──ハイドロカルチャー
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[2]
 初心者向けデジカメ入門:第1回
 カメラを選ぶ《その1》何が撮りたいのか?
 おかだよういち

■ローマでMANGA[13]
 プロになる人、なれない人
 midori


■装飾山イバラ道[23]
グリーンは部屋を救う──ハイドロカルチャー

武田瑛夢
< https://bn.dgcr.com/archives/20081028140300.html
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涼しくなって季節の衣替えをする。ついでに部屋を片付けたら、殺風景さに気がついた。白い壁側はテレビと中途半端な棚、全く使っていないハイチェア。椅子だけは妙にたくさんあってスッキリもしていない。

参考にインテリア雑誌を見ると、かっこいいグリーンが部屋のポイントになっている。最近は人工の観葉植物でも光触媒で部屋の空気をクリーンにしてくれるものがあるし、フェイクでも良いなと思って探し始めた。

光触媒の造花は白いカサブランカのものを持っている。白い造花はどんなへやにも合って素敵だけれど、ホコリがたまりやすいし汚れたら雰囲気も台無しなので光触媒加工のものがお勧め。本当にホコリがつきにくいし、少しくすんだ程度なら逆さまにしてパパッと振れば綺麗になってしまう。造花はバスケットタイプで小さいので、空気の浄化についてはいまいち実感はない。

ただ造花の悲しいところは、世話いらずなので置いた場所に一旦なじむと溶け込みすぎてしまうことだ。そこにあるのを忘れてしまう。デパートの屋上への階段の踊り場でホコリをかぶって忘れ去られている人工グリーンのように。

どんなに小さくても本物の植物なら、状態を気にする癖がつくのでコミュニケーションがある。小さなコップに挿した本物の葉っぱのかわいらしさは、ゴージャスな造花に負けない。生きているかいないかの違いは大きい。

私にとっての生きた観葉植物の入門編は、下北沢のグリーン店で高さ20センチサイズのサトイモ系のものを、2つ目は大学でもらったオリヅルランの子株を自分でグラスに植えたもの。育てやすいものでないと、結局かわいそうなことになるので扱いのやさしいものからスタート。

いろいろ探した結果、3つ目は本物の大きなモンステラを買った。ホップ・ステップ・ジャンプの最後で突然無茶をした感じ。夏がとっくに終わって時期を外している気がするけれど、寒くなる前に購入しておこうと思った。観葉植物の生産地の鹿児島から直送してもらう。高さ1メートル20センチを超えるタイプ。テーブルグリーンはかわいいけれど、いくつ並べても大きな変化はない。このさい、インテリアとして部屋に変化を与えるパワーが欲しかった。緑に頼ったのである。

生ものと冷凍食品が届く時はいつも必ず家にいるけれど、植物の場合も確実に家にいる時間を指定した。鹿児島からやっと届くのに、うっかり不在で配送センターに逆戻りはさせられない。到着時間になると、ガラガラと音を立てる台車に乗ってモンステラは長旅を終えた。段ボール箱は目線の高さはある大きなものだ。

箱の外側には、天地の指示や絶対に倒さないようになどの注意事項がうるさいぐらいにマジックで書いてある。中には、陶器製の鉢に植えられた生きた植物が入っているのだから、気をつけて運んで欲しいという生産者の想いが伝わってくる。

開けてみると、これまたがっしりと固定された鉢とソフトにビニールでまとめられた葉のモンステラが入っていた。植物や花は梱包の手間にかなりの神経を使うものなんだな。私は額縁などの梱包はよくするけれど、これを見ると植物を自分で送るのは自信が持てない。今回は無事に届いて良かった。

慎重に梱包を外して壁際へ置いてみる。スマートでなかなかの雰囲気だ。少し葉っぱの数が少ないけれど、これから増えるだろうか。

・モンステラ
< http://www.eimu.com/dgcol/mon1 >
拡大(640×480)
< http://www.eimu.com/dgcol/mon2 >

iPhoneで写真を撮ってみる。サイズは手前に置いてあるジョーバとの比較でおわかりいただけるだろうか。部屋がスッキリしない理由が、こういった電気製品のせいでもあることに気づく。むしろサルの方が目につくのかも? しかし、モンステラのおかげで部屋に有機的な変化がついて良かった。

モンステラというのは、ラテン語で「怪物」という意味を持つモンストラムという言葉から来ているそう。モンスターってことでしょうか。うちに来たものにも葉のやぶれがあるけれど、もっと大きなものだと本当にオバケのように迫力がある。私は上にボリュームがある形が好きなようで、オーガスタなども憧れだ。しかし、モンステラの方が室内の明るさ程度で耐陰性、耐寒性があるというので選んだ。

私の観葉植物はすべて、「ハイドロカルチャー」という水耕栽培のものだ。土を使わずに、セラミスやネオコールというような人工の石の粒のようなものを入れてある。この粒は粘土を焼き上げて発砲させたものや炭のようなもので、保水効果があり水やりの回数が少なくて済む。なにより清潔だ。

土は栄養豊富で植物には良いけれど、どうしても虫の発生などがありそう。私は超がつくほど虫が嫌い。土のように有機物が豊富ということは、絶対に「何かいる」感じがするのだ。実際にいるし。

ハイドロカルチャーの利点はたくさんあるけれど「鉢底に穴がない」というのも良いところ。水が容器の中にたまるようになっている仕組みで、底からの水のしみ出しがないのでリビングにも安心して置ける。

もしかすると、今以上に大きく育てるには、ハイドロカルチャーのままでは無理かもしれない。様子を見ながら鉢を変えていこうと思う。身長を超えるサイズになるだろうか。なんといっても、まだ観葉植物は3つ目だし、冬を越えたこともない。うちの母はベランダが鉢だらけでいつも注意していたけれど、自分もそうならないようにセーブしよう。

【武田瑛夢/たけだえいむ】 eimu@eimu.com
ノートパソコンを運ぶリュックを新しくしたら、重さの感じ方がぐっと減った。私のはだいぶ古い白いiBookなので、新しいMacBookだと軽そうでいいな。大きい方のProだと、せっかく買ったリュックに入らないだろうななどと思いめぐらす。

装飾アートの総本山WEBサイト“デコラティブマウンテン”
< http://www.eimu.com/
>

「やさしいデザイン」誰でもかんたん、レイアウト・配色・文字組
エムディエヌコーポレーション発行 インプレスコミュニケーションズ発売
< http://www.mdn.co.jp/content/view/3983/
>

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■おかだの光画部トーク[2]
初心者向けデジカメ入門:第1回
カメラを選ぶ《その1》何が撮りたいのか?

おかだよういち
< https://bn.dgcr.com/archives/20081028140200.html
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世界に類をみないカメラ大国の日本。これだけ多くのカメラメーカーがある国は他にはありません。

実際に、オリンピックやF1GPなどの世界のスポーツイベントで報道カメラマンが使っているカメラはほぼ日本製ですし、世界中の人が利用している写真Webサービス、flickrのCamera Finderで見ても世界中のユーザーが用いているのは日本製のカメラだらけです。
< http://www.flickr.com/cameras/
>

そこで出てくる贅沢な悩みが、「数あるメーカーの数あるカメラの中からどれを買えばいいの?」ってことだと思います。実際に、わたしも友人から「どれを買えばいい?」「何がオススメ?」とよく聞かれます。そこで今回から数回に分けて、カメラ選びのポイントを書いてみたいと思います。

何も知らずに、いろんなレビューや話題でイイと言われているカメラを買っても、自分の撮影スタイルと合っていないと、思ったような写真が撮れずに残念な思いをする事になってしまいます。

例えば、mixiのRICOH Caplio GX100コミュでのトピックで「子供達の野球の試合の写真を撮ったのだけどあまり綺麗に撮れません。どんな設定で撮ればいいの?」的な話題がありました。
< http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=32139277&comm_id=2001363
>

GX100はわたしも使っているお気に入りのひとつでとてもいいカメラです。しかし、オートフォーカスが遅いので、スポーツやペットなど動きの速い被写体はちょっと苦手。しかも、望遠側が72mmまでしかないので、遠くでプレーする子供を撮るには向かないカメラです。これはカメラの設定でどうにななる問題ではなく、買う時のチョイスを間違えている根本的な問題です。

この例のように、何が撮りたいのかをしっかり決めることが、カメラ選びでは大切です。何が撮りたいのか、漠然としててわからない場合は、普段の生活の中で、どんなシチュエーションで写真を撮りたいと思うかを考えてみるとよいかもしれません。パソコンを買う時と同じですね。単にネット中心で使うのであれば、そんなにスペックの高い高価なものは必要ないですし、画像や映像の編集に使うのであれば、高速で処理が出来るマシンが必要です。

コンパクトデジカメ、デジタル一眼レフを問わず、一台で全てのシチュエーションにおいて完璧で万能なカメラは存在しません。一眼レフは画質的に満足ですが、どこにでも気軽に持ち歩いていつも一緒に居るには大きすぎます。最初は楽しくても、だんだん持ち歩くのが億劫になり、せっかく買ったのに使う頻度が減るという話もよく聞きます。

いくらいいカメラを持っていても、シャッターチャンスにカメラを家に置いてきてしまってたら当然撮れない。だったら一眼レフより画質は落ちるけど、携帯電話でもいいから、小さなカメラを常に持っている方がいいかもしれません。

「とにかくペットをかわいく撮りたい。」とか、「子供の成長を写真に残したい。」とか、「友達と飲み会での楽しい写真を撮りたい。」とか、「ブログに載せる料理を撮りたい。」とか、「綺麗な風景を撮りたい。」とか、「日々のスナップを気軽に撮りたい。」とか、「ネットショップ掲載用の商品を撮りたい。」とか、「手軽にYouTubeにアップするムービーも撮りたい。」とか、「マリンスポーツでの写真を撮りたい。」とか、「あの子と仲良くなりたい。」とか、「友達の結婚式でステキな写真を撮ってプレゼントしたい。」とか、「とにかくおしゃれに決めたい」とか。それぞれ目的が色々あると思います。何が撮りたいかで、コンパクトデジカメなのか一眼レフなのか、また選ぶ機能などもおのずと決まってきます。

闇雲に画素数にこだわるとか、カタログに載っているスペックだけを選ぶ基準にするのはあまり賢い選択はできません。

デジカメが出てきた初期の頃とは違い、技術も機能もかなり成熟している今は、普通に使う限り既に充分な画素数に達しています。駅貼りのポスターくらいの大きさにプリントする事などあまりないでしょうし、プリントすらせずブログに載せるのが目的ならなおさらです。

デザインやボディーカラーなどの見た目で選ぶのも、もちろんアリです。でもせっかくですから自分の目的にあったカメラを選んで、いつも一緒にカメラと居て、いっぱい撮る事が楽しいフォトライフなのかなぁと思います。

という事で、次回はコンパクトデジカメとデジタル一眼レフとの違いについて書いてみたいと思っています。

【おかだよういち/デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.info/
>
okada@s-style-arts.com

週末は15年ぶりくらいの箱根に行ってきました。130周年の伝統ある富士屋ホテルで友人の結婚式。すべてに感動しました。

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■ローマでMANGA[13]
プロになる人、なれない人

midori
< https://bn.dgcr.com/archives/20081028140100.html
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●どこまで行くかな?

マンガ工房で応募した新人賞は、ようやく審査が始まったばかりだ。4人がどこまで行けるのか、オリンピックのフィールドにチームを送り出したサッカー監督の気分。優勝は狙えないだろうけど、世界でどこまで通用するのか……。

マンガ工房は、結果が出るまでひとまずお預け状態だ。学校では今年はパスという事になったしね。それで「日本の漫画市場へ殴り込み!」もお休みになって、このコラムで書く事がなくなってしまったわけではない。コミックスエージェンシーがある。

マンガ学校で体験留学生を東京に連れて行く機会に便乗して、いくつか企画をどこかに持ち込もうと計画している。それと平行して、イタリア出版社の来年出る「マンガの描き方」で新人達と付き合い、その双方から「プロになる人、なれない人」の違いをまざまざと見せつけられているのでその話を。

●答えは一つ

マンガを始め、手に職をつけて、自力で商売をして行こうという時になにが一番必要なのか。あるレベルの技術を身につけている事は、もちろん当たり前すぎてわざわざ断る必要もないこと。では、何が必要なのか???

何よりも必要な事は、ともかく手を動かすこと。

作品として他人に見える形にならなければ意味がない。

目に見える形に生産する事。

するか、しないか、選択はその二つしかない。

運命とか、才能とか、環境とかいろいろな要素もあるけれども、一番強い力は「やる!」という気概だと思う。

コミックスエージェンシーとして、企画をたてた。仕事に結びつく保証がない企画に対して、やってみると手をあげた彼女がいた。朝4時起きして取材に行って、写真を大量に撮り、下書きをし、一緒に構成し、構成を直し、だいぶ形になった頃、この企画には水彩が合いそうだと話がまとまった。

彼女は水彩を使った事がないと言う。アクリルや他の絵の具は使った事があるわけだし、絵の素人ではないわけだし、心配ないよ、と知り合いの美術の先生が水彩の使い方を見せた。誕生日に、水彩と水彩画用紙をプレゼントした。ともかく見本を見せてと約束の日、提出した絵はマンガ家の彼が彩色したものだった。

サジェスチョンの後のやり直したレイアウトは、以前のやる気が消えていた。聞くと、プレゼントの水彩絵の具には手をつけてないとこと。彼女は「使った事のない道具」を前にして、前に進むのではなく、一歩後に引いた。「しない」を選んだのだった。企画はストップだ。

「する」を選び続ける彼がいる。マンガ学校を卒業したとき、点数は高くなかった。けっしてうまいとは言えない。やる気だけは満々。学校を卒業して4年、本を2冊出した。エージェンシー企画の作品に対し、やり直しを何度でもする。

「する」を半身で選ぶ彼女がいる。やり直しの要求に対して、下書きだからとか、具合が悪かったとか、言い訳をさんざんする。やり直しの要求をするのが億劫になる。するけれど。

全力で「する」を選び続ける彼女がいる。やり直しの要求に対して、一切のいいわけをせずにやり直す。速い。次の機会があったらぜひ一緒に仕事をしたいと思う。

「する」を選び続ける二人に共通するのは言い訳をしないことだ。サジェスチョンに対して耳を傾ける。後に引かない。常に上半身が前屈してる感じ。

「する」を選ぶ二人は言い訳をしないので、私生活の問題を私は知らない。半身の彼女と、「しない」を選ぶ彼女の問題や悩みは、ある程度知っている。ちょくちょく文句を口にするからだ。私生活に何の問題もなく生活している人はまずいないと思う。多かれ少なかれ、家庭内の問題や、経済の問題や、情の問題で悩むはずだ。

それを手を動かさない言い訳にするかどうか、制作に関する支障に対してUターンしてしまうか、乗り越える方法を探すか。性格も関わるけれど、その性格だって意識をすれば、その気があれば、変える事ができるはず。

自分を振り返ってみるに、20年前に小さな頃からの夢だった「マンガ家になる」が叶ったとき「しない」を選び続けて挫折した。2ページから4ページのエッセイマンガを描いていたのだけど、あるとき編集者が「8ページくらいのフィクションを描いてみませんか?」と次へ進む提案をしてきた。ネームを提出し、やり直し、とりあえず第一話が掲載された。

第二話のネームが進まなかった。やり直しを要求された。そこががんばりどころだった。でもアタマだけで考え、その考えは堂々巡りで手を動かさずにいたずらに時間が過ぎて行った。「第一話掲載から半年も経ったのでもう意味がありません」と編集者に断られるまで。

制作は、8時間仕事をしたからそれだけの結果が出るというものではない。アイデアが出るまでが苦しい。その苦しみを「しない」で背を向ければ、その時は楽になる。そして同時に「プロにはならない」という選択をそこでするわけだ。

「しない」を選択することが、必ずしも負けというわけではない。それが、今苦しみたくないための迂回ではなく、文字通りの選択であるならば意味がある。

今、外から「する」を選択する人と「しない」を選択する人が実によく見える。コミックスエージェンシーの話を持ちかけて来た学校の教務課長は、私の娘と言っていい年齢の女性で、「する」を選択する。私は娘に引っ張られて「する」を選択するようになって、とても気分が良い。

【みどり】midorigo@mac.com

まつむらさん紹介、吉井さんも絶賛したDropBoxを私も使ってみました。エージェンシーで一緒に仕事をしている教務課長にもソフトをDlしてもらい、彼女と同期。私が書いた記事を共通フォルダに放り込んでおくと、彼女がちゃんとしたイタリア語に直してくれます。彼女が直している間は、フォルダからその書類が消えているので、あっちとこっちで修正してしまう、という事態が起きないのがよいですね。
メールに添付でやり取りしてメーラーの中を増やさなくて済むし。とっても便利!!まつむらさん、ありがとうございました。

イタリア語の単語を覚えられます! というメルマガ出してます。
ん〜、最近手をつけてません。「しない」を選択したわけじゃないんだけど。
< http://midoroma.hp.infoseek.co.jp/mm/menu.htm
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■編集後記(10/28)

のぼうの城・ようやく和田竜「のぼうの城」(小学館、2007)を読んだ。発売当時から気になる本だったが、そのうちベストセラーになってしまい、へそ曲がりは一時読む気を失っていた。帯には「20万部突破」とある。この本について知っていることは、帯にある情報だけである。秀吉の軍勢が唯一落とせなかった城は武州・忍城、その城の総大将・成田長親。「領民から『のぼう様』と呼ばれ、泰然としている男。智も仁も勇もないが、しかし、誰も及ばぬ『人気』があった──。」史実として、秀吉の北条攻めの際、石田三成が忍城を水攻めするも人工堤が決壊して大失敗、というのは有名な話。その時、一体なにがあったのか、史実と創作が入り交じった歴史(娯楽)小説は本当におもしろい。登場人物がやたら魅力的だ。寄せ手の総大将・石田三成は誰に対しても傲慢、果断なまでの正義漢、ヘンに男らしい美意識が好ましい。大谷吉継は一番正しい(そういえばいままで読んだ本で、大谷を悪く言うのは皆無だった)。一番損な役は長束正家で、了見の狭さ全開でみっともない。忍城側は、いままで見たこともない変なヒーロー「のぼう様(でくのぼうの意)」をはじめ、頑固者の城代、当時でさえアナクロな豪傑たち、お調子者の侍大将、おてんば姫、辛辣で善良な農民たちなど、それぞれ容姿までイメージできるくらいいきいきと描かれている。城主らは小田原の北条のもとに行っているので、留守を任されたお城チームは城代の倅であるのぼう様・長親をトップにせざるを得ないが、その場の空気に斟酌しない馬鹿の大男は不戦の約束を反古にして戦うことを宣言、とうとう2万の大軍にわずか2千で立ち向かった。そして……和議、負けたのは三成。いや、おもしろい。まさに一気読みである。もっと早くから読めばよかった。読んでいてその場面が目に浮かぶ。こんなに容易に映像をともなう小説も珍しいと思ったら、第29回城戸賞を受賞、それをもとにした本作が小説デビュー作であると知り、やっぱりと思う。これは読む映画だ。文字によるマンガだ。ぜひ映画化して欲しい。得体の知れぬのぼう様の役は誰が演じるべきか。長束正家は悪目立ちするからおいしい役かも。(柴田)
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< http://www.hoshino-koubo.co.jp/process/process.html
>  おこしかた
< http://www.oymka.com/
>  天然酵母パンまとめサイト

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ホシノ天然酵母の焼きたてパンLESSON―からだがよろこぶたのしさとおいしさ (白夜ムック―白夜書房のレシピBOOK (No.170))
深本 恭正
白夜書房 2005-01
おすすめ平均 star
starいい本だけどレイアウト?編集がイマイチかと・・・。
star「ゴパン」(ご飯を混ぜたパン)は最高!
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star星3つですが、お薦めの本
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天然酵母のおいしいパン―好きなときにつくれて、材料も作り方もうんとシンプル 天然酵母でつくるお菓子―だから、自然の甘みがあって、体にやさしい。 「自家製酵母」のパン教室―こんなに簡単だったんだ!マイペースで楽しく続けられる ホシノ天然酵母のホームベーカリー・パンレシピ―じっくり発酵、小麦の旨味を引き出しておいしく焼く (MARBLE BOOKS―daily made) 毎日楽しむ天然酵母パン



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ホシノ天然酵母のホームベーカリー・パンレシピ―じっくり発酵、小麦の旨味を引き出しておいしく焼く (MARBLE BOOKS―daily made)
上田 まり子
マーブルトロン 2007-08
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star役に立つ素敵な本
star表紙が素敵!
starセンスのよさと実用性を兼ねた一冊

卵・乳製品ゼロのホームベーカリーレシピ―あじわい食パン・ふんわりおやつパン・もちもち米粉パン ホームベーカリーだからカンタン! 黄金の配合率でつくるはじめての天然酵母パン ホームベーカリーBook―おうちで焼きたてパン (マイライフシリーズ 694 特集版) 上田まり子のMKホームベーカリーレシピ ホシノ天然酵母の焼きたてパンLESSON―からだがよろこぶたのしさとおいしさ (白夜ムック―白夜書房のレシピBOOK (No.170))

by G-Tools , 2008/10/28